2004年のトピックス           10 11 12

4月30日
自転車ロードレースの全日本選手権第1日、男子個人レースは田代恭崇選手が優勝し、2位の鈴木真理選手とともに、アテネ五輪の代表に内定しました。田代選手、鈴木選手ともに、初の五輪です。これで、ロードレース2枠の座席が埋まり、自転車で残るのは男子マウンテンバイクの1枠と、あとは何枠とれるかまだはっきりしないトラック種目だけとなりました。トラックについては、5月まで行われるW杯の成績で決まるのですが、好成績を上げている種目もあるし、代表はけっこうアテネに送り込めそうな感じです。
枠を逃した…と思われていたクレー射撃の女子トラップで、日本が推薦枠の1を獲得したことがわかりました。アテネで行われていたW杯兼プレ五輪の期間中に、推薦枠で出場できるよう交渉していたとか。見えないところでがんばってるんだなーと、感心してしまいました。そしてその結果、竹葉多重子選手の実力(シドニー五輪代表、W杯ファイナル大会優勝経験あり)や国際連盟への貢献度が評価され、推薦枠が認められたそうです。「一応、言ってみるもんなのね」と思ってしまいました。
女子トラップで、五輪に出場できる選手は7人いるそうで、選考方法についてはこれから決めるとのこと。ただ、竹葉選手は、この日まで行われていたアテネでのW杯で6位に入っていることもあり、かなり有力なのには違いなさそうです。
射撃のプレ五輪を兼ねたW杯、男子ラピッドファイアピストルで田沢修治選手は27位となり、決勝進出を逃しています。
5月26日から始まる近代五種の世界選手権に、黒臼昭二、斎藤英之、村上佳宏の3選手が派遣されることになりました。この大会はアテネの最終予選を兼ねていて、ここで切符をとれなければ、日本からの五輪出場はナシ…となってしまうはず。詳しい条件はわかりませんが、とにかく健闘を願います。
バレーボール女子の世界最終予選に出場する、14人のメンバーが発表されました。ただし、実際にベンチ入りできるのは12人で、本当ならこの日までに絞り込んでおく予定だったのですが…。5月8日の開幕ギリギリまで引き延ばすことで、緊張感を与えてチームの活性化をはかるのが目的のようです。
14人のうち、15歳で代表入り…と注目された狩野舞子選手は、すでにメンバーから外れたそうで、残るは13人。最後の1人で落とされるのは、みんな避けたいですよねー。競争心も自ずと生まれてくるでしょうし、なんとかいい状態で最終予選に臨んでほしいです。

4月29日
3人の世界チャンピオンの戦いが注目された、柔道の全日本選手権。この大会を制したのは、鈴木桂治選手でした。
鈴木選手は、初戦から順調な勝ち上がりを見せました。3人の中では一番強豪が集まるブロックだったにもかかわらず、オール一本勝ちで準決勝へ進出。準々決勝の対戦相手はアテネ90kg級代表の泉浩選手で、そう簡単には勝てないだろう…と思ってたんですが、あっさり(と見えた)転がしちゃいましたから。選抜のときは「らしくない」柔道で、大丈夫かいな?って感じだったんですが(指を痛めてたのもあるんでしょうが)、今日は最初から気迫が違ってましたね。
そして準決勝。鈴木選手と対戦するのは、予想どおり棟田康幸選手です。棟田選手も鈴木選手と同様、圧倒的な力で勝ち上がってきていました。2人とも、体重別選手権では決勝へ行くまでに負けてしまいましたけど、この日はさすがに本来の力を発揮してましたね。
まもなく始まった試合は…素人目には一進一退の攻防に見えました。ですが、組み手では終始鈴木選手のほうが、優位に立っていたようです。このあたり、解説者頼りになってしまうのですが、棟田選手は自分の有利な体勢にもっていくことができず、そうなるとどうしても鈴木選手のペースになってしまいます。そして、鈴木選手の攻めに対してとった、棟田選手の防御の態勢。たった一度の動きで「注意」が棟田選手に行き、それが鈴木選手の有効ポイントとなったのでした。
ただ、仮にあのときポイントにはなっていなかったとしても…旗判定でもやはり、鈴木選手が勝っていたと思います。体重は棟田選手のほうがかなり重いはずなのですが、全然それを感じさせなかったし…。後半は私の目からでも、鈴木選手のほうが攻めてるのがわかりましたから。
試合終了の瞬間、棟田選手は「終わった」とでも思ったのでしょうか。流れる汗に混じって、涙がひとすじ頬を伝っていたのを見て、なんだか胸が痛くなりました。100kg超級の世界チャンピオンで、本来なら金メダルの絶対本命としてアテネに行けるはずの選手なのに、この一度の敗戦で道が閉ざされてしまう…。勝負とは無情なものだなーと、つくづく実感しましたね。そのあと2人が笑顔になり、握り拳を軽くぶつけ合ったのを見て、鈴木選手には「アテネで棟田選手のぶんまでがんばってほしい」と思ったのでした。
そして、いよいよ決勝です。鈴木選手と対戦するのは、もちろん王者・井上康生選手。井上選手も、ここまで危なげなく勝ち上がってきていました。ただ、準決勝の森大助選手との試合を見た限りでは、いつもの動きとは少し違っているように見えました。最終的には立ち技から寝技に持ち込んで一本勝ちを収めましたが、本来の井上選手なら、もっと早い時間に決着をつけていたのではないか…と思いました。
決勝は予想されたとおり、壮絶な組み手争いからスタートしました。お互い、一瞬は有利な体勢にもっていけるのですが、どうしてもそこから決定的な技を掛けることができません。当然のように、2人ともに教育的指導、指導が与えられ、あと一度で「注意」、つまり相手の「有効」ポイントとなるところまできていました。
そして、場外に出そうになって、井上選手がふんばった瞬間、スッと鈴木選手の足が井上選手の足を払いました。一瞬、井上選手の身体が宙に浮きました。ほかの選手であれば、仰向けに落ちていてもおかしくないところでしたが、そこは井上選手。なんとかこらえてポイントになることは防ぎます。ですが、そこからはもう、完全に鈴木選手のペースになってしまいました。結局、井上選手は最後まで目立った技を出せないままでした。結果「注意」が来て、それが勝敗を決する直接のポイントとなりました。
試合が終わったあとの鈴木選手は、本当にうれしそうでしたねー。ずーっと「康生さんに勝ちたい」って言ってたし、念願かなった…!って感じだったんでしょう。インタビューでも「うれしい」を連発してたし。でも、その強さは際だってました。準決勝も決勝も、試合を決めた直接のポイントは、相手の反則(注意)だったわけですが、それも鈴木選手が押していたがため、ですもんね。
負けた井上選手のほうは、やはり本調子ではなかったのかもしれません。準決勝のあとも足を引きずっていたようだし、痛めていた足がまだ回復しきっていないのかも。少し休んだほうがいいのかもしれませんね。
この結果、アテネの100kg級代表には井上選手が、100kg超級代表には鈴木選手が決まりました。この2人は、まちがいなく世界最強の選手たちです。ちなみに私、決勝は「これが実質、『柔道世界一決定戦』だ」と思いながら見てましたから。アテネでは、その力にふさわしい結果を期待したいです。
陸上の織田記念、男子100mに出場した朝原宣治選手は、今季第1戦からA標準を突破する10秒16の好タイムで優勝しました。風の状況がわからないので断言はできないのですが、この時期の10秒16はなかなかのタイムです。昨年の朝原選手はとても調子が悪くて、シーズン通して一度も10秒1台は出していないはず。それが、今季は初戦から…ですからねー。この冬、アメリカではなく国内で調整したのが、功を奏したのかも。グランプリや日本選手権でもっと記録を伸ばせれば、五輪でもかなり期待できそうです。
また、110mハードルは谷川聡選手が13秒59の大会新で制しました。こちらも、シーズンはじめにしては好調のようです。
国際陸連が、昨年のパリ世界陸上男子400mリレーの、イギリスチームの銀メダルを剥奪すると発表しました。アンカーのチェンバーズ選手が、ドーピング検査で筋肉増強剤(テトラハイドロゲストリノン)に陽性反応を示し、それを受けての剥奪となったようです。陸上のドーピング関連は、そろそろ新しい話も出なくなった…と思っていたら、そういうわけでもないみたい。あと、この新種の筋肉増強剤って、使ってたのはアメリカ選手だけじゃなかったんですねー。なんか、どこまで広がっていくんだろう…って感じです。

4月28日
サッカー女子日本代表の、強化日程などが協議され、7月末の壮行試合開催などが決まりました。国内で行われますが、対戦相手は未定だそうです。また上田監督は、6月9日にアテネで行われる組み合わせ抽選会に出席し、その際は会場も視察してくる予定だとか。出場権は獲得したばかりなのに、強化策のほうはちゃくちゃくと決まってる感じですねー。
ホッケー女子が、せっかく五輪出場権を獲得したのに、ホッケー協会は資金不足…(JOCからホッケーに配分される金額は、かなり少ないらしい)。ということで、協会は不足分を、一般からの募金で穴埋めすることにしたようです。やっぱ先立つものがなければ、海外遠征もままなりませんからねー。お金はいくらあっても、ありすぎることはないでしょう。
協会のページに「女子ホッケーオリンピック応援募金」の詳細が載ってますので、興味のある方は一度見てみてください。少し前のニュースでは、一口12000円とか書いてあって、「なんの関係もない人が、それだけも出してくれるのかなー」と、かなり危ぶんだんですけど、今は金額についてはなにも書かれてないので、いくら出すかは各自の自由のようですね。ちょっと安心しました。

