2001年国際グランプリ陸上大阪大会 2001年5月12日 長居陸上競技場

2001グランプリ大阪プログラム今回はあきべ嬢に、「用事があるから」とお断りされてしまった私。行こうかやめようか迷ったのですが、出場選手の豪華さは捨てきれず、1人寂しく長居へ出向きました。1人ではさすがに気がひけたので、写真はパス。試合を見ることに集中しました。
この日は試合開始までに到着することができなくて、競技場に入ったときにはすでに110mハードルが始まっていました。急いで席を探していると、あらら、目の前にはテレビでよく見ていた顔があるじゃないですか。「苅部さんや〜」(←声には出してません)。
それは、400mハードルの元日本記録保持者、苅部俊二氏の姿だったのです。一応、サングラスはかけていたのですが、その背の高さと彫りの深い顔立ちは、どこから見ても苅部氏ご本人。じろじろ見ては失礼…と思いつつ、「かっこいいなー」と横目でチラチラ見ながら通り過ぎてしまいました(←ちょっと恥ずかしいかも)。
さて、肝心の競技のほうで記憶に残っているのは、まずは男子100m。日本の第一人者・朝原宣治選手は、シーズンはじめということでまだ調子は上がりきっていないようでしたが、故障に悩まされ続けた前年のことを考えれば、まずまずといった感じのようでした。が、100mでの注目は、なんといっても世界記録保持者のモーリス・グリーン! 彼の走りは、前回充分に堪能したのですが、今回もまた、期待に違わぬ強さを見せつけてくれました。あのスムーズさは相変わらず。「これが世界の50億人のなかで、一番速い走りなんだ〜」と思うと、なんか、感動してきたりしました。
そして、この大会につきものの室伏広治選手。大阪グランプリでは毎年日本新か、それに近い記録で投げているので、当然このときも期待でいっぱいでした。
が、1投目に予期せぬ出来事が…。なんと室伏選手は、回転動作の最中に滑って転んでしまったのです! その転び方がかなり派手だったので、ほとんど彼に集中していた観客席の人々は一瞬凍りつきました。私は何度も室伏選手の試合を見ていますが、転倒なんてもちろん初めて。そのあと彼がすっと立ち上がったときには、安堵のため息がもれましたね。
当然、なにか悪影響があるのでは…と心配されましたけど、2投目からはすっかりいつもの彼。日本記録にあと1cmというすごい投擲も出たりしました。そのときは、競技場全体が観客のうおーっという声に包まれて、もう興奮の渦って感じでした!
私はこのとき、マジで「世界陸上での金」を期待しちゃいました(結果的には「銀」でしたが)。一番最初に室伏選手を見たときは、まだオリンピックの標準記録も突破できていなかったのに、数年のあいだに本当に大きくなったなーと実感させてくれたグランプリでの投擲でした。
さて、そのほかにも数々の種目は行われたのですが、正直なところあまり記憶に残ってません。てなわけで、いきなり最後の種目「男子200m」に飛んでしまいます(私って、つくづく短距離好き)。
ここでの注目は、新鋭・末續慎吾選手。前年のシドニーオリンピックのリレーで、走っている最中に肉離れを起こした選手、といえばおわかりでしょうか? そのケガもようやく癒えた彼の、復調ぶりが注目されました。
スタートの合図が鳴り響き…が、そこで、私は目を見張りました。なんと末續選手は、並み居る強豪をものともせず、トップを疾走しているではありませんか! その走りは第3コーナーを回り終えても衰えず、残りの直線に優勝の期待がかかります。が、そこはやはり、まだ力不足でした。2人の選手に抜かれてしまい、末續選手は3位でゴール。
それでも、あの前半の走りは、すばらしくワクワクさせてくれるものでした。ケガから復帰の第1戦で、ここまで走ってくれるとは思ってなかっただけに大満足! 次代のエースの誕生を、この目で見られたことに感謝したのでありました。

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