2005年のトピックス           10 11 12

10月30日
フィギュアのスケートカナダ第3日、女子シングルの中野友加里選手と、男子シングルの織田信成選手が、ともに銅メダルを獲得しました。2人とも、グランプリシリーズ初の表彰台です。
中野選手は、前日の4位からひとつランクアップ。冒頭の3アクセルは少々回転不足で着地も乱れましたが、「執念」で降りるとあとはノッて演技できましたねー。途中、3ループでパンクしたのは残念でしたが、全体の印象はとても良かったです。最後に本人がにっこり笑ったのが、出来を表してましたね。ここ何年か、国際大会に出ても点が伸び悩んでいたのですが、ようやくいい演技ができて、しかも表彰台に乗ることができて、本当に良かったです。
ただ、村主選手は前日の2位から8位にまで順位を落としてしまいました。ショートでもいっぱいいっぱいな感じだったので、フリーの4分をまともに滑りきれるのか危ぶみましたが、やはりこちらはキツかったようです。最初のコンビネーションジャンプは成功したものの、3フリップは転倒、3サルコウはパンクして1回転、その後も失敗続きで精彩のないまま終わってしまいました。ステップのスピードのなさが、不調を象徴してましたね。もう、滑りきるのが精一杯という感じでした。早い回復を祈るしかないですね。
優勝はアメリカのシズニー選手。前週のスケートアメリカで2位になった、アメリカの若手選手です。つなぎの部分はまだまだで、それほど踊れているとも思えませんが、技のポジションがきれいですね。特にスピンのポジションが美しかったです。ただ、ジャンプの回転不足はかなりひどいです。最後の3ルッツなんて、2回転半で降りてきて、残り半回転は完全に氷上で回ってますから、3回転に認定されたのが不思議なくらいです。北米開催だから点が甘かったのだと思いますが、ヨーロッパやアジアの大会に出たらかなり点は下げられそうですね。
男子の織田選手はフリー2位となり、ショート7位から総合3位に順位を上げました。ショートで失敗した3アクセルもきれいに成功し、そのほかのジャンプもほとんど完璧。後半の3ループなんて、すごくきれいに着氷しましたからねー。織田選手のジャンプは、本当に質がいいです。ただ、本来すごく盛り上がるはずの箇所にあるストレートラインステップシークエンスが、かなり弱いのは残念! ジャンプやスピンはいいのですが、ステップやつなぎのスケーティングはまだジュニアっぽい感じがしました。ここを強化できれば、さらなる飛躍が望めそうです。
本田武史選手は僅差の4位と、惜しいところでメダルを逃しました。途中、3サルコウに2トウループをつけて、予定外のコンビネーションにしてしまったせいで、あとの3フリップがノーカウントになっちゃったんですよね。これがカウントされていれば…という感じです。ただ、その場合は織田選手が台落ちになってしまうんですけど。ただ、どうしても全盛期の本田選手が頭にあるので、その演技と比べてしまうんですよね。やっぱりキレがなくなったなぁ…というのが正直な感想です。今季限りでアマチュアから退くことを発表した本田選手には、このあと悔いのない試合をしてもらいたいです。
優勝はカナダのサンデュ選手で、中盤に3アクセルがシングルになるミスはありましたが、最初の4−3のコンビネーションと3アクセル、中盤の3−3を決めたのが大きかったですね。サンデュ選手にはめずらしく(失礼!)ミスが少ない演技で、ショート6位から大逆転を果たしました。
2位のバトル選手(カナダ)は、対照的にミスが目立ちました。最初の4回転の失敗はお約束ですが、次の3−3を失敗し、中盤の3ループも2回転になってしまいます。しかも、後半の3ルッツで転倒し、ズボンをエッジで切ってしまう…というアクシデントも発生。スピンもバトル選手にしては良くなかったし、完全な失敗演技というイメージで終わってしまいました。それでも、ショートの貯金が効いて、2位は確保しましたけど。
正直、このカナダ勢ワンツーフィニッシュには、かなり地元の恩恵があったようです。でも、織田選手はグランプリ初参戦で表彰台、本田選手は復活しかかった感のある4位と、日本男子にとってもまずまずの大会でしたね。
全日本距離別選手権の最終日は男女4種目が行われ、W杯代表の26人が決まりました。
女子1000mで勝ったのは、ベテラン・岡崎朋美選手。今季は夏から好調が伝えられていましたが、そこからずっといい感じできているようです。昨シーズンから中距離を練習に取り入れて、それで後半もスピードが落ちなくなったとのこと。スピードスケートの1000mは、陸上競技なら400mのイメージ…といえば、ご存じの方はわかっていただけるでしょうか。つまり、短距離でありながら非常にスタミナが要求される種目なのです。日本選手が不得意な種目でもあります。これで力をつけてきたというのは、ものすごく頼もしく感じますね。岡崎選手は500と1000の2種目で、W杯前半戦の代表となることが決まって、五輪代表の座も視界にとらえたようです。
2位には、この種目を得意とする外ノ池亜紀選手が入りました。昨シーズンは体調不良に見舞われ、まったく活躍することができなかったのですが、今季はしっかり復活してきてくれました。3位は田畑真紀選手で、短距離陣に中長距離のエースが割って入った格好です。前回五輪でも1000に出場しているし、やはりこのあたりの距離には強い選手です。
男子1000mは今井裕介選手が、男子3000mは宮崎今佐人選手が優勝。女子3000mは長距離に強い石野枝里子選手が勝ち、2位は妹尾栄里子選手、3位が田畑選手となっています。
決定したW杯の代表は、次のとおり。
男子…加藤条治、清水宏保、及川佑、長島圭一郎、太田明生、小林正暢、今井裕介、中嶋敬春、牛山貴広、杉森輝大、平子裕基、宮崎今佐人、安田直樹、土井槙悟。
女子…吉井小百合、岡崎朋美、大菅小百合、渡邊ゆかり、新谷志保美、外ノ池亜希、田畑真紀、石野枝里子、大津広美、小原悠里、妹尾栄里子、根本奈美。

