2003年東京箱根間往復大学駅伝 2003年1月2〜3日 読売新聞社前発着

■1月2日
1区は予想通り超スロー展開。ここんとこ、毎年そうなんですよねー。まあ、どうせそういう展開になるだろう…と予想はついてたので、とりあえずはお目当ての中央と日大が遅れてしまわないことだけ願って、2区へのリレーを待ちました。
そして2区。まあこれが、途中までは私の思い描いていたような、理想の展開になってくれるじゃないですか! 序盤は駒沢と山梨学院がトップ争い。ですが、すぐに後方から日大・清水(兄)選手と中央・藤原選手が迫ってきます。清水選手はかなり積極的に、藤原選手はじっくりと。ペースに差はあれど、先頭との距離が詰まっているのにはちがいないんですね。そして、期待通り、まずは清水選手が先頭に追いつき、ほどなく藤原選手も加わって、先頭は4人の集団に…。さすがに私も、ここまで思い通りになるとは…って感じだったので、ちょっとびっくり。
が、15km過ぎて、その前から口が開いていた清水選手がずるずると遅れ始めます。やっぱりあれは、オーバーペースやったんや〜と悔しがりつつ、こうなったら…と残る藤原選手に私の希望を託したまま2区も終盤に。駒沢はエースの松下選手だし、山梨は強力助っ人モカンバ選手だし、どっちも侮れない存在なのはわかってるけど、私は「最初にして最後の2区」を走る藤原選手に賭けていた!のです。そしたら、またもや私の願いが通じた(笑)のでしょうか? モカンバ選手が遅れ始めたじゃないですか! こうなったら残るは松下選手のみ。
そして中継所の手前で、藤原選手は鮮やかにスパート! 見ていてもかなり苦しそうだったけど、松下選手はそれ以上にバテてたんでしょうねー。差はだんだんと開いていき、中継所では見事に中央がトップでタスキリレーをすることになったのでした。私はもう、本当にうれしかったです〜。欲をいえば、最後は藤原選手と清水選手の争いになってほしかったんですけどね。まあ、そこまで欲張っても…ということで。
ただ、残念だったのは、中央が5区で大ブレーキを起こし、あっというまに12位まで落ちてしまったこと。聞くところによろと、5区の予定の選手がインフルエンザにかかり、急遽復路の10区を走るはずの選手が起用された…ということなんですが…。もう少し、事前の準備をきっちりしておけば防げたアクシデントだけに、かなり悔やまれるところでした。
往路優勝は、大砲を並べた山梨学院で、駒沢が2位、3位日大。山梨と駒沢の差が2分もなかったので、こりゃ復路で逆転やなーと思いつつ、翌日を待つことになったのでした。でも、せめて日大の前後に中央にいてほしかった…。

■1月3日
復路の山下りは、なんといっても中央の野村俊介選手が凄かった! あの雪道を、区間記録に迫るような勢いで駆け下りてくるんですもん。前との差が開いてただけに、もう「追うっきゃない」って思ってたんでしょうけど。これがせめて8位くらいからのスタートだったらなー。12位はキツすぎますよね…。でも、彼の活躍で、来年も中央を応援しよう!と心に決めてしまった(笑)私でありました(言うまでもないのですが、彼は兵庫の報徳学園出身)。
そして、7区。中央、このまま行ってくれないか…と淡い期待を抱いていたのですがー。やはり走る人が代わってしまうと、勢いもとぎれてしまったようで…。この後は少しずつ順位を上げていくだけになってしまいました。
こうなったら、あとは往路3位の日大に賭けるっきゃない!ってわけで、この7区に登場したのが中谷選手(西脇出)。彼の走りいかんで今後の展開も変わってくる…と期待をかけました。が、前も後ろも見えない状況ではどうしようもなかったのかなあ。4区で藤井選手が抜群にいい走りをしたので、同級生コンビの中谷選手にもがんばってほしかったんですけどねー。平凡な走りに終わってしまいました(あとで聞いたところ、体調が悪かったとか)。
日大は最後の頼みの綱・清水(弟)選手も、駒沢の区間記録に迫る走りには及ばず、結局最後まで順位を上げることも下げることもなしにゴールへ…。でも、昨年のシード落ちから比べたら大躍進なんですけどね。中央も最終的に5位まで上げたし。ただ、復路は、私的にはちょっと、みどころに欠けるレースとなってしまったのでした。
でも、一般的な尺度からすれば、おもしろかったと思いますよー。復路での逆転はかなり濃厚とみられていた駒沢が、6、7区はなかなか差を詰めることができず、「大丈夫か?」「もしや、山梨逃げ切り?」と思い始めたところに8区から怒濤の追い上げ開始ですから。しかも、9区で抜いたと思うと、あとはどんどん差を広げるばかりだし、終わってみればもう「圧勝」でしたね。
だけど、駒沢強すぎです。1校だけ強いと、見てるほうは、ちょっとつまんなくなってくる…。来年は中央か日大、優勝争いにからんでくれ〜と切に願う私でありました。とりあえず来年はその2校と、加えて日体大(理由はいつもと同じ)を応援することにします。なんとなく、「報われなさそう」だけど。

