2005年のトピックス           10

4月30日
上海で卓球の世界選手権が開幕しました。初日に登場した日本勢は、男子シングルスの高木和卓選手と水谷隼選手の2人。どちらも高校生、しかも水谷選手は日本男子では史上最年少となる15歳での代表入りとあって、なかなか注目が集まっているようです。この日の予選リーグでは、8組の水谷選手、27組の高木和選手のどちらも、全勝でその組の1位となり、1日の本戦進出決定戦に駒を進めました。
注目が集まる日本女子は、1日から登場します。

4月29日
体重無差別で争う全日本柔道選手権が行われ、大本命の鈴木桂治選手が2連覇を果たしました。
左ひじを手術したあとの治りが遅かったそうで、全日本体重別は練習不足で欠場。ほとんどぶっつけ本番で臨んだというこの大会ですが、さすが五輪最重量級の金メダリスト…というべきでしょうか。一戦ごとに試合勘を取り戻していってましたよねー。特に準決勝では、生田秀和選手に内またで豪快に一本勝ち。自分より大きな選手を、あそこまできれいに1回転させるんだから、ただただ感心してしまいました。
そして決勝では、村元辰寛選手に優勢勝ち。お互いなかなか技が出ず、指導が重なっていたところに、鈴木選手が村元選手に押し出された感じになって、場外に足が出てしまいます。これで「注意」がきて、一気に鈴木選手が不利になったように見えたのですが…。試合が再開された直後、鈴木選手が怒濤の攻めを見せました。すごい勢いで向かっていった、と思ったら、すかさず得意の足技「小内刈り」で相手を倒し、有効を奪います。ここでポイントが並び、最後は旗判定にもつれこみましたが、やはり技でのポイント…というのが大きかったのか、2−1で鈴木選手が勝ち、2連覇を達成しました。
絶好調のときに比べれば、まだ動きが本物じゃなかった感じですが、世界選手権までには間があるし、それまでには戻してくれると思っておきます。去年だって、全日本では指をケガして本調子じゃなかったけど、アテネではあの強さでしたからねー。それに、今回は念願の100kg級での代表入り。五輪よりひとつ下の階級で、どんな戦いを見せてくれるでしょうか。
ただ、残念だったのが、鈴木選手との対決を楽しみにしていた棟田康幸選手(2年前の最重量級世界チャンピオン)が、3回戦で敗れてしまったことです。なんでも、1週間前にぎっくり腰になったとかで、負けた試合のビデオが少しだけ流れたのですが、全然技が出てませんでした。身体を支える腰を故障したのでは、どうしようもないですよね。たぶん出てくるだけで精一杯だったのかなー。
それから、アテネ五輪66kg級金メダリスト・内柴正人選手の出場も話題になりました。ただ、結果は、初戦で飛塚雅俊選手に一本負け。試合時間はわずか1分9秒で、本人の言う「必殺技」を出すこともできなかったのは残念でした。あたりまえのことですが、90kg級の選手と組み合っていると、まるで大人と子どもぐらいの差がありますよねー。ここで大きな選手を投げ飛ばしてれるとおもしろかったんですが、さすがにそんなマンガのような展開は無理だったようで…。でも、「来年も出たい」ということなので、今度はもう少し見せ場を作れるよう期待したいです。
そういえば、もう10年以上も前、古賀稔彦さんがこの大会に参戦して、大きな選手を次々に撃破し、決勝進出を果たしたんですよね。内柴選手は60kg台、古賀さんは70kg台で、少し条件は違いますけど。それにしても、小さな選手が勝っていくさまは、見てたらワクワクしただろうなぁ…(見たかった!)。そこから古賀さんが「平成の三四郎」と呼ばれるようになったわけですが、できれば内柴選手には「二代目・三四郎」を目指してほしいですわ(笑)。
なつかしい…といえば、もうひとつ。準決勝と決勝の間に、山下泰裕さんが型を披露してくれてました。山下さんが現役のころ、全日本ではいつも斎藤仁さんと決勝を戦ってたのを覚えているのですが(ちゃんと見てました)、お互い手の内を知り尽くしていて、技が全然出なかったんですよね。で、結局最後は旗判定で山下さんが勝っていたのですが、今なら指導の累積で両者失格になるだろうなーなんて、思ってしまったのでした。
なお、世界選手権の代表ですが、100kg級は上にも書いたように鈴木選手、100kg超級と無差別級は、棟田選手と高井洋平選手に決まりました。ただし、棟田選手と高井選手のどちらがどの階級に出場するかは未定で、決定は大会直前になるそうです。
陸上の織田幹雄記念が行われ、男子100mに注目の末續慎吾選手が登場。10秒15で優勝しました。スポーツニュースで見ただけですが、後半の加速もスムーズで、オフはいいトレーニングができたかなーという感じです。シーズン始めにしてはなかなかいい記録だし、日本選手権あたりには10秒0台では走ってくれそうですね。また、ベテラン・朝原宣治選手は、後半がイマイチ伸びきれずに10秒31の3位。こちらは徐々に仕上げていく感じでしょうか。
また、男子110mハードルでは、内藤真人選手が13秒59とまずまずの記録で、日本人最高の2位に入りました。五輪はイマイチでしたが、実力を出し切れば決勝進出は狙える選手なんで、今年こそは…!って感じですね。
また、男子5000mの日本人最高は、高岡寿成選手の8位。おそらく高岡選手は、マラソンのため、スピード練習はそう積んでいないはずなのですが…。なのに、ほかの日本人選手が勝てないことに、もどかしさを感じてしまいます。今季も男子のトラック長距離陣は望み薄かなぁ…。
それから女子ですが、400mでは日本記録保持者の丹野麻美選手が、53秒09の大会新でこの種目を制し、5000mでは阿蘇品照美選手が15分23秒61で2位に入りました。阿蘇品選手は、先日の兵庫リレーカーニバル10000mでも日本人トップになっているし、今季はかなり調子が良さそうですね。

4月27日
堤義明氏が、国際オリンピック委員会の栄誉委員を辞任したことがわかりました。堤氏は証券取引法違反の容疑で起訴され、先ごろIOCから栄誉委員の資格を暫定的に停止されていました。が、結局は堤氏のほうから「辞任したい」と書面で申し出たとか。
事情が事情だけに、仕方のないことではあるのでしょうが…。少なくともこの人がいなければ、伊藤みどりというスケーターをはじめ、多くのスポーツ選手が、花を咲かせることなく終わっていたかもしれないんですよね。いろいろ告発なんかもされたりしてますけど…(真偽のほどは不明ですが)。少なくとも、この人がスポーツ界から姿を消すことが、損失であることは確かではないでしょうか。

