2006年のトピックス   

4月23日
競泳の日本選手権最終日、ここまで優勝なしだった北島康介選手が、男子100m平泳ぎでようやく勝利をつかみました。1分00秒71と、北島選手にしてみれば平凡なタイムでしたが、とにかく「勝つ」ということが大事だったんでしょうねー。負けが続いて、ものすごく精神的に追い込まれてたようだったし、ゴールしたあとは本当にうれしそうでしたから…。それにしても、このレースでは終始リードを保ってて、危なげのない展開だったし、たった1日でここまで立て直してくるのはすごいです。惜しくも世界選手権の代表内定には届きませんでしたが、夏のパンパシでの泳ぎに期待したいですね。
女子200m背泳ぎは、伊藤華英選手が2分9秒15の日本新記録で100mとの2冠を達成。昨年からぐっと強くなったけど、今年は貫禄がついてきたような気がします。終始先行し、最後まで中村礼子選手に追い上げを許しませんでした。中村選手も悪くない泳ぎでしたが、身体半分の差が最後まで詰められませんでしたね。伊藤選手が、完全に第一人者の座についた…って感じがしました。
男子200m背泳ぎは森田智己選手が勝って、こちらは3冠を達成。決勝で1コースに回った森田選手は、もしかして、中野選手と離れようとする作戦だったのでしょうか。最後のターンまでは中野選手がリードしていましたが、力が入ったのか結局は3位でゴール。森田選手の強さが際だちました。
また、女子1500m自由形は山田沙知子選手が制し、今大会は柴田亜衣選手を圧倒しました。完全に復活を果たしましたね。ここまでくるのには、ものすごく苦しんだと思うから、今度こそ世界の大舞台でもきっちり実力を発揮してほしいです。2位は矢野友理江選手で、柴田選手は3位と敗れました。腰の故障がよほど悪かったんでしょうか。距離が長くなると、そのぶん影響も大きくなってくるのかなー。早く治してほしいですね。
女子100mバタフライは、中西悠子選手が実力を発揮。スタートは遅れましたが、ラスト50の強さが半端じゃないんですよね。ゴール近くになると、テレビで見ていてもひとかきごとに前に出るのがわかりました。100はあまり得意じゃないみたいですけど、スタートさえ改善すれば、こちらも世界に通用するんじゃないでしょうか。
男子800m自由形は、長距離の第一人者・松田丈志選手が、7分55秒11の日本新で圧勝。男子100mバタフライは、休養あけの山本貴司選手が逆転勝ちを納めました。
そのほか、女子50m自由形は山田香選手、男子50m自由形は伊藤真選手、男200m個人メドレーは高桑健選手、女100m平泳ぎは三輪芳美選手が、それぞれ制しています。

4月22日
競泳の日本選手権第3日、男子50m背泳ぎで森田智己選手が25秒39の日本新を記録。3年連続4度目の優勝を果たし、世界選手権の代表にも内定しました。短い距離が得意だけあって、ここは順当勝ち…という感じでしたねー。世界選手権でも、この強さを発揮してほしいです。これまで世界では「よくて銅メダル」のランクでしたけど、それ以上をねらえる位置にきたといえるんじゃないでしょうか。また、25秒49で2位に入った古賀淳也選手も、同様に代表内定しました。
女子800m自由形は、山田沙知子選手が8分28秒07で2年ぶり8回目の優勝。400mに続いて、柴田亜衣選手を大差で下しました。絶好調の山田選手に大して、柴田選手は先月に腰を痛めたのが、泳ぎ自体に影響を及ぼしている様子。なんか、この2人は「どっちかがいいと、どっちかが悪い」って感じなので、早く調子を戻してもらって、競いあいを見せてほしいです。なお、世界選手権の代表に内定したのは、山田選手のみとなっています。
男子50m平泳ぎでは、北島康介選手がまたも2位と敗れてしまいました。勝った崎本浩成選手が28秒27、北島選手が28秒30。僅差ではあっても、負けは負けなんですよね。200で敗れて、ここは勝ちたい気持ちが強かったと思うんですけど。この敗戦に関しては、相手が強かったというより、やはり北島選手自身の調子の悪さが原因だろうし、一度崩すとなかなか立て直すのは難しいんでしょうか。
女子50m背泳ぎは、中村真衣選手が28秒56の日本新で2年連続4度目の優勝を飾りました。女子で唯一、がんばり続けるベテラン選手になってしまいましたが、それでもなお日本新をマークしてくるとは、本当に頭が下がりますね。世界選手権の代表にも内定したし、大舞台でさらに日本記録を更新してほしいです。

