2005年のトピックス           10

6月30日
日本水連から、世界選手権の競泳個人種目のエントリーが発表されました。五輪金メダリストの柴田亜衣選手は、アテネで勝った女子800m自由形のほか、400m自由形にも出場します。昨年は完全なダークホースから、大逆転で金を獲得した柴田選手ですが、この1年でまたずいぶんと成長した様子。その活躍を期待したいです。
また、北島康介選手は、予定どおり男子50mと100mの平泳ぎにエントリー。200は日本選手権で負けて出られないから…なのですが、50mでどんな泳ぎを見せてくれるかは、ちょっと楽しみでもあります。前回の世界選手権では、100と200に専念するために、あまり得意でない50は欠場しちゃいましたからね。でも、今回は出てくるでしょうし、注目して見てみたいです。
柔道女子63kg級の元世界チャンピオン・前田桂子選手が、ラーメン店の「山小屋」と契約したことがわかりました。前田選手はこれまでミキハウスに所属していたのですが、同社がスポーツ支援を縮小することになり、柔道部の前田選手も6月末での解雇が決まっていました。
この階級には、五輪金の谷本歩実選手、その谷本選手を全日本体重別で破った上野順恵選手など、有力選手がひしめいてるんですね。ケガの影響もあって、前田選手はちょっと影が薄いかなーという感じでした。それでも、元世界チャンピオンですから、その選手をあっさりと切ってしまうミキハウスも非情だなぁ…。仕方ないことだとは思いますが。
でも、新たに契約が結べることになって、前田選手も一安心というところでしょうか。「山小屋」は福岡から全国に展開していて、伸びている企業みたいだし。今後も、スポーツ部を持たなくても、こういう形で選手を支援してくれる企業が出てくればいいですねー。
ビーチバレーのワールドツアーで、女子の楠原千秋/浦田聖子組は敗者復活2回戦で敗退。17位となっています。

6月29日
陸上・ホクレン中長距離チャレンジ第4戦で、男子10000mに出場した三津谷祐選手が、世界陸上の参加A標準を突破する27分41秒10をマーク。晴れて、代表の座を取り戻すことになりました。
ことの起こりは、日本陸連の不手際。代表選考の基準をしっかり定めておいたはずなのに、日本選手権後に発表された代表選手は、その基準とは矛盾するものだったんですよね。本当なら、A標準を突破している選手が最優先されるはずなのに、なぜか、日本選手権で優勝した三津谷選手を、B標準を突破しただけなのに、ただ1人の代表としてしまったのです。基準では、A標準を突破している大森輝和選手が選ばれるはずなのに…。ということで、その後は大森選手側が再選考を要求していました。
が、ここで三津谷選手がA標準を突破してくれて、なんとか収まってくれた様子。B標準を突破しただけなら、その種目は1人しか代表を送れませんが、A突破なら3人まで出せますからねー。これで晴れて、三津谷選手も大森選手も代表入りが決まったわけです。最後までもつれ込んで、泥沼化しなくて良かったです。
今、日本男子の長距離(特にトラック種目)は、かなり世界から置いていかれてますけど、今回は2人でなんとか「勝負」くらいはしてほしいものです。

6月27日
柔道の谷亮子選手が、妊娠・出産のため9月の世界選手権を欠場することになりました。この大会には、谷選手の7連覇がかかっていたのですが、おめでたとあれば仕方がないですねー。ここで出産しておいて、その後に北京へ向けて…ってことになるのでしょうか。彼女のモチベーションの高さからすると、引退なんてありえないって感じですからね。
なお、世界選手権には北田佳世選手が出場することになっています。世界でもトップクラスの実力を持ちながら、この階級にいるがために谷選手の陰に隠れ、これまで五輪、世界選手権への出場はゼロ。そんな彼女が、このチャンスをどう生かしてくれるか…。これはかなり楽しみです。
北京五輪開催に向けて、北京市はインフラ整備に400億ドルを投じる計画だそうです。単純に日本円に換算しても、4兆円以上ということですか。ちなみに、会場建設費だけなら20億ドル程度なので、その20倍もの金額を交通機関の整備に充てることになります。鉄道、地下鉄、高速道路などなど、五輪開幕のあかつきには北京の街も一大変身を遂げていそうです。
考えてみれは、日本だって東海道新幹線の開業は、東京五輪にあわせたものですからねー。五輪の開催って、インフラ整備に巨費を投じる、いいきっかけになるのかもしれませんね。