10月29日
フィギュアのスケートカナダ第2日、女子シングルのショートプログラムで村主章枝選手が2位につけました。今月1日のジャパン・インターナショナル・チャレンジは、右股関節を痛めて欠場しましたが、この大会にはなんとか間に合わせてきた…と最初は思ったんですよね。ところが、放送された演技を見てみれば、とても「治った」とはいえない状態でした。とにかく、最初のコンビネーションジャンプへの助走からして、全然いつものスピードがなかったし、ジャンプ自体もよく成功したなーという感じ。3フリップも両足着地ながらなんとか降りたし、なんだか「根性で滑ってる」って感じがしましたね。
でも、それもそのはず、どうやら出られただけでも奇跡…という状況だったそうです。ジャンプのたびに故障した箇所に痛みが走るのだそうで、それではあの出来でも仕方ないでしょう。とにかく、悪化させないようにだけはしてほしいです。
それから、もう1人日本から出場した中野友加里選手は4位につけました。コンビネーションジャンプで手をついたのがちょっと残念でしたが、それでも昨シーズンからしたら格段の進歩を見せてくれました。この夏の演技会を見た人の感想では「かなり良くなっている」とのことだったので、期待していたら、本当にそのとおりでしたねー。3フリップの着地もちょっと危なっかしくて、減点されてしまいましたが、それでも4位につけられたのは大きいです。
また、ペアはフリーが行われ、若松詩子/フェクトー組(カナダ)は6位となりました。国籍の関係で五輪には出場できないのですが、世界選手権を目指してがんばっていってほしいです。
スピードスケートの全日本距離別選手権が開幕、第1日は男女計5種目が行われました。
スピードスケートの中でも特に期待がかかるのが男子500m。昨シーズンの世界距離別選手権で1位の加藤条治選手、2位の清水宏保選手に注目が集まりました。結果は、加藤選手が2回滑って2回とも1位となり、完全優勝で3連覇を達成。一方の清水選手は、どちらもカーブでバランスを崩し、8位に終わりました。加藤選手は、昨シーズンの勢いをそのまま今シーズンに持ってきた感じですねー。もう、このままトリノまで突っ走るしかないでしょう。清水選手は、ここ一番というところにぴったり合わせてくる選手なので、それほど心配することもないかな…とは思います。徐々にベストへ近づけてほしいですね。
女子500mで勝ったのは、こちらも若い吉井小百合選手。やはり2回とも1位の完全優勝でした。2位は大菅小百合選手、3位にベテラン・岡崎朋美選手が入りました。このままでいけば女子の500m代表も、ベテラン、中堅、若手とバランスの良い布陣になりそうです。
女子1500mは、この種目を得意とする田畑真紀選手が実力を発揮し、ホープ・石野枝里子選手を約1秒半離して優勝。男子1500mは今井裕介選手が、男子5000mは平子裕基選手が勝っています。
スピードスケートのクラッセン選手(カナダ)が、女子1500mで1分53秒77の世界新をマークしました。自己の持つ記録を0秒10更新しました。カナダのカルガリーで行われた国内選考会で記録されたものですが、ここは記録製造リンクとして有名なんですよね。速い選手が速いリンクで滑ると、記録が出る…といったところでしょうか。

