2006年スケートアメリカ 2006年10月26日〜29日

■男子シングル

織田信成(日本)
エヴァン・ライサチェク(アメリカ)
アルバン・プレオベール(フランス)
11 南里康晴(日本)
ショートプログラムでものすごい高得点をたたき出し、トップに立ったのは織田信成選手。エントリーの顔ぶれを見れば、優勝候補は織田選手かアメリカのライサチェク選手くらいで、ショートで1位をとっても全然不思議ではないのですが、それにしても81.80点はすごすぎです。昨年までとは多少点の出方が違っているとはいえ、歴代2位の高得点ですからねー。近畿選手権で見たときから、ショートはかなり仕上がってる印象でしたけど、いっそう磨きをかけてきたようでした。
フリーではわずかにライサチェク選手のほうが上回りましたけど、SPの貯金が効いて総合ではトップを維持。昨年の高橋大輔選手に続き、またもやこの大会で日本男子が優勝を飾りました。
グランプリシリーズって、特に地元選手へ点が出やすいんですよね。しかも、アメリカはエース格のライサチェク選手が出場しているんだから、織田選手もさすがに今回は厳しいと思ってました。昨年のNHK杯で勝ったときは「ラッキー」って感じが強かったですけど、いよいよ本当の実力をつけてきたなーと…。ますます楽しみになってきました。

■女子シングル

安藤美姫(日本)
キミー・マイスナー(アメリカ)
浅田真央(日本)
浅田 舞(日本)
女子シングルは、安藤美姫選手の優勝で幕を閉じました。正直、この結果には驚いてます。
ショートプログラムはかなり滑り込んでるようだったし、66点台という高得点の2位も納得できたんですけど、本人もフリーはそうでもない…みたいなこと言ってたんですよね。だから、そんなに期待はしていなかったんですけど、技を正確にこなすことに重点を置いたのがよかったのかなー。7度の3回転ジャンプをすべて決め、ほぼパーフェクトに滑りきってくれました。
まず、出だしのコンビネーションジャンプがショートより高かったですからねー。前日は若干回転不足気味に見えたんですが、フリーはほとんどそれを感じませんでした。ストレートラインステップの途中でつまづいたのがもったいなかったけど、ミスらしいミスはそれくらい。TES(技術点)での70点超えも納得でした。PCS(表現点)は少し低かったけど、これは技と技との間は「ただ滑ってるだけ」のところも多かったので、仕方ないかな。とにかく、最後までしっかり滑りきって、ジャンプも全部跳べたのは大きいです。つなぎの部分は、これからいくらでも改善できますから。
あとは、まだ若干身体が重そうなので、もうちょい絞ってほしいかな。今はジャンプの回転がギリギリで、ちょっと不調だと回転不足にとられてしまいそうなんですよね。少しやせれば、ラクに跳べるようになると思います。技術面以外では…やはりメイクを改善してほしいです。昨シーズンみたいに目の上を真っ青に塗ってないだけ、まだいいんですけど、もうちょっときれいに見えるように研究してほしいです。素顔はかわいいんですから。
浅田真央選手は、ショートはすばらしい出来で、さすがと思ったんですけどねー。すべてのジャンプをきっちり回りきってから降りてたし、驚異の68点台をたたき出して、今季は敵なしか?なんて感じだったんですけど…。フリーでは一転、暗い感じに終始してしまいました。
前からそうなんですけど、彼女は最初の3アクセルを失敗すると、演技も表情も沈んじゃうんですよね。ジャンプをひとつくらい失敗したって、次で取り返せばいいんだから、気持ちをさっと切り替えてくれればいいんですけど、そのあたりが若さゆえ…なのかなぁ。その部分を自分でコントロールできるようになれば、またステップアップできるんじゃないでしょうか。あとは、曲の速さにまだついていけてない感じがしました。この選曲は、チャレンジの部分が大きいと思うので、これから滑り込んでいって、しっかりモノにしてほしいです。
あ、もうひとつ書かせてもらうなら、あの衣装もなんとかしてくれないかなーと…。肌色の布地を使うのはかまわないんですけど、もうちょっと自然な感じにできないんでしょうか。特に、ショートの衣装なんて、肌色のタンクトップの上にドレスを着てるように見えるんですよね。とにかく、改善を望みます。
そういえば、あの「タンクトップ仕様」は浅田舞選手も同じで、美しい「白鳥の湖」にはあまりに不似合いでした。演技については、以前より進歩はしてるんだけど、やはりまだ、ほかの2人とはかなりの差がある感じです。もう少し高くジャンプが跳べればいいんですけど、それを改善するのは難しいでしょうねー。特に3フリップの転倒なんて、明らかに高さ不足が原因だと思うし…。それと、ジャンプの前に必ず「構え」のポーズが入って、それが長いのも気になります。ついでに、ショートもフリーも最後はY字スピンで終わるのですが、軸足がものすごく曲がってるのはなんとかしてほしいです。
なんだか欠点ばかり書いてしまいましたけど、あの優雅な雰囲気は舞選手だけのもので、真央選手にも安藤選手にもないんですよね。持って生まれた資質を生かすためにも、もうちょいがんばってくれればなーと思いますね。
対するアメリカのマイスナー選手は、ショートの不調はどこへやら?って感じで、かなりしっかりジャンプを決めてきてました。ただ、相変わらずひどい回転不足なのと、演技を見てても全然おもしろくないのがちょっと…。なんか、見てると「無味乾燥」って言葉が浮かぶんですよね。よくいえば「端正」なんでしょうけど、私にはツマランのです。そういう意味では、成績は下でもエミリー・ヒューズ選手のほうが、見ていてずっと楽しいです。これでもか!ってくらいアピールしてきますからねー。

■ペア

井上怜奈/ボールドウィン(アメリカ)
シュデク/シュデク(ポーランド)
ナリ・ナム/レフテリス(アメリカ)

■アイスダンス

デンコワ/スタビスキー(ブルガリア)
グレゴリー/ペチュホフ(アメリカ)
ペシャラ/ブルザ (フランス)
渡辺心/木戸章之(日本)

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