6月26日
バレーボール女子のワールドグランプリ東京大会最終日、日本は世界ランク2位のブラジルに、フルセットの末惜敗しました。1、2セットを連取して、だれもが「勝てる?」と思ったでしょうが、3セット目がとれないのが日本。しかも、一度はマッチポイントを握っておきながら…ですから、もったいないですよねー。最後のふんばりがきくようになったとき、世界の強豪の仲間入りができるのかもしれませんね。
これで予選ラウンドA組はブラジルが3勝、日本は2勝1敗、ポーランド1勝2敗、韓国3敗となりました。韓国は、今回大幅な若返りを図ったようなので、最初はこんなものなのでしょうか。
北京五輪のスローガンが決まりました。「一つの世界 一つの夢」中国語では「同一個世界 同一個夢想」となるそうです。これは、世界で公募した約21万の候補の中から選ばれ、修正を加えて完成した言葉なのだとか。組織委の会長によると「平和で美しい世界を作ろう」ということなんだそうです。できれば願うだけでなく、しっかり実践してってほしいものですね。

6月25日
バレーボール女子のワールドグランプリ東京大会第2日、日本は韓国を相手にストレート勝ちを収めました。昨年のアテネ五輪では完敗を喫しましたが、今回はそのお返し…という感じでしょうか。
そしてこの日は、今年5月に代表入りしたばかりの菅山かおる選手が、1m69cmの小柄な身体で大活躍。もともと全日本入りしたのはリベロとしてだった…と聞いて、納得しました。やっぱ、高さだけじゃないんですよねー。もちろん、ノーマークの選手だった…というのも大きいんでしょうけど。それにしても、日替わりでヒロインが出てくると、ムードも良くなりますよね。

6月24日
バレーボール女子のワールドグランプリ東京大会が開幕。予選ラウンドA組の日本は、ポーランドに3―0のストレート勝ちし、幸先の良いスタートを切りました。2セットを連取したものの、第3セットの序盤は接戦に。ですが、ここで崩れることなく、しっかりストレートで勝ったのは大きいと思います。五輪後、久々に日本女子の戦いが見られたわけですが、チーム作りは結構うまく行ってるんでしょうか。
なお、大会には12か国が参加していて、予選ラウンドの上位5チームと開催国の日本が、7月13日からの決勝ラウンドに進むことになっています。
アーチェリーの世界選手権、この日は男女団体の準決勝までが行われ、日本勢は男子が1回戦でアメリカに敗れ、女子は1回戦ではアメリカに勝ったものの、準々決勝でウクライナに屈しました。
そういえば、2年前の世界選手権では女子団体で銀メダルをとり、一躍注目を浴びたのでした。コンスタントにそんな成績をとるのは、やはり難しいんでしょうね。