4月25日
前日まで行われた競泳の日本選手権の結果を受けて、代表選手35人の顔ぶれが決まりました。やはり、自由形は、リレーにもエントリーするようですねー。女子800m自由形が、一番上位に行ける可能性がありそうですが、それでどのくらいの結果が出るのか、かなり興味がありますね。代表選手は以下のとおり。主将は北島康介選手が務めることになっています。
男子 自由形…伊藤真、細川大輔、佐藤久佳、奥村幸大、内田翔。背泳ぎ…森田智己、宮下純一、中野高。平泳ぎ…北島康介、今村元気、木村太輔。バタフライ…高安亮、松田丈志、柴田隆一。個人メドレー…佐野秀匡、三木二郎、奥出泰史。
女子 自由形…山田香、浦部紀衣、山田渥美、上田春佳、柴田亜衣、山田沙知子、貴田裕美。背泳ぎ…中村真衣、伊藤華英、中村礼子。平泳ぎ…中村沙耶香、種田恵、田村菜々香。バタフライ…土肥亜也子、中西悠子、矢野友理江。個人メドレー…藤野舞子、森下愛子。
また、飛び込みでも女子4選手が代表に決まり、練習中のケガで選考会を欠場した寺内健選手は、6月のワールドグランプリ・イタリア大会の結果待ち…となりました。ケガの原因が器具(トランポリン)の破損によるもので、本人のせいではないこと、それに、結局は世界で上位に入れるのは寺内選手ぐらい…というのが大きな理由でしょう。早くケガを治してほしいですね。4選手の顔ぶれは次のとおりです。
女子…西井亮子、山下美沙子、中川真依、浅田梨紗。

4月24日
競泳の日本選手権最終日、注目の男子100m平泳ぎは、北島康介選手が1分0秒89で6連覇を果たしました。200で敗れ、50でなんとか取り返し、そして最終日の最後の種目となった100では、後半でほかの選手を引き離して勝利をものにしました。北島選手が本来の調子であれば、1分は切ってほしかったのですが、不本意な記録でもしっかり勝つあたり、やっぱ強いなーと思いますね。200で負けてから急遽泳ぎを修正したそうですが、この短期間で形にできるところはさすがです。ただ、このままだと世界選手権では勝負にならないので、これから夏に向けて、きちんと調整してってほしいです。
それから、前日までに3種目を制していた松田丈志選手は、男子800m自由形に出場。7分58秒74で勝って、なんと2年連続の4冠を達成しました。本当に、「日本版イアン・ソープ」みたいな選手ですよねー。世界選手権では、少しでも本家?に近づいてほしいものです。
意外だったのは、男子200m背泳ぎで森田智己選手が負けてしまったことでしょうか。もともと短距離のほうが得意なうえに、肩を痛めたのも影響したのかなぁ…。が、インタビューではしっかり「勝ったと思って最後は抜いてしまった」と言うあたり、正直というかなんというか…。確かに見ていても、最後に逆転したかな?とは思ったんですが、油断は禁物ということでしょうか。「最っ悪です」の言葉に、悔しさがにじんでましたねー。まあ、森田選手の場合はこの種目2位で、世界選手権には出られますから、そこでいい泳ぎを見せてほしいです。優勝したのは中野高選手で、タイムは1分58秒79、2年ぶりの勝利でした。
続いて、五輪メダリストがなかなか勝てなかった女子背泳ぎ。この日は200mが行われて、五輪銅の中村礼子選手がようやく勝つことができました。さすがに、アテネでメダルをとった種目で、負けるわけにはいかない…ということでしょうか。中村選手も、大会前に故障があったりして万全ではなかったようですが、夏にはちゃんと調整して出てきてくれるでしょう。
また、2位は伊藤華英選手で、この大会は100で優勝、50と200で2位と、3種目で代表切符をとることになりました。やはり、五輪に出られなかったことが、バネになっているんでしょうか。こちらも世界選手権での活躍を期待したいです。
逆に、アテネ代表だった寺川綾選手は、1種目も2位以内に入れず代表落ち。この種目では、前半から飛ばす積極的なレースを見せてくれましたが、後半で失速してしまいました。でも「なんとか代表に入りたい」という思いは伝わってきたので、今後に期待したいです。
そのほかの種目の結果です。女子1500m自由形は、山田沙知子選手が2年ぶりに優勝し、2位に貴田裕美選手が入りました。男子100mバタフライは、高安亮選手が52秒67で初優勝。男子200m個人メドレーは佐野秀匡選手が勝って、400mとの2冠を達成しています。
この日の結果により、新たに7種目10選手が代表に内定しました。女子1500m自由形の山田沙知子選手、貴田裕美選手、男子800m自由形の松田丈志選手、男子200m個人メドレーの佐野秀匡選手、女子200m背泳ぎの中村礼子選手、伊藤華英選手、男子200m背泳ぎの中野高選手、森田智己選手、男子100mバタフライの高安亮選手、男子100m平泳ぎの北島康介選手。
この大会での日本新は、男子50m背泳ぎで森田選手が出したひとつだけ。五輪後で、代表選手は調整が遅れてたのと、直前になって故障する選手が出たりしたのが影響したんでしょうか。夏までには、ちゃんと調整してくれるものと信じておきます。
あと、解説者席には萩原智子さんがいたのですが、本当なら選手としてこの場にいてほしかったなーなんて思ってしまいました。世界の舞台で、その才能を存分に発揮してから引退してほしかったです。今さら言っても、仕方のないことですけど。
陸上の日本グランプリシリーズ第1戦、兵庫リレーカーニバルが行われました。この大会は毎年サンテレビで、ほぼノーカットで放送されて、私も欠かさず見ているのですが、今回に限りぽっかり失念…。気がついたのは放送が終わってからでした。今まで、外出するときも必ず録画して見ていたのに…。残念です。というわけで、今回は主な結果のみお伝えしておきます。
まず、男子棒高跳びは、澤野大地選手が5m70の大会新で2連覇を達成。シーズン当初からなかなかの記録で、今季はかなりの好成績が望めそうです。また、女子800mは杉森美保選手が2分3秒71で、男子3000m障害は岩水嘉孝選手が8分40秒74で、それぞれの種目の第一人者が優勝。記録的にはイマイチですが、トラックシーズンはこれからですからねー。それから、女子1500mは宗由香利選手が4分17秒07の大会新で優勝。今のところ、宗兄弟ジュニアのなかで唯一、日本代表になれるかな?レベルの選手なのですが、果たしてこれからどう伸びてくれるでしょうか。
そして、この大会のメインレース・男女の10000mですが、女子では阿蘇品照美選手が31分23秒55で2位となり、世界選手権のA標準を突破。1位はルーシー・ワゴイ選手で、3位は原裕美子選手、4位は小崎まり選手と、いずれも世界陸上のマラソン代表組が入りました。トラックで代表を目指す選手にも、もう少しがんばってほしかったのですが…。
男子はマーティン・マサシ選手が優勝。27分8秒42で走られたら、日本選手は太刀打ちできないです。以下、6位までは全員が日本企業に所属する外国人選手で、日本勢のトップは瀬戸智宏選手の7位、8位がアテネの代表・大野龍二選手で、9位が日本記録保持者の高岡寿成選手となっています。瀬戸選手はびわ湖でマラソンに挑戦したものの、結果は出せず…だったので、やっぱトラックのほうが向いているのかもしれませんねー。高岡選手は世界陸上に向けてマラソン練習中だし、スピードがないのは仕方ないでしょう。ただ、トラックで代表を目指す選手には、高岡選手は超えてほしかったかも。