10月28日
フィギュアのグランプリシリーズ第2戦、スケートカナダが現地時間の27日に始まりました。第1日に行われた男子シングルのショートプログラムで、本田武史選手が3位につけました。コンビネーションジャンプは4回転−3回転の予定が、3−3になってしまいましたが、3アクセル、3フリップは決めて、3位はまずまずといったところでしょうか。キャンベル国際で優勝はしたものの、やはりまだ本調子じゃないみたいですね。
もう1人、日本から出場している織田信成選手は、3アクセルで失敗して7位発進。ジャンプが安定している選手なので、できればもうちょい上に行ってほしかったですねー。
1位は順当に地元カナダのバトル選手、2位にはアメリカのウィアー選手がつけています。

10月27日
国際オリンピック委員会によると、トリノ五輪ではドーピングの取り締まりを強化。前回五輪の45%増となる1200件の検査を実施するそうです。前回も競技が終了してから、クロスカントリーで大量に違反が発覚し、順位が大幅に入れ替わりましたからねー。それにここ数年、夏季競技でもすごいことになってますから…。件数を多くするのはもちろん、精度も上げてくれるよう望みます。

10月26日
スノーボード・ハープパイプ女子の五輪代表、今井メロ選手の所属先がようやく決まりました。用具使用契約を結んでいるロシニョールになるそうです。所属先だけでなく名前まで変えて、いろいろ大変だったと思いますが、トリノに向けて少しずつ体制は固まってきているようです。W杯第3戦では優勝したし、このまま障害なく進んでいってほしいです。
こちらは、フィギュアのスポンサー契約の話題です。村主章枝選手が、新たにレコード会社のエイベックスと契約を結びました。6月まで村主選手は、不動産販売会社のダイナシティと契約していたのですが、ここの社長が不祥事を起こしたため契約を解除していました。
エイベックスはちょっと意外な所属先ですが、どういう経緯で決まったんでしょうねー。ちなみに所属登録は「avex」になるそうです。

10月24日
フィギュアのNHK杯女子シングルに、太田由希奈選手に代わって中野友加里選手が出場することになりました。太田選手は足の故障でまだリハビリ中…と聞いているので、やっぱりなーという感じです。ただ、昨シーズンからずっと故障で、あまりに回復が遅れているので、今後が心配ではあります。