6月23日
レスリング男子の全日本選抜選手権最終日、この日はフリースタイル、グレコローマン各4名、計8名の世界選手権代表が決まりました。また、女子3階級の代表を決めるプレーオフも行われて、アテネ五輪銀の伊調千春選手が敗れる波乱がありました。
伊調選手は、今回は五輪時の48kg級ではなく、本来の51kg級に戻して臨んでいたのですが、ケガもあったし、本来の調子ではなかったのかもしれません。ただ、伊調選手に勝った坂本日登美選手も、元世界チャンピオン。しかも、こちらも姉妹揃ってレスリングの有力選手で、妹の坂本真喜子選手は今回48kg級の代表になっています。
ついでにいうなら、アテネ五輪の48kg級の代表を争ったのが、伊調選手と坂本真喜子選手選手だったわけで、そのときは伊調選手が勝ち、姉妹揃って五輪へ出場することになったんですね。それが、今回は坂本姉妹のほうに軍配が上がった…ということになります。
…とまあ、長々と書いてしまいましたが、ようは、五輪銀メダリストでさえ、国内で負けてしまうほど層が厚い日本…ってことでしょうか。世界各国も「打倒日本女子」って感じになってくるでしょうけど、できる限り長く、世界一であり続けてほしいですね。
そのほか、59kg級は正田絢子選手、67kg級は坂本襟選手が代表入りを決めています。
また、男子では、アテネ銅のフリースタイル60kg級・井上謙二選手が3位と敗れ、プレーオフの結果、代表のイスは湯元健一選手へ。また、シドニー銀のグレコローマン74kg級・永田克彦選手も3位で代表入りを逃し、この階級は岩崎裕樹選手が切符をとりました。
ですが、それ以外はおおむね、アテネの代表が力を見せつけた感じです。フリースタイル66kg級の池松和彦選手、74kg級の小幡邦彦選手、グレコローマン60kg級の笹本睦選手、84kg級の松本慎吾選手が順当に代表入り。そのほか、フリースタイル55kg級の松永共広選手、グレコローマン66kg級の飯室雅規選手も代表となっています。
アーチェリーの世界選手権、この日は男女個人の決勝ラウンド3回戦までが行われ、男子の守屋龍一選手が決勝進出を決めました。守屋選手は世界選手権初出場。もちろん、アテネ五輪にも出場していません。日本のアーチェリーが強いとは思ったことがないのですが(韓国が圧倒的に強いので)、けっこう健闘してるんですよね。準決勝ではインドの選手に競り勝ったとのことです。
五輪銀の山本博選手は、残念ながら2回戦で敗退。天野良太選手も2回戦で、女子の浅野真弓選手は準々決勝で敗れています。
ビーチバレーの世界選手権で、男子の朝日健太郎/渡辺聡組は、敗者復活1回戦は勝ったものの、同2回戦でカナダの組に敗れ、25位という結果でした。白鳥勝浩/森川太地組は33位でした。
インドアと同様、ビーチでもバレーは苦戦してますねー。同じバレーでも、ビーチの場合は必ずしも高さとパワーだけで決まるわけじゃないし、日本人だって充分上位に行けるチャンスはあると思うんですけど。いったい、どうしてなんでしょう…?
全日本テコンドー協会が、ようやく日本オリンピック委員会より承認され、加盟が認められました。結局、対立の構図はまったく変わらないままなんですけど、文部科学省もJOCも「これ以上、当事者間での解決を待っても無駄」だと思ったんでしょうね。そのままにしておくと、国際大会へ参加ができないままだし、結局かわいそうなのは選手ですもんね。
とりあえず、これで体裁は整って、夏のユニバーシアードと秋の東アジア大会へも参加できることになりました。それは良かったのですが、これ以上問題が残らないよう、早く火種を消してほしいもんです。

6月22日
レスリングの男子の全日本選抜選手権第1日、この日は計6階級が行われ、6人の世界選手権代表が決まりました。全日本選手権に続いての優勝となったフリースタイル96kg級の小平清貴選手、120kg級の田中章仁選手は、そのまま代表に決定。そのほかの階級では優勝者が異なったため、プレーオフが行われて、フリー84kg級の山本悟選手、グレコローマン55kg級の豊田雅俊選手、96kg級の加藤賢三選手、120kg級の沢田直樹選手が代表となりました。
女子の強さばかりが話題に上るレスリングですが、男子もずっと以前から、五輪でメダルを獲得し続けてるんですよね。だだ、金がないので、イマイチ話題性に乏しくなってしまうのかなぁ…。今回は、女子に負けないような…は無理でも、迫るような活躍を見せてくれればいいですねー。

6月21日
アーチェリーの世界選手権が始まりました。この日は男女の予選ラウンドが行われ、女子では浅野真弓選手が7位と好位置につけました。以下、川内紗代子選手は28位、及川亜由選手は35位、林勇気選手は45位となっています。上位3人の成績による団体では、日本は5位で決勝ラウンドに進みました。
また、アテネ五輪の銀メダル獲得で、国民的有名人?となった男子の山本博選手は、なんと世界選手権13大会連続出場になるのだとか。ずーっと第一線で活躍し続けてきたのはすごいですねー。ただ、出だしは22位と「もうひとつ」な感じ。以下、守屋龍一選手26位、古川高晴選手27位、天野良太選手32位の順となっています。また、団体では9位で決勝ラウンドに進出しています。