4月23日
競泳の日本選手権第3日、この日も注目種目が相次ぎました。
まず、男子200m平泳ぎで思いもよらぬ敗北を喫した北島康介選手ですが、この日の50mでは危なげない泳ぎを披露。浮き上がりからほかの選手を引き離し、この距離にしてはかなりの差をつけて優勝を果たしました。ただ、インタビューでの「50mで代表をとってホッとしているなんて許せない」という言葉は、北島選手らしいなーと…。実際、50はあまり得意じゃなくて、2年前の世界選手権でもほかの種目に集中する意味もあって、結局は出なかったんですよね。今回は当然出場してくるでしょうけど、どの程度の成績がとれるか、ある意味楽しみですね。
それから、女子800m自由形では新旧の女王対決が見られました。日本記録保持者の山田沙知子選手と、アテネ五輪金メダリストの柴田亜衣選手(新旧といっても、本当はこの2人は同い年なんですけど)。が、ここは柴田選手の勢いが優ったようです。まさに完勝でこの大会3種目目の優勝となりました。ただ、山田選手は本調子じゃないし、日本記録をねらっていた柴田選手も、この日は身体が重かったとのこと。次の機会には、2人とも本調子での対決が見たいですねー。
続いて男子50m背泳ぎでは、森田智己選手が日本記録を0秒07更新する25秒61で優勝。前日のレース中に右肩を痛めていたそうですが、とりあえずは目標の日本新達成で、ゴールしたときもいい顔してましたねー。
そして、いつもその驚異的な体力に感心してしまう松田丈志選手は、男子400m自由形でも3分48秒93で優勝。昨年同様、1500m自由形、200mバタフライ、そして400m自由形と、3種目で優勝を果たしました。この日のレースでは、300mまで日本新ペースだったのですが、このへんで疲れが出てしまったんでしょうか。持久力のある松田選手なのに最後で失速してしまい、記録更新はなりませんでした。まあ、記録のほうは世界選手権でねらってもらえばいいかなーと。
それから、アテネを最後にベテラン選手の引退が相次ぐなか、がんばってくれてるのが背泳ぎの中村真衣選手。短い距離が得意な彼女らしく、今大会は女子50m背泳ぎ一本に絞ってきたんですが、さすがに実力を発揮して28秒78で接戦をものにしました。競争の激しい女子背泳ぎで、ベテランになっても日本一でいつづけるって、想像以上に大変なことでしょうねー。でも、中村選手にはまだまだがんばってほしいです。2位は100mを制した伊藤華英選手で、中村礼子選手は3位とまたしても敗れてしまいました。中村礼子選手は五輪後のレースでも好調だったんで、今大会もほとんど勝ちそうだ…なんて思っていたのですが、意外にもこの日まで優勝はなし。本当に厳しい種目です。
あと、田中雅美選手が引退して、エース不在となってしまった平泳ぎ。だれか出てこないか…と期待と不安が半分半分だったのですが、女子50m平泳ぎでは中村沙耶香選手が32秒20で勝ち、派遣標準記録を突破してくれました。田中選手のレベルまで、中村選手が早く上がってくれればいいんですけど。
この日は6種目8人が、派遣標準記録を切って世界選手権の代表に内定しました。男子50m平泳ぎの北島康介選手、女子800m自由形の柴田亜衣選手、男子50m背泳ぎの森田智己選手、宮下純一選手、男子400m自由形の松田丈志選手、女子50m背泳ぎの中村真衣選手、伊藤華英選手、女子50m平泳ぎの中村沙耶香選手。アテネのときとは微妙にメンバーが替わってますけど、結果はどう出るでしょうか。

4月22日
競泳の日本選手権第2日、この日も多くの種目でアテネ代表組が力を見せつけました。
まず、毎回「すごいスタミナだなぁ〜」と感心してしまう、松田丈志選手。この日ははじめに男子1500m自由形を15分18秒23で制し、続いて臨んだ男子200mバタフライも1分56秒28で勝利を収めました。1500mを全力で泳いだあとで、もう一本200mの決勝ですからねー。でも、長い距離が得意な松田選手らしく、途中でトップに立ってからは安泰…という感じ。この種目の五輪銀メダリスト・山本貴司選手が欠場したレースで、松田選手にかなう選手はいませんでしたね。
松田選手は200mバタフライで派遣標準を切って、世界選手権の代表に内定。同種目で2位の柴田隆一選手も、同様に代表入りが決まりました。松田選手は、アテネでは3種目に出場したのですが、あとの2種目はちょと疲れが見えた感じだったんですね。今回はスタミナもアップしてるといいんですけどねー。
男子100m背泳ぎは、この種目でアテネ五輪銅メダリストとなった森田智己選手が、54秒36で泳いで4連覇。2位の宮下純一選手とともに、世界選手権代表に内定しました。森田選手のタイムは、奇しくもアテネで銅をとったときと同じ。あのときは日本新だったのですが、今はこの記録を苦もなく出せるようになったという感じです。本人は日本新をねらっていたようですけど、それは世界選手権でのお楽しみ…ということで。
女子200mバタフライは、中西悠子選手が2分8秒28で5連覇を達成。五輪のこの種目で銅を獲得し、今の日本で中西選手に勝てそうな人は、ちょっと見あたらない感じです。今回も、世界選手権ではメダルを狙ってほしいですね。なお、2位の矢野友理江選手も、派遣標準記録を突破して代表入りしています。
それから、「こんなにスプリント力があったのか…と驚かせてくれたのが、女子200m自由形の柴田亜衣選手。ご存じ、アテネ女子800mの金メダリストですが、400ならともかく、200でもこれほどの強さを発揮するとは思ってませんでした。ほかの選手に先行されていたのは、スタートから少しの間だけですからねー。あとは柴田選手の独擅場。アテネでは発展途上のなかで金をとってしまった…というふうに見えたのですが、その成長ぶりはとどまるところを知らないって感じですね。
あと、レース後のインタビューで、柴田選手が「今回は4×200mリレーを組むって聞いたから出場した」みたいなことを言ってたんですが、実現すれば久々の世界大会エントリーということになります。世界から遅れをとっている、自由形短距離の活性化につながればいいんですけど。
男子200m自由形では、五輪メドレーリレーの銅メダルメンバー・奥村幸大選手が、日本記録まであと0秒1の1分48秒97で3連覇。男子自由形短距離も、強化をお願いしたいです。
…とまあ、ここまでは五輪選手が順調に勝ってきましたが、負けた種目もちらほら。特に女子100m背泳ぎは、五輪4位の中村礼子選手が絶対本命だと思っていたのですが…。結果は伊藤華英選手が1位で中村選手は2位。ちょっと意外な結果でした。ただ、この種目はもともと日本のレベルが高くて、有力選手がひしめきあってるんですよね。伊藤選手は昨年、本当に惜しいところで五輪出場を逃していたから、今回は意地があったのかもしれません。もちろん、2位の中村選手ともども世界選手権の代表に決まりましたが、2人とも大舞台での活躍が望めそうです。
男子400m個人メドレーでも、五輪代表の三木二郎選手が、元気のない泳ぎで敗れ、佐野秀匡選手が優勝しました。三木選手が3種目目の平泳ぎで出てきたときは、逆転するかなーと思ったんですけど、自由形で急に失速してしまった感じ。佐野選手が、4分16秒60の自己ベストをマークする泳ぎで完勝し、世界選手権の代表に内定しました。
この日は9選手が代表に決まりましたが、いずれもいい泳ぎで、夏が楽しみになってきましたねー。

