2006年キャンベルカップ(日米対抗戦) 2006年10月15日

今季から行われることになった日米対抗戦。この大会は恒例のキャンベル杯と兼ねて行われました。
シーズン初戦だから仕方がないんですけど、なんだか日米両国ともミスが目立ちましたねー。それと、プログラムが新しくなった選手は、やっぱり「まだこれから」って感じがしました。

織田信成選手の新プログラムは近畿選手権で見ることができたので、今回は高橋大輔選手に注目。曲は「オペラ座の怪人」ということで、けっこう楽しみにしていたのですが、どうもその中でも、あまり聞き覚えのない部分を使っている?のか、イマイチピンときませんでした。まあ、私が劇団四季の公演を見たのははるか昔のことなので、かなり記憶があいまいなのもありますけど。それにしても、なんとなく盛り上がりに欠ける、曲の使い方だと思いました。聞き慣れたメロディーが出てきたのは、最初と中盤で少し、あとは終盤くらいだったし。
肝心の演技のほうは、序盤の3アクセルの失敗以外、けっこういい感じ…と思ったら、途中で3ループを失敗してからガクガクっとなっちゃったようで、これまた残念でした。高橋選手が普通の3回転であれだけ失敗するのを見たのは、久々ですねー。滑り込み不足もあるんでしょうけど、どうも演技に乗り切れてないようでした。スケートカナダまでには、もう少し仕上げてくるでしょうか。たぶん、あまりにミスが多かったので、プログラム自体の印象も悪くなってしまったんでしょうねー。ノーミスに近い演技だと感じ方も変わってくるかもしれません。
中庭健介選手は、こういう舞台に登場することはあまりないので、いいところを見せてほしかったんですが…。きれいな4回転が跳べるはずなんですけどねー。なにも三つともジャンプを失敗しなくても…と思いました。スピンでも1か所、バランス崩してたし、緊張してたのかなー。残念でした。
織田選手は、ジャンプを全部決めてきましたねー。近畿選手権ではルッツを2回とも失敗してたんですけど、大きな試合になるほど力を発揮してくるのは、さすがというかなんというか…。ステップでちょっとつまづいたように見えたのが、ミスといえばミスになるのかな。
ただ、やっぱり織田選手の滑りは、重厚なクラシック音楽には合わないような気がします。ジャンプもふわっとしてるけど、それ以外でも全体に軽い感じがするんですよね。重厚なメロディーと軽い滑りの組み合わせには、「なんか違うよなー」って思ってしまいました。でも、昨シーズンの「座頭市」は重厚だったげどそこそこ合ってたし、やっぱり単に滑り込みが足りてないだけなんでしょうか。

対するアメリカ勢はというと…。まず、ショートを滑ったウィアー選手ですが、解説の本田さん(こう書くと、すごい違和感があります…)も言ってましたけど、こういう音楽を使ってくると、ちょっと新鮮に見えますね。なんか、いつも同じようなクラシック音楽で滑ってたから。ステップシークエンス以外でも、もう少し曲の雰囲気を出してほしかったなーとは思いますが、ジャンプも全部入ったし、まずまずの出来だったんではないでしょうか。
ライサチェク選手は、昨シーズンと同じ「カルメン」のプログラムで、さすがに滑り慣れてましたね。ジャンプがイマイチだったのは、やっぱりシーズン序盤だから…でしょうか。もともと、ジャンプはそんなに得意じゃないと思うんですけど、この日は特に低かったような気がしました。

お次は女子です。
まずは、今や国民的?な人気になってしまった浅田真央選手。今季からアメリカでトレーニングしてて、どのくらい成長してるか楽しみだったのですが、最初の3アクセルに失敗してしまって、全体に沈んだ感じになってしまったのが残念です。残りのジャンプはそこそこ決めてたんだから、もっと笑顔で滑ってくれればいいのに、精神状態がそのまま演技に表れてしまうあたり、やっぱまだ若いんだなーと思いました。ただ、前々から気になってたブラブラした手の使い方は、かなり改善されてたかなー。でも、美しい動きを身につけるには、もう少し時間が必要かも。
浅田舞選手は、ずいぶんしっかり滑れるようになりましたねー。3年ほど前から実力が停滞気味で、その間に妹の真央選手に差をつけられてしまったけど、彼女もようやく低迷期を脱したという感じです。スケーティングはまだいいとはいえないけれど、それでも以前のようなグラグラ感がなくなったのは進歩だと思います。
安藤美姫選手も、ショートを見た限りでは、「見せる演技」をしようという意図はくみ取れました。身体を大きく使えるようになって、以前の重さはほとんど感じられませんでしたね。ただ、まだ機械的に身体を動かしてるように見えるので、もう少し情感ゆたかに踊れるようになってほしいなーと思います。

一方のアメリカ勢ですが、コーエン選手は今季のグランプリシリーズをお休みするとあって、気分はオフシーズン…って感じの演技でした。けっこう彼女の滑りは好きなので、もうちょい気合いを入れてきたらうれしかったんですけど、これは仕方ないかな。あと、エミリー・ヒューズ選手はなかなかの仕上がりでしたが、昨年の世界チャンピオンのマイスナー選手は失敗が目立ちました。彼女はいつもジャンプが回転不足気味なんですけど、この大会は特にひどくて、ほとんどが氷の上で半回転くらいしてるように見えました。せめてもう少し、ちゃんと空中で回ってから降りてきてほしいものですけど…。

こんな感じで、このときは日本女子が勝ちましたけど、いってみれば日米対抗はスケートアメリカの前哨戦。スケートアメリカには、この中からコーエン選手を除く5人が出場するわけですが、果たして結果はどう出るでしょうか?

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