4月21日
競泳の日本選手権第2日、男子100m背泳ぎで森田智己選手が、初の53秒台となる53秒85の日本新を記録。5連覇を果たしました。森田選手は午前中の予選でも54秒12の日本新をマークし、決勝でさらにそれを更新しました。多くのトップ選手は、世界選手権より若干落としてこの大会に臨んでくるのですが、森田選手だけは毎回きっちり合わせてきますよねー。それがいいのが悪いのか…というところはありますが、見ているほうにはおもしろい! 毎回「すごいなー」と、ただただ感心しております。
ただ、決勝のレースは前半かなり抑えた感じだったので、まさかここまでの記録が出るとは思いませんでしたね。ターンした時点では3位。でも、そこからの勢いが違いました。あっという間にトップに出ると、後続の選手にどんどん差をつけ、しかもゴール手前でも勢いは衰えず。あれだけスピードアップしながら、最後で一伸びするのには驚きでしたねー。
森田選手はこれで、来年の世界選手権代表にも内定。2位に入った山口雅文選手も、54秒52で同様に代表内定となりました。来年は南半球のオーストラリア・メルボルンが開催地なので、いつもの7月ではなく3月に行われるんですよね。だから、記録によっては今回で代表が決まる場合もある…というわけです。その派遣標準記録については、かなり厳しく設定されてるようですけど、ほぼ1年後の代表が今現在の調子で決まってしまうのは、選手も大変だろうなーとは思いますね。
女子100m背泳ぎは、伊藤華英選手の強さが際だちました。タイム的には1分0秒65で、2位・中村礼子選手の1分0秒88とそんなに差はないんですけどねー。前半中村選手に大きくリードされても、冷静に差を詰めていって最後できっちり逆転するあたり、自信にあふれた泳ぎに見えました。逆にいうと、中村選手は身体ひとつリードしてても逆転されてしまうわけで、この落ち込みさえなくなれば…とも思うのですが、それが難しいのかな。まあ、2人ともなかなかの好タイムを出したということで、どちらも世界選手権の代表に内定。このまま競い合ってレベルを上げてもらえれば、表彰台に2人上がることも可能になってきそうです。
女子200mバタフライは、矢野友理江選手が本命・中西悠子選手を破り、2分8秒34で初優勝を果たしました。前半から積極的に出たのが功を奏しましたが、正直、最後まで持ちこたえられるとは思ってませんでした。矢野選手ってこんなに強かったっけ?と、かなり驚いてしまいました。中西選手もかなり追い上げたんですが、現在フォーム改造中ということで、イマイチ力を出し切れなかった感じです。ただ、中西選手も2分8秒55で世界選手権の代表に決まったし、調整途中で内定がとれただけでもよかったのかも。それにしても、世界のメダリストでも、ちょっと調子が上がらないと国内で負けてしまうあたりに、日本の層の厚さを感じました。
男子200mバタフライでは、柴田隆一選手の泳ぎに驚きました。注目選手としては松田丈志選手や、今回から競技会への復活した山本貴司選手だったと思うんですけどねー。柴田選手は途中まで世界記録を上回るペースで泳ぎ、ラストでも持ちこたえて大差でゴール。1分55秒27で優勝をさらうとともに、世界選手権代表にも内定しました。前半、あれほどハイペースで泳いで、よくガタガタにならなかったものだと感心しました。
松田選手と山本選手は、ともに1分57秒02の同タイムで2位を分けあいました。松田選手は、私的には大注目の選手なのですが、今回は1500mにも出てないし、あまり調子が良くなかったのかなー。山本選手のほうは復帰直後にもかかわらず、「さすが」という泳ぎを見せてくれましたが。
このほか、男子1500m自由形は土岐健一選手が15分17秒03の高校新記録で優勝。男子個人メドレーは4分16秒78で佐野秀匡選手が制しました。また、女子200m自由形は三田真希選手が2分0秒13で、男子200m自由形は櫻井裕司選手が1分49秒84で、それぞれ勝っています。

