2006年のトピックス     

2月28日
日本選手団の本隊が、トリノより帰国しました。成田空港には、荒川静香選手などを一目見ようと、なんと900人以上もの人が集まったとか。メダルを首からさげ(リボンしか見えませんでしたが)、手に金のブーケを持った荒川選手は、やっぱり最高に輝いてましたねー。
そのあとの会見の模様は、各局で放送されてましたが、金メダルをとるとこうも印象が違うものか…と思いましたね。荒川選手のインタビューとかは、これまで何度も聞いているはずなのに、なんというか、一つひとつの言葉にやけに重みが感じられました。
ただ、1人だけの会見は寂しかったですねー。せめて3人くらいいたら良かったのになぁ…なんて思ったりして。

2月9日
トリノ五輪の開会式が、いよいよ明日に迫りました。参加する国と地域が確定し、日本が32番目に入場行進をすることも決まりました。ちなみに、イタリア語表記のアルファベット順では33番目になるのですが、日本より前に入場する韓国と北朝鮮が合同で行進するので、ひとつ繰り上がるそうです。
ところで、80の国と地域のうち32番目って、えらく早いなーと思ったら、イタリア語では「GIAPPONE」。「J」じゃなくて「G」になるんですね。いつもより少しだけ、待ち時間は少なくなるでしょうか。それはそれで、あとの時間がちょっと退屈なんですけどね(笑)。
聖火もついにトリノへ到着。この日から、市内でのリレーが始まりました。最終ランナーはまだ公表されてなくて、当の本人にも知らされていないそうなのですが…。すんなり本命・トンバ氏が、最後に登場するのでしょうか?
ノルディック複合の高橋大斗選手が、ジャンプの公式練習中、腰に違和感を覚えて練習を中断したそうです。選手村で日本選手団のドクターに診断を受けたところ、問題ないとのことで、一安心…という感じです。腰は昨シーズンにも痛めているし、クセにならなければいいのですが。
ほかにも、出場を間近に控えた選手たちが、入念な調整を行いました。期待がかかる、加藤条治選手をはじめとしたスピードスケート陣は、おおむね感触は良いようです。ただ、岡崎朋美選手の風邪は気になりますが…。日本選手団主将を務める岡崎選手は、当然開会式への出席も予定されているのですが、最悪、欠席ということになるかもしれません。
また、開会式翌日に早くもレースが行われるのが、モーグル女子。上村愛子選手がエアの練習をする映像が見られましたけど、完璧…という感じではなかったですね。いかにきっちり降りて、スムーズに次のターンへ移れるか…ではないでしょうか。
五輪のスキー・クロスカントリーに出場予定の8選手が、ヘモグロビン検査で基準値を超えたことを理由に、5日間の出場停止となりました。故意か偶然か…。たまたまならば、運が悪かった…ということになります。
日本からこの競技に出場する恩田祐一選手も、昨シーズンのノルディック世界選手権のときに「基準値を超えた」とされ、結局レースには出場できませんでした。でも、その後「体質的なもの」とはっきり証明されて、今回は仮に基準値を超えていたとしても出場できることになっています。昨年は、突然の出場停止に「気の毒」としか思えなかったのですが、今から考えるとあれで良かったかも。昨年そういうことがあったから、「体質」が証明されたわけで、もし、昨年ギリギリで超えてなくて、今回は超えてしまったとしたら、五輪に出られないことになってましたから。

2月8日
開幕を2日後に控え、トリノでは開会式のリハーサルが行われました。聖火の点灯シーンでは、高さ57mの聖火台の下から、火が上ってくる光景が見られたとか。実際に見られるのが楽しみです。
ノルディック複合のジャンプ公式練習が始まりました。高橋大斗選手はノーマルヒルの台で3回飛び、2回目に全体のトップとなる101.5mを記録したとか。本人も「クセがなく飛びやすい台」と言っているし、ジャンプに関しては問題ないようです。しかも、外国人選手にとっては必ずしも「いい台」ではないようですからねー。
ただ、走るほうに関しては、いろいろと心配なことも多い様子。前日の練習では、アップダウンが激しく、足に負担がかかるコースなうえ、雪質はスキーに張りつく感じと、かなり厳しい印象だったみたいです。クロスカントリーで落ちる分を、ジャンプで稼ぐことはできるんでしょうか?