4月21日
競泳の日本選手権、初日の男子200m平泳ぎで、あの北島康介選手が敗れる波乱がありました。しかも、順位は3位。北島選手が、本来は最も得意とする種目で、世界選手権に出場できないことになってしまいました。勝ったのは、五輪代表の今村元気選手、2位に木村大輔選手が入りました。
前半は接戦でした。が、先行していたのは常に北島選手。100のターンまではずっとそんな調子で、いつもなら後半に北島選手がリードを広げるパターンでした。ですが、150のターンで今村選手が逆転し、その後は差が広がる一方…。さすがの北島選手も、焦りが出てしまったんでしょうか。ゴール手前で極端に失速し、最後は追い上げてきた木村選手にも逆転されてしまいました。この落ち込みは、ちょっと考えられないものでしたね。
優勝した今村選手のタイムは2分11秒70、北島選手は2分13秒26。いくら持久力に不安があるとはいえ、ありえないくらい悪いタイムです。高地トレーニングで体調を崩したのが響いて、スタミナ面で不安があったそうですが…。いろんな要因が重なって、最後の失速に結びついてしまったんでしょうか。五輪であれだけ凄い精神力を発揮しておきながら…。こういうこともあるものなんですねー。とりあえずは、100での巻き返しを期待したいです。
また、女子400m自由形は、五輪金の柴田亜衣選手が4分7秒93で初優勝。日本記録保持者の山田沙知子選手は2位となりました。昨年のこの大会では、柴田選手の急成長は感じられたものの、実力では山田選手が一枚も二枚も上を行ってました。それが、アテネを経て、今は完全に立場が逆転してしまいましたね。柴田選手の場合「金メダルは通過点」って感じで、さらに高いところを目指しているのが頼もしいです。
ただ、山田選手も、アテネ後は「どうするんだろう…」って思ったんですけど、元気に復活してくれて良かったです。彼女の問題はほとんど精神面のみなので、きっかけさえ掴めれば、大きな大会でもラクに勝てるようになると思うのですが…。でも、それが難しいんでしょうねー。
女子400m個人メドレーは2年ぶりに藤野舞子選手が制し、アテネ五輪代表の天野美沙選手は3位とふるいませんでした。昨年は、予想外の藤野選手の敗戦と、高校生の天野選手の優勝に、少々驚いたものでしたが、今年は立場が逆転してしまったようです。それにしても、ちょっとした調子の良し悪しで、すぐに順位が入れ替わってしまうあたり、日本の層の厚みを感じさせますねー。
そのほか、男子100m自由形は細川大輔選手、男子50mバタフライは高安亮選手、女子200m平泳ぎは種田恵選手、女子50mバタフライは土肥亜也子選手が制しています。
初日の結果、男子200m平泳ぎの今村選手と木村選手、女子400m自由形の柴田選手、女子400m個人メドレーの藤野選手が、水連の定める標準記録をクリアして、世界選手権の代表に内定しました。
ソフトボールの日本代表17人が発表されました。アテネ五輪代表で今回もメンバー入りしたのは、上野由岐子選手、坂本直子選手、内藤恵美選手、山田恵里選手の4人。また、シドニーの代表・増淵まり子選手が代表に復帰しました。選手の引退などもあって、結構がらりとメンバーが入れ替わったのかな。このメンバーで、7月のUSカップとジャパン杯、8月のアメリカとの親善試合に臨むそうです。今回は、「少しは打てるチーム」になってくれてればいいですねー。

4月20日
卓球の世界選手権を目前に控え、日本代表合宿が公開されました。本番での大歓声に慣れるため、なんと、その歓声を録音したテープを流しながら練習しているんだそうで…。本当に効果があるのだろーか…という疑問は残りますが、まあ、なんでもやっておいて損はないということでしょうか。
福原愛選手は「初出場のつもりで」と抱負を述べたそうです。前回の世界選手権では、あれよあれよという間にベスト8まで勝ち進みましたが、今回はどこまで行ってくれるでしょうか。実力が上がっているのは間違いないところですが。
また、日本のエース・梅村礼選手は、新たに文化シヤッターと契約を結んだそうです。福原選手ばかり注目されがちですが、こちらの活躍も期待したいです。
国際オリンピック委員会理事会の最終日、2012年夏季五輪の実施競技について、7月のIOC総会で決定する際の、その方法が決まりました。現在の28競技それぞれを投票にかけ、「存続」という票が過半数を占めなければ、その競技は除外されるそうです。つまり、「こんな競技必要ない」という意見が半分より多かったら、即ボツ、というわけで…。瀬戸際にある競技にとっては、冷や汗ものの投票になりそうです。
で、除外される競技が出たら、候補に挙がっているラグビー、スカッシュ、ローラースケート、ゴルフ、空手で投票を行い、3分の2以上の賛成があれば五輪競技として承認されるとか。実際に2012年の五輪で実施されるかは、もう一度投票を行って、過半数を得るかどうかで決めるそうです。場合によっては、28競技より少なくなる可能性もありそうですね。
投票は7月8日に行われますが、各競技の命運はいかに…!?
もうひとつ、IOC理事会での話題です。ロゲ会長は記者会見で、北京五輪の治安について、「(中国)政府は完全な支援を約束し、いかなる重大な事件も起きないと確信している」と語ったそうです。まあ、約束するのも確信するのも自由ですけど、それが本当に実行されるかは、まだまだ「???」といった感じなんですけどねー。特に、近くにいる私たちにとっては。