4月20日
競泳の日本選手権が開幕。注目の男子200m平泳ぎで北島康介選手が4位と敗れ、表彰台にすら乗れないという波乱の幕開けとなりました。
北島選手はスタート直後から先頭に出て、50、100とターンごとに差を広げ、本来なら楽勝となるはずの展開でした。150のターンでも、そんなに差はつめられてなかったし、最後でようやく今村元気選手が追いついてきたという感じだったのですが…。ラスト10mあたりで木村太輔選手と末永雄太選手が迫ってきて、最後の5mで木村選手が一気に逆転。2分12秒54で初優勝を果たしました。2位は100分の3秒遅れで今村選手、3位はさらに100分の1秒差で末永選手、4位の北島選手は2分12秒76でした。
上位3人が僅差なのに、そこから北島選手まで少し差があるのが気になります。少なくともラスト5mまでは、今村選手とトップ争いをしていたのに、そこからがくっと落ちてしまいましたから…。前半、そんなに飛ばしてたわけではないと思うのですが、ひじとひざを痛めていたそうだし、最後でその影響が出てしまったのかもしれません。しかし、またもや一番得意なはずの200mで代表落ち…というのが残念です。
それにしても、北島選手以外で勝つとしたら、今村選手くらいだと思っていたのに、木村選手が優勝をさらってしまうとは予想外でした。昨年のこの大会では今村選手に次いで2位に入りましたが、あのときは北島選手がかなり不調でしたからねー。でも、今回はかなり実力もついてきた感じです。
女子400m自由形では、山田沙知子選手が4分9秒63で復活の優勝を飾りました。柴田亜衣選手は、自己の持つ日本記録から5秒以上遅れる4分12秒37で2位。2年前から急速に力を伸ばしてきた柴田選手が、完全に日本トップの座についたと思っていたのですが、山田選手もまだまだ負けてない…ということでしょうか。というより、柴田選手の調子が悪すぎたのかなぁ。あと、山田選手の場合は、日本で勝ててもその先が問題なので…。こんなにいろんなことを乗り越えてきてるんだから、精神的にも少しは強くなっていることを期待しておきます。
また、男子50mバタフライは予選23秒94、決勝23秒91と二度の日本新をマークした高安亮選手が制し、男子100m自由形は小島貴光選手が50秒16で初優勝。女子400m個人メドレーは、藤野舞子選手が2種目目の背泳ぎでトップに立ち、4分45秒86とタイム的には不満は残るものの貫禄勝ちを見せました。そのほか、女子50mバタフライは加藤ゆか選手が27秒13で、女子200m平泳ぎは北川麻美選手が2分27秒90で、それぞれ勝っています。
マラソンの高橋尚子選手が、合宿先のボルダーから帰国しました。今回の合宿では、基礎練習をしっかり行ったとのこと。故障しない身体づくりができていればいいですねー。それから、次のマラソンは秋以降…ということも話したそうですが、これはやはり東京になるんでしょうか。スポンサーとのからみもあって、ほかの大会には出にくいと思うのですが、東京は一番タイムが出にくいコースだけに、結果が気になるところです。もちろん、調子さえ良ければ、そんなこと関係ないんでしょうけどね。
バレーボールの元日本代表・鈴木洋美選手が、ビーチバレーに転向し、佐伯美香選手とペアを組むことになりました。佐伯選手は、シドニー五輪のビーチバレーで4位と活躍を見せたものの、組む相手が変わってからは今一歩の成績。鈴木選手はアテネ五輪の候補にはなったものの、故障で結局代表入りならず…という状況です。
ビーチバレーって、バレーと同じようでいて、異なる部分が多々あるんですよね。佐伯選手がシドニー当時に組んでいた高橋選手は、身長は高くなかったと思うんですけど、とにかくうまかった印象があります。鈴木選手は185cmの長身だそうで、全然タイプは違うのですが、果たして2人の相性はいかに? うまく合えばいいですねー。

4月16日
長野マラソンの女子は、ロシアのイワノワ選手が2時間28分52秒で2連覇を果たしました。注目された千葉真子選手は22kmすぎに棄権、日本勢トップは2時間36分56秒で4位の星野芳美選手でした。男子はキニャンジュ選手(ケニア)が2時間11分18秒で初優勝し、日本勢では藤本大輔選手が2時間16分30秒で8位に入りました。