10月23日
フィギュアのスケートアメリカ最終日、女子シングルの恩田美栄選手はフリー3位となり、ショートプログラム2位からひとつ順位を下げてしまいました。優勝はロシアのソコロワ選手で、フリー1位のシズニー選手(アメリカ)が2位に入りました。サラ・ヒューズ選手の妹のエミリー・ヒューズ選手は5位でした。
恩田選手は、海外に拠点を移してがんばっているのですが、放送を見た限りではイマイチ進歩が感じられなかったです。もちろん、良くなってはいるんですけど…。シズニー選手はフリー1位と聞いて驚きはしたものの、正直「地元点」のおかげもありそうです。ジャンプが危なっかしいし、動きはきれいなのですが、手を身体の前だけで動かしてる振りが多くて、私的にあまり好きではないタイプです。ソコロワ選手はいつも通りの少々大味な演技、エミリー・ヒューズ選手は、すべてにおいて姉より少し落ちる感じで、全体にあまり高いレベルではなかったのが残念です。だからこそ、恩田選手にはがんばってほしかったんですけどねー。
ペアは中国の張丹/張昊組が優勝し、ショート3位の井上怜奈/ボルドウィン組はフリーで追い上げて2位に入りました。3回転半のスロージャンプには失敗してしまいましたが、挑戦を続ければそのうち成功しそうな感じです。井上選手はアメリカの市民権も獲得して、トリノ五輪への出場を目指していますが、実現する可能性は高そうですね。
アイスダンスは、ベルビン/アゴスト組(アメリカ)がフリーも1位となって完全優勝を果たしています。
ショートトラックの全日本選抜選手権最終日、男子は寺尾悟選手が2年連続七度目の優勝を果たしました。2位は池智徳選手、3位は田上真一選手、西谷岳文選手は5位で、なんとかW杯代表に入ることができました。寺尾選手が好調なのはうれしいのですが、西谷選手は大丈夫なんでしょうか。本人もはっきりと不調を自覚しているようで、このあと調子が上がってくればいいのですが…。
女子は3種目で1位となった神野由佳選手が優勝し、前日トップの小沢美夏選手は2位、3位は山田伸子選手でした。
この結果などから、W杯第3戦と第4戦の代表が、以下のように決まっています。
男子…寺尾悟、藤本貴大、田上真一、西谷岳文、有野美治。女子…神野由佳、小沢美夏、田中千景、勅使川原郁恵、酒井裕唯。
アルペンスキーのW杯、男子大回転第1戦で、日本の佐々木明選手は1回目47位、吉岡大輔選手は60位となり、ともに上位30名による2回目には進めませんでした。回転ではすでに世界のトップクラスとなっている佐々木選手も、大回転はあまり得意じゃないんですよね。47位は「こんなもんかなー」って感じです。本当は、オフのトレーニング次第では、こちらもトップに近づければ…なんて思っていたのですが、さすがにそうはいかないようです。まあ、佐々木選手には得意の回転で結果を出してくれることを、期待しておきます。
優勝はオーストリアのマイヤー選手、2位はミラー選手(アメリカ)、3位はシェーンフェルダー選手(オーストリア)でした。