4月27日
競泳のイアン・ソープ選手が、一度は逃したと思われていた、男子400m自由形でのオーストラリア代表に決まりました。前日にクレイグ・スティーブンズ選手が、この種目の代表を辞退することを表明。それを受けてソープ選手が、この日の会見で「出場」を発表しました。「スティーブンズ選手に感謝する」とのことです(そりゃ、そうでしょう)。
まあ、見ているぶんには、ソープ選手が出てくれるほうがおもしろいんですけど、スティーブンズ選手にはちょっと酷だったかなーと…。世界中から注目されて、なんだか辞退しないといけないような感じになってしまったのかも? スティーブンズ選手は1500m自由形に出場しますが、こちらのほうでの健闘を祈っておきますわ。
国際オリンピック委員会は、アテネ五輪が中止になった場合に備えて、1億7000万ドル(約187億円)の損害保険に加入したそうです。もちろん、こんなことは初めてだとのこと(そりゃそーだ)。いちおう、戦争やテロの場合だけでなく、地震などの天災も含まれていて、いわゆる「不測の事態」で、日程の一部または全部が中止になったときに、適用されるものだそうです。
IOCのロゲ会長は「アテネに安全上の問題などがある、と判断したからではない」としていますが…。どんなに警備を強化したからといって、すべてを防ぎきれるもんじゃないですからねー。この保険が効力を発揮するような事態だけは、起こらないでいてほしいもんです。

4月26日
サッカー女子の五輪アジア予選は、日本×中国で決勝が行われましたが、日本は0−1で惜敗。優勝はなりませんでした。前半は0−0と互角の戦いを見せてくれたのですが、後半12分にPKで得点を許し、結局そのまま試合が終了してしまいました。
負けたのは悔しいけれど、でも「よくぞ決勝まで勝ち上がってくれました」という気持ちのほうが大きいですよねー。それに、この結果を見れば、アテネでは充分に戦えそうな感じだし…。男子ともども、活躍を見せてほしいです。
なお、アテネ五輪の1次リーグ組み合わせ抽せん会は、6月9日に実施されます。日本チームはいったん解散し、5月末のアメリカ遠征から再始動するとか。
トライアスロンのW杯、女子で中西真知選手が6位に入りました。高橋梨香選手は28位でした。この競技、けっこう上位に来る選手がいるので、アテネでもいい成績を収めてくれるかも…なんて、ひそかに期待してるんですけど。
アテネで行われている射撃のW杯第4日、女子25mピストルに出場した日本勢は、いずれも決勝に進めませんでした。福島実智子選手と小西ゆかり選手は25位、稲田容子選手は31位でした。稲田選手は別の種目の代表なので、仕方ないとして、福島選手と小西選手には、もう少し上の順位をとってほしかったかも。
女子レスリングの山本美憂選手が、引退会見を行いました。今年2月の選考会(クイーンズカップ)で、坂本真喜子選手に負けた瞬間に「終わったと思った」そうです。五輪出場を夢見てカムバックを果たした元女王も、その夢がかなえられることなく、去っていってしまうんですね。
今後については、キャスター業を通じて「レスリングのすばらしさを伝えていきたい」とのこと。また、子供にレスリングを教えることもしたいそうで、そのうち彼女が育てた選手が、晴れの舞台を踏めるようになるといいですねー。

4月25日
競泳の日本選手権も最終日、この日で五輪代表が出揃いました。
男子200m個人メドレーは、先行する森隆弘選手を三木二郎選手が追うという展開。前日の準決勝では森選手が先着しましたが、やはり三木選手は力を溜めていたようです。決勝では得意の平泳ぎでぐんぐん追い上げ、あっさり抜き去ると、最後の自由形ではさらにその差を広げてゴール。1分59秒99という、すばらしい日本新を出して優勝しました。
2分を切ったことがよほどうれしかったようで、三木選手はゴールしてからインタビューのあいだも、ずっとニコニコ顔でしたねー。あそこまで素直に喜ばれると、見ているこちらまでうれしくなってしまいます。
また、森選手も2着でゴールして、400で逃した五輪切符を掴みました。こちらはさすがに満面笑みとはいきませんでしたが、それでもアテネに行けるという、安堵感のほうが強かったのではないでしょうか。「200に専念して…」(だったかな)という本人の言葉どおり、この距離一本に絞れる…ということを、いい方向に結びつけてほしいですね。
女子200m平泳ぎでは、田中雅美選手がようやく派遣標準を突破し、笑顔を見せてくれました。100のときの表情があまりに痛々しかったので、大丈夫なのかなーと思ってましたけど、この日の泳ぎは良かったですよね。インタビューの明るさからも、満足な泳ぎができたんだなぁという感じが伺えました。願わくば、アテネでもこんな顔を見せてほしいですね。この人の悲しそうな顔を見るのは、ツライです。
それから、女子200m背泳ぎは、本命・中村礼子選手が優勝。なんだか、この大会の期間中に、どんどん貫禄がついてきたような気がします。「絶対に負けない」ような雰囲気がある…。また、2位には寺川綾選手が入り、この2名が派遣標準記録を突破しました。
レースのほうは、最初は伊藤華英選手が先行し、少し遅れて中村選手、さらにもう少し遅れて寺川選手…という感じで進んでいったのですが、伊藤選手はやはり、前半飛ばしすぎたのでしょう。後半は中村選手の追い上げを許し、150のターンで逆転されると、残りの50mはがくんと失速。ついには寺川選手にも抜かれてしまいました。
力的には、寺川選手より伊藤選手のほうが上だと思っていたので、この結果は少し意外でした。前半、伊藤選手がもう少し抑えてたら、おそらく2位と3位は入れ替わってたんじゃないでしょうか。ほんの少しの作戦ミスで、アテネを逃してしまうというのは、なんとも無情に感じました。逆に、寺川選手は、感極まって泣きじゃくってたのも印象的でしたね。
男子100mバタフライは山本貴司選手が、この大会でようやく表彰台のてっぺんに上ることができました。山本選手は高安選手に先行されるも、じっくりと追い上げ、接戦の末に勝利を掴みました。山本選手って、スタートが良くないんですよね。飛び込んだときは、たいていだれかが前にいる感じ。でも、トップとの差を、ちゃんとゴールまでに詰めてしまってるんですから…。強いですねー。
これで、個人種目の代表は決まりましたが、メドレーリレーのメンバーとして、女子100m自由形で優勝した永井奉子選手も代表入りしました。
最後に、女子50m自由形で優勝した、萩原智子選手について。残念ながら派遣タイムには届かず、アテネ行きを逃し、レース後のインタビューでは「これまで応援ありがとうございました」と引退宣言が飛び出してしまいましたが…。せっかく昨年秋の国体では、見事に復活を果たしてくれたと思っただけに、すごく残念です。
鈴木大地さんが、彼女の病気(過呼吸)について、「深刻な状況だった」みたいなことを言われてたので、仕方がないのか…とも思いますが…。なんというか、競技者として、彼女はまだすべてを出し尽くしていないような気がするのです。持っている力の最後まで発揮することなく、競技から去ってしまうことが、ものすごく惜しまれますね。
陸上もいよいよトラックシーズンの幕開け。兵庫リレーカーニバルの10000mには、有力選手が数多く参加しました。
先に行われた女子は、ジェーン・ワンジク選手が31分4秒34で優勝し、第一人者の福士加代子選手は1秒34遅れの2位。3位の羽鳥智子選手、4位の野口みずき選手(マラソン代表)までが、五輪参加A標準を突破しました。
福士選手は、惜しくも優勝には届かなかったのですが、この時期に31分そこそこならかなりの好タイムです。このぶんなら、6月の日本選手権あたりには日本新の声も聞けるかも。
また、男子はトップのマーティン・マサシ選手から8位までを外国選手が占め、日本人では三津谷祐選手の9位(28分0秒23)が最高でした。やはり、男子の長距離トラック種目は、どうしても外国選手には勝てないのかなぁ…。
卓球の五輪男子ダブルスは、新井周/遊沢亮組で臨むことになりました。シングルスで3枠が獲得できたため、その中の2人が組めば、ダブルスに出場できるんですよね。だれとだれのペアになるのかなーと思っていたのですが、松下浩二選手は腰痛ということでシングルスに専念、新井選手と遊沢選手が組むことになりました。
それから、出場が保留になっている女子ダブルスの福原愛/小西杏組ですが、やはり台湾選手の結果待ち…ということに変わりはなさそうです。負けてくれるよう、祈るしかない…というのは、「うーん」って感じなんですけどねー。
それから、男子ダブルスの田崎俊雄/鬼頭明組も、世界最終予選の結果によっては出場できるかもしれないとか。ただし、その条件は女子の福原/小西組とは反対で、彼らの場合は「香港の梁柱恩選手がシングルスで出場権を獲得すれば」、五輪に出場できるのだそう。こちらは、勝ってくれるよう応援するっきゃない、ってことですかね。
アテネで行われている射撃のW杯第3日、クレー女子トラップで竹葉多重子選手が6位に入りました。…が、残念ながら竹葉選手は、五輪代表ではないのですね(出場枠がとれなかったので、仕方ないのです)。また、ダブルトラップのほうで代表となっている井上恵選手は、35位で予選敗退となりました。
男子エアライフルでは、この種目の五輪代表・柳田勝選手が、8位の好成績を収めています。
五輪最終予選を兼ねた、カヌーのスラロームW杯も最終日を迎えましたが…。結局日本勢は、枠をひとつも獲得できませんでした。
前日に行われた男子カヤックシングル予選で、準決勝進出を決めた佐藤俊平選手でしたが、この日の準決は36位で決勝には進めず。同種目に出場した佐々木翼選手と山中修司選手、男子カナディアンペアの永井元樹/長尾寛征組は、いずれも予選で姿を消しました。
スラロームの枠ゼロとは、寂しいですね。

