2003年スケートカナダ 2003年10月30日〜11月2日

■男子シングル

エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)
ジェフリー・バトル(カナダ)
本田武史(日本)
高橋大輔(日本)
世界チャンピオン・プルシェンコ選手に、本田選手がどこまで迫れるか、が私的には焦点だったこの大会。完璧に滑れたら、本田選手が勝てる可能性もけっこうあると思うのに、いかんせんその「完璧」がほとんどない…という状況なのですが、「今度こそは」と期待を込めて開催を待っていました。
最初のショートは2位と、まずは順当なスタート。ただ、せっかく4−3のコンビネーションも、3回転半も成功しておきながら、一番簡単な(はず)のルッツで転倒してしまいます。本田選手いわく「ジャンプが高すぎた」そうなのですが、そのあたり、彼らしいなーと思ってしまいました。それでも、トップのプルシェンコ選手も3アクセルを失敗していて、3点ちょっとの差しかつかなかったのは幸いでしたね。逆転は十分可能で、ここで勝てれば本田選手にとってもすごい自信になるだろうし、周囲の目も変わってくるだろうし…と、フリーを楽しみにしていました。
ところが、かんじんのフリーで本田選手は4位。最初の4回転トウループを失敗し(見事にコケてましたね)、そのあとのサルコウも3回転になるという、かなり残念な出来となってしまいました。
結局、総合では3位。せっかくいい位置につけていただけに、がっくりきましたね。
全体的にミスが目立った試合で、優勝したプルシェンコ選手にしたところで、クリーンな演技とはほど遠かったもようです。本田選手が完璧だったら、たぶん抜くことはできたと思うだけに、やっぱり残念ですね。
それからもう1人、昨シーズンはボロボロだった高橋選手が、今季海外でトレーニングを積んできて、どこまで調子を取り戻しているか…にも、注目(心配?)してました。ショートでは、昨年とはうってかわって5位と健闘。もともとスケーティングには定評があるだけに、ジャンプの調子さえ取り戻せば、このあたりまでは上ってこられるんだなーと改めて再認識させられました。フリーは失敗してトータル7位に落ちましたけど、次に期待したいです。

■女子シングル

サーシャ・コーエン(アメリカ)
荒川静香(日本)
ユリア・セベスチャン(ハンガリー)
太田由希奈(日本)
先週に引き続き、コーエン選手vs荒川選手となったカナダ大会。アメリカ以外の国で2人の得点差がどのくらいになるか、興味がありました。あとはやはり、今季からシニアに上がった太田選手への点の出方でしょうか。あれだけ踊れる人はちょっといないし、柔軟性でアピールするコーエン選手にだって、余裕で張り合えますから。
そんな感じで、かなりな期待と関心を持っていたこの大会ですが…。ショートプログラムの結果には、さすがにちょっと驚かされました。トップに立ったのは、予想どおりアメリカのコーエン選手だったのですが、2位につけたのはなんと、シニア初参戦の太田選手だったのです。荒川選手はコンビネーションジャンプで失敗し、3位発進となりました。
太田選手への評価がどうなるかは注目してましたけど、よもやここまでとは「うれしい誤算」でしたね。旧採点法だと、実力のある選手でも、知名度がないとなかなか点数を出してもらえなかったのですが(逆にいえば、知名度だけで点が出ている選手も)、新採点法は技のひとつひとつを細かく採点していくだけに、より公正な判断ができているような気がします。太田選手の美しい身体の動きと柔軟性は折り紙つきだし、それが正当に評価されたのはうれしかったですね。
ただ、フリーでは地力の差が出たのでしょうか。二つ順位を落として、結果は4位。思った以上に注目されて、さすがにプレッシャーを感じてしまったのかな? 不安のあったジャンプで、回転不足をとられたりもしたようです。それでも点数はかなり高くて、順位はともかく、彼女の演技を観客に印象づけられたんじゃないかと思います。彼女の次の試合はNHK杯で、ここはかなりの激戦になりそう。それで、どのくらいの位置につけられるか、見物ですね。
そして、3位発進となってしまった荒川選手ですが、練習では好調でほとんどミスしない…と聞いていただけに、本番での失敗は残念でした。昨シーズンより動きがずいぶんきれいになっていて、しかも、ちょうどその存在を認められつつある段階なだけに、ここはクリーンに滑ってほしかったなーと残念な気持ちでいっぱいでした。
でも、フリーでは、開き直って荒川選手らしい滑りを見せられたようです。3ルッツ−3トウループのコンビネーションから始まり、ジャンプをほとんど決められて、気持ち良い演技ができたんじゃないでしょうか。観客席の盛り上がりも、画面からなんとなく伝わってきました。フリーは2位で、優勝したコーエン選手とそんなに点差はなかったし、これは「コーエンvs荒川」第3弾のラリック杯がますます楽しみになってきました。
あと、けっこう気になっていた衣装は、黒の一見シンプルなもの。でも、身体のラインがかなりはっきりわかるので、これはこれでセクシーでいいなーと(笑)。さすがに、あの「白鳥」ほどのインパクトはなかったですけど。

■ペア

トットミアニア/マリニン(ロシア)
申雪/趙宏博(中国)
ザゴロスカ/シュデク(ポーランド)
ペアはフリーが終了し、逆転でトットミアニア/マリニン組(ロシア)が優勝。SPトップの申雪/趙宏博組(中国)は2位に落ちました。私にとっては、かなり意外な結果でした。
中国ペアは、スロージャンプでの失敗がたたったようですが、ジャンプひとつくらい差し引いても、ロシアペアより上だと思うんですけどねー。まあ、結局は素人の見方なんで、そういう結果(点)が出ているんだから、受け入れるしかないんでしょうね。

■アイスダンス

ナフカ/コストマロフ(ロシア)
デンコワ/スタビスキー(ブルガリア)
デュブレイユ/ロウゾン(カナダ)
渡辺心/木戸章之(日本)
渡辺/木戸組はCDを終えて11人中8位。最後のフリーも8位をとって、総合でも8位となりました。昨シーズンは、フリーで若干順位を落とすことが多かったので、今回、コンパルソリー&ODと同じ順位を、フリーでもとることができてよかったです。

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