2003年スケートアメリカ 2003年10月22日〜26日

■男子シングル

マイケル・ワイス(アメリカ)
本田武史(日本)
張民(中国)
今季のグランプリシリーズで、暫定的に試されることになった新採点システム。いったいどういったものなのか…。順位や演技だけでなく、そちらへの関心も高まるなかでの開催となりました。
さて、男子で一番気にかかるのは、なんといっても本田選手。「安定している」とはお世辞にもいえないだけに、ハラハラしながら結果を見てみれば、優勝候補筆頭のはずが、なぜか初日のショートは4位。これは大丈夫なんだろうか?とかなり危惧しましたが、翌日のフリーは1位、トータルで2位となり、とりあえずはホッとしたのでした。優勝してほしかったけど、出遅れが大きすぎたし、とりあえず初戦としてはまずまず…と見ていいのかな。優勝したのは、SP1位ののマイケル・ワイス選手でした。
さてさて、注目の新採点システムですが、とにかく初めてなもので、点数を見てもそれが高いのか低いのか「全然ワカラン」というのが正直なところです。あと、これまでは得点ではなく、順位点で勝敗が決まっていたのですが、新システムでは単純にショートとフリーの合計得点で決まるんですねー。わかりやすい反面、あのややこしさが生みだしていた独特のおもしろさがなくなってしまうのは、ちょっと寂しいかも。ただ、4位以下でも地力で逆転可能、というのは良いかなーと思いますね。

■女子シングル

サーシャ・コーエン(アメリカ)
ジェニファー・カーク(アメリカ)
荒川静香(日本)
中野友加里(日本)
ショートプログラムでは荒川選手が2位発進。ミスがあったわりには、いい順位なのがうれしいですねー。ただ、中野選手は12人中10位と、思わぬスタートになってしまいましたが…。失敗の多いトリプルアクセルは、特にショートでは安易にプログラムに入れてしまうのは危険かもしれないです。トップのサーシャ・コーエン選手は別世界な点数ですけど、アメリカ開催だし、やはり持っている力は突出したものがあると思うし、こんなところかなぁ。
…と、ショートのあとはこういう感じだったのですが、荒川選手はフリーでいくつかミスが出てしまい、総合ではひとつ順位を落として3位となりました。逆転で2位に入ったのは、地元アメリカのカーク選手。こちらは地の利があるうえ、ノーミスだったというから、しょうがないんでしょうね。とりあえずは、失敗してもちゃんと表彰台に乗れたし、国際舞台で着々と評価を上げつつあるのがうれしいです。
でも、彼女はこのところ、ぐっと力をつけていると思います。レイバックスピンのポジションとか、いろんなポーズがすごくきれいになっててびっくりしました。最後には今までやったことのない開脚のスピンまで見せてくれて、脚の長い彼女がやると迫力!って感じです。あと、これまでと比べたらめっちゃ踊ってるし。ただ、ジャンプは、大事そうに跳んでるな〜という印象が強かったですけど。
また、フリーで健闘し、総合8位にまで順位を上げた中野選手ですが、彼女の場合は新しい採点システムだと、減点されるポイントが多いのがネック。回転不足が目立つ3回転半は、チャレンジすることでかえって足を引っぱってるような感じさえしてきます。これから本当に世界へ出ていきたいと思っているなら、未完成な技を多く入れるより、少しずつでも完成度を高めていくようにしたほうがいいのではないでしょうか?

■ペア

パン/トン(中国)
ペトロワ/ティホノフ(ロシア)
ツァン/ツァン(中国)
若松詩子/フェクトー(カナダ)
日本の若松選手が、カナダの選手と組んでグランプリシリーズ初出場を果たしました。ショートは3位発進で、初出場初メダル?と期待したのですが、総合では惜しくも4位という結果でした。
でも、初出場でこの成績は、なかなかのもの。やはり、思い切ってカナダに渡って正解だったんでしょうね。日本でペアとしてやれないのは残念ですが、才能ある選手を埋もれさせないためには、こういう方法もありなのかもしれません。

■アイスダンス

ベルビン/アゴスト(アメリカ)
グルシナ/ゴンチャロフ(ウクライナ)
デュロベル/ショーンフェルダー(フランス)

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