スピードスケートの日本チームが、記者会見を行いました。最も質問が集中したのは、やはり男子500mの加藤条治選手。昨シーズンの世界種目別選手権で優勝し、今季もW杯前半はすこぶる好調。世界記録も更新して、名実ともに世界のトップ選手となりました。年明けからは少し体調を崩していましたが、本番にはなんとか間に合ったようだし、日本選手のなかで一番メダルの確率が高いのには違いないでしょう。
その加藤選手がライバルに挙げたのは、ウォザースプーン選手(カナダ)、ドロフェエフ選手(ロシア)、チーク選手(アメリカ)だとか。その3人に加藤選手を加えた4人で、金メダルが争われることになるんでしょうか。
なお、清水宏保選手だけは、体調不良を理由にこの会見を欠席。本当なら、上の4人に加えられるべき選手なのですが…。500mの試合当日までに、清水選手は調子を取り戻せるのでしょうか。
フィギュアの高橋大輔選手が、合宿地のクールマイヨールで練習を開始しました。本番会場に限りなく近づけたというリンクの氷は、とても質が良く滑りやすいとか。身体をしっかり作り直してきた成果もあり、3アクセル−3トウループのコンビネーションもしっかり決めたそうです。ただ、4回転の成功率は、依然あまり高くないようですが…。ただ、シーズンはじめから年末の全日本まで、着実に技のレベルを上げてきているし、この1か月と少しでさらに上達しているはず。今の勢いを持続して、本番を滑りきってほしいです。
この日、セストリエールの選手村に、ジャンプの4選手とスケルトンの3選手が到着しました。これで選手の大部分が、選手村や直前合宿地に入ったことになります。2日後の開会式では、元気な顔がたくさん見られそうですねー。
トリノ五輪に参加するのは、80の国と地域で確定しました(最初、82とニュースに出ていたのですが、後刻訂正されました)。国際オリンピック委員会の発表によるもので、もちろんこれは過去最多となります。ちなみに前回は、77の国と地域でした。今回初参加となるのは、エチオピアとマダガスカルだとか。いったいどんな種目に出場するんでしょう?
五輪の入場券は、これまでに72万枚を販売したそうです。この5日ほどで、さらに2万枚が売れたもよう。それでも、バイアスロンやノルディック複合、アルペンスキーなどは、少し残っているようです。意外なのが、開会式も高額の席を中心に多少は売れ残りがあるということ。高額席「中心」ということは、それほど高くない席もある…んですよね? トリノの人に、開会式へ行ってほしいですねー。
前回大会ではクロスカントリーの選手を中心に、ドーピング違反が大量発覚しましたが、今回は相当な対策を講じている様子。31日の選手村オープンから、これまでに101件の抜き打ち検査が行われたそうです。大会が終わるまでには計1200件が実施されるとのこと。前回に比べて72%増で、違反そのものが減ればいいんですけど。
国際オリンピック委員会の選手委員選挙が、トリノ五輪の各選手村で始まりました。これにはノルディック複合の荻原健司氏が立候補していて、五輪参加選手の投票で当選者が決まることになっています。15人の立候補者のうち、当選するのは2人。かなり狭き門なんですよね。前回五輪の際は落選しましたが、今回はいろいろと準備もしているようだし、ぜひ当選して、国際舞台での日本の発言力を高めてほしいですね。
ソルトレークシティー五輪で「最も幸運だった選手」といえば、思い当たる方もいらっしゃるでしょうか。ほかの選手の失格に次ぐ失格で、「タナボタ」の金メダルを手にした人物…。あのスピードスケート・ショートトラックのブラッドバリー氏(オーストラリア)が、母国のチームリーダーとしてトリノに来ているのだそうです。彼の名前はオーストラリアの俗語辞典にも載っていて、有名人として多忙な毎日を送っているとか。オーストラリアとしても「あの幸運をもう一度」と、ゲンをかついだ…ということでしょうか。果たしてその幸運は、今大会にも受け継がれるのか…。でも、あんな決着のつきかたは、もう二度とあってほしくないですけどねー。

2月7日
5日に続き、スピードスケートの五輪会場で記録会が行われました。
期待がかかる男子500mの加藤条治選手は、スタートから中盤まではしっかり滑り、最後の直線は軽く流した感じで35秒40。16人中4番目のタイムで、調子は上向いている感じです。年明けからのレースは、体調を崩していて良くなかったですけど、なんとか本番には間に合わせてくれる…と思っておきます。
清水宏保選手は、加藤選手に続く5位のタイムだったのですが、調子はまだまだ取り戻せてないようです。最初のスタートダッシュも、納得いかないようだし…。調整力は群を抜く清水選手ですが、本番にあわせてこられるかは微妙ですね。