6月20日
競泳のミッションビエホ国際大会最終日、男子100m平泳ぎでも北島康介選手は今村元気選手に敗れてしまいました。今村選手のタイムは1分1秒66、北島選手は0秒01後れる1分1秒67。北島選手にとって、200に出場できない以上、100は是が非でもメダル獲得を目指さなければいけない種目なのですが…。しかも、この2か月間、短い距離に合わせてトレーニングしてきたはずなんですよね。なんだか、本気で心配になってきました。
男子100m背泳ぎは森田智己選手が55秒57で優勝したほか、女子100m背泳ぎの中村礼子選手は1分1秒81で、女子100mバタフライの中西悠子選手は1分0秒23で、女子1500m自由形のは柴田亜衣選手は16分21秒36で、それぞれ勝っています。
世界陸上の男子10000m代表に選ばれていた三津谷祐選手が、代表取り消しとなった問題は、何日か前にもふれましたが…。日本陸連は7月10日の南部記念陸上で、10000mの記録会を追加実施し、これを選考対象レースとする考えです。ここで三津谷選手と大森輝和選手が直接対決して、勝ったほうが代表に…ということでしょうか。三津谷選手がなんとかA標準を突破してくれれば、2人とも出場できるんだし、なんとかがんばってほしいもんです。
フェンシングのW杯で、フルーレ女子の菅原智恵子選手が5位に入りました。また、団体戦では、日本女子は7位となっています。
2012年の夏季五輪開催都市が決定する日も、目前に迫ってきました。候補都市のひとつニューヨークは、ボクシングのモハメド・アリ氏を7月6日の国際オリンピック委員会に送り込むそうです。各国とも、有名人を総動員して誘致に当たりそう。総会の開催地であるシンガポールには、華やかな顔が揃いそうですね。

6月19日
競泳のミッションビエホ国際大会第3日、男子200m平泳ぎは今村元気選手が2分13秒12で優勝。北島康介選手は2分13秒75の2位で、またもや今村選手に敗れてしまいました。北島選手は、世界選手権のこの種目には出場しないのですが、それにしても大会を1か月前に控えて、この成績はかなり不安です。まあ、アテネでもこういう感じで、最後で調子を上げてきたので、今回も大丈夫だと思いたいです。
そのほか、男子200m自由形の松田丈志選手、男子400m個人メドレーの佐野秀匡選手、女子200m平泳ぎの種田恵選手と、男女800mリレーの日本チームが優勝しています。
2004年度の、日本オリンピック委員会スポーツ賞表彰式が行われ、最優秀賞を受賞したアテネ五輪女子マラソン金の野口みずき選手、優秀賞のレスリング女子・吉田沙保里選手、柔道女子・塚田真希選手らが出席しました。
野口選手は「励みになった」と語るとともに、次のマラソンを「ベルリン(9月25日)かシカゴ(10月9日)」と明言。といっても、これは以前からいわれてたことなんで、やっぱりなーという感じ。おそらくはベルリンになるでしょうが、当然、日本記録を目指してくるはずだし、どのくらいのタイムで走ってくれるか今から楽しみです。
アマチュアボクシングで二度五輪に出場した三浦国宏氏が、五輪選手の育成を目標に、7月上旬にジムを設立するそうです。三浦氏は、ここ4年ほどボクシングから離れていたそうですが、このほど念願かなって、オーブンにこぎつけたとのことです。アマチュアボクシングは、今かなり厳しい状況で、アテネ五輪に出場できたのもわずか1人。これが、強化のきっかけになればいいのですが…。

6月18日
競泳のミッションビエホ国際大会第2日、柴田亜衣選手が前日の800mに引き続き、この日の400m自由形でも4分12秒57で優勝しました。女子は200mバタフライは五輪銅の中西悠子選手が2分9秒78で制し、200m背泳ぎはこれも五輪銅の中村礼子選手が2分11秒64で優勝。男子200mバタフライでは柴田隆一選手が1分57秒59で、200m背泳ぎでは中野高選手が2分0秒58で、それぞれ優勝しています。 
射撃のW杯、女子エアライフルで古野本真希選手は19位、太田優子選手は48位でした。