4月24日
競泳の日本選手権第5日、この日初めて「競泳の大会」というものを生観戦してきました。陸上やフィギュアの試合には、しょっちゅう観戦に出かけている私ですが、水泳はこれまでテレビで見るくらい。でも、アテネの代表が決まる大事な大会だし、それに、一度生で見ておきたいとは、以前から思ってたんですよね。あと、やっぱ北島康介選手を見たい!ということで、関東在住の友人と、東京辰巳国際水泳場まで行ってきました(でも、決心がついた最大の理由は、一緒に行ってくれる友人がいたことです。1人はイヤ)。
チケットは、この日の決勝だけが当初からかなりの売れ行きを見せてました。いつもはテレビで見てても、空席が目につくし、チケットなんていつでも買えるだろう…と甘い考えでいたら、あっという間になくなりかけてて、ちょっと焦りました。土曜だったのと、あとはやはり、北島康介選手が出場する200m平泳ぎが予定されてたからでしょうねー。
辰巳の会場に着いたのは夕方5時半すぎ。私はJRで行ったのですが、東京駅からは10分程度の位置にあって、アクセスはまずまず。何駅か先には東京ディズニーランドがある…と書けば、おわかりでしょうか。駅を出ると、目的地は同じとおぼしき人がたくさん目についたので、迷うことなく会場まで行くことができました。入口付近にはダフ屋氏もいたりしました。
中に入ると、予想以上に「むっ」とした空気に包まれて、ちょっとびっくり。よくよく考えてみれば、密閉された空間に温水プールがあるわけで、蒸し暑いのはあたりまえだったのですが、ここまでとは思ってませんでした。観客が多い…というのもあったかもしれませんねー。外が肌寒かったので、よけいに暑く感じられたのかも。
観客席は、家族連れやグループが多くて、雰囲気はちょっと陸上に近いものもありました。ただ、開放的な屋外空間と密閉された屋内空間では、やっぱりどこか違ってましたけど。あと、それほど水泳に詳しくない人も多かったような…(たぶん、今回は特に、でしょうが)。
競技は、まずは準決勝の種目から始まりました。
最初に行われたのは、女子200m背泳ぎ。中村真衣選手の欠場はちょっと残念でしたが、なにせ有力選手がひしめくこの種目。翌日の決勝をにらんで、準決ではどういう泳ぎが見られるのか、かなり注目させられました。まず、1組に登場した伊藤華英選手と寺川綾選手は、予想どおり、ほかの選手を大きく引き離して1、2位でゴール。さすが…と思いはしたのですが…。2組に出てきた中村礼子選手(100で優勝)のスピードは、もう全然違ってました。気がついたらほかの選手を置き去りにしていた、という感じ。決勝も、よほどのことがなければ中村選手が勝つでしょう。完全に、日本選手の中から抜け出しましたねー。
次の女子200m平泳ぎ準決勝は、田中雅美選手の独壇場。もうほかの選手と、推進力が全然違うんですよね。ひとかきで「すぃ〜っ」と進んでいく感じ。100では派遣標準が切れなくて悔し涙を流していましたけど、200は決勝に向けていい感じになってきました。ただ、彼女に迫る選手がいない…というのが心配です。だれか、脅かす存在が出てきてくれないかなー。
続いては、男子200m個人メドレーの準決です。この1組で、早くも森隆弘選手と三木二郎選手が、隣同士で泳いだのですが…。森選手は400でアテネを逃しているだけに、全然気合いの入り方が違ってました。最初からかなり飛ばしてて、最後までぶっちぎってくれましたね。決勝でも、この結果どおりとなるのか、それとも力を抑えていた?三木選手が来るのか…。三木選手の400での復活ぶりが鮮やかだったんで、この種目の決勝も、目が離せなくなりそうです。
それから、男子100mバタフライ準決勝は、山本貴司選手が強さを見せつけました。スタートは少し遅かったのですが、50mでトップに立つと、あとはもう差が開く一方。軽く泳いでるのに、ラストの伸びが全然違いました。200mは負けてしまいましたけど、100では敵なしのようです。決勝では、タイムを狙ってってほしいです。
そして、ここからは決勝種目です。準決とは会場の盛り上がりも場内アナウンスの口調も全然違って、緊迫感がみなぎってました。もう、空気が違うんです。
決勝の最初は、女子100m自由形。ここではやはり、萩原智子選手に注目が集まったのですが…。スタートは、4コースの永井奉子選手(200優勝)とほぼ同じ。50の折り返しまでは、大接戦を繰り広げたのですが…。ターンでわずかに永井選手が前に出たかと思うと、後半はじりじりと水をあけられ、そのままレースが終わってしまいました。なんというか、萩原選手のいいところが、見られないままだったのが残念でした。とにかく、力が感じられなかったです。昨年秋の国体ではいい感じだったのに、どうなってしまったんでしょう…。50mでは、もう少し元気を見せてほしいです。
なお、55秒63で勝った永井選手は、これでリレーでの五輪代表をほぼ決めたとのこと。平泳ぎの田中雅美選手も、同様にリレーメンバー入りが確実となりました。シドニーでは、女子のメドレーリレーで銅をとっていて、そのときはめちゃくちゃ感動的だったんで、またあんないい思いができたらいいんですけどねー。それには、永井選手にかかっている部分がかなり大きいので、これからアテネに向けて、さらに調子を上げてってほしいです。
決勝種目の二つ目は、男子200m背泳ぎです。森田智己選手が前日、すでに日本新を出していて、この日はさらに記録を伸ばしてくるかも…と期待されたのですが…。50、100のターンとも、1位はとなりの5コースを泳ぐ中野高選手。森田選手もわずかの差で続きます。が、その後の50mで森田選手のスピードはがくんと落ち、中野選手との差は身体ひとつにまで開いてしまいます。これは、中野選手が勝ったか…とは、だれもが思ったことでした。
が、森田選手は最後の50mで本領を発揮しました。観客席から見てもはっきりわかるくらい、森田選手のスピードはぐんと上がりました。残り25mを過ぎたあたりで、トップの中野選手と森田選手の差は、身体半分もなくなっていました。その後も森田選手は差を詰めていき、ラスト5mで2人の身体はほぼ並びます。タッチの瞬間、わずかに手が先についたのは、追い上げてきた森田選手でした。
森田選手がインタビューで語ったところによると、100〜150までは「落としすぎた」とのこと。最後のスピードアップを考えて、わざとここで抑えて泳いだようでした。結局、タイムは2分0秒16と前日の日本新から大きく遅れ、決勝での標準記録突破もならなかったのですが(アテネでは出られるでしょうけど)、あのラストのスピードは驚異的でした。100と比べて得意ではない200の戦い方を、いろいろと模索しているのかもしれません。アテネまでに、一番いい形を見つけてくれれば…と思いますね。
女子200mバタフライは、中西悠子選手が2分7秒99の日本新で4連覇を果たしました。やはり彼女も、ほかの選手とは全然違ってて、1人ダントツの力を見せつけてくれたし、しかも場内アナウンスで「日本記録のペースを上回っています」とかなんとか、さんざんあおってくれるもので、こちらも電光掲示板と中西選手を見比べるので大忙し。こういうとき、テレビだと泳いでる画面の下にタイムが表示されるので、都合がいいんですけど、会場だと電光掲示板とプールの位置が正反対なので、非常に見にくいんですよ〜。結局、なにがなんだかわからないままに、レースが終わってしまいました。中西選手が凄い、というのだけはよくわかりましたが…。今度から、電光掲示板を見るのはやめよう…と思いましたわ。
それと、2位には長田友喜子選手が入って、同時に五輪代表の座も手中にしたのですが、これは最後の最後で3位から逆転したんですよね。その喜び方はかなりなもので、3位に落ちた矢野選手とは対照的でした。2位でも五輪代表になった選手と、優勝しても派遣標準記録を突破できなかった選手とでは、全然表情が違ってて、勝とうが負けようが、五輪に出ることが第一目標なんだなーと、改めて実感しました。
次の男子100m自由形は、思いもよらぬ結果となりました。優勝したのはなんと、8コースを泳いだ桜井裕司選手。本命は4コースの細川大輔選手で、前半は予想どおりリードしてたし、あとは7コースの伊藤選手が出ていたくらいで、8コースの桜井選手はまったくのノーマークだったのですが…。折り返してからコースの半分まできたところで、8人がほとんど横一線に並ぶ大接戦。だれが来てもおかしくない…という状況から、抜け出したのは桜井選手だったのでした。
なんか、勝った本人も「ぽかーん」としていたような気がします。インタビューでも「信じられない」みたいなことを言っていたような…。必ずしも本命が勝つわけではない、レースはやってみないとわからない、ということを、つくづく感じさせられました。この種目は、世界との距離がかなりあるんで、勝った桜井選手が、今後その差を詰めていってくれることを期待したいです。
と、ここまでえんえん書いてきて、ようやく本命の登場です。最終種目の男子200m平泳ぎ決勝! ある意味、私もこのレースを一番楽しみにして、はるばる東京までやってきたわけだし、会場を埋め尽くした観客も、そういう人が多かったに違いありません。
北島選手が登場すると、場内は歓声で埋め尽くされ、テレビカメラも数台が張りついて、その一挙手一投足を映し出します。もちろん、これまでの有力選手も同じだったんですが、北島選手のときは、それがいっそうヒートアップしたような気がしました。それを見ていると、「選手というものは、こういうもろもろのプレッシャーと戦って、そして大きく成長していくんだなー」と思いましたね。北島選手は、カメラを向けられても悠々としていたし、こうならないと世界チャンピオンになんてなれないんだわーと。
レースのほうは、飛び込んで、浮き上がった瞬間から北島選手がリードしていました。その後もひとかきごとに差を広げていき、ほかの選手との格の違いを見せつけます。女子の田中雅美選手のときも、「ひとかきの伸び」を感じたのですが、北島選手の泳ぎは、さらにそれが際だっていました。前日までは、「らしくない」泳ぎばかりで、この日も正直、「あまり期待しすぎないようにしよう」と思っていたのですが、この決勝で、ようやく北島選手本来の持ち味が出てきたような感じでした。
そして、最後のターンを終えたところで世界記録のペースを上回っていることがわかり、会場の盛り上がりも最高潮に達します。会場中が、息をのんで北島選手を見つめていました。その泳ぎも、最後まで変わらず伸びやかだった…と思ったのですが…。さすがに世界記録を出すには、少しなにかが足りなかったようです。自身の記録より1秒28遅い、2分10秒70でゴールとなったのでした。
レース後のインタビューでは、満面笑みとはいきませんでしたが、やっと少しは納得できるレースができた…と感じているように見えました。あと、「辰巳がこんなに満員になったのは初めて見た」との言葉には、場内大受け。でも、それだけの観客を集めたのは、やはり自分が出るからだ…というのは、当然わかっているでしょうし、プレッシャーもますます重くなってくるでしょうけど…。北島選手ならやってくれるかなーという気がしています。とにかく、アテネでは一番いい状態でレースができるよう、祈りたいです。
また、2位に入った今村元気選手も、派遣標準を切って五輪代表に内定。こちらはものすごーくうれしそうで、ほほえましかったですねー。少しでも北島選手に迫ってほしいです。
サッカーの日本女子が、アテネ行きを決めました。五輪アジア予選の準決勝で、強豪・北朝鮮に3−0で快勝。決勝進出を決め、同時にアジア枠のひとつを獲得しました。日本は前半11分に先制し、前半のロスタイムに2点目、後半19分には3点目を奪うという、予想以上の快勝。正直、厳しいかなーと思っていたので、かなり驚きました。
また、アジアのもうひとつの枠は、中国が韓国に勝って獲得。これでサッカー女子の五輪出場国10か国が、すべて出揃いました。
決勝は26日、日本と中国が戦うのですが、世界ランク5位の中国に勝てれば、アテネでの希望が見えてくるかも?
上海で行われているボートの五輪アジア予選、女子軽量級ダブルスカル決勝で岩本亜希子/内山佳保里組が2位に入り、この大会の上位3か国に与えられる五輪出場資格を獲得しました。日本ボート協会は、出場資格を獲得した選手をそのまま代表とすることを決めているため、岩本/内山組のアテネ行きも決まりました。ボートの女子では、初の代表決定となります。男子の軽量級ダブルスカルはかなりの有望種目なのですが、女子もできればそれに続いてほしいです。
五輪の射撃・ライフル種目(いずれもエアライフル)代表に、男子は柳田勝選手、女子は三崎宏美選手が正式に決まりました。柳田選手は2月のアジア選手権で、三崎選手は昨年7月のW杯で枠を獲得し、選考会でもトップの成績を収めて代表の座を確実にしていました。
また、すでに決まっていたピストル種目の代表も正式に承認され、これで射撃の代表も出揃いました。運が良ければ好成績も期待できる競技として、心に留めておきたいですね。
その射撃の、五輪テスト大会を兼ねたW杯第2日、女子エアピストルで稲田容子選手が9位、福島実智子選手は16位、小西ゆかり選手は64位となりました。また、クレーのトラップ男子の小原誠選手は29位でした。
どのくらい有力選手が出場してるのか、ちょっとわからないのですが、稲田選手はなかなか好調な様子。五輪本番の会場にも、慣れることができたでしょうか。
女子レスリングの山本美憂選手が現役引退を表明しました。今回、五輪出場がかなわず、引退を決めたようです。これまでも何度か引退→復帰を繰り返してきましたけど、29歳という年齢もあり、どうやらこれが本当の引退となりそうです。
女子レスリングが五輪種目になるなんて、まだ全然考えられなかった時期から活躍し、現在の隆盛を築くもととなった選手ともいえるだけに、感慨深いものがありますねー。惜しむらくは、あまりに早い段階で、最初の引退をしてしまったことでしょうか。今後どうするのかはわかりませんが、できればレスリングのために、なんらかの活動は続けてほしいです。

