2001年東アジア大会 2001年5月23〜26日(観戦日:5月25日) 長居陸上競技場

2001東アジアプログラムいつもだと関西圏で開かれる陸上の大会は、兵庫リレーカーニバルとグランプリ陸上くらいなのですが、この年は大阪で「東アジア大会」が開かれたため、思いがけず日本のトップ選手を目の当たりにできることに…。当然私は「行きたい!」と考えたのですが、問題はあきべ嬢がつきあってくれるかどうか。これまでずっと1人で観戦していた私ですが、一度仲間を得てしまうと、もうあの寂しさは味わいたくない、と思ってしまいます。楽しかった(寒かったけど)リレーカーニバルに比べて、グランプリの1人観戦はやはりわびしかったのでした。
で、私はおそるおそるあきべ嬢に問いかけました。「今度大阪で、東アジア大会があるんやけど…」。それに対するあきべ嬢の答えは、「うん、行きたい」。前回、あまりにも過酷な気象条件に耐えさせてしまったにもかかわらず、彼女はけっこう陸上観戦を気に入ってくれていたのです。
ただ、「東アジア」と聞けば、察しのいい人ならおわかりでしょう。そう、日本と韓国と中国以外、どこが出てるの?状態だということに。一応九つの国と地域が参加していて、それ以外にオープン参加としてオーストラリアの選手も出場していたのですが、いかんせん選手数の少なさはどうしようもない…。予選があるのは短距離種目くらいで、まともにやったらたぶん2日ほどで全競技が終わってしまうでしょう。が、日数を4日に設定してある以上、4日に分けて実施しなければいけないのです。おかげで、競技と競技のあいだはかなり長〜い間があき、そのときに表彰式が行われる…といった具合。時間をもてあました私たちは、ひたすらくっちゃべっておりました(みんなそんな感じでした)。
ちなみに、この日に行われたのは、男女200mの予選と、女子100mハードル、男女800m、男女400mハードル、女子棒高跳、男子走幅跳、女子やり投、男子ハンマー投の決勝、そして七種競技の一部でした。トラック競技がないとき(つまり、ほとんどの時間)は、ひたすら目の前で行われている男子走幅跳を見てました。
トラックで最初に行われたのは、男女200mの予選。私はここであきべ嬢に「末續慎吾に注目やで」と、観戦ポイントを授けました。結果は予選ということもあって、末續選手はほかをぶっちぎっての勝利! あきべ嬢、ひたすら感動。「すごい」を連発しております。
さて、そうこうするうちに、この日の一番のお目当て、男子ハンマー投が始まろうとしているではありませんか。なんといっても、ここにはあの室伏広治選手が登場するのですから…。陸上競技についてはほとんど素人のあきべ嬢が、名前を知っている数少ない選手。なんでも彼女は、この試合の前日「明日、室伏広治を見に行く」と、さんざん友人知人に宣伝しまくったらしいのでした。
ただ、この日の室伏選手はいまひとつでした。先日の大阪グランプリのような80mを超える投擲は一度も見られず、結局、最高記録は79m台。どうやら、グランプリでの転倒から軽いムチウチ症状のようになっていたのが原因だったらしいのですが、あの「雄叫び」が一度も聞けなかったのは残念でした。もちろん、楽々と優勝は決めましたが。
目の前で行われていた男子走幅跳では、最初、森長正樹選手がトップに立っていたんですけど、終盤で中国選手に逆転されて2位に落ち、結局そのままの順位で試合を終えました。森長選手はこのシーズン前半、かなり調子が良さそうで、勝てるかなーと思ってただけに残念でした。
そして、トラックでは800mも行われた…はずなんですけど(プログラムを見る限りでは)、正直言ってまったく覚えてません。すみませんが、そこんとこはすっとばして、男女の400mハードルに行かせてもらいます。
まず女子では吉田真希子選手が、順位こそ3位だったものの見事に日本新を樹立! あきべ嬢、「私、そんな歴史的瞬間に立ち会えたんや!」と、初めての経験にまたもや感動。そして次はいよいよ男子。
当然ながら、私は「為末大」選手の名前を、彼女に教えておりました。男子400mハードルといえば、日本が世界に通用する数少ない種目のひとつ。そのなかでも為末選手は、知る人ぞ知る「次代のエース」だったのです。ただ、このときの彼は、どうも調子がおかしかったみたいでした。最初はいつもの通り快調に飛ばしていたのに、途中からがくんとペースが落ち、最後は台湾の選手に抜かれて2着に終わってしまいました。記録も49秒28と、為末選手にしては「らしくない」タイム。どうしてしまったんだろう…と、このときはかなり心配になりました。もっともその後、彼は見事に立て直して、世界陸上で銅を獲得することになるのですが…。
とりあえず、印象に残っているのはこのくらいなのですが、レース本番以外に思いがけずあきべ嬢を喜ばせたのが表彰式でした。なんせ、レースが極端に少ないこの大会、表彰式を見るのも大きな楽しみのひとつなのです。メインスタンドほぼ中央に陣どっていた私たち、なもので、表彰式は本当にすぐ近くで行われていました。森長選手、室伏選手、為末選手、と、さっきまでグラウンドで活躍していた選手が出てくるたび、あきべ嬢の目はハートマークに。「かっこいい〜!」を連発。私は、隣でそんなに盛り上がってくれるだけで、楽しくってしょうがないくらい(笑)。
が、とっても意外なことに、彼女がこの日見たなかで一番のお気に入りとなったのは、間近に見た彼らではなく、予選で走る姿しか見ていなかった「末續慎吾」選手だったのでした。その後、彼女はますます「しんご熱」を強めていき、最近では東海大学のHPをチェックするのを日課としております。「しんご〜」なんて言ってると、普通の人は別人を想像すると思うんですけどね。
今年春の観戦記も、お楽しみに!(なんか、これ、私の観戦記じゃなくなってますね)

表彰式の室伏広治選手

表彰式での室伏広治選手。
彼の周囲に群がる報道陣の数は、ハンパなものじゃありませんでした。
たぶん、ここに写ってる3倍以上はいたと思う…。
観客の人気も抜群で、黄色い声援から野太いかけ声まで、年齢性別を問わない支持を集めてました。
 
 
 

表彰式後の為末大選手こちらは、表彰式を終えた為末大選手。
調子が良くなかったようで、確実視されていた金も逃してしまったため、満面笑顔、というわけにはいきませんでした。
今と比べて知名度はそれほど高くなくて、報道陣の数は室伏選手よりうんと少なかったです。群がる女の子も、そんなに多くはなかった(笑)。
右下の写真は、私たちのすぐ横に為末選手の知り合いの人がいたため、近寄ってきたところをパチリと撮らせてもらったもの。思わぬ接近遭遇?に、あきべ嬢のボルテージは上がりっぱなしでした。

 トップページ夏の競技−陸上競技観戦記2001年東アジア大会 「スポーツ観戦記」トップページへ