10月22日
スケートアメリカ第2日、前日トップに立った高橋大輔選手は、この日のフリーでも1位となり、2位以下に大差をつけてグランプリシリーズ初優勝を果たしました。ショート1位は「あり得る」と思った私でしたが、さすがにフリー1位には驚きました。だって、昨年までの高橋選手ときたら、ショートでせっかく好位置につけてもフリーはボロボロ…。ショート3位から、一気に最下位まで落ちたこともありましたからねー。それが一転、今回の優勝ですから、「いったい彼になにが起こったの?」って感じでした。
でも、放送を見て、あの演技にはめちゃくちゃハマってしまいました。もともとスケーティングはきれいだし、潜在能力の高さはだれもが認めるところだったんですね。今季はそれにさらに磨きがかかって、すごく踊れるようになったというか、とにかく「見せる」演技ができるようになってました。フリーでも4回転は両足で降りちゃったし、スピンでのフラつきもあったし、完璧とはいいがたいのに、引き込まれてしまいましたね。
2位のライサチェク選手(アメリカ)は、長い手足をもてあました感のある演技。3位のジュベール選手(フランス)は、ところどころに「決め」のポーズを入れてるんだけど、もうひとつ決まってない感じがしました。あと、前回五輪の銅メダリスト、アメリカのゲーブル選手も出ていたのですが、ジャンプの失敗が相次いでフリーは8位。トータルでは6位に沈みました。以前の正確なジャンプはどこへ行ってしまったの…って感じで。それにえらく太ったようだし、今のままでは五輪出場も危ういのではないかと思ってしまいました。
2位以下が、あまり踊れないる選手ばかりなので、特に高橋選手との差が目についてしまったのもあると思います。とにかく、ぶっちぎりの優勝でした。オフシーズンにかなりトレーニングを積んで、基礎体力がついたのが良かったようですねー。ジャンプもずいぶん安定してきたし、このあとがめちゃくちゃ楽しみです。ただ、今までが今までなので、あと何試合か見てみないことには安心できないのですが…。
また、女子シングルはショートプログラムが行われて、恩田美栄選手は2位につけ、ロシアのソコロワ選手がトップ。アイスダンスはオリジナルダンスを終えて、前日に引き続きベルビン/アゴスト組が首位をキープしています。
フィギュアスケートのジュニアグランプリ岡谷大会、女子シングルで澤田亜紀選手が優勝しました。澤田選手は、前日のショートプログラムで首位に立ち、この日のフリーでも1位となって、2位以下に大差をつけての勝利でした。ショート2位の浅田舞選手は、故障の影響か、ミスが出て4位に後退、水津瑠美選手は5位でした。
また、アイスダンスの沢山璃奈/水谷太洋組は13位、前日に行われた男子シングルでは小塚崇彦選手がショート3位から逆転優勝を果たしています。
スノーボード・ハーフパイプのW杯第3戦、男子で國母和宏選手が初優勝を果たしました。若い選手がどんどん出てくるこの種目ですが、國母選手もまだ17歳の高校2年生。上の選手もうかうかしてられないですね。これで、國母選手が五輪代表となるのはほぼ確実。決まれば日本のスキーでは史上最年少での五輪出場となるそうです。
また、女子では今井メロ選手が優勝して、W杯通算3勝目。あまり体調は良くないと聞いていましたが、これでもう、それほど心配することはなさそうですね。
スイスで行われた、スノーボードのW杯スノーボードクロスの第3戦で、19歳の藤森由香選手が6位に入りました。この種目は、トリノ五輪で初めて採用されるのですが、W杯で日本選手が好成績を挙げたことは(おそらく)なく、ほとんど期待はしていませんでした。ちなみにこの種目、4人が同時に滑り降りて順位を競うものです。藤森選手は準々決勝を1位で通過。準決勝では敗れたものの、5−8位決定戦で2番目にゴールし、6位となりました。トリノでまた、楽しみな種目が増えましたねー。
ノルディックスキーのW杯、クロスカントリーのスプリント・フリー女子で、福田修子選手が予選を通過。決勝トーナメントでは初戦で敗れ、15位となりました。この種目では、まず予選16位以内に入って決勝トーナメントに進出しないと…って感じなんですよね。五輪のことを考えたら、常に10位前後で通過できるようになればいいんですけど…。日本選手は、通過できるか否かのボーダーライン上。あともう少し…が、難しいんでしょうね。
スピードスケート・ショートトラックの全日本選抜選手権が開幕。第1日は男女の1500mと500mが行われ、男子は寺尾悟選手が両種目を制してトップに立ちました。昨年、フォームを改造して、スピードが増したとか。五輪に向けて、今年はいい感じできているようです。
女子は小沢美夏選手が1500m1位、500m2位となって総合1位。第一人者の神野由佳選手は500mは勝ったのですが、1500mは5位。本人いわく、あまり調子が良くなかったとのことです。500mのほうは、意地で勝った…みたいな感じですね。それでも、神野選手ひとりでなく、新しい力が台頭してきたのはうれしいです。

10月21日
フィギュアスケートも、いよいよ本格的にシーズンイン。グランプリシリーズの第1戦、スケートアメリカが開幕し、初日の20日に行われた男子ショートプログラムで、日本の高橋大輔選手がトップに立ちました。2位はベルギーのバンデルペレン選手、3位は地元アメリカのライサチェク選手となっています。
最初にこのニュースを聞いたとき、驚いたのは驚いたのですが、もともと潜在能力が高い選手なので、ノーミスだったらあり得ること…とも思いました。でも、実はノーミスではなく、3回転半を失敗してたんですよね。それでトップはすごいです。ただ、後日放送を見てみたら、転倒の影響を感じさせないすばらしい演技だったので、この順位も納得でした。
ペアのショートでは中国の張丹/張昊組が、アイスダンス規定ではアメリカのベルビン/アゴスト組が首位となっています。