4月19日
18日に行われたボストンマラソンで、女子はキャサリン・ヌデレバ選手(ケニア)が、2時間25分13秒で2年連続四度目の優勝を飾りました。気温が20℃を超えていたそうで、タイム的にはそこそこという感じですが、きっちり勝つあたり、さすが五輪銀メダリストですよねー。こんなふうに、ヌデレバ選手やラドクリフ選手の話題が伝えられてくると、やはり「野口選手も早く…」と思ってしまいますね。
なお、日本から参加した小川ミーナ選手は、2時間37分34秒で9位。男子の優勝は2時間11分45秒のハイル・ネグシエ選手(エチオピア)でした。

4月18日
ベルリンで開催中の国際オリンピック委員会の理事会で、2012年夏季五輪の実施競技について議論されているそうです。といっても、この場で決まるわけではなく、7月の総会で決定するための土台作りをしているのだとか。
3年前は、野球、ソフトボール、近代五種を廃止する方向で議論がされましたが、結局は先送りになって、北京五輪でも実施されることが決まっています。今回、ロゲ会長の「公平な方法で見直す」とか、「有力な競技は心配しなくていい」というような発言が、断片的に伝えられていますが、結局は総会まではなにもわからない、という感じです。今、候補にあがっているゴルフや7人制ラグビーなどが採用されれば、どれかの競技にそのしわよせがくるだろうし…。
もしも、野球とソフトがなくなって、ラグビーが採用されでもしたら、日本のメダルが確実に2個は減りそうです。
マラソンの野口みずき選手の五輪後第1戦は、どうやら夏になりそうです。7月3日に北海道で行われる、ハーフマラソンが有力だとか。一応、4月24日の兵庫リレーカーニバルと、5月3日の静岡国際の10000mにエントリーはしているらしいのですが、藤田監督が乗り気でないみたい。秋に海外のマラソンに出場して記録を狙う…というのは決まっているので、そのためには夏のハーフに出場してから、という考えのようです。
海外の有力選手が、五輪後にもどんどんレースに出場しているので、間隔があきすぎるとちょっと不安になってしまいます。…というよりは、あまりシドニー後の高橋尚子選手と同じようなコースはとらないでほしい…というのが正直なところです。

4月17日
柔道の全日本女子選手権は、塚田真希選手が薪谷翠選手との対戦に勝って、4連覇を果たしました。ここのところ国内の重量級の決勝は、ほとんどこの2人の対決になってるんですけど、最近は塚田選手が少々水をあけた感じがします。1週間前の全日本体重別では、なかなか技が出なかったのですが、この日は積極的に攻めていって、薪谷選手の動きを封じてましたからねー。薪谷選手も指導をとられ、攻めようとしたのですが、そこを逆に塚田選手にやられてしまった…という感じでした。
世界選手権の代表は、78kg超級が塚田選手、無差別級が薪谷選手と決まりました。五輪では、相手の一瞬のスキをついた寝技で金をもぎとりましたが、世界選手権ではどういった試合を見せてくれるか…。これはかなり楽しみです。
ロンドンマラソンが行われて、女子では世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ選手(イギリス)が、2時間17分42秒の好記録で優勝を飾りました。
絶対本命だったアテネ五輪では、意外にも途中棄権に終わりましたが、その後は昨年11月のニューヨークシティー、そしてこのロンドンと尻上がりに調子を上げている感じ。しかも、今回の記録は2時間17分台。途中からはペースメーカーを置き去りにして突っ走ったというし、なんでこの人が五輪で勝てなかったのか、いまだに不思議でなりません。
暑さとタフなコース、それにプレッシャーが敗因だったのでしょうが…。でも、五輪後にすでに2本、レースを走ってますからねー。きついコースを走る体力と、短期間に多くのレースをこなす体力は、別物だということでしょうか。世界陸上は…どの種目にエントリーしてくるんでしょうねー。
なお、男子はマーティン・レル選手ケニア)が2時間7分26秒で優勝。日本の諏訪利成選手は、2時間10分23秒で7位に入っています。
陸上の日本選手権(兼アジア選手権)男子50km競歩が行われ、アテネ五輪16位の山崎勇喜選手が3時間50分39秒で優勝。世界陸上のA標準をクリアして代表に内定しました。できれば、五輪以上の成績を望みたいですねー。また、2位に入った明石顕選手も3時間59分11秒とギリギリA標準を突破しています。

4月15日
日本オリンピック委員会と福岡市が、パートナー都市協定を締結したそうです。これは、大阪市、長野市、福岡県に次く4件目になるとか。内容は、JOCが福岡市の施設を利用する際に便宜を図る…とか、いろいろあるようですが、福岡にとってはなにより、2020年のオリンピック招致に向けて、その第一歩といった意味合いが強いようです。JOCはすでにオリンピック誘致を目指すと言ってますからねー。このあと、いくつか手を挙げる都市は出てくるでしょうけど、どこでもいいからとにかく日本で開催してくれ〜というのが、私の正直な気持ちです。

4月13日
日本水連から、世界選手権のシンクロ代表10選手が発表されました。ソロの代表は、先日のジャパンオープン兼日本選手権で日本人トップとなった鈴木絵美子選手に。デュエットには同じく鈴木絵美子/原田早穂組が出場することになりました。立花美哉/武田美保組と同じ成績を収めるのは難しいでしょうが、いい演技をして、次の試合につなげてほしいです。
代表選手は次のとおりです。
鈴木絵美子、原田早穂、川嶋奈緒子、北尾佳奈子、小村恵里佳、小西貴子、青木愛、松村亜矢子、橘雅子、小林寛美。

4月12日
柔道男子の全日本選手権を目前に控えて、強化合宿のもようが公開され、注目の鈴木桂治選手らが会見を行いました。
鈴木選手は、左ひじの手術からの回復が間に合わず、先日の体重別選手権を欠場。世界選手権の代表入りをかけて、次の全日本一本に絞ってきたわけですが、まだ完全に回復したわけではないようです。痛みは依然ひかず、本人いわく「腹をくくってやる」と、不完全な状態のなかでの試合出場となりそう。
全日本選手権の結果で、100kg級、100kg超級、無差別級の代表が決まるのですが、体重別選手権では棟田康幸選手が準決勝で敗れたし、井上康生選手は当分ケガからの復帰が望めそうにないし、かなり混沌とした状況になってます。だれも安泰ではないようで、いったいどういう結果になるか注目されるところです。
射撃のW杯、男子エアピストルで中重勝選手が6位に入りました。小林晋選手は26位でした。