日本勢でもう1人滑った長島圭一郎選手は7位で、トップは35秒02のドロフェエフ選手(ロシア)。本番のレースでは、当然34秒台の争いになるでしょう。日本勢は、どこまでタイムを伸ばしてこられるでしょうか。
また、女子500mでは大菅小百合選手が38秒54と17人中2番目、日本勢トップのタイムで滑っています。しかも、最後の100mは流したそうですからねー。やはり、日本の女子短距離陣で一番好調なのは、この人で間違いないようです。
ただ、岡崎朋美選手は5位、吉井小百合選手は6位、渡辺ゆかり選手は11位ということで、ほかの選手については若干心配が残ります。岡崎選手は「前に進まない、足が疲れている感じ」と話していて、目標の38秒50には届かず。ノドの調子が悪く、体調的にも問題ありのようです。これからの短い期間で、果たして調整できるのでしょうか。岡崎選手には、日本選手団主将という大任があるし、開会式までにはなかとか体調を整えてほしいです。
スノーボードのハーフパイプ陣が、バルドネッキアの五輪会場で公式練習を行いました。最も注目されるのは、男子の國母和宏選手。今季、W杯で2勝していて、強国からもマークされる存在です。この種目で強いのは北米勢なのですが、彼らは通常のW杯にはほとんど出ないんですね。だから、日本選手が何度も優勝していても、トリノの金メダル候補には挙げられないんですけど、國母選手だけは違う…という感じです。なんせ、金メダル候補筆頭のホワイト選手(アメリカ)に、「一番注意する選手」と言われるくらいですからねー。
まだ17歳の高校生で、昨シーズンまではW杯の優勝もなく、それほど目だった存在ではなかったのですが、五輪シーズンに入ってぐんぐん成績を挙げ、一気に世界トップクラスの仲間入りを果たしました。持ち味の高さを、本番で存分に発揮してくれれば、ある程度の結果はついてくるんじゃないかと思いますね。
女子モーグルの4選手が、五輪会場で初めて練習を行いました。期待のかかる上村愛子選手、里谷多英選手などが入念に滑り込んでいる様子が、ニュースでも紹介されていましたねー。なんでも、雪がかたくてかなり滑りにくいコースらしく、ターンを得意とする里谷選手には好条件。注射で腰の痛みもかなり和らいだようだし、少しは明るいきざしも見えてきたでしょうか? 上村選手も、ヒザの状態は悪くないようだし…。とりあえず、いい方向に向かっていると思っておきます。モーグルが行われるのは開会式翌日の12日で、これで好成績を挙げれば日本選手団全体が活気づくだろうし、なんとかがんばってエアを成功させてほしいです。
フィギュアの高橋大輔選手が、フランス・グルノーブルから直前合宿地のイタリア・クールマイヨールに入りました。グルノーブルでは振付師のモロゾフ氏のもとで、荒川静香選手らとともに練習していたのですが、男子の試合は先に行われるので、高橋選手が一足早くイタリア入りしたというわけです。1月は大半をアメリカで過ごし、レベルアップに取り組んできたとのこと。高橋選手の場合、4回転を含むジャンプの成功率がカギとなるだけに、練習の成果が注目されますね。
ところで、その高橋選手、アメリカNBCテレビのサイトで、「プルシェンコ選手(ロシア)を追う7選手の1人」として紹介されているそうです。プルシェンコ選手が絶対の本命…というのは動かないのですが、それを追う7人はけっこう流動的です。高橋選手以外に名前が挙がっている6人は、ランビエール選手(スイス)、バトル選手(カナダ)、サンデュ選手(カナダ)、ジュベール選手(フランス)、ウィアー選手、ライサチェク選手(ともにアメリカ)なのですが、高橋選手をこのグループに含めてくれているのがうれしいですねー。
普通に考えれば、このなかで一番銀に近いのは、昨シーズンの世界チャンピオン・ランビエール選手でしょう。もともとスピンには定評があるうえ、4回転の成功率もかなりのものですからねー。続く銅の候補としては、バトル選手というのが一般的でしょうか。滑りの質が抜群に良く、失敗してもある程度の高得点がもらえる選手なんですよね。ただ、4回転の成功率は高橋選手より悪いのが難点です。というか、プログラムには入ってても、成功したところを見た記憶がないので…。
残りの5選手はダンゴ状態…です。踊りがうまくてすばらしい技はもっているけれど、ノーミスの確率が限りなく低いサンデュ選手、4回転はそこそこ跳べるけど、動きにセンスが感じられないジュベール選手。アメリカの2人も、メダルをねらうには全体に少し足りないんですよね。高橋選手の場合は、滑りとステップは評価が高いので、ジャンプか決まれば…というところです。