10月20日
スノーボードの成田童夢選手が、スポーツマネジメント会社の「スポーツビズ」と契約を結んだそうです。以前は父親のもとで、妹のメロ選手らとともに練習していましたが、今年5月に独立。今後はスポーツビズ社が、新たな所属先やスポンサーを探すことになります。2月のケガから、ようやく8月に練習へ復帰したばかり。落ち着いて練習に取り組むためにも、早く所属先が決まればいいんですけど。
それにしても、「スノーボード一家」だったはずの成田家は、どうなっちゃったんでしょうねー。妹は父親から離れたうえに名前まで変えちゃったし、弟の緑夢(ぐりむ)選手はどうしてるんだろう…。

10月18日
東京都の国立スポーツ科学センターで、トリノ五輪選手村での食事を体験する「トリノフェア」が開かれました。並べられた約70品目は、現地での調査をもとにしたものだそうで、参加したジャンプの伊東大貴選手いわく「おいしかった」とのこと。アテネ五輪前にも「アテネフェア」が開かれて、結果は近年まれに見る好成績。今回の「トリノフェア」の成果はいかに…!というところでしょうか。
トリノ冬季五輪の開幕100日前に行われるはずだった音楽イベントが、予算不足のため中止されることになってしまいました。11月4日にイタリアの有名な歌手etc.を招いて、パラベラ競技場(フィギュアなどの会場)で開催される予定だったのですが…。まあ、これが行われなくても、本番の大会には関係ない…ということでしょうか。いくら予算を節約するためとはいえ、こういう華やかなイベントが中止になってしまうのは、なんだか残念ですねー。

10月16日
スキー・ジャンプのW杯派遣候補選考会が終了。全日本スキー連盟より、11月のヨーロッパ合宿に参加する10選手が発表されました。すでに参加が決まっている東輝選手、一戸剛選手に加え、2日間の総合成績トップの岡部孝信選手、ベテラン・葛西紀明選手、船木和喜選手など、新たに8人がメンバー入り。大ベテラン・原田雅彦選手は、さすがに今回はちょっと難しかったようです。
参加選手全員の氏名は、以下のとおりです。
東輝、一戸剛、岡部孝信、船木和喜、葛西紀明、桜井一欽、山田大起、竹内択、伊東大貴、小山内佳彦。

10月14日
フィギュアスケートのアイスダンスで、日本が五輪出場枠1を獲得しました。3月の世界選手権では、惜しくも枠獲得ならず。今回のウィーンでの予選会に回ったのですが、渡辺心/木戸章之組が4位に入って、5組(5か国)に与えられる枠のひとつを手にしました。前回五輪では枠がなかったので、これは健闘といっていいと思います。渡辺/木戸組は世界選手権でも16位に入っているし、五輪ではひとつでも上の順位を目指してほしいです。

10月12日
モーグルの里谷多英選手が、スキー連盟の強化A指定選手から外されることになりました。これは、里谷選手のほうから申し出があったそうで、所属チームを通じて「世間をお騒がせして申し訳ない」という旨のコメントも出しています。A指定の取り消しは、過去を反省し、これから前向きにやっていこうとする決心の表れ…だと思いたいですね。やはり、競技者としての里谷選手はすばらしい実力の持ち主だと思うので。
指定から外れると同時に、全日本スキー連盟からは競技復帰が認められています。強化指定から外れたため、代表としては無理でも、個人の資格でW杯へは出場できるということです(つまりは自費ということですが)。とりあえずトリノまで、道はつながったようですね。
スノーボード・ハーフパイプの強化指定選手が、山梨県の室内スキー場で合宿を開始しました。ここまでゴタゴタ続きだった今井メロ選手は、ストレスから体調を崩していたとのことですが、「ベストを尽くすしかない」と気分も新たに合宿に臨んでいるようです。とにかく、本格的なシーズンに入る前に、すべて片づいて良かったと思っておきます。