4月23日
競泳の日本選手権第4日、この日は男女計4種目の決勝などが行われました。
まず、男子200mバタフライは、松田丈志選手が初優勝。先行する山本貴司選手を最後の50mで激しく追い上げ、最後はタッチの差でかわして勝利をもぎとりました。長距離の選手だし、スタミナがあるだろうとは思っていましたが、あの追い上げはお見事としかいいようがありません。松田選手もよほどうれしかったらしく、ゴールしたあとプールの壁を「やった〜」とでもいわんばかりに、ごーん?と殴りつけてましたね(インタビューのとき、血がにじんでいた…)。
これで、松田選手、山本選手ともども五輪代表に決まりました。世界選手権で銀を獲得している山本選手と、それとほぼ互角の力を持つ松田選手…ということで、山本選手が言ってたように「メダル2個も夢じゃない」って感じになってきました。それが実現することを期待しておきます〜。
さて、その松田選手ですが、そのわずか30分あとに、今度は1500m自由形の決勝に登場。前日の予選では日本新も出していたのですが、さすがにあの大激戦を制した直後に1500m泳ぐのは、いかに松田選手といえどもきつかったようです。優勝はしたものの、前日に作ったばかりの日本記録からは、5秒以上も遅れる結果となってしまいました。
結局、決勝で派遣標準は切ることができなかったのですが…。事情が事情だし、予選ではちゃんと切ってるし、五輪本番では2種目の日程は離れてるし…で、おそらくアテネではこちらにもエントリーできるんじゃないでしょうか。それにしても、1500m自由形と200mバタフライなんて、ちょっとない組み合わせですよね。松田選手は私の中でも、「アテネで大注目したい選手」の1人になってきました。
女子800m自由形は、山田沙知子選手が貫禄勝ちを見せてくれました。8分23秒68の日本新は、昨年の世界選手権なら銀メダルをとれていた記録です。冬の短水路の大会でも日本新を連発していたし、調子の良さをずっと持続してたんでしょうねー。彼女の場合は、あとは「本番でこの泳ぎができるか」だけですね。また、2位に入った柴田亜衣選手も、自己記録を大幅に更新して派遣標準記録を突破。彼女の伸びにも要注目です。
なお、女子200m個人メドレーでは、天野美沙選手が400mに続いて優勝しましたが、派遣標準記録は切れませんでした。
そして、男子200m背泳ぎ準決勝では、森田智己選手が100mに続いて1分59秒10の日本新を樹立。これまで100に比べて200は弱い印象がありましたが、スタミナがぐっとついた感じです。決勝でも、さらに記録を伸ばしてくるでしょうか?
ただ、北島康介選手は得意の男子200m平泳ぎに出場しましたが、どうも本調子ではない様子。女子100m自由形の萩原智子選手も、緊張したのか抑えたのか、それとも調子が悪いのか、もうひとつぴりっとしない泳ぎでした。ちょっと心配です。
卓球のアジア予選で、ダブルスの出場権を獲得した…と思われていた福原愛/小西杏組ですが、どうやらそれは、まだ「確定」ではなかったことが判明しました。
アジア予選では、上位から順に枠を与えていくのですが、「残り1」となったところで、次は6位の台湾ベアに与えられる…はずでした。ですが、その組に限って2人ともシングルスの出場権を持っていなかったため、彼女らに与えると、残り1枠がオーバーしてしまうことに。それで、福原/小西組に出場権が転がりこんできた、と思われていたのですが…。
卓球にはまだ、世界最終予選(5月・オーストリア)というものが残されていたのでした。つまり、ここで台湾ペアのうちの1人がシングルスの枠を獲得すると、ダブルスに出場するための枠は、1でOKということになるんですね(わかりにくい説明ですみません)。まさか、こんな可能性があったとは…。
とりあえず、世界最終予選の枠は二つだけということなので、ここはもう、台湾の選手が2位以内に入らないことを願うしかないですね。他力本願だけど。
射撃のプレ五輪となる、W杯アテネ大会で、男子エアピストルに出場した中重勝選手が8位に入りました。中重選手は、この種目の代表に決まっているのですが、本番に向けていい感触がつかめたでしょうか? また、田沢修治選手は60位…とニュースには書いてあったんですが、種目はやっぱり同じエアピストル? 田沢選手はラピッドファイアピストルの代表なので、専門外の種目ならこの順位も仕方ないのかも。
五輪最終予選を兼ねるカヌーのW杯、女子カヤックシングルで、村山夏美選手選手は準決勝で敗れ、出場権は獲得できませんでした。男子カナディアンシングル準決勝の羽根田卓也選手も、同じくここで敗退しました。