正直、メダルをねらっていくよりは、すばらしい演技で観客を熱狂させてほしいですねー。その力はあると思うし、それができればある程度の結果はついてくるんじゃないかと思ってます。
カーリング代表のチーム青森が、事前合宿地のスイスより選手村に入りました。夕方にはさっそく練習を行ったそうで、目標の1次リーグ突破に向けて、準備は万端の様子です。

2月6日
開幕まであと4日。この日、日本勢が続々と現地に入りました。ノルディック複合チームは、合宿先のスイス・サンモリッツから陸路でセストリエールの選手村へ。クロスカントリー勢も、一部を除いて同地に入村しました。また、チームと離れて1人日本で調整していたジャンプの原田雅彦選手も、日本を発って、夜にはこの地へ到着。ほかのジャンプ陣は、8日にやってくる予定です。
トリノ市内での聖火リレーの概要が発表されました。9日から行われる市内のリレーでは、棒高跳びのブブカ氏や、選手村の村長・ディチェンタさん、それにサッカーのデルピエロ選手なども走者を務めるのだとか。
聖火そのものは、いったんイタリアを離れ、この日はフランスへ。1968年の開催地グルノーブル、92年のアルベールビルを巡ります。7日に再びイタリアへ戻り、クールマイヨール(日本のショートトラック、フィギュア勢の合宿地)からトリノに向けて、リレーをスタートさせることになっています。
トリノではシャトルバスの運行について、不満の声が挙がっているそうです。日本選手団も「スケジュール通りに走らない」と言ってるらしいし、やっぱりイタリア人気質かなーなどと思うのですが、さすがに大会期間中にまともに運行されなかったら問題ですよね。五輪組織委によると、五輪車両専用レーンの適用が徹底されていないこと、トリノの地理に詳しくない運転手がいること…などが原因だそうで、「慣れれば改善される」としています。
普通、トリノの街をよく知らない運転手がいたりすると、業務につく前にある程度の訓練はしておくものだと思うんですけどねー。イタリアでは、仕事をしながら覚えていく方針のようで…。とりあえず、開幕までには道を覚えてほしいですわ。

2月5日
トリノの選手村で、日本選手団の入村式が行われました。遅塚研一団長に、主将の岡崎朋美選手、旗手の加藤条治選手をはじめとするスピードスケート勢など、25人が参加。村長のディチェンタさんからトーチをプレゼントされ、国旗の掲揚と国歌の吹奏が行われました。ニュースでは、加藤選手が頬にキスされる場面なんかも映ってて、さかんに照れてたのが微笑ましかったですねー。
前日にイタリア入りした日本代表選手団の遅塚研一団長らが、この日記者会見を行いました。それによると、「スピードスケート陣は元気そう」で「トリノのリンクは相性がいい」のだとか。ジャンプ陣の力が上向いてきているのにも、手応えを感じているようです。目標のメダル5個は、果たして現実のものとなるんでしょうか?
ノルディックスキーのW杯、ジャンプ団体戦で、日本は伊東大貴選手、一戸剛選手、葛西紀明選手、岡部孝信選手のオーダーで臨み、5位に入りました。絶好調の岡部選手は、1回目139.5m、2回目も134.5mと、唯一130m台を記録。やはり今の日本は、この人にかかっているようです。伊東選手も調子は悪くないようで、2本とも129mとまずまず。葛西選手(122.5m、127.5m)と一戸選手(111m、128.5m)がもう少し上がってくれば…と思います。正直、ジャンプ団体の目標は「1回目8位以内に入って2回目に進むこと」だと思っていたので、ここへきて調子を取り戻してきたのはうれしいですねー。
ただし、優勝したフィンランドは、8本中なんと3本の140m越えがあったそうで、とても日本は歯が立ちそうにありません。2位のオーストリア、3位のノルウェーも、とらえるのは難しそうです。
トリノの本番会場で、スピードスケートの記録会が開かれました。日本選手は男子500mの及川佑選手が35秒66で3位となり、世界スプリントで総合優勝したチーク選手(アメリカ)が35秒13で1位に。女子3000mでは石野枝里子選手が4分14秒63で1位、田畑真紀選手が4分15秒15で2位となりました。女子1000mの外ノ池亜希選手は1分18秒14で3位でした。
記録会といっても、有力選手が多く参加しているわけではないし、どちらかといえば自分の調子を確認するのが目的でしょう。石野選手は、ここへきて前半の歩数を増やした走りに取り組んでいるらしく、このレースで感覚がつかめてきたそうです。直前での変更は、かなりリスクが大きいと思いますが、果たして本番のレースに間に合わせられるのでしょうか?