6月17日
競泳のミッションビエホ国際大会が、アメリカのカリフォルニア州で開幕しました。女子800m自由形では、アテネ五輪金の柴田亜衣選手が8分29秒72で優勝。矢野友理江選手が8分41秒39で2位、貴田裕美選手が8分42秒30で4位に入りました。男子800m自由形では、松田丈志選手が8分1秒15で優勝し、奥出泰史選手が8分23秒18で5位に入っています。この大会は、あくまで調整の一環としての位置づけですが、柴田選手、松田選手は日本選手権の好調さを維持しているようですねー。本番でもこの勢いを持続してほしいです。
日本陸連の臨時理事会で、世界陸上への派遣が決まっていた三津谷祐選手の、代表を取り消すことが決まりました。三津谷選手は日本選手権の男子10000mで優勝し、代表に選ばれていましたが、B標準しか切っていなかったため、本来の優先順位は上のはずの大森輝和選手(A標準突破)側が抗議していました。陸連は、一度は「規定だけで決められるものではない」みたいなことを言ってましたけど、結局は誤りを認めた形となりました。一応、自分たちが決めた基準だし、やっぱそれは守ってほしいですよね。基準を決めたのはゴタゴタ防止の意味もあると思うのですが、それがまたゴタゴタのタネになってたら意味がないですし…。
今後は三津谷選手と大森選手の2人に絞り、新たな選考基準を設けて7月11日までの成績で決めるそうです。詳細は割愛しますが、一番問題がないのは三津谷選手にA標準を突破してもらって、2人とも代表に…というもの。できるだけ多くの選手を選べるに超したことはないですからねー。
射撃のW杯、男子10mエアライフルで山下敏和選手は29位、女子25mピストルで稲田容子選手は59位でした。

6月16日
マラソンの高橋尚子選手が、高地合宿のためアメリカ・ボルダーへ出発しました。秋のマラソン復帰へ向けて、まさに正念場といったところですね。
このまま行けば、高橋選手、野口みずき選手、千葉真子選手が、秋の海外マラソンで直接対決…ということも充分ありえそう。シカゴかベルリンか、できれば同じ大会で見てみたいです。

6月15日
日本オリンピック委員会が、全日本テコンドー協会を承認団体として認めることを了承しました。正式決定は23日の理事会になります。分裂が解消されたわけではありませんが、とりあえず「一本化に向かう」ことを前提として了承されたようです。見切り発車の感は否めませんが、ここまできたら仕方がない…という感じですね。

6月14日
マラソンの野口みずき選手が、7月3日の札幌国際ハーフマラソンに出場することが決まりました。5月のレースでは、10000mで31分44秒29の好タイムをマーク。五輪後、それほど練習できていないわりには、かなりいい結果です。その後、中国の昆明で高地合宿を経て、いよいよロードレースにも復帰します。秋の海外マラソンで、日本記録を狙う下地は着々とできている…という感じですね。
アテネの五輪スタジアムで行われた陸上のスーパーグランプリ第3戦で、男子100mに世界新記録が樹立されました。これまでの記録を100分の1秒短縮する9秒77で走ったのは、ジャマイカの22歳、アサファ・パウエル選手。追い風1.6mと条件にも恵まれたのもありますが、今季は5月に9秒84、6月に9秒85と、かなり好調だったみたいですからねー。
以前の記録を持っていたのは、ドーピング疑惑の渦中にあるティム・モンゴメリ選手(アメリカ)ですが、図らずも、疑惑の決着がつく直前に、記録が塗り替えられることになりました。今度こそ、まちがいなくクリーンな力によって作られた記録であると、信じたいですね。

6月13日
水泳の世界選手権に向けて、競泳の日本代表がアメリカへ出発しました。予定では、16日からカリフォルニア州での競技会に出場→アリゾナ州での高地合宿→世界選手権へ…となるそうです。競泳陣はアテネで大活躍を見せてくれただけに、今回はさらに期待が大きくなりそうです。

6月12日
アメリカで行われた、陸上のサークルフレンド10kmロードレースで、千葉真子選手が7位となりました。記録は33分22秒と少々物足りない感じ。同じく日本から出場した加納由理選手は、33分5秒の5位。ローナ・キプラガト選手(オランダ)が31分44秒で優勝しました。
千葉選手は小出義雄氏から独立して、現在は1人で練習を続けています。今のところはアメリカの賞金レースを転戦しているそうで、これは精神的にもけっこうハードなのではないでしょうか。今回はもうひとつの成績でしたけど、数をこなすことにも意義がありそうです。秋には海外のマラソンに出場したいとのこと。一回り大きくなった千葉選手が見たいですね。

6月10日
競泳の北島康介選手が、この日東京の国立スポーツ科学センターで練習を公開しました。日本選手権で敗れてからトレーニング方法も見直したようで、現在はウエイトトレーニングを積極的に取り入れているとか。また、世界選手権では50m、100mという短い距離に出場することから、スタート練習にも取り組んでいるそうです。
今後、日本勢は13日に渡米し、16日からの競技会に出場。世界選手権に向けて調整していくようです。そこで、ある程度の成果は見せてくれるでしょうか。