4月22日
競泳の日本選手権第3日は、男女4種目の決勝などが行われて、3人の五輪代表が決まりました。
まず、有力選手がひしめく女子100m背泳ぎは、中村礼子選手が優勝。2位には稲田法子選手が入り、2人が切符を手中にしました。予選ではトップの成績だった中村真衣選手(シドニー銀)は3位で、今回は五輪出場を逃しました。4位は寺川綾選手、5位は伊藤華英選手で、予想どおり、5人が1秒以内にひしめく大接戦となりました。
中村礼子選手は、これまで「大舞台に弱い」というイメージがあったのですが、コーチを替えたりして、かなり精神面を鍛えてきたようですねー。「一皮むけた」感のある彼女には、アテネでも大いに期待できそうです。
稲田選手と中村真衣選手は、両方ともがんばってほしい選手だったんですが…(長く第一線で続けている人は、やっぱり応援したくなります)。2位の稲田選手は1分1秒39、中村真衣選手は1分1秒55と、100分の16秒の差が、2人の明暗を分けてしまいました。勝負の世界って無情だ…と改めて思ったりなんかしたのでした。
このあと、200mも残っているのですが、中村真衣選手はこちらは棄権する考えだそうです。もともと短い距離のほうが得意な選手なので、この棄権は仕方ないのかな。50mには出てくると思うので、ここで優勝して有終の美を飾ってほしいですね(50m背泳ぎは、世界選手権では実施されているのですが、五輪種目ではありません)。
また、男子200m自由形は、奥村幸大選手が1分48秒87の日本新で優勝し、こちらも代表に内定。日本男子(というより日本は男女とも)は、自由形は弱いんですよね。たいてい、リレーメンバーとして選ばれる、という感じだったのですが、派遣標準を突破し、個人で選ばれたのにはちょっと驚きました。男子1500m自由形予選でも、松田丈志選手が15分9秒52の日本新をマークしてるし、全体にレベルはアップしているのかも?
残念だったのは女子100m平泳ぎで、田中雅美選手が派遣標準記録にわずか0秒03届かなかったこと。まだ200mもあるし、メドレーリレーのメンバーも選ばなきゃいけないので、彼女が代表になる可能性は高いですけど…。やっぱ、派遣標準を突破して、すっきりと選ばれてほしいですよね。
サッカー女子の五輪アジア予選は、1次リーグ最終戦が行われて、日本はでタイに6−0で大勝。予選C組1位となり、準決勝進出を決めました。24日の準決勝で日本は北朝鮮(A組1位)と対戦し、ここで勝てば五輪出場が決定します。北朝鮮は強いですけど、ここで勝てなきゃアテネには行けないので、なんとか勝利をもぎとってほしいです。
なお、準決勝のもう1試合は、中国(B組1位)×韓国(2位の中で最も良い成績)に決まっています。目標は五輪出場だから、決勝はオマケ?みたいなもんですよね。ある意味、二つの準決勝が「決勝」なんでしょうね。
カヌーでは、スラローム種目のW杯第1戦、アテネ大会が始まりました。これは、五輪最終予選を兼ねた大会で、まだ枠を獲得していない日本としては、なんとか最後のチャンスにかけたいところです。
で、初日の結果なんですけど…。男子カナディアンシングル予選では、羽根田卓也選手は39位で準決勝に進出しましたが、持田雅誠選手は46位、服部洋一郎選手は48位となり、予選で敗退しました。また、女子カヤックシングル予選の村山夏美選手は30位で準決勝に進み、中山景子選手は46位で予選落ちしています。
日本カヌー連盟のサイトを見てみたところ、日本選手が出場する種目では、男子カヤックが8位以内、男子カナディアンシングルは6位以内、男子カナディアンペアは4位以内、女子カヤックシングルは5位以内に入れば、枠を獲得できるそうですが…。予選の成績を見ると、かなり不安になってきました。ただ、すでに枠を獲得している国は除いて数えるはずなので、そのあたりに望みをつなぎたいです。
射撃のプレ五輪となる、W杯アテネ大会が開幕しました。女子エアライフルに出場した三崎宏美選手は、395点で決勝に進めず。15位となりました。相沢悠子選手は30位でした。三崎選手は、五輪代表がほとんど決まっている(あとは承認のみ)のですが、彼女は昨年のW杯で優勝して枠を獲得してるんですよね。その日の調子次第で、優勝も予選落ちもありうる…ってことなんでしょうねー。

4月21日
競泳の日本選手権第2日、この日は新たに3人の五輪代表が決まりました。
まず、最大の注目は、男子100m平泳ぎに出場した北島康介選手。あわよくば世界新も…とは、本人も思っていたのでしょう。スタート直後からほかの選手より前に出て、あっというまに引き離し、50のターンでは身体ひとつ?の大差をつけます。ラップタイムも世界記録を大きく上回り、「行けるか!?」という期待を抱かせてくれたのですが…。前半飛ばしすぎたゆえのスタミナ切れか、はたまた力が入ったのか、ゴール手前でスピードダウン。タイムは1分0秒39で、自らの持つ世界記録(59秒78)の更新はなりませんでした。
作戦をミスしただけか、体調自体が良くない(絶好調ではない)のか、それとも今の時期だと「こんなもの」なのかな。まあ、ここで絶好調すぎても良くないかもしれないし、楽しみはアテネにとっておくことにしましょう〜。…といいながら、200mには期待してしまうんですけどね(笑)。
この日はむしろ北島選手より、女子100mバタフライの大西順子選手のほうが目立ってたかもしれません。スタートはそれほど良くなかったのですが、ひとかきごとに前に出て、ぐんぐん差を広げ、ゴールしてみれば58秒62の日本新。これまでの記録は、1998年に青山綾里選手が出したものなのですが、この時はまだ15mまでの潜水が許されてましたからねー。これを破ったのは本当に凄いことです。大西選手も「このためにやってきた」みたいなことを言ってましたもんねー。あの言葉を聞いて、なんだかじーんときてしまいました。
それから、男子100m背泳ぎでも、森田智己選手が54秒40の日本新。こちらも、レース後のうれしそうな顔が印象的でした。ただ、これまで日本記録を持っていた錦織選手はなぜかふるわず、ここで代表入りを果たせなかったのは残念。この種目は、2人とも行けると思ったんですけどねー。
ボートのアテネ五輪アジア予選第1日、女子軽量級ダブルスカルで岩本亜希子/内山佳保里組が予選1組で1位となり、決勝に進出しました。24日の決勝では3位以内に入れば、五輪出場権を獲得できます。ボートのアテネ五輪代表第1号…に果たしてなってくれるでしょうか?