なお、男子500mの加藤条治選手、清水宏保選手、女子500mの岡崎朋美選手は、7日の記録会に参加する予定です。
ノルディックスキーのW杯、クロスカントリー女子10kmで石田正子選手が14位に入りました。五輪直前だし、有力選手がどのくらい出ているかわからないのですが、14位は健闘といっていいんじゃないでしょうか。横山寿美子選手は32位、福田修子選手は42位、夏見円選手は45位でした。男子15kmは駒村俊介選手の42位が日本勢の最高でした。
アルペンスキーのW杯、女子回転第6戦で広井法代選手が20位となりました。アルペン女子ではなかなかの好成績です。1回目は26位だったそうですが、ランクの低い日本勢の場合は遅いスタートになるので、コースが荒れて条件が悪くなるんですよね。そのなかで26位につけ、2回目で順位を上げたのはすごいです。
優勝したのはクロアチアのコステリッツ選手で、今季5勝目。やはり五輪の金メダルも、この人が持っていくのでしょうか?
フリースタイルスキーのW杯、女子エアリアル第9戦で逸見佳代選手が10位に入りました。男子の水野剣選手は24位でした。

2月4日
日本選手団の本隊約40人が、この日成田を発ち、同日のうちに現地へ到着しました。出発前のセレモニーでは、遅塚研一団長が「チーム・ジャパンが一丸となって」、スノーボードの山岡聡子選手が「良い結果を持ち帰りたい」と述べたとか。期待のかかるスノーボード陣、出場がかなったボブスレーの4選手など、注目の選手も多かったようですね。
選手団はミラノに到着後、それぞれトリノ、バルドネッキア、セストリエールへ。翌5日には、入村式が行われます。
ノルディックスキーのW杯、ジャンプ個人第16戦で、伊東大貴選手が4位に入りました。1回目は136mで2位につけましたが、2回目は135mで順位を落としてしまいました。表彰台の中央にもまだまだ遠くて、優勝したコフラー選手(オーストリア)は、143mと138.5m。それでも4位は健闘といえる成績じゃないでしょうか。
ほかの選手も、全員が1回目で30位内に入り、2回目へ進出。岡部孝信選手は、1回目の不運もあって12位でしたが、2回目は137.5mを飛んで「さすが」というところを見せてくれました。葛西紀明選手は21位、一戸剛選手は28位で、とにかく全員が2回目に進めたのは大きな収穫でしたねー。
フリースタイルスキーのW杯、女子モーグル第8戦に、里谷多英選手が日本からただ1人出場しましたが、予選の第2エアで転倒して24位。決勝には進めませんでした。これでもう、五輪本番まで公式試合はないし、いい感じで滑っておきたかったところなのですが…。どうも下のエアの成功率が、なかなか上がってくれないようです。技は前方宙返りなんですけど、やはり前に回るのは難しいんでしょうねー。今回も、顔から落ちてスキー板も外れたというから、ゴールしただけでもすごいです。
里谷選手の腰の故障は完全に回復したわけではなく、痛み止めを飲んで練習している状態だそうです。それでもかなり痛いというから、エアの完成度を上げるために、滑り込むのもままならないでしょうし…。いくら本番に強い里谷選手といえども、これはかなり厳しい状況といえそうです。
ノルディックスキーのW杯、クロスカントリーの男女スプリントで、男子の恩田祐一選手は準々決勝で敗れました。それでも、予選16位以内に入って、しっかり決勝トーナメントに進んでますからねー。とにかく、クロスカントリー陣で最も期待をかけられるのは、恩田選手に違いないようです。
駒村俊介選手と成瀬野生選手、女子の夏見円選手、福田修子選手、曽根田千鶴選手は、全員が予選で敗退。夏見選手と福田選手なら、予選を通過する力はあるので、五輪ではがんばってほしいですね。
トリノ市で初めてとなる地下鉄が、開幕を前にようやく完成。開通式が催されました。ただし、全線開通したわけではなく、予定の21駅間のうち11駅間だけなのだそうで…。それでも、一応開幕に間に合っただけでも良かった…ということでしょうか。
トリノ五輪組織委員会の発表によると、開会式の選手宣誓は、アルペンスキー男子のジョルジョ・ロッカ選手が務めるのだそうです。今季のW杯回転では開幕から5連勝して、五輪でももちろん金メダルの最有力候補。イタリア選手団のなかでは、この人しかいない…という感じなのでしょうか? 概要が少しずつ明らかにされてきて、ますます開会式が楽しみになってきました。

2月3日
スピードスケート・ショートトラック陣が、トリノ五輪の本番会場となるパラベラ競技場で初練習を行いました。選手たちは、1月末からクールマイヨールでの直前合宿に入っているのですが、この日は本番リンクの感触を確かめにやってきた…というわけです。約1時間という限られた時間でしたが、リレーのタッチ練習なども行ったとか。監督の「氷が練習リンクとよく似ている」という言葉には、ほっとしましたねー。
練習を終えると、選手たちは再びクールマイヨールへ。なんでも、合宿地の製氷ディレクターは、五輪会場も担当している人で、同じ氷を作ってくれているのだそうです。この日の練習でそれが証明されたわけで、選手たちも安心して本番直前までクールマイヨールで調整ができそうです。
ちなみに、この合宿地には近々フィギュア陣もやってくるのですが、フィギュアの練習時はマイナス4℃、ショートトラックならマイナス6℃と、それぞれに最適な温度に調整してくれるとか。そのために、係員は徹夜するそうですから、すごいもんですねー。それにしても、ここはアメリカや韓国のチームも合宿を希望したほど、条件のいいところだというし、よく日本が押さえられましたよね。せっかくの好条件、ぜひとも本番に生かしてほしいものです。
モーグルの上村愛子選手は、現在フランスのティーニュで直前合宿中。この日は練習を公開して、ケガからの回復をアピールしました。エアもしっかり決めたそうだし、かなり調子は上がってきているようです。直前にケガをしたことで、かえってピークが合わせやすくなればいいんですけどねー。こうなったら、本番で大技が決まることを祈るだけですね。
前日は休養に充てた、スピードスケートの岡崎朋美選手ら富士急勢も、この日から本番リンクで練習開始。直前合宿地は屋外リンクだったため、トリノの室内リンクがものすごく暖かく感じられるそうです。これでいい具合に筋肉がほぐれてくれるでしょうか?
