2000年国際スーパー陸上 2000年9月9日 国立競技場

五輪前の最後の大会となるスーパー陸上は、シドニーとの時差調整の意味あいもあって、思いのほかたくさんの外国選手が集まってくれました。おかげでかなり充実した大会になったようで、見てる側にとってもかなりおもしろかったのではないでしょうか。
しかし、そのなかでもやってくれたのが、ハンマー投げの室伏広治選手! 調子がいいときは、たてつづけに記録をだしてくる人なので期待はしていましたが、その期待をはるかに上回る出来にもうびっくりです。日本記録のみならず、80m以上を4回投げるなんて…。
ちなみに、アトランタオリンピックの決勝で80m以上を記録したのは3人だけ。つまり、80m=メダルといっても過言ではないくらいなのです。しかも、それを4回。6回のうち4回が80mオーバーなんて、金メダリストだってやってやしませんよー。
しかし、こんなにものすごいと、逆にシドニーでの本番が恐くなってしまいますね。今、こんなに絶好調で大丈夫なの?って。
でも、彼のすごいところは、自分が強くなるためにはどうすればいいかっていうことを、常に頭に置いてやっているところだから、きっとシドニーへの調整もきっちりやってくれると思います。
短距離陣では、若手(大学生)の台頭が目立ってきました。これまでは、調子の波はあっても、わりあいに強い人は決まっていたのですが、今回は、勢いにのってぐっと記録を伸ばしてきた人が多かったのではないでしょうか。400障害の為末選手なんかは高校時代から注目されてたけど、ここにきて、日本歴代3位(だったと思う)の好記録を出したし、100・200でもそういう感じが強くて、オリンピックを前に「世代交代」という言葉が頭のなかをちらついております。
ただ、それはものすごく喜ばしいことなんですが、私としては、今まで日本を引っ張ってきた方々に、もう少し頑張ってほしいのです。たとえば、朝原選手は、私に「日本記録の出る瞬間」を初めて見せてくれた人で、その瞬間の競技場の、半端じゃない盛り上がりを実感させてくれた人です。また、苅部選手は、今の現役選手のなかでは一番早く名前を知った人で、その分長い間、いろいろと見せてくれた人です。そういうふうに、私に感動を与えてくれた人が、次の世代に追い越されようとしているのは、仕方がないことかもしれないけど、やはり少し寂しい気もします。
ただ、2人とも、ずっとケガに悩まされていて、ここへきてやっと調子があがってきた、という感じなので、今から本番に向けてピークにもっていってほしいですね。まだ、全然老け込む歳ではないと思うので。
それと、忘れてはならない伊東浩司選手ですが、彼は故障に悩まされながらも表情はかなり明るかったので、いい感じで調子が上がってきてるんだなーとほっとしました。期待は、やはり200mでしょうか。もちまえの負けん気を発揮して、がんばってほしいです。
あと、今回は棄権してしまった、400障害の山崎一彦選手。アトランタの予選落ちから4年、今回の走りは?というところですが…。今シーズンはなかなか調子があがりきらないようです。早々と代表に決まってじっくり調整ができている、と思いたいですね。
とにかく、「マラソン以外の陸上」も、けっこう注目するところは多いですよ〜。また、オリンピックが始まれば、いろいろ書いていきたいと思います。あまりメダルを期待できない競技なので、メダル至上主義の人にはどっちでもいいかもしれませんが、だからこそおもしろい点、というのもありますから。

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