6月9日
競泳のイアン・ソープ選手(オーストラリア)は、ただ今「充電中」。シドニーでの大活躍から一転、アテネ五輪では2冠に終わったことから、北京に向けて一からやり直すため、今季は休むことに決めたようです。当然、7月の世界選手権も欠場。今はスキー、サーフィンのほか、ガーデニングや料理なども楽しんでいるとか。いつ復帰するかは未定だそうですが、北京をにらむとなれば2年後の世界選手権には出場してくるでしょう。そのときを楽しみにしたいものです。

6月7日
マラソンの高橋尚子選手の新たな所属先は、スポーツ・健康用品の「ファイテン」となりました。契約期間は4年間で、契約金は推定約6億円だそうです。4年ということは、北京をにらんで…のことですよね。これで安心して、競技に打ち込めそうです。
楽しみなのが、ファイテン陸上部の一員として、実業団駅伝に出場するかもしれない…ということ。1人で走るマラソンだけでなく、チームでレースに出場することは、いい影響もあるんじゃないでしょうか。見る側としても、うれしいことですね。
ドーピング違反の疑いが持たれている、陸上男子100mの世界記録保持者・ティム・モンゴメリー選手が、6日にスポーツ仲裁裁判所で行われた聴聞会に出廷しました。聴聞会は数日続き、7月後半には裁定が出るそうです。もしも「クロ」となれば、2002年に彼が出した世界記録の9秒78は、どうなってしまうのでしょうか…? あの記録が出たときは、ようやくあのベン・ジョンソン氏の幻の世界記録(9秒79)を、薬を使わないで破ってくれた…と思ったんですけどねー。
いちおう、モンゴメリー選手は、ドーピング検査でひっかかったことはないんですね。ただ、周囲の証言からすると限りなくクロに近い感じなのです。はたして、どういう裁定が下されるのでしょうか?

6月6日
陸上の日本選手権の結果を受けて、日本陸連から世界陸上の代表選手39人が発表されました。常連選手はさておき、注目すべきは男子400mで勝って代表入りした、17歳の金丸祐三選手。男子では史上最年少の代表になるそうです。また、日本選手権では実施されなかったのですが、新種目の女子3000m障害で、今季立て続けに日本記録を更新した早狩実紀選手も、代表入りを果たしました。残りは7月10日の南部記念後に追加されますが、日本選手権を欠場した短距離の末続慎吾選手と、まさかの記録なしに終わった棒高跳びの澤野大地選手の代表入りがなるかどうかが、気になるところです。
この日決まった代表選手は、以下のとおりです(マラソンを除く)。
【男子】 短距離…佐分慎弥、朝原宣治、日高一慶、高平慎士、金丸祐三、佐藤光浩、井上洋佑。中長距離…小林史和、三津谷祐、岩水嘉孝。障害…内藤真人、谷川聡、為末大、成迫健児。競歩…谷井孝行、杉本明洋、森岡紘一郎、山崎勇喜、明石顕。跳躍…寺野伸一、石川和義。投擲…室伏広治、村上幸史。
【女子】 短距離…石田智子、信岡沙希重、佐藤友香、丹野麻美。中長距離…杉森美保、福士加代子、大南博美、宮井仁美、早狩実紀。競歩…川崎真裕美、小西祥子。跳躍…近藤高代、池田久美子。投擲…豊永陽子、室伏由佳。混成…中田有紀。
ただし、上記の結果を受けて、少々問題が起こりそうな気配。男子10000mで代表に決まったのは、日本選手権で優勝した三津谷祐選手(B標準突破)なのですが、日本陸連があらかじめ提示していた基準では、ただ1人A標準を破っている大森輝和選手が代表になるはずなんですね。大森選手の所属するくろしお通信の監督は「納得がいかない」と、このままでは引き下がらない様子を見せています。
陸連の沢木強化委員長は、すべてを基準どおりに決めるより、三津谷選手の勝負強さのほうを評価したいようですが、基準というものは本来、選考におけるゴタゴタを防止するためのものであるはず。それを曲げた決定であれば、波乱が起きるのは必至といえそうです。
全日本アマチュア野球連盟の長船騏郎副会長が、北京五輪に向けて、長嶋茂雄氏の代表監督復帰を強く希望すると語りました。どうやら「長嶋ジャパン」にえらくこだわりがあるようで…。もちろん、長嶋氏が健康ならばいいのですが、現在の状況からいけば、復帰がかなうとはとても思えません。第一、そのこだわりが、アテネ五輪での敗北を招いたのでは…? 長嶋信者の方々の幻想はここまでにしていただいて、北京ではどうか現実を見すえてほしいものです。
2012年夏季五輪の開催都市は、あと1か月後に決まります。この日、国際オリンピック委員会は、立候補している5都市の中で、パリとロンドンの計画を「非常に質が高い」と評価したとか。残る3都市(ニューヨーク、マドリード、モスクワ)については、いずれも不安があるか、評価そのものが低いか…だったそうです。決定するのは7月6日、シンガポールで行われるIOC総会で、投票が行われることになっています。