10月8日
アメリカで行われたフィギュアのキャンベル国際、男子シングルで本田武史選手が優勝しました。1日のジャパン・インターナショナル・チャレンジでは最下位の6位に終わっていて、全体に勢いのない滑りに見えたので、まさかここで優勝できるとは思ってませんでした。
ただ得点は123.34とお世辞にも高いとはいえないので、全体にミスが多かったのでしょう。2位ワイス選手(アメリカ)、3位はゲーブル選手(アメリカ)、4位ウィアー選手(アメリカ)、5位サンデュ選手(カナダ)、6位ライサチェク選手(アメリカ)となっていて、アメリカ、カナダのトップ選手がほぼ揃っているのですが(出ていないのはカナダのバトル選手くらい)、それにしては点数が低すぎるんですよね。本田選手復活!と見るには、まだ少し早いようです。
また、クワン選手(アメリカ)が欠場した女子は、コーエン選手(アメリカ)が順当に優勝。荒川静香選手は3位でした。アメリカ開催だし、公式大会でもないので、地元選手に高得点がつけられるのはままあることですが、荒川選手には2位は確保してほしかったですねー。ジャンプも好調と聞いていたのですが、本人のコメントでは「集中力を少し欠いてしまった」とか。時差ボケもあったのかもしれませんね。
スピードスケート・ショートトラックのW杯韓国大会、第2日の男子500mで、寺尾悟選手は準決勝、小寺武大選手は予選で敗れました。相変わらず、決勝にはなかなか届かないようです。

10月7日
日本選手団はトリノ五輪前の合宿で、クールマイヨールの施設を使用することになりました。クールマイヨールはトリノから車で2時間ほどの距離にある、フランス国境に近いリゾート地だそうです。ここで、フィギュアやショートトラック、アルペンスキー、スノーボードなどの選手が、直前まで調整を続けることになります。
スケートリンクにはフィットネスジムも併設されているそうで、スキー場も近い場所にあり、竹田JOC会長曰く「すばらしい施設」「選手が最高のコンディションをつくれる」とのこと。これが本当なら、選手はかなりいい状態で開幕に臨めそうです。
スピードスケート・ショートトラックのW杯韓国大会、第1日に行われた男子1500mで、日本の寺尾悟選手、藤本貴大選手、有野美治選手は全員が準々決勝で敗退しました。女子1500mの小沢美夏選手は準決勝に進みましたが、神野由佳選手と勅使川原郁恵選手は予選で敗れました。男子5000mリレーと女子3000mリレーでは予選を通過しているのですが、個人のほうは今季も厳しい戦いが続きそうです。
スノーボードのW杯パラレル回転で、女子の家根谷依里選手は決勝トーナメント1回戦で敗れて13位となりました。竹内智香選手は予選17位、飯田蘭選手は28位で予選落ち(決勝トーナメント進出は予選16位まで)。男子の鶴岡剣太郎選手、川口晃平選手は予選で敗れています。
フィギュアのクワン選手(アメリカ)が、右臀部のケガで、8日のキャンベル国際と20日からのスケートアメリカを欠場することになりました。診断は全治2週間なので、それほど問題はないようです。グランプリシリーズのスケートアメリカについては、最近はエントリーして欠場するのが常なので、これだけなら「単なる口実」だと思ってしまうのですが、キャンベル国際も出ないとなると、ケガは本当なんでしょう。でも、最近は世界選手権くらいしか、彼女の演技を見る機会はないし、フィギュアにうとい人なら「引退」と思ってしまうかもしれませんね。