4月20日
競泳の日本選手権が始まりました。アテネでも活躍が期待できる競技のため、初日から大いに注目を集めているようですねー。この大会で、日本水泳連盟が定める五輪派遣標準記録を突破し(五輪のA標準よりさらに上のレベル)、2位以内に入った選手は、自動的に五輪代表に決まることになっています。この日は5人がアテネへの切符を掴みました。
まず、男子400m個人メドレーでは、三木二郎選手が4分14秒79の日本新で初優勝を飾りました。インタビューの映像をニュースで見たのですが、三木選手、涙がこぼれてましたねー。でも、その気持ちはわかるような気がします。
3年ほど前の三木選手は、すごく勢いがあって、私は北島康介選手と同じような感じに思ってたんですよ。それが北島選手のほうは、世界新記録まで作ってしまう日本水泳界のエースに成長し、かたや三木選手はこの3年間、自己記録を更新できなかったわけで…。昨年の世界水泳は、「いつのまに、こんなに差がついちゃったんだろう」と思いながら見ていたりしました。
今回は、背泳ぎと平泳ぎが良くなってきたのが、タイムに現れたようですけど、「意地だった」という言葉のとおり、精神面の成長も大きかったのかもしれません。この日のタイムで泳げば、昨年の世界選手権なら3位に入れるのですが、ぜひそれをアテネで実現させてほしいもんですねー。
なお、2位の田渕晋選手も派遣記録を突破したため、同様に五輪出場が決まり、世界水泳6位の森隆弘選手は3位で、この種目での代表入りを逃しました。世界で入賞できる選手が代表に入れないというのも、日本のレベルの高さの証明なんでしょうか。厳しいですねー。
また、女子400m自由形でも、1位の山田沙知子選手と2位の柴田亜衣選手がともに派遣記録を突破して代表入り。女子400m個人メドレーは、天野美沙選手が切符を掴みました。男子400m自由形では松田丈志選手が初優勝を果たしましたが、派遣記録は突破できませんでした。
それから、注目の北島康介選手は、この日は100m平泳ぎの予選と準決勝に登場しましたが、力が入ったのか、自己記録(世界記録)からは1秒以上も遅れる結果に…。まあ、これは決勝じゃないので、それほど全力では泳いでないのかな。もちろん、トップで決勝に進出してるし、記録はそのときに狙ってもらいましょう〜。
フェンシングの五輪アジア・オセアニア地区最終予選、この日は男子サーブルで長良将司選手が、女子フルーレで菅原智恵子選手が1位となり、ともにアテネ出場を決めました。これでフェンシングでは、5人の出場が確定。健闘を願いたいです。
先日、「確実になった」と書いた、ヨットの49er級。19日に世界選手権の全日程が終了し、中村健次/高木正人組は24位で五輪出場枠を獲得しました。規定によれば、中村/高木組は五輪出場も決まったことになります。正式な承認は5月29日ですが、ヨットでもどんどん顔ぶれが揃っていきますねー。
国際オリンピック委員会のオズワルド・アテネ五輪調整委員長が、工事の遅れが指摘されるメーンスタジアムなどを視察し、「6月末には完成する」との見通しを明らかにしました。少し前に、完成するのは7月20日ごろ…と報道されて、「開幕まで1か月もないやん!」と、かなり危機感を抱いたのですが…。それが一転、6月末に完成といわれても、すぐには信じられないです。
メーンスタジアム建設の一番のネックとなっている大屋根は、現在、スタジアムの両側に置かれた状態だそうです。1万7000tもあるこの屋根を、観客席の上まで70mも移動させなといけないわけで…。それさえうまくいけば、あとは…ってところなんでしょう。本当に6月末に完成するのか、見守りたいですわ。

4月19日
フィリピンで、フェンシングのアジア・オセアニア地区最終選考会が始まりました。そして、初日に行われた女子サーブルで、久枝円選手が優勝して見事に五輪出場権を獲。同時に代表にも内定しました。ちなみに、女子サーブルは今回からの新種目(これまでは男子のみ)。五輪でもないと見る機会のないフェンシングだし、できればどんな感じなのか見てみたいもんです。
男子エペに出場した持田彰久選手は、残念ながら準々決勝で敗退し、出場権獲得はなりませんでした。
20日からは、いよいよ競泳の日本選手権が始まります。この日は公式練習が行われたそうですが、もう本当の「直前」なだけに、どんな感じだったのか興味がありますねー。ピリピリしてたのか、案外そうでもなかったのか…なんて。
注目の北島康介選手は、初日から男子100m平泳ぎの予選、準決勝に登場します。この大会で、世界記録に挑むつもりなのは間違いないようで、頼もしい反面、今からエンジン全開で大丈夫なのかなーと、いらぬ心配もしてしまいそうです。
18日に行われたロンドンマラソンは、男子はエバンス・ルト選手が2時間6分18秒、女子はマーガレット・オカヨ選手が2時間22分35秒のタイムで、男女ともケニア勢の優勝となりました。女子のオカヨ選手は、アテネでも優勝候補に挙げられている強豪ですが、五輪まであと4か月のこの時期に、フルマラソンをこのタイムで走りきってしまうあたり、恐ろしさを感じます。やっぱ、日本人とは基礎体力が違うんでしょうか?
次も同じくロンドンマラソンの話題なのですが、日本では考えられないことが起こった…というニュースです。この大会はイギリスの五輪選考会にもなっていて、女子では「2時間37分を突破し、かつイギリス人のトップであれば、五輪代表に内定」ということになっていたそうです。そして、この条件を満たしたのが、マラソン2回目、一般参加のトレイシー・モリスさん(36歳)だったのですが…。
なんとこの方、本当の市民ランナーで、5年前のこの大会で出した記録は3時間39分(2時間じゃなくて)。それが今回、1時間以上もベストを更新する2時間33分52秒で走り、代表の座を射止めてしまいました。ご本人いわく、「卒業後は、競技マラソンに真剣に取り組んだことはなかった」とのことですが、それが本当だったとしたら凄すぎです。
もちろん、学生時代にはかなり本格的にやってたでしょうし、今回も、ある程度の準備はしていたでしょうけど…(でないと、このタイムは出せないと思う)。こんなことってあるんですねー。
ただ、同時にイギリスは、層の薄さも露呈してしまいましたが…。この国には、ラドクリフ選手しかいないのか…。

4月18日
全日本女子柔道選手権は、先日の体重別選手権78kg超級を制した塚田真希選手が、オール一本勝ちで優勝を果たし、アテネへの切符を掴みました。
日本の重量級には、塚田選手と薪谷翠選手という有力選手がいて、最初から2人が代表を争う…と見られていたのですが、実際に試合が始まってみると、彼女らの強さは際だってました。この大会って、日本の中でも強い選手ばかりが集まっているはず…なんですけど、2人にかかればひとたまりもない…って感じ。塚田選手なんて、相手のスキを見つけて技をかけるときは、体重を感じさせない素早さだったりして…。
で、決勝は当然のごとく、塚田選手と薪谷選手の対戦に決定。開始そうそう、いきなり薪谷選手が技を出し、塚田選手がヒザをついて逃れ、面白くなりそうな感じだったのですが…。その薪谷選手の攻めが、逆に塚田選手に火をつけてしまったような気がしました。塚田選手は休む間もなく攻め続け、薪谷選手は徐々に防戦一方といった状況になってきます。途中、教育的指導まできてしまい、このあたりで「勝負あったかなー」という感じでした。
しかも薪谷選手は、試合途中に右肩を痛めるアクシデント。これが、見ていてもかなり痛そうで、さすがにその後は、試合を続けるのがやっとになってしまいました。結局、塚田選手が立ち技で有効を奪い、すかさず寝技に持ち込んで一本勝ちを収めました。
本当ならケガなんてない試合が見たかったですけど…。でも、仮に薪谷選手の途中にケガをしなくても、やっぱり塚田選手の圧勝だったでしょうね。それくらい、強さを見せつけられた感じがします。78kg超級って、世界には「目を見張るような」体格の選手がいっぱいいますけど、アテネではそういう選手を投げ飛ばしてくれるもの(笑)と期待してます。
あと、薪谷選手も、アジア大会でのケガから、順調に復活してきてる感じですよね。昨年の世界選手権では初戦で敗退してしまいましたけど、今回はもっと力が感じられたし、この調子でさらに力をつけてもらって、塚田選手といい試合を見せてほしいですねー。
新体操の五輪代表決定競技会が行われ、村田由香里選手が1位となって代表に決まりました。日本チャンピオンだし、世界選手権でも日本人最上位(27位)に入ってるし、「文句なし」ってところでしょう。この日はミスをしないために、演技の難度は抑えたもので構成したそうですが、それでも圧勝してしまうあたり、ほかの選手との力の違いを感じさせてくれました。
今回、日本は団体の枠がないんですよね。個人でも1枠しかとれなかったし、なんだかだんだん、世界から置いていかれてしまってるような気がします。この状況を打開するためにも、アテネでは難度の高い技に挑戦してもらって、なおかつ、それでもミスしない演技を見せてほしいですねー。
ヨットのミストラル級では世界選手権が終わって、この種目の五輪日本代表が決まりました。前日の49er級のところでも書いたように、ヨットでは枠を獲得した種目は、今年度の世界選手権で最上位を獲得した選手が、自動的に代表に決定することになっています。全レースを終えて、日本勢のトップは女子が25位の今井雅子選手、男子は37位の見城元一選手となり、2人がアテネ切符を獲得しました。
ちなみに今井選手はアトランタ五輪から3大会連続の代表、見城選手も2大会連続となります。経験を生かして、少しでも上位を狙ってほしいです。
女子サッカーの五輪アジア予選が始まりました。とりあえず、準決勝で北朝鮮と当たるまでは、勝ち続けてもらわないと…って感じの日本チームですが、予選リーグの初戦は7−0で圧勝。上々の滑り出しを見せてくれました。次の試合は22日、相手はタイです。北朝鮮戦に向けて、いい流れを作ってほしいですね。
陸上の女子砲丸投げで森千夏選手が、初の18m台となる18m22の日本新記録を樹立しました。森選手は、昨年も何度も日本記録を更新し、数年前まではまず不可能と思われていたB標準記録を突破。世界陸上への出場を果たしました。そして今回は、それまでの記録をさらに42cmも更新し、18m55のA標準も視野に入ってきた感じです。A標準を突破すれば、五輪派遣はほぼ確実となります。タイムリミットの7月?までに、あと33cm、記録を伸ばすことができるでしょうか?