6月4〜5日
もう少しお待ちください。

6月3日
陸上の日本選手権第2日、男子200mですでにA標準を突破している高平慎士選手が優勝し、世界陸上の代表に内定しました。以下、競技の感想を簡単に書いておきます。
★男子800m
最終コーナーを回って5〜6人がひとかたまりに…という混戦を制したのは、大学生の下平芳弘選手でした。記録は1分48秒54と、B標準には及ばなかったのですが、直線に入ってからのスパートはすばらしかった! ほかの選手をあっという間に引き離してしまいましたからねー。日本選手は最後のスプリント勝負になると、たいてい外国勢には歯が立たないので、「中距離で世界に通用する選手になりたい」という下平選手にはこれから期待したいです。あとは、なんとかB標準を突破できればいいんですけど。
★女子1500m
ラスト1周でスパートしたのは、高校生の小林祐梨子選手。宗由香利選手も続き、優勝者はこの2人に絞られます。ほとんど互角か…と思われたのですが、最後の直線で小林選手が猛然とスパート。最後はかなりの差をつけ、4分14秒55の高校新でゴールしました。この種目で高校生が勝ったのは、なんと18年ぶりのことだそうです。
小林選手の印象としては、「いかにも須磨学園」という感じのフォームで、安定感がありました(←知らない人には「どんなフォーム?」でしょうけど)。このまま伸び続けてくれることを願いたいですね。また、宗選手にとっては、スプリント力の足りなさがすべて…という結果になってしまいました。小林選手と争って勝とうとするなら、早いうちから自分でペースを上げて引っぱるしかないのかも。
★女子200m
信岡沙希重選手が、コーナーを出た時点で2位以下に大差をつけ、あとはその差を保って23秒64で優勝しました。本当をいうと、直線でもっとスピードに乗れていたら良かったんですけどねー。そのへん、本人もインタビューで言ってましたけど。世界陸上のB標準記録は23秒13なのですが、とにかく女子の短距離(100、200、400)でだれか標準記録を破ってほしいですね。
★男子200m
末續慎吾選手が欠場して、レースへの興味が半減してしまったこの種目。しかし、末續選手は相変わらず故障が多いですね。それを改善するためのトレーニングもしていたはずですが、そうすぐに結果は出ない…ということでしょうか。
レースは、高平慎士選手が接戦を制し、20秒89のタイムで2連覇を果たしました。タイム的にはあまり良くないですけど、昨シーズンから比べるとスピードもついてきたようなので、世界陸上では五輪(一次予選敗退)より上を目指してほしいです。
★女子棒高跳
日本記録保持者の近藤高代選手が、4m10の記録で優勝しました。試合後に本人から「情けない〜」という声がもれてましたけど、確かに自己の持つ4m35からすると、かなり物足りない記録ですからねー。テレビで放送されたのは4m10をクリアした跳躍だけでしたが、かなりギリギリな感じに見えました。あまり調子が良くなかったのかな。また、同じ4m10で2位に入った錦織育子選手が、急成長してきました。昨シーズンは近藤選手と、今回は残念ながら欠場した中野真実選手が、競い合うように記録を伸ばしていきましたけど、その争いに錦織選手も加わってくれば、さらに楽しみになりそうです。
★男子5000m
毎回、「勝負」に徹した展開になってしまって、記録的な期待がまったく持てないこの種目。もちろん、勝つことが大事なのはわかるんですが、積極的に行って記録を出さないことには、世界陸上には出られないんですよねー。もちろん、ここで勝っておいて、あとで標準記録突破を目指す…というのもアリなのですが、結局記録が出せることはなく、派遣もなしで終わる…というのが最近のパターンです。今回も、だれも積極的に行こうとせず、ペースは上がらないまま。はっきりいって、かなりイライラしながらレースを見てました。
残り1000mで梅木蔵雄選手が出ましたが、ペースはさほど上がらず。勝負はラスト1周に持ち越されました。ここでようやく前田貴史選手がスパートし、そのあとに瀬戸智弘選手と中村悠希選手が続く…という様相です。残り200mで瀬戸選手が前に出て、これで優勝は決まりかと思ったのですが、ゴール前で中村選手が急追。ほとんど同時にゴールへ飛び込みました。勝敗はかなり微妙でしたが、写真判定の結果、瀬戸選手が13分51秒42で優勝。同タイムで中村選手が2位に入りました。
瀬戸選手は3月のびわ湖で惨敗して、マラソンへの適性にはかなり疑問符がついてしまいました。この日の結果を見ても、やはりトラックに絞ったほうがいいのかもしれないですね。あとは、とにかく記録を出してくれ〜という感じです。
その他、放送されなかった結果です。男子走り幅跳びでは、昨年A標準を突破している寺野伸一選手が7m78で4連覇。ただ、せめて8mに迫る記録は出してほしかったですね。女子ハンマー投げの室伏由佳選手も、ケガの影響が尾を引いているのか、優勝はしたものの61m61とイマイチなで記録でした。また、男子十種競技では田中宏昌選手が7477点で勝っています。
それから、男子400mの予選では、高校生の金丸祐三選手が、今季日本最高となる45秒69の高校新記録をマークしました。4×400mリレーではアテネ五輪で4位に入賞したものの、個人の400mではなかなか上に行けない日本勢。金丸選手がちょっとした起爆剤になってくれればいいんですけど。