4月11日
日本陸連の強化委員会、各種目担当部長などが発表されました。新たに就任が決まったのは、女子長距離・マラソン部長の金哲彦氏。以前はリクルートで女子の指導をしていて、解説などでもおなじみの方です。
また、男女ハードル部長には、若干33歳の山崎一彦氏が起用されることになりました。これは、かなり思い切った若返り人事で、びっくりしてしまいました。私にとって山崎氏は、まだ「選手」のイメージが強いですから…。そういえば、同時代に活躍した苅部俊二氏も、先ごろ法政大の陸上部監督に昇格したそうだし、指導者もどんどん若返っていくもの…っていうか、若返らないといけないんでしょうねー。
射撃のW杯、女子25mピストルで稲田容子選手が9位に入りました。女子エアライフルの古野本真希選手は12位、太田優子選手は13位、岩田聖子選手は30位でした。

4月10日
柔道の全日本女子体重別選手権が行われ、五輪メダリストたちも元気な姿を見せてくれました。
注目の48kg級決勝は、谷亮子選手が延長戦の末、北田佳世選手に優勢勝ち。谷選手は体調を崩していた…と聞いていたし、1回戦では全然彼女らしくない試合で「これで大丈夫?」なんて思いましたけど。明らかにいつもより動きが鈍かったですからね。それでも、決勝の延長に入って、勝負どころで攻め勝ったという感じ。最後は北田選手に指導が行って、決着がつきました。やはり、谷選手は「勝ち方」ってものを知ってるんでしょうねー。北田選手にしてみれば、ここで勝っておきたかったと思いますが…。
78kg超級の塚田真希選手は、決勝でいつもどおり薪谷翠選手と対戦。技は出るもののポイントはとれず…という感じだったのですが、あまり攻められない薪谷選手のほうに指導が重なって、結局は塚田選手が勝ちました。手の内がわかっている者同士の対戦だと、結局は指導の数で決まってしまう感じです。
70kg級の上野雅恵選手は、決勝は効果ひとつのポイント差で優勢勝ち。ただし、試合は終始上野選手が押していたので、イメージ的には「圧勝」でした。
…とまあ、ここまでは五輪金の選手が順当に優勝したのですが、唯一63kg級の谷本歩実選手だけは、決勝で敗れてしまいました。ただ、相手が上野順恵選手(上野雅恵選手の妹)なので、これは仕方がないかなー。もともと力は接近してますから。お互い、技があまり出なくて、結局は指導ひとつで勝敗が決まりました。
また、52kg級のアテネ銀メダリスト・横澤由貴選手も準決勝で敗退し、君島奈津子選手が初制覇。阿武教子選手が引退した78kg級は中沢さえ選手、日本のウイークポイント57kg級は宮本樹理選手が、それぞれ初優勝を果たしています。
ところで、テレビ中継では全然まともに試合が見られなかったので、情報を求めて柔道連盟のサイトへ行ってみたら、なんと、全試合のハイライトシーンが動画で見られるようになっていてびっくり! 1試合30秒ほどなのですが、それでも充分参考になりました。ほかの競技団体も、こういうのやってくれないかなぁ。
上記の結果を受けて、78kg超級と無差別級以外の世界選手権代表が決まりました。52kg級の横澤由貴選手、63kg級の谷本歩実選手は、今大会では敗れましたが、五輪メダリストの実績がものをいって、代表入りとなりました。各階級の代表選手は、次のとおりです。
48kg級…谷亮子、52kg級…横沢由貴、57kg級…宮本樹理、63kg級…谷本歩実、70kg級…上野雅恵、78kg級…中沢さえ。
クレー射撃のW杯・女子トラップで、井上恵選手が88点の世界新記録を樹立し、初優勝を果たしました。今回からルールが変わったため、優勝記録=世界記録になるんですよね。優勝もうれしいけど、ひとつおまけがついてきた感じです。
井上選手は、音楽の道からの転向…ということで、アテネ五輪の代表に選ばれた当時、けっこう話題になりました。五輪では、女子ダブルトラップに出場して5位入賞。ただ、北京五輪ではダブルトラップが実施されないため、アテネ後はトラップに転向していたそうです。でも、転向後に早くもこんな結果を出すとは、やはりものすごく射撃に適性があるんだろうなぁ。
バドミントンのヨネックスオープン・ジャパン最終日、男女のシングルス決勝は、いずれも中国勢同士の戦いとなり、女子シングルスはアテネ五輪金の張寧選手が、世界ランク1位の謝杏芳選手を破って優勝。男子は世界ランク1位の林丹選手が、相手の棄権により初優勝を果たしています。
それにしても、今さらながらの疑問なのですが、なぜバドミントンは中国や東南アジアの国が強いんでしょう。卓球とかだと、なんとなくわかるような気もするのですが、バドミントンも似た部分があるのかなぁ…。日本が、上に行けそうで行ききれないところも、ちょっと卓球と似てるような気もしますね。
飛び込みの室内選抜競技大会最終日、男子高飛び込みは宮本基一郎選手が優勝。また、女子1m板飛び込みは、15歳の樋口絵里衣選手が制しました。女子シンクロナイズド高飛び込みは、世界でも通用する実力の宮崎多紀理/大槻枝美組が大槻選手の故障で欠場。石井めぐみ/山下美沙子組が優勝しています。
国際陸連(IAAF)は、国籍を変更した選手は「変更後3年は試合に出場できない」とする方針だそうです。これは、中東諸国などが、資金力にものをいわせてアフリカの選手を国籍変更させ、自国の選手として出場させている状況に、歯止めをかけるのが目的です。
今のところ、出身国で最後に出場したIAAF関連の大会から、3年たてば変更後の国籍で出場することが可能です。が、今回の改正では、これを「国籍変更から3年」とするらしい。つまり、現在は大きな国際大会に3年以上出場していない選手なら、国籍を変えたらすぐにその国の選手として出られるのですが、改正後のルールでは、試合に出ていようがいまいが、国籍変更から3年たたなければダメ、ということです。
最近、ロングスプリントや中距離を中心に、カタールなどに国籍変更する選手が相次いでいて、アジアの勢力図もかなり変わってきてたんですよね。正直、このルール改正は、日本にとっても歓迎すべきことです。とりあえず、8月の総会で無事採決されてほしいですね。

