2002年NHK杯 2002年11月28日〜12月1日

■男子シングル

イリヤ・クリムキン(ロシア)
本田武史(日本)
李成江(中国)
田村岳斗(日本)
高橋大輔(日本)
ショートで本田選手がトップに立ったときは、「これで決まり」と思ったんですけどねー。まさか、フリーでクリムキン選手に逆転されてしまうとは…。今回はさすがに「本田選手、大丈夫?」って不安になりましたね。
それにしても、やはりミイラのプログラムは暗いです。ジャンプの失敗が続くと、よけい落ち込みそうになってしまうし…。
それに対して、クリムキン選手はこれ以上ないってくらいの出来でしたね。「クリムキンワールド」って言ってましたけど、あの変形イーグルは「まさに」って感じ。独特の世界を見せてくれました。
しかし、これで国内4番手というんだから、ロシアの層は厚い…。日本ももう少しでいいから底上げを望みます。高橋選手、このフリーは良かったと思ったんだけど、今季はこれ以外はさっぱりだったみたいだし…。
このあと行われた全日本の結果で、世界選手権の男子代表は本田選手1人と決まりました。2枠ありながら1人しか送れないのは悲しいけど、その決定が妥当だと思ってしまうのがもっと哀しいです。

■女子シングル

恩田美栄(日本)
イリーナ・スルツカヤ(ロシア)
荒川静香(日本)
村主章枝(日本)
ショートで日本勢3人が上位につけたときは、「もしや、表彰台独占?」なんて期待したんですけど、さすがにフリーではスルツカヤ選手が意地を見せました。完調にはほど遠かったみたいだけど、なんとかまとめてくるあたり、世界チャンピオンの意地でしょうか。
優勝した恩田選手は、シーズン当初からここまで絶好調。フリーが終わったときに見せたガッツポーズは、本当にうれしそうでした。今季は表現面での進歩は大きかったと思うし、またさらなる飛躍を!です。でも、トリプルアクセルに関しては、そろそろあきらめたほうが良さそうな気がしてきました…。
荒川選手は、今季一番の出来ともいうべき演技でした。特にショートの白鳥は、気合いが入ってましたね。正直、これまでこんなに表現力がある選手だとは思ってなくて、私の中の「荒川株」が急上昇を見せました(笑)。でも、だからこそフリーの終盤のミスは惜しまれます。それまでがほぼ完璧だっただけに、よけいですね。このツメの甘さはなんとかしてほしいです。
村主選手は、調子が悪かったですね。今季、彼女は、いいときと悪いときの差が激しすぎますね。

■ペア

申雪/趙宏博(中国)
ザゴロスカ/シュデク(ポーランド)
ラングロワ/アルチェット(カナダ)
川口悠子/マルクンツォフ(日本)
順当に1位となった申雪/趙宏博組ですが、感想を書こうにもさすがにそろそろネタが尽きてきました。せめて、プログラムをちがうのにしてくれ〜、って感じです。しいていうなら、スロージャンプはいつもの通り大きくて、スピンはやっぱりズレていた…。もちろん、彼らの演技はすごく好きなんですけどねー。スピンに関しては、あんまり「揃えるんだ!」って気もないのかしら?
2位のザゴロスカ/シュデク組は、実はこれまでちゃんと見たことがなくて、今回初めて注目。で、私だけかもしれないけど、滑ってる雰囲気がなんだか往年の名スケーター、ワロワ/ワシリエフ組とダブって見えました。手を繋いで滑ってるとこなんて、シルエットが重なってしまう…。実力的なことはともかく、どちらもクラシカルな雰囲気を持っているからでしょうか? ただ、似て見えたのは、単にザゴロスカが髪を切ったから…ともいえそうですけど(笑)。

■アイスダンス

ロバチェワ/アベルブフ(ロシア)
ウィンクラー/ローゼ(ドイツ)
チャイト/サカノフスキー(イスラエル)
10 渡辺心/木戸章之(日本)
11 有川梨絵/宮本賢二(日本)
世界選手権が映らないところに住んでいる私が、アイスダンスをじっくり見られる、ほとんど唯一の機会がこの大会。ほかのグランプリでは上位三つぐらいしかやってくれないし、その顔ぶれも固定されちゃってますからね(とはいえ、NHK杯も結局、フリーは1〜3位だけでしたけど)。
しかし、なんやかんやいっても、ロバチェワ/アベルブフ組って、このメンバーのなかでは別格なのかな。ロシア杯のところではさんざん「イメージじゃない」なんて書いてしまったけど、何度もビデオを見返してると、さすがに慣れたかなーという感じです。ただ、出だしのアベルブフの笑顔だけは、どうにも違和感がぬぐい去れなくて、「似合わね〜」と言いそうになってしまいましたけど(笑)。
演技内容に関しては、やっぱりさすがですね。リフトひとつとっても、どこかしら工夫が凝らされてるし…(私がいうまでもないか)。ただ、芸術点で6.0が出るほどのものとは、思えませんでした。
ところで、チャイト/サカノフスキー組は、今季は滑るたびに順位を落としていってますよね。せっかく昨シーズンはメダルをとったのに、いったいどうなっちゃったんでしょう。速いのは速いけど、そのぶんちょっと粗かったのかしら?
あと、ODのみ放送された日本勢2組ですが、テレビでは彼らの直後がロバチェワ組で、ちょっと酷な順番だったような気がします。すべての面でちがいすぎますもんね。でも、全日本で見たときは、この二組だけがとりあえず「ダンスになってた」って感じだったんで…。うーん、日本のアイスダンスの夜明けは遠い!?
ただ、日本の二組の比較では、やっぱり渡辺/木戸組のほうがうまかったと思います。全日本ではフリーで有川/宮本組が逆転しましたけど、結局、世界選手権に渡辺/木戸組を派遣することにしたのは正解じゃないでしょうか?

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