6月2日
陸上の日本選手権が開幕。福士加代子選手が、女子10000mをA標準を切る31分30秒82で制し、世界陸上の代表に内定しました。また、2位の弘山晴美選手、3位の大南博美選手、4位の宮井仁美選手がA標準を突破しました。福士選手は春先は勝てなくて、昨年のケガの影響が残ってるのかなーと思っていましたが、しっかりここに合わせてくるところはお見事。タイム的にはちょっと不満は残りますが、世界陸上までの宿題ということで、8月を期待したいです。
男子3000m障害は、岩水嘉孝選手が5連覇を達成。今、日本では敵なしの感がありますね。一昨年の世界陸上ではすばらしい走りで日本記録を出し、決勝に進出しましたけど、今回もそれを再現してほしいです。
その他、男子円盤投げは畑山茂雄選手が7連覇し、女子100mハードルは池田久美子選手が、女子三段跳は吉田文代選手が勝っています。
また、末續慎吾選手が棄権してしまい、ちょっとがっくりしてしまった男子200mは、高平慎士選手が20秒90の予選1位で決勝へ進出。男子110mハードル害の内藤真人選手、谷川聡選手、男子400mハードルの為末大選手などが、順当に準決勝へ進んでいます。
東京・メキシコ両五輪の重量挙げ金メダリスト、三宅義信氏が、NPO法人「ゴールドメダリストを育てる会」を設立し、福島県に入金(いりがね)三宅道場を建設。この日は、その竣工式が行われました。三宅氏は、アテネ五輪に出場した三宅宏実選手の伯父で、以前は自衛隊体育学校長も務め、このところは、トライアスロンの強化にもたずさわっていました。大自然の中で、自分がこれまで得てきたものを伝え、金メダリストを育てる…というのが目的だそうです。才能ある選手が、いい環境でトレーニングできて、力をつけてくれることを願います。

6月1日
高橋尚子選手の「チームQ」が発足しました。トレーナーの西村孔さんは、英語にも堪能で、海外へ出ることの多い高橋選手には心強い存在となりそう。また、栄養士は元チームメイトの佐藤直子さんで、シドニー五輪の前は練習パートナーだったというから、いろんな問題を理解してくれるんではないでしょうか。10日後に合流予定のランニングパートナー・藤井博之さんは、2時間12分39秒の記録を持つ現役ランナーということだし、いいペースで高橋選手をひっぱってくれそうです。所属先も、名乗りを上げている企業が何社かあるらしいし、見通しは明るいようですねー。

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