4月15日
瀬古利彦氏が、エスビー食品陸上部の監督を3月いっぱいで退任していたことがわかりました。4月1日からは、同社スポーツ推進局長という肩書きになっているそうです。今後も陸上部には関わっていくようですが、「監督」という立場ではないということですね。なお、後任の監督には武井隆次コーチが昇格したそうです。
私は、マラソンというと瀬古さんと宗兄弟…という時代から見ていて、特に瀬古さんの全盛期の勝負強さは凄かった…という記憶があります。そんな彼らが引退して、監督になって…。そしてついに、監督業からも卒業しようとしてるんですねー。宗茂さんも、旭化成の監督を退任しているし。なんだか、時の流れを実感させられてしまいました(自分が年をとったともいう…)。ついでに、新監督の武井氏については、高校駅伝で走っているときから知ってます。たしか、5000mで最初に14分を切った高校生だったかな。
正直、瀬古さんは、監督としては選手時代を超えることはできなかったと思います。武井新監督は、選手としては瀬古さんを越えられませんでしたが、ぜひ指導者として恩師を越えてほしいですね。

4月12日
来年の8月25日から大阪で世界陸上が行われますが、その開幕500日前を記念してカウントダウンイベントが開催されました。イベントには、400mハードルの為末大選手、100mの朝原宣治選手、長距離の福士加代子選手も出席。「開幕まであと○日」のカウントダウンボードの除幕式などが行われたそうです。
為末選手はスピードアップをねらって今季はフラットレースに専念、ハードルは跳ばないそうです。また、朝原選手はなんとか競技力を維持して地元開催の大会に出たいとのこと。いろいろ聞いてはいますが、来年の長居では、ぜひ、それぞれの思いを実現させてもらいたいですねー。
2016年の五輪招致を目指す福岡市ですが、開催した場合の全体事業費を約4860億円と算出したそうです。民間が主体で、市の負担は約970億円になるとか。一応、1000億円以下の負担が目標で、それをクリアした形となりましたが、果たして本当に試算どおりにいくのでしょうか?

4月9日
柔道の全日本女子体重別が行われ、谷亮子選手が不在の48kg級で、19歳の山岸絵美選手が優勝しました。ちなみに決勝の相手は、16歳の中村美里選手。この階級にも、ようやく若い選手が出てきてくれたかなーという感じです。今までは、ホープ登場?と思っても、結局は谷選手の壁に跳ね返されるし、2番手には北田選手が控えてるし…で、いつの間にか消えてしまってましたから。来年、谷選手が復帰したときには、五分に戦えるくらいに育ってくれてるといいんですけどねー。
五輪金メダリストの63kg級・谷本歩実選手、70kg級・上野雅恵選手、78kg超級・塚田真希選手は順当に各階級を制覇。特に、谷本選手と上野選手は全試合一本勝ちで、貫禄を見せつけた感じです。2人とも、昨年の世界選手権では金を逃していて、特に上野選手は初戦敗退だったのですが、ちゃんと復活してくるあたり、やはり実力者だなーと思いましたね。なお、52kg級は宝寿栄選手が、五輪銀の横澤由貴選手を決勝で破って優勝。78kg級は昨年の世界選手権銀メダル・中沢さえ選手が制し、57kg級は岩藤理恵選手が2年ぶりに優勝を果たしています。
飛び込みの室内選抜大会最終日、女子シンクロ高飛び込みは山下美沙子/中川真依組が298.26点で優勝しました。女子1m板飛び込みは西井亮子選手が勝ち、3mと合わせて2種目を制覇。また、男子高飛び込みは宮本幸太選手が、男子シンクロ高飛び込みは桜井薫/狩野友昭組が、それぞれ制しています。

4月8日
飛び込みの室内選抜競技大会第2日、男子3m板飛び込みは寺内健選手が467.55点で優勝を果たしました。2位以下に100点近い差をつけたというから、もう全然実力が違いますよね。しかも、それだけ圧勝したにもかかわらず、失敗した演技を試合後に1人やり直していたというから、相当高いところを目指してるんでしょう。ここ数年は故障続きで、昨年の世界選手権も欠場。でも、今年は体調も万全らしく、かなり充実している様子です。果たして、このまま北京まで突っ走ることはできるのでしょうか?
また、女子高飛び込みは宮崎多紀理選手が優勝。所属先の企業から契約を打ち切られ、どうするんだろう…と思っていたのですが、どうやら競技を続けられる環境にはあるようです。なんとか逆境を跳ね返してほしいですね。
出産のため競技から一時離れている、柔道の谷亮子選手ですが、復帰は来年以降になりそうです。この日の会見で、じっくり調整していく方針を明らかにしたとのこと。しかし、本当に北京でメダルをとったらすごいですよねー。なんせ、1人で5個のメダル、しかも全部別々の大会なんて、そうできることじゃないですから。

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