この日からいよいよ、聖火がトリノ五輪の会場を巡っていきます。3日はカーリング会場のピネロロ、4日はアルペンスキー会場のセストリエールに入り、開会式前日の9日には、ついにトリノへ到着することになります。
で、ここまでくると話題に上るのが「最終ランナーはだれか?」ということですよね。前回のソルトレークシティー五輪は、1980年のレークプラシッド五輪で金をとったアメリカのアイスホッケーチームが、そして前々回の長野では伊藤みどりさんが最終ランナー=点火者をつとめました。アイスホッケーチームは個人ではないですけど、いってみればその国を代表する、過去の名選手であることが多いわけです。
イタリアの過去の名選手といえば、私でも名前と顔が一致する…というか、顔と名前が一致するのはこの人しかいない、アルペンスキーのアルベルト・トンバ氏…なんですよねー。過去の実績はもちろんですが、なによりこの人は「スター」でしたから。ほかにも2、3名前は挙がっているし、あくまでもそのときまでは「秘密」だそうですが…。まあ、これ以上詮索せずに、楽しみに待つことにします。
トリノ五輪組織委員会より、この大会のボランティアは18000人になるとの発表がありました。64の国と地域から集まっていて、イタリア国内の人が95%、日本からも4人が参加するそうです。ボランティアは、期間中の輸送や観客の案内などを担当するのですが、大会の運営はこの人たちなくしては成り立ちませんからねー。五輪って、本当にいろんな人の助けを借りて行われるんですね。
国際オリンピック委員会によると、トリノ五輪のテレビ視聴者は、冬季大会史上最多となるそうです。少し前にも同様の話題は出ていたと思うのですが…。4年前のソルトレークシティー五輪は160の国と地域、今回は200の国と地域に増えて、約32億人が観戦できるとのこと。いろんな国の人にいっぱい見てもらって、冬季競技がもっと普及してほしいですねー。
五輪のボブスレー、リュージュ、スケルトンが行われる氷のコースで、リュージュのイタリア代表チームが練習を行いました。実はこのコース、昨シーズンにリュージュの事故が相次ぎ、一部が改修されることになってたんですよねー。どうやら工事は無事終わり、担当者によると「以前より安全性は確保されている」とのこと。このままなにごともなく終わることを祈ってます。
スピードスケートのコチュガ選手(ベラルーシ)は、ドーピング違反で昨年の8月から2年間の出場停止処分を受けているのですが、スポーツ仲裁裁判所はこのほど「処分は妥当」という判断を下しました。つまり、トリノへの道が完全に断たれたことになります。女子短距離の有力選手で、日本勢にとっては手強い相手だっただけに、少しはほっとした気分です。日本勢にはチャンスを生かしてほしいですね。

2月2日
アメリカのスポーツ・イラストレーテッド誌から、恒例の五輪メダル予想が発表されました。前回大会の予想は、スピードスケートの清水宏保選手が銀、モーグルの上村愛子選手とショートトラックの西谷岳文選手が銅、だったのですが、結果は清水選手の銀を見事に的中させ、モーグルは上村選手のかわりに里谷選手が銅…と、種目とメダルの色はぴったり。完全に外れた西谷選手の場合は、直前の骨折があったので仕方がないし、日本選手に関してはけっこうな的中率だったわけです。
で、今回の予想が気になるわけですが、同誌によれば
フィギュアスケートの荒川静香選手と、スピードスケートの加藤条治選手が、ともに銅メダル…だとか。日本にとっては厳しい予想ですが、冷静に考えればこんなもんかなぁという気もします。
フィギュア女子の場合、大方の予想では、スルツカヤ選手(ロシア)が金、コーエン選手(アメリカ)が銀で一致しているのですが、同誌はアメリカの雑誌だけあって、金と銀が入れ替わっているのが特徴的です。たしかに、コーエン選手が完璧に演技できれば、金は充分可能だと思うのですが、その完璧がなかなかできない選手だし、それに昨シーズンあたりから、どうも演技に勢いがなくなってきたような気がするんですよね。
銅の候補としては、荒川選手以外に地元イタリアのコストナー選手、村主選手、少し落ちてロシアのソコロワ選手、安藤選手、クワン選手(いちおう入れておきます)…あたりになるのでしょうが、とりあえずコストナー選手でなくて荒川選手にしてくれて良かったです(笑)。私としては、本当に完璧な演技ができたら金もありうる…と思っているのですが、現実的には銅という予想が妥当でしょう。もちろん、予想がいいほうに外れることを願ってるんですけど。