4月17日
シンクロの五輪予選第3日、日本は前日のデュエットに続いて、チームの出場権も獲得しました。この日のフリールーティンを終えても、予想どおり順位は変わらず。合計97.918点で、ロシアの99.084点に続いて2位となり、アテネ出場を決めました。
ロシアに迫れなかったのは、もう仕方がない…のでしょうね。まだ、それほど泳ぎこめてないようだし、未完成な部分もあったのかもしれません。そのへんが改善されれば、得点が上積みできると思いたいです。
あと、フリーは「武士道」をイメージした演技で、デュエットと同じく「和物」なんですけど、観客にちゃんと理解はしてもらえるのか、ちょっと気がかりではあります。シドニーの「忍者」はわかりやすかったですけどねー(実際に、かなりウケてたし)。
これから五輪本番までの約4か月間で、ロシアとの差をどのくらい埋めることができるでしょうか? 審判にロシア以上の点を出してもらうには、かなりいい演技をしないと難しいかもしれませんが…。
ヨットの49er級世界選手権で、日本の中村健次/高木正人組は予選6レースを終えた段階で20位につけているのですが、これで最終的に25位以内に入り、五輪出場枠を獲得することが確実になったそうです。ヨットの場合、2002年、2003年、2004年の世界選手権で枠が決まることになっていて、獲得できた種目の代表には、今回(2004)の大会で最上位に入った選手(または組)が自動的に内定します。よって、中村/高木組は、これでアテネ行きがほぼ決定したことになります。場合によっては、自分が獲得した枠でもその代表になれないこともありますけど、これだけはっきりと事前に決まってれば、特に問題はないんでしょうね。
ホッケー女子の、五輪1次リーグの組み分けが決まりました。出場10チームは、ABの2組に分かれて予選リーグを戦うのですが、日本はA組で、前回銀メダルのアルゼンチンや、アジアの強豪・中国と同じ組に入ることになりました。
最終予選を1位で通過し、一躍「メダルも狙える」競技となったわけですが、さすがにそこは初出場。やっぱ、最初にいい流れを作って、勢いに乗ることが必要ですよね(最終予選のように)。準決勝には各組上位2チームが進出できるのですが、なんとかそこまで行ってもらいたいです。
グループ分けは、以下の通りです。
A組…日本、アルゼンチン、中国、ニュージーランド、スペイン。B組…オーストラリア、オランダ、韓国、ドイツ、南アフリカ。

4月16日
シンクロの五輪予選第2日、デュエットのフリールーティンが行われて、日本の立花美哉/武田美保組が五輪出場権を獲得しました。前日のテクニカルルーティンでは、ロシアに次いで2位。ニュースによれば、実際の出来以上の点差がついてしまったようですが…。この日の追い上げはかなわず。結局2日間の合計で日本は97.667点、ライバル・ロシアは98.667点と、ちょうど1点の大差がついてしまいました。
採点競技の中でも、シンクロって本当に点数をつけるのが難しい競技に思えます。体操なら技の難度がきっちり決められてるし、フィギュアも新採点法の導入でランクづけがかなりはっきりしてきたし、少なくとも説明されれば、順位について納得はできるんですけど…。シンクロだけは全然わからない…というのが正直なところです。もちろん、あまりに差がありすぎれば別ですけど、1位と2位の点差ってどうやってつけてるんでしょうね、って感じ。まあ、専門家ですら「謎」みたいなので、所詮私になぞわかるはずもないのですが…。
でも、テクニカルでは「あの点はおかしい」と言ってくれた外国メディアもいたようだし、これをきっかけに、少しでも日本の評価が上がってくれればなーと思います。この日のフリーは初お披露目の演技だし、これからもっと練習していけば、精度も上がってくるでしょうから、そのへんに期待したいですねー。ちなみに、テーマは「歌舞伎」。私たちがこの演技を通して見ることができるのは、五輪本番になるのかな。楽しみにしたいです。
中国の孫英傑選手は、アテネ五輪では2種目にエントリーするそうです。種目は未定で、5000mと10000mか、10000mとマラソンか、どちらかになるそうです。世界陸上をご覧になっていた方なら、覚えてらっしゃるでしょうか。彼女が、最初から驚異のハイペースでレースをひっぱり、おかげで日本選手がまったく勝負をさせてもらえなかったことを…。またあの調子でこられたら、たまったもんじゃないですよねー。マラソンでも2時間19分39秒のアジア記録を持ってるし(高橋尚子選手の記録を、あっさりと破ってくれました)、「要注意」の存在なのは疑いのないところ。ただ、2種目となると、両方にピークを持ってくるのは難しいので、そのへんに期待?するしかないのかなー。
もうひとつ、マラソンの話題です。高橋尚子選手は、どうやら9月のベルリン狙いでいくらしいですね。これは、おおかたの予想どおりでしょうか。高橋選手が走ったときとはコースが変更されていて、いっそう記録が出やすくなったそうだし、ここでいい記録を出して健在ぶりを見せつけてほしいですねー。できればシドニーまでのような、生き生きとした走りを見せてほしいです。
テニスの杉山愛選手が会見し、「4年に一度のチャンスを逃したくない」と、アテネ五輪でのメダル獲得に意欲を見せました。当初は出場に消極的だった杉山選手ですが、一度出ると決めたからには、前向きに考えてくれてるみたいですね。四大大会と変わらぬ、いいプレーが見たいです。
野球日本代表の中畑清コーチらが、アテネで競技会場となる野球センターを視察しました。中畑コーチによると「野球場としての機能ができていると安心した」とのこと。建設の遅れが何度も指摘されている五輪施設ですが、野球に関しては大丈夫のようです。
日本サッカー協会は、女子が五輪出場権が獲得できた場合、特別ボーナスを支給する方針だそうです。金額は未定ですが、昨年の女子W杯に出場を決めたときは1人30万円だったので、それよりは増額されそう、とのことです。がんばった人たちには、やはりそれなりに報いるべきだと思うので、これはいいことなんじゃないでしょうか。

4月15日
シンクロの、アテネ五輪予選が始まりました。これは、いわずとしれたメダルの超有望種目ですが、実はまだ出場権を獲得してないんですよね。まあ、出場権を得るためにはチームで、開催国のギリシャを除いた7番目までに入ればいいので、これに関してはまず問題なし…といったところですが。
さて、この予選、現在のところデュエット(立花美哉/武田美保組)とチームのテクニカルルーティンがすでに行われていて、日本はその二つともでロシアに次いで2位につけました。この結果については、やっぱりなーという感じではあるんですけど…。本当は、どっちかだけでもいいから、ロシアを上回ってほしかったです。この試合、ただ出場権をとればいい、ってもんじゃないですから。
シンクロって、数ある採点競技のなかでも、「最初から順位が決まってる」率が一番高いんじゃないか…って思うくらい、当日の出来によっての順位変動が少ないんです。特に上位になればなるほどその傾向が強いので、ここでロシアに完敗してしまうと、確実に日本の格付けは「ロシアより下」にされちゃうんですよね(というか、2年前からずっと、そうされてるんですけど)。となると、五輪本番でロシアを上回ることが、ものすごく難しくなってしまうのです。
まだ、フリールーティンも残っているので、せめてどちらかで、勝てないまでも迫る得点を出してほしいです。たぶん、ロシアに勝って金をとりたい…と一番思っているのは、選手たちだろうし…。アテネでは、なんとかこれまでの悔しさを晴らしてほしいんですけどねー。
日本トライアスロン連合は、5月にポルトガルで行われる世界選手権に、男女各6名の選手を派遣することを発表しました。この大会は、五輪の最終選考会(最重要大会)となっているので、実質この中から代表が決まる…ということなんでしょうね。健闘を期待したいです。
代表選手は以下のとおりです。
男子…西内洋行、山本良介、平野司、山本淳一、田山寛豪、福井英郎。女子…中西真知子、関根明子、庭田清美、枇杷田深雪、下村真紀、忽那静香。

4月14日
アテネ五輪組織委員会によると、ヨーロッパ向けのチケットは、13日までに182万524枚が売れたとか。が、売れ残りも120万枚近くあるそうで、どうやらいい席だけ先に売れて、イマイチの場所はけっこう残ってるような感じです。全部で530万枚の入場券のうち、300万枚がヨーロッパ向けで、残りの230万枚がその他もろもろ…らしいんですけど、さっさと別の地域に回したほうが、よく売れるんじゃないかと思ったりします。
そういえば、ギリシャの人にアンケートをとった結果では、「見に行かない」と答えた人が圧倒的に多かったような…。あー、なんてもったいないことを〜。
6月1日からは、売れ残りの分を売り出すそうですけど、ちゃんと開幕までに、そこそこは売れてくれるんでしょうか?(きっと、ヨーロッパ以外の国で、売れてしまうのかな。地元の人に見てほしいような気もしますけど)