【事前のみどころ】
箱根のみどころ…といっても、私は関東の大学に特別な思い入れってないんですよね。だから、「○○大学ファン」ってこともまったくなし。にもかかわらず、私が毎年かなり必死になって観戦しているのは、「兵庫出身の選手がどれだけ活躍するか」見たいからなのです。
先日の高校駅伝では久々に西脇工が優勝しましたが、とにかく西脇工と報徳学園を擁する兵庫の強さは、ダントツ!って感じなんですね。ただ、惜しむらくは、これまで卒業してから大成した選手があまりいなかったんです。だって、その2校の卒業生で陸上の五輪代表になったのは、西脇工…山口衛里選手(女子マラソン)、報徳…伊東浩司選手(短距離)の2人だけですよ。男子長距離の選手は、まだいないんです。それでも最近は、世界陸上や駅伝の代表には入るようになってきましたが、とにかく私は、両校を卒業してから大きく羽ばたく選手が見たいのです!
というわけで、私が箱根で応援する大学は、「両校の出身者がどれくらいいるか」にかかっています。そのなかでも、主力として活躍する選手がいると、応援にも力が入りますよね。1、2年前までは、順天堂に高橋健介選手(報徳)や奥田真一郎選手(西脇)がいて、けっこう応援してたんですけど、2人とも卒業しちゃったので今はそれほど…って感じになってます。
今回は、学生長距離界でもトップクラスの藤原正和選手のいる中央か、双子の清水兄弟や藤井選手、中谷選手などが主力となる日大か…ですね。彼らがいたころの西脇工って、もうめちゃくちゃ強かったんです。高校最高記録もそのころ作られてるし…。ただ、当時エースだった中尾選手だけは、早稲田へ進学したものの伸び悩んで、今回はメンバーからも外れてしまったのが残念なんですけど(早稲田に行った兵庫の選手って、絶対につぶれる…。かなりいい選手ばっかり入ってるのに)。
箱根といえば「花の2区」。今回はその2区で、中大・藤原選手と日大・清水選手が激突します。
高校時代はチームNo.2だった清水選手は、進学後2年ほどは目立たなかったのですが、昨年あたりからじわじわと力をつけてきました。もともと「このままでもマラソンが走れるフォーム」と宗茂氏に言わしめた才能の持ち主ですからねー。
対する藤原選手は、高校時代はケガが多くて影に隠れがちだったのですが、中央に入ってからはずっとエース格としてやってきました。1年から3年まで連続して5区の山登りを担当し、1年では区間賞、2年では3位から一気にトップを奪い往路優勝の立役者となりました。あと、1万mのジュニア日本記録の持ち主であり(注:当時)、ユニバーシアードハーフマラソンの金メダリストでもあります。今年は満を持して2区に登場。調子はいいというし、最初で最後の2区をどう走ってくれるか、めちゃくちゃ楽しみなのです。
優勝校は…たぶん、ものすごいブレーキでもなければ、駒沢でしょうね。多少なりとも箱根に注目している人なら、100人いたら100人とも「本命は駒沢」と言うだろうなー。あとは、往路に留学生2人を配する山梨学院が有力。ただ、復路の布陣が弱いので、往路でよほどの大差をつけないかぎり、総合優勝は難しいでしょう。逆に、復路が強そうなのが中央で、藤原選手の走りいかんでは可能性もあるかも。あと、日大もちょっとだけ可能性アリ、かな。
なんだか、一般の人にはまったく役に立ちそうにない「私だけのみどころ」になってしまったよーな。どうも、失礼しました〜。

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