ところで、日本に流れたニュースでは、寸評に「浅田真央選手が出場すれば金の最有力候補で、ミシェル・クワンは期待薄」と書いてあった…ということですが、「???」と思って同誌のサイトを見てみたんですよね。わざわざ自国のコーエン選手を金と予想してるのに、そのメダルの価値を下げるようなことを書くはずがないと思って。
で、英語オンチの私ゆえ、翻訳サイトの助けを借りつつ訳してみたら、「日本の浅田真央選手15歳は、好評でしょうが、競争することができないくらい若く、そこにいないでしょう。そして、ミシェル・クワン、彼女を除外しないでください」という感じのことが書いてありました。ようは、「浅田真央選手は有力だけど、若すぎて参加できません。それと、クワン選手を忘れちゃだめよ」ってことじゃないんでしょうか。少なくとも、「金メダル最有力」なんて、どこにも書いてなかったですねー。できれば「翻訳」と称して、違った意味の記事を載せるのはやめてほしいですわ。
それから、加藤条治選手が銅…というのは、先日の世界スプリントでの不振が予想に反映された感じですね。調子が戻れば、金もねらえると思うのですが、本番までレースを見ることができないだけに、なんともいえないですねー。ちなみに、同誌が予想するスピードスケート男子500mの金は、ウォザースプーン選手(カナダ)となってるんですけど、毎回五輪で失敗しているうえに、今季はそれほど絶対的な強さを誇っているわけでもないんですよね。加藤選手以外の日本勢にも、充分チャンスはあると思いますね。
ちなみに、同誌の予想は↓で見られます。
http://sportsillustrated.cnn.com/2006/magazine/02/01/medal.picks0206/index.html
全部しっかり目をとおしたわけじゃないのですが、「納得!」という種目と、「ホンマかいな」っていうのが混在してる感じですね。
日本のスピードスケート陣は、前日夜までにトリノへ集結。この日から、五輪会場のリンクで練習を開始しました。ここでは昨年12月にW杯が行われたのですが、その後氷が張り替えられて、少々感触は異なる様子。かなり滑りやすくなったようで、及川佑選手はカナダのカルガリーと答えたそうです。カルガリーは、高速リンクで有名なところだし、いいリンクでレースができそうな感じですねー。
スポーツニュースでは、清水宏保選手らが滑る姿が見られましたけど、少しは調子が上向いてるんでしょうか。加藤条治選手も軽めの調整を行ったとのことですが、岡崎朋美選手は交通機関の乱れからトリノ入りが遅れて、この日は1日休養にあてたそうです。ゆっくり休んで、充分疲れをとってほしいですね。
ノルディック複合で一時代を築いた荻原健司さんは、国際オリンピック委員会の選手委員に立候補しているのですが、トリノでは「選手村に張りついて」選挙運動?を行うようです。常々、日本の発言力のなさを嘆いていた荻原選手なら、委員会でも堂々と意見を述べてくれるのではないでしょうか? 英会話にも不自由しないですからねー。前回は落選しましたけど、今回はぜひ当選するよう願っています。

2月1日
出場取り消し…の暗いニュースから一転、日本のボブスレー代表4選手が、五輪へ出場できることになりました。国際オリンピック委員会は、前日までに出場を認める方針を固め、日本オリンピック委員会に伝えてきたそうです。
参加選手の数がオーバーしたため、アジア大陸枠の日本の資格を取り消す…というのを聞いたときは、もう無理かなーと思ったのですが…。なんせ、日本はスポーツに関しては、国際的な場での発言力がほとんどなく、これまでルール変更など不利な条件も無理に呑まされてきましたからねー。よく、覆せたものだと感心してしまいました。
覆った一番の要因は、日本側の主張にあったようです。日本が出られないと、アジアからボブスレーに参加する国はなくなる。それは五輪の精神には反しないのか…と。五輪の「五」は五つの大陸を表してるわけだから、アジアの枠もあってしかるべきなんですよね。これには「うまいこと言うなー」と、ちょっと感心してしまいました。
