2008年近畿選手権 2008年10月10日〜12日

10月11日と12日の2日間、フィギュアスケートの近畿選手権を見に行ってきました。近畿選手権ってなんやねん?という方に、てっとり早く説明するなら、年末に行われる全日本選手権の予選…といえばいいでしょうか。ここで上位に入った選手が11月の西日本選手権へ駒を進められ、そこでさらに好成績を収めれば、全日本に出場できるというわけなのです。図で表すと、だいたいこんな↓感じです。

全日本 東日本 東北・北海道
関東
東京
西日本 中部
近畿 ←私が見に行ったのはコレ
中四国・九州

つまり、各選手権に出場しなければ、基本的に全日本へは出られないのですが、前年の全日本1〜3位の選手はシードされているので、出る必要はないし、同時期に国際大会へ派遣されている選手も免除されます。つまり、強い選手はエントリーしないことが多いのですが、それでも、調整などを目的に出てくる選手もいたりします。今年は、東京選手権に中野友加里選手と村主章枝選手が出場して、かなり盛り上がったようです。ただ、近畿選手権のほうは、それほど知名度のある選手は出ていなくて、至って地味に開催されてました(笑)。たぶん、フィギュアスケートを「テレビでなんとなく見る」程度の人だと、全然わかんないと思うんですけど、そこは私の趣味なので、どうぞお許しくださいませ。

で、感想です。まず印象に残ったのは、シニア女子の北村明子選手でしょうか。もともと北村選手と、武田奈也選手、浅田舞選手、澤田亜紀選手は同学年で、同じように注目されていたのですが、今は故障などもあって、武田選手以外は目立った活躍ができていない状態です。そのなかで、今回の近畿選手権には北村選手と澤田選手が出場する…とあって、復調を願いつつ観戦したのですが…。
正直、北村選手がここまで仕上げてきているとは予想してなかったです。もともとジャンプがあまり高くない選手で、そのあたりが弱点だったのですが、今回は少しミスはあったものの、3フリップも跳んだし、けっこうまとめてきてたと思います。そして、圧巻だったのが、最後のコンビネーションスピンからストレートラインステップまでの流れ! 音楽は「ポエタ」だったんですけど(ランビエール選手がフリーで使ってたフラメンコの曲)、スピンは速いし、ステップも音楽にバッチリのってたし、なにより「表現しよう」という気持ちが伝わってきて、めっちゃ感動しました! 拍手もひときわ大きくて、このレベルの大会ではめずらしく、立ち上がってた人もいたくらいです。
ただ、そのすばらしかったスピンが、残念なことにノーカンになってしまって(ルールを説明すると長くなるので省略します)、点が伸びなかったんですよね。それは少しもったいなかったけど、それでも十分に手応えは感じられたので、次の大会がとても楽しみです。
澤田選手のほうは、ジャンプはそこそこ跳んでいたのですが、難易度の高い3フリップは回転不足をとられていて、もう少しかな〜という感じです。あとは、全体に勢いがなくて、調子のよかったころのハツラツとした雰囲気が見られなかったのは残念でした。今季からコーチも代わったことだし、少しずつ調子を上げていってほしいです。
ちなみにシニア女子の順位は、1位…村元小月選手、2位、淀粧也香選手、3位…北村明子選手、4位…澤田亜紀選手でした。1位の村元選手は、前半にジャンプの失敗はあったけど、後半はきっちり成功させてたし、スピン、ステップともレベル3〜4を揃えてきて、あとで点数を見てみれば、2位以下にけっこうな差をつけてました。動きもよかったです。

あと、注目してたのは、ジュニア男子の吉田行宏選手ですね。一昨年のこの大会で初めて見て、スピンとステップのうまさに驚かされた選手で、昨シーズンの全日本ジュニアで4位、シニアの全日本でも7位に入っています。ただ、いかんせんジャンプの確率があまり高くなくて、跳べないことはないんだけど、どっかこっかで失敗する…という感じ。今回も、SPではせっかく3回転−3回転のコンビネーション(3フリップ−3トウループ)が決まったのに、残りの二つのジャンプは着氷が乱れてたし、フリーでは課題の3アクセルに挑戦するも、ステップアウトできちんと降りられず。3ルッツは跳べたけど全体にミスが目立ち、体力を消耗して最後はフラフラ状態でした。もうちょっと体力をつけないと厳しいですかねー。ただ、一応3アクセルに挑戦はしたし、ほかのジャンプもすっぽ抜けることはなかったんで、次に期待しますわ。
なお、優勝はこの吉田選手でした。なんせ、ジュニア男子の出場者は4人だけで、ほかの3人とは実力差がありすぎるので…。年々薄くなっていく選手層に、危機感を募らせてます。でも、近畿のジュニア男子でフィギュアの競技者が4人しかいないということではないんですよ〜。決められた級を持ってないと、出場自体できないから、どうしても少なくなってしまうのです。もう少し下の世代になると、また増えてきてくれる…と思いたいです。

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