4月9日
バドミントンのヨネックスオープン・ジャパン第4日、女子ダブルスで準決勝まで勝ち進んでいた小椋久美子/潮田玲子組ですが、ここで当たったのは世界ランク2位、中国の魏軼力/趙テイ組。さすがにこの壁は越えられず、7−15、13−15で敗れました。2セット目のスコアとか見ると、惜しいなーとも思うのですが、ここまで競ってセットをとれないのも実力の差なんでしょうかねー。
飛び込みの室内選抜大会第2日、男子3m板飛び込みは寺内佑選手が優勝しました。寺内佑選手は、今回は負傷で棄権した寺内健選手の弟。お兄さんの状態も気になります。また、女子高飛び込みは山下美沙子選手が接戦を制して優勝し、中学2年の浅田梨紗選手が僅差の2位に入っています。
陸上も、いよいよアウトドアシーズンが始まります。この日は熊本で金栗記念が行われ、女子1500mで杉森美保選手が4分9秒30の日本新を出して優勝しました。杉森選手は、長らく低迷していた日本中距離界に、ようやく現れた世界に通用する選手。昨年のアテネ五輪では800mに出場し、予選通過まであと一歩という健闘を見せてくれました。今回の記録で、杉森選手は800、1000、1500と3種目の日本記録保持者となり、力の差を見せつけたなーという感じです。普通に行けば、今年の世界陸上にも出場するのは確実ですが、そこでの活躍を期待したいですね。
また、女子5000mはルーシー・ワゴイ選手が勝ち、世界陸上マラソン代表の小崎まり選手は5位。男子1500mは日本記録保持者の小林史和選手が、男子5000mはジョセファト・ダビリ選手が、いずれも大会新で1位となっています。

4月8日
バドミントンのヨネックスオープン・ジャパン第4日、女子ダブルス準々決勝では小椋久美子/潮田玲子組と末綱聡子/前田美順組が対戦し、小椋/潮田組がストレート勝ち。この大会の女子ダブルスで、日本選手が準決勝まで勝ち進んだのは、なんと12年ぶりだそうです。
ただ、同じく準々決勝に登場した女子シングルスの米倉加奈子選手は、第4シードの王晨選手(香港)に逆転負け。米倉選手も、けっこう強い選手を倒すことはあるんですが、それが毎回は続かない…という感じです。そのへんが、世界との差なんでしょうか?
飛び込みの室内選抜競技大会が開幕。第1日に行われた女子3m板飛び込みでは、18歳の中川真依選手が第一人者の西井亮子選手を抑えて初優勝しました。また、男子1m板飛び込みは、宮本幸太郎選手が勝っています。
日本ホッケー協会から、今年度の予定などが発表されました。昨年、低予算のなか五輪出場を果たして、一躍注目されたホッケーですが、これをどう北京へ繋げていくか…が、一番の課題のようです。そこで、まずは北京五輪出場を目標に、女子は18〜34歳、男子は19〜30歳の25人を代表候補として、海外遠征や合宿などを行い、強化を図っていくとか。
また、今年から日本リーグ機構というのが新設され、今月16日から始まる日本リーグのレベルアップを図っていくそうです。男女ともチーム数、試合数が増えるんだとか。ホッケーって、なかなか見る機会が少ないんですけど、試合を数多く、いろんなところでやってもらえたら、少しは触れるきっかけもできるかも。
卓球の福原愛選手と松下浩二選手が、グランプリと所属契約を結んだそうです。同社は、教育関係の事業を展開していて、卓球部には有力選手も多く所属しています。
福原選手は、ミキハウスと契約更新せず→フリーに…という発表だったのですが、結局はどこかに所属していたほうがいい、ということなんでしょうか、詳しい事情はわかりませんが。まあ、中国での所属チームも決まったし、国内での契約も済んで、これで安心して競技に取り組めるんじゃないでしょうか。
また、松下選手は、以前もグランプリに所属していて、今回は8年ぶりの復帰となるそうです。37歳と大ベテランながら、これまで日本男子の第一人者として競技を続けてきた松下選手ですが、最近は若手選手もどんどん出てきています。女子にばかり注目があつまりがちですが、今後の日本男子も、どういう力関係になっていくか楽しみですね。

4月7日
バドミントンのヨネックスオープン・ジャパン第3日、女子シングルスで米倉加奈子選手が、1回戦でアテネ五輪3位の周蜜選手(中国)を破り、2回戦もストレート勝ちしてベスト8進出を果たしました。
また、女子ダブルスの末綱聡子/前田美順組は、世界ランク4位のサラリー/サーティニー組(タイ)に、2−1で逆転勝ちして同じく8強入り。1セット目は簡単にとられたものの、2セット目を接戦の末ものにすると、3セット目は逆に相手を圧倒。金星をあげました。準々決勝では、小椋久美子/潮田玲子組と対戦します。
シングルス、ダブルスとも、日本選手ががんばっているのはうれしいかぎりです。できれば、さらに上をめざしてほしいですねー。
飛び込みの第一人者・寺内健選手が、上海での合宿中に負傷し、8日からの室内選抜大会を欠場することになりました。なんでも、トランポリンを使って練習している際に、部品が壊れ、鉄製の枠で左のかかとを強打したとのことです。打撲で済んだのは幸いでしたが、その後の回復が思わしくなく、結局、室内選抜大会への出場は断念することになったとか。
この大会は、世界選手権の代表選考会も兼ねているので、通常なら、欠場=代表落ち、ということになってしまいます。ただ、今回は本人に責任のない事故が原因だし、日本水連に事情を考慮してくれるよう要望を出すとのこと。飛び込みで世界上位を狙える、数少ない選手なだけに、やはり寺内選手には世界選手権に出場してほしいです。

4月6日
ハンマー投げの室伏広治選手が、プロ野球の横浜−巨人戦で始球式をつとめ、なんと球速131kmを記録したとか。場内がどよめいたそうで、こればっかりは見てみたかったですねー。ちょっと練習すれば、すぐに140kmぐらい行きそうだわ。
…とまあ、始球式の話題はこのくらいにして、本題の、この日と前日に行った会見について。昨シーズンからアメリカでもトレーニングしている室伏選手ですが、今季も同様に、アメリカと日本を行き来するとのこと。いろんな投げ方も試してみるそうで、すぐに結果は出ないかもしれませんが、北京に向けて、今はいろいろ試してみたいんでしょう。ここのところ、安定はしているのですが、記録自体は伸びていないので、本人もそのへんの壁を感じてるのかもしれません。
今季の初戦は、5月7日に行われる大阪でのグランプリ陸上だそうなので、まずはこれを注目したいです。
競泳の北島康介選手が、合宿先のアメリカ・アリゾナ州から帰国。間近に迫った日本選手権で、「いい泳ぎができるように」と意欲を見せました。とりあえず今季は、世界選手権2冠と世界記録奪取が目標になるでしょうか。アメリカでどのくらい仕上げてきたのか…。まずは日本選手権で、自己の日本記録をひとつでも更新してほしいですね。