10月5日
モーグルの上村愛子選手らが、フランスでの合宿へ出発しました。なんでも、今回から上村選手のみが、特別にビジネスクラスを利用することになるそうです。スポンサーがついて、活動資金が増えたことにより、座席のグレードもアップした…ということのよう。ほかの選手とコーチはエコノミーだそうです。
でも、これまでよく「なにもしない役員」がビジネスに乗り、選手はエコノミーで移動という話を聞いていただけに、選手にいい環境を与えられるなら、それに越したことはないですよね。万全な体調で試合に臨み、いい結果を残してほしいです。
スケルトンの越和宏選手ら11人も、この日合宿地のリレハンメルへ出発しました。この時期は、続々と海外合宿が続きそうです。
日本オリンピック委員会の視察団が、トリノで五輪組織委員会会長らを訪問。竹田恒和JOC会長は、約230人の日本選手団を派遣する意向を伝えました。おそらくはこの後、各施設を視察してくるのでしょうが、しっかり特徴を把握してきてほしいものですねー。

10月4日
ノルディック複合陣が、合宿のためオーストリアへ出発しました。そのときの写真では、エース・高橋大斗選手は、かなり長髪にしている様子。その理由はなんと「髪のボリュームをアップさせて、少しでも身長を伸ばす」ことにあるようです。
身長が高いほど長い板が使えて、競技には有利なのですが、髪を伸ばしてボリュームを出すとは、いったいどういう感じにしてくるのでしょうか…。長くするだけなら身長は関係ないので、すごいパーマでもかけるということかなぁ?
FISの身体測定が11月25日に行われて、その数字が今季はずっと採用されることになるので、そこまでが勝負となりそうです。果たして高橋選手の髪の伸び具合はいかに…! っていうか、本当に成功するんでしょうか?

10月1日
フィギュアのジャパン・インターナショナル・チャレンジが行われ、女子シングルはロシアのスルツカヤ選手が優勝。荒川静香選手は2位、安藤美姫選手は3位、恩田美栄選手は4位でした。
この大会は、男女シングルに各6人(日本人選手3人、外国人選手3人)が出場し、フリー演技のみで争うものです。外国のトップ選手を迎え、五輪に向けて日本人選手の位置を確認し、さらにシーズン始めにプログラムをチェックしておく…など、いろいろと意味のある大会です。
できれば、荒川選手にはスルツカヤ選手に勝ってほしかったのですが(日本の大会ならチャンスあり)、結局は僅差の2位となってしまいました。荒川選手の難度を上げたスパイラルの一部が、ルールにひっかかってカウントされない…という不運があったのが残念。ちゃんとカウントされていれば、順位は入れ替わってたんですけどねー。スルツカヤ選手が完璧な出来ではなかっただけに、上回ってほしかったです。
安藤美姫選手は、アメリカでとてもいい練習ができている…と聞いていたのですが、この大会を見た限りではちょっと期待はずれに終わってしまいました。彼女の一番の欠点である(と私が思う)演技全体から感じる「重さ」が改善されてなく、しかも昨シーズンに比べて明らかに太った気が…。あと、使った曲は「マイ・ファニー・バレンタイン」で、失恋した女性がテーマだそうですが、しっとりした曲調と、派手な衣装やメイクのギャップが大きすぎて、私にはいいと思えませんでした。もうちょっとおとなしい感じのほうが似合うと思うんですけどね。
また、男子シングルには、日本から高橋大輔選手、織田信成選手、本田武史選手が出場。1枠しかない五輪切符をだれがとるのか、その前哨戦も兼ねた感じの試合になりました。結果からいくと、日本人最高位は高橋選手の2位で、以下3位が織田選手、本田選手は最下位の6位となりました。
本田選手には、昨シーズンのケガからの復活を期待していたのですが、ジャンプも滑りも、全盛期にはほど遠い出来に終わってしまいました。なんというか、すべての要素が3分の2くらいにグレードダウンしてしまった感じです。特に、全体の勢いがないように見えました。
対照的に、高橋選手と織田選手は、若さゆえか「イキのいい」滑りを披露してくれました。さすがに1位のバトル選手(カナダ)を抜くことはできませんでしたが、それでも昨シーズンより一段と成長したのが見てとれて、本田選手との差は歴然としてましたねー。これまで約10年、本田選手には「がんばってほしい」と思い続けてきたのですが、この大会を見て、悲しいけれど世代交代の時期が来てしまったのだなーと実感しましたね。

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