あとは、JOCの竹田会長が、IOC側の窓口となった人物といい関係を築いていたのも、効果があったようです。いくら日本側が主張しても、聞いてくれる人間がいなければどうにもなりませんからねー。選手はかなり国際化してきたけれど、上層部はまだまだ…と思っていたのですが、この一件を見るかぎり、けっこう進歩はしているようです。
ボブスレーの派遣が認められたことで、日本選手団は当初の計240人(選手113人、役員127人)から、計238人(選手112人、役員126人)となりました。スピードスケートの安田選手の派遣がなくなったのは残念ですが、それでも長野を除けば過去最大には変わりなし。選手団本隊が日本を発つのは、2月4日。すぐ目の前に迫ってきましたね。
スピードスケート代表のうち、日本電産サンキョーに所属する4人が日本を出発。ミラノから陸路でトリノへ入りました。
注目の加藤条治選手は、さかんに体調の回復をアピールしてたようです。年末からひいていた風邪のせいで、先日の世界スプリント・500mは、2回滑って7位と8位。加藤選手にしては低調な成績で試合を終えていました。実力的には金メダルも充分ねらえるのですが、問題は体調が回復して、きちんと仕上げてきているか…。この1週間ほどは長野で調整していて、本人いわく「大丈夫」「金メダルをとりたい」とのことですが…。本当のところは、本番を見てみなければわからないですねー。きちんと間に合っていることを願うだけです。
加藤選手以外のメンバーは、女子短距離で期待がかかる、大菅小百合選手と吉井小百合選手、それから長島圭一郎選手の3名ですが、こちらも元気に出発していったようです。一番調子がいいのは、世界スプリントの2日目で、500m3位に入った大菅選手でしょうか。新しいブレードの感触もいいようだし、慣れてくればもっと力が出せると期待しておきます。
また、イタリアのコラルボで調整していた清水宏保選手、田畑真紀選手らは、陸路でトリノに到着。日本選手団で最初に選手村へ入りました。それから、岡崎朋美選手ら富士急の4選手も、合宿地のドイツ・インツェルを出発。スピードスケート陣が、どんどんトリノへ集まってきましたねー。
スキー・アルペンの佐々木明選手が、スイスで行われた欧州カップの滑降に出場。61位となりました。最初は「日本のエースが61位…!」と驚いてしまったのですが、よくよく見てみれば種目が「滑降」なんですよね。佐々木選手は回転のスペシャリスト…というか、回転以外はいつも下のほうの順位なので(大回転でも)、滑降じゃ仕方ないでしょう。
ちなみに目的は、来季のW杯でアルペン複合に参戦するため、ポイントを獲得することだそうです。アルペン複合は、滑降と回転を1回ずつ滑って順位を決める種目ですが、どちらもすごく得意…という選手はいないはず。一方だけ飛び抜けている選手か、両方ともほどほどに滑れる選手の、どちらかのタイプだと思います(アルペンはあまり詳しくないのですが…)。佐々木選手には、ぜひぜひ参戦してほしい種目ですね。
連日、開会式のアトラクション練習が行われている、トリノのコムナーレ競技場に、巨大な球状の物体が姿を現しました。写真で見る限りでは、水色っぽい、きれいというか幻想的?な感じ。会場からはカクテル光線も放たれて、なかなか美しい光景だったようです。果たして、開会式でどんなふうに使われるんでしょうか。
トリノの道路では、五輪関係車両のみが走る「五輪レーン」の運用が始まりました。黄色の線で区切ったレーンには、青で五輪マークが描かれているとか。このごろは、ニュースでトリノの街が映ると、必ず画面のどこかに選手の姿が見えるんですよね。きっと、すっかり五輪ムードに包まれてるんだろうなー。
一方で、不安なニュースも入ってきました。なんと、セストリエールのアルペンスキー会場で、放送センターの床の一部が抜け落ちてしまったとか。ケガをした人がいなかったのは幸いですが、こんなことがあると不安になってしまいます。五輪組織委は、放送センターを24時間閉鎖して、原因を調べるそうですが…。今からこんなことでは、各国スタッフが全員中に入ったとき、どうなるか怖いです。ちなみにテレビスタジオの数は80。けっこうな人数になりそうです。

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