4月4日
シンクロのジャパンオープン兼日本選手権の最終日は、3種目の決勝フリールーティンが行われました。
デュエットでは、鈴木絵美子/原田早穂組が、初日からの2位を守って日本人トップの座につき、世界選手権のデュエット代表の座を確実にしました。優勝は、五輪4位のメングアル/ティラドス組(スペイン)。鈴木/原田組は、今のままではメダルも厳しい…ということになりますが、これから7月までの練習で、少しでもうまくなってほしいです。シンクロの場合、力はついても、点数がそのまま伸びてくるわけではないので、とにかく評価を高めるような、次につながる演技を見せてほしいですねー。
ソロは、世界チャンピオンのデデュー選手(フランス)が貫禄勝ち。次の世界選手権でも、あの美しい演技を見せてくれそうです。2位は鈴木選手で、やはりこの人が、「ポスト立花」ってことになるんでしょう。チームは井村シンクロクラブMチームが、初日からの首位を守って優勝しています。
バレーボール女子の、新たな日本代表がチームが動きだしました。この日、東京の国立スポーツ科学センターに、柳本晶一監督と27人の選手が集合。柳本監督は、北京五輪のメダルを目標に掲げたとか。アテネの場合は、五輪最終予選でピークを迎えてしまいましたが、次は、ちょっと研究されたくらいではビクともしないチームになって、五輪のコートに立ってほしいですねー。

4月3日
柔道男子の全日本体重別選手権が行われ、66kg級はアテネ五輪金の内柴正人選手が貫禄勝ちしました。決勝では秋本啓之選手に24秒で一本勝ち。アテネでは、あれよあれよという間に勝ち進み、決勝ではよくわからない一本勝ちを収めて、金を「とってしまった」という感じのあった内柴選手ですが、やはりその強さは本物だったんですねー。
73kg級も、五輪代表の高松正裕選手が制しましたが、90kg級の五輪銀メダリスト・泉浩選手は、準決勝で飛塚雅俊選手に一本負け。決勝では、その飛塚選手に斉藤制剛選手が勝って、初優勝を果たしました。
100kg超級は、03年世界選手権の覇者・棟田康幸選手が、準決勝でよもやの敗退。途中までは有利に試合を進めていたし、普通に勝つものと思って見ていたのですが…。
優勝は昨年の講道館杯を制した22歳の高井洋平選手で、3試合すべて一本勝ちして強さを見せつけました。高井選手は、十代のころから将来を嘱望されていた選手なのですが、ここ数年はケガに悩まされ、満足な試合ができなかったようなんですね。が、今回、見事な復活を遂げて、「新星誕生」を強烈に印象づけてくれました。今月末の全日本選手権で、ぜひ鈴木桂治選手と戦う姿が見たいもんですねー。
その鈴木選手が欠場した100kg級は、穴井隆将選手が優勝。また、60kg級は江種辰明選手、81kg級は小野卓志選手が制しました。
ところでこの試合、深夜に眠気と戦いながら録画中継を見たのですが、相変わらず試合と関係ない映像が多すぎ! なぜか、試合に出ていない鈴木選手と井上康生選手の映像ばかり目立って、肝心の試合はどこへやら…って感じでした。この2人が注目を集めるのは、別にいいのですが(私だって、復帰後を楽しみにしてますから)、ほかの階級も、ちゃんと取り上げてほしかったですねー。日本の弱点である中量級で、いい選手が出てきてないかなーとか、見てみたかったんですけど…そういうことはどうでもいいのか…テレビ朝日。
上記の結果を受けて、重量級を除く男子5階級の代表選手が決まりました。90kg級のみ、五輪銀の実績で泉浩選手が選ばれたほかは、各階級の優勝者が代表となりました。100kg級、100kg超級、無差別級の代表は、4月29日の全日本選手権後に選ばれることになっています。代表選手は次のとおり。
60kg級…江種辰明、66kg級…内柴正人、73kg級…高松正裕、81kg級…小野卓志、90kg級…泉浩(旭化成)。
シンクロナイズドスイミングのジャパン・オープン兼日本選手権の第2日は、3種目の予選のフリールーティンが行われました。ソロはやはりフランスのデデュー選手が、2位以下に圧倒的な大差をつけて最終日の決勝へ。2位は鈴木絵美子選手、3位は原田早穂選手で、次の日本は、やはりこの2人が背負って立つんでしょうねー。デュエットでも鈴木/原田組は、前日に引き続き日本勢トップの2位で、メングアル/ティラドス組(スペイン)が首位。チームは井村シンクロクラブMが、これも1位をキープしています。
陸上の末續慎吾選手が、東海大での練習を公開。「出しておかないと身体に悪い」と、100m9秒台を出すことを宣言しました。
これまではケガが多く、ちょっとしたことたで脚がつったりしていたのですが、このオフはずいぶんトレーニングしてきたらしく、走りに安定感が出てきたとのこと。腰回りのサイズもアップしたそうで、これなら世界陸上で100、200、リレーと3種目走っても大丈夫かも。今季の初戦は4月29日の織田記念のようですが、ここでいい走りができれば、一気に世界陸上まで突っ走れそうです。
競泳男子背泳ぎのアーロン・ピアソル選手(アメリカ)が、100m背泳ぎで、自身の持つ世界記録を更新する53秒17のタイムをマークしました。この種目、日本では森田智己選手が泳ぐたびに記録更新、って感じで、次の世界選手権ではアテネ銅以上の成績を…なんて期待してしまうんですけど、ピアソル選手まではやはり遠いですねー。日本記録は54秒25、世界記録より1秒以上遅いわけですから…。まあ、一気に追いつくのは無理かもしれないけど、次の日本選手権で、少しは差を縮めてほしいなーと期待してます。

4月2日
シンクロナイズドスイミングの、ジャパンオープン兼日本選手権が開幕。初日は各種目のテクニカルルーチンが行われました。
今大会の注目は、なんといっても「ポスト立花/武田組」。デュエットは、アテネ五輪のチームの一員、鈴木絵美子/原田早穂組が、日本人トップの2位につけました。トップは五輪4位、スペインのメングアル/ティラドス組。また、ソロでは、圧倒的な強さを誇るフランスのデデュー選手がトップに立ち、2位が鈴木選手、チームは井村シンクロクラブMが首位となっています。
五輪のときに、立花・武田の2人と、次の選手の差は大きい…みたいなことを聞きましたが、それが実証されてしまったような感じがします。五輪4位の組に、あっさり上に行かれてしまう、それが実力なんだなーと…。ただ、23歳と22歳という若い組だし、焦らず、確実にステップアップしてほしいですねー。

4月1日
卓球の福原愛選手が中国へ到着し、所属が決まった遼寧省チームとの入団調印式を行いました。現地では中国語で会見し、「入団できて光栄」「チームのためにがんばるので応援してください」などと話したとか。
ここには、世界トップクラスの実力を持つ王楠選手がいるのですが、福原選手はその王選手とダブルスを組む予定だそうです。実現すれば、ちょっとないくらい、いい経験になりますよねー。最近、苦手の中国選手にも勝てるようになってきたし、このリーグでの彼女の活躍が楽しみです。

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