4月13日
レスリングのアテネ五輪代表が、ついに出揃いました。女子で唯一、代表決定がプレーオフに持ち越されていた48kg級は、伊調千春選手(51kg級世界チャンピオン)が坂本真喜子選手(48kg級世界選手権5位)を3−0で破り、63kg級の伊調馨選手とともに姉妹での五輪出場を勝ちとりました。伊調選手は、かなり坂本選手を研究してきたようで、まったくポイントを与えず。後半に首投げで奪った3ポイントを守りきりました。
48kg級は、五輪で実施される4階級のうち、世界選手権で唯一金をとれなかったんですよね。51kg級で金をとった伊調選手は、下の階級でどういう戦いを見せてくれるでしょうか? それにしても五輪って、兄弟や姉妹で出場する…というだけでも話題を呼ぶものですが、2人とも金メダル候補というんだから注目度大ですよねー。
男子では、枠を獲得していて代表が決まっていなかった6階級で、すべての枠が埋まりました。グレコローマン74kg級では、シドニー銀の永田克彦選手が延長の末に勝利を収め、55kg級はプレーオフにより豊田雅俊選手が代表に決定。60kg級は笹本睦選手、84kg級は松本慎吾選手が決まりました。また、フリースタイルでは60kg級の代表に井上謙二選手が、84kg級には横山秀和選手が決まっています。
卓球の女子ダブルスで福原愛/小西杏組が、五輪出場権を獲得しました。決勝リーグの成績は1勝6敗の7位。ダブルスの枠は全部で6で、普通なら「無理」となるところなのですが…。ダブルスの場合、シングルスで権利を獲得している選手は除いて、上から「6人」なんですよね。5位までのペアは、一方の選手がシングルスですでに出場権を獲得していたので、これで6人のうち5人が決定。当然、次は6位のペア…となるところなのですが、この台湾ペアは2人ともシングルスの権利を持っていなかったのです。つまり、この2人に枠を与えると、「6」をオーバーして「7」になっちゃうわけで…。それはダメ、ということで残りの1枠が小西杏選手に転がり込んできたのでした。
なんというか、こんなラッキーなことってアリ?って感じです。台湾ペアが6位じゃなくて5位だったら、枠は回ってこなかったんですから…。福原/小西組には、アテネでもこの強運に乗っかってほしいですねー。
なお、男子の田崎俊雄/鬼頭明組と坂本竜介/岸川聖也組は、ともに出場権を得られませんでした。出だしは好調だったんですけどねー。男子は、シングルスに3人が出場できるので、そのうちの2人がペアを組むことも考えられますが、その場合はどういう組み合わせで臨むんでしょう?
10日のトピックスにも書いたのですが、テコンドーの岡本依子選手が、個人資格で五輪代表に決まったことを受け、同じ女子67kg以上級の選手を指導する塩川寛和氏らが、選考会を実施を求めて日本スポーツ仲裁機構に申し立てる可能性が出てきました。本来なら5月の選考会で代表を決めるはずだったのですが、JOCが「国内統括団体がない状態では選考会を開催するのは困難」として岡本選手を代表に決めたことで、選考会は中止になっていました。
「すべての選手に、公平に五輪出場の夢を…」という主張はわからないでもないけど、やっと決まった岡本選手の五輪派遣を、素直に喜んでほしかったなぁ…。JOC側は、選考会の実施については拒否したそうですけど…。日本スポーツ仲裁機構が活躍するような事態は、そうそう起こらないでもらいたいんですけどねー。

4月12日
卓球の五輪アジア大陸予選、前日まではシングルスが行われていたのですが、この日からはダブルスが始まりました。
女子で、残りの1枠獲得を目指す福原愛/小西杏組は、1次リーグA組を2勝3敗の4位でギリギリ通過。ただ、決勝リーグでは予選の3敗が持ち込まれるんですね。それに加えて、決勝リーグ初戦でシンガポールのペアにも敗れてしまい、これで4敗。当初はシングルスよりも「アテネ行き濃厚」と見られていたダブルスで、思いもよらぬスタートを切ることになりました。とりあえず、残りの試合を全部勝って、希望をつないでほしいです。
また男子は、A組の坂本竜介/岸川聖也組が3戦全勝で、D組の田崎俊雄/鬼頭明組は2勝1敗で決勝リーグに進出。ここへきて、女子の陰に隠れがちだった男子が、かなり健闘している感じです。とりあえず、どちらか1組が切符をとってくれれば、と思います。あと1組はシングルス出場者で組むこともできますからねー。
あと、女子の福原選手ばかりが注目されてますけど、岸川聖也選手だって、これで出場権がとれたら史上最年少の男子五輪代表になるはず(福原選手よりひとつ年上…だったかな)。こちらにも注目したいです。
重量挙げのアジア選手権が終わり、五輪出場枠がかかる日本女子は国別総合で3位となって、1枠を獲得しました。とりあえず、ひとつでも枠が獲得できて良かった…というしかないでしょう。ただ、代表にはだれがなるのか、決めるのも大変そうですけどねー。
日本オリンピック委員会は、テコンドーの岡本依子選手を、個人資格でアテネに派遣する特例措置を追認しました。とりあえずあとは、IOCと世界テコンドー連盟などの承認を待つのみです。
自転車トラック競技のW杯第3戦、男子ポイントレースで飯島誠選手が決勝に進出し、5位に入りました。トラックのアテネ枠はまだ未定で、W杯の成績などで決まるそうですが…。次の大会でも上位に入って、アテネへ近づいてほしいです。
バレーボールの元日本代表・中垣内祐一選手の引退が、本人の口から発表されました。数日前に未確認情報が流れたりして、「???」という感じだったのですが、今回は正式発表となったようです。今月末からの全日本選手権が最後の試合で、引退後は所属の堺ブレイザーズ監督に就任するとのこと。何年も前から、ずっと故障を抱えながら…の現役生活でしたが、36歳まで現役でいられたのは、やはりバレーへの情熱があればこそ、でしょうね。「そろそろ潮時」と思ったとのことですが、「本当にお疲れさまでした」と言いたいです。

4月11日
柔道の全日本女子選抜体重別選手権が行われ、48kg級に出場した注目の谷亮子選手は、危なげなく優勝を飾り、四度目の五輪代表の座を手中にしました。谷選手は1回戦、準決勝と一本勝ちし、決勝では最近ぐんぐん評価を上げている北田佳世選手と対戦。好調の北田選手が相手では、かなり苦戦を強いられるのではないか、と思っていたのですが…。
なんというか、拍子抜けするくらいあっさりと決まってしまいました。もちろん、一本がとれなかったのは、北田選手の強さゆえでしょうけど、内容自体はほとんど一方的といっていいんじゃないかと思います。谷選手は終始優位に試合を進め、一度も北田選手に主導権を握らせませんでしたね。スピードは昔のほうがあったような気がしますけど、その分は「巧さ」で充分カバーできているし…。谷選手の強さを、再認識させられた感じでした。
続いて52kg級は、世界選手権の銅メダリスト横澤由貴選手が順当に制し、57s級は岩藤理恵選手が、準決勝でシドニー銅の日下部基栄選手、決勝では世界選手権代表の茂木仙子選手を破って優勝。また、63kg級は世界選手権代表の谷本歩実選手が、70kg級は世界チャンピオンの上野雅恵選手を準決勝で下した山下亜希選手が勝ち、78kg級の阿武教子選手も貫禄の優勝を飾りました。最重量の78kg超級では塚田真希選手が、ライバル薪谷翠選手を倒し、アテネ代表に王手をかけた感じです。
この結果、優勝した谷亮子選手、谷本歩実選手、阿武教子選手が五輪代表に決まり、57s級は日下部基栄選手が代表候補に(まだ出場権を得ていないので)、70kg級は上野雅恵選手が代表になりました。78kg超級のみ、全日本選手権後に持ち越されます。
この決定については、至極妥当…というところでしょう。70kg級の上野雅恵選手は、世界選手権で抜群の強さを見せつけたし、ここで負けても代表は堅いと思ってましたから。57kg級は日下部選手と茂木選手の争いと見られていましたが、どうも世界選手権を見た感じでは、茂木選手の力不足が感じられたし、ここ最近の成績でも日下部選手のほうが上回ってましたからねー。
唯一残念だったのが、63kg級で谷本選手の対抗馬になると思っていた上野順恵選手(上野雅恵選手の妹)が、決勝に進めなかったことですね。谷本選手がこの階級で絶対的な強さを発揮している…というわけではなく、ここのところは若い上野選手の勢いのほうが目についていたので、やっぱ直接対決で決まってほしかったなー。
なにはともあれ、これで男女とも大部分の代表(または代表候補)が出揃いました。アテネでは、一番メダルへのプレッシャーが強い種目になること間違いなし、の競技ですが、実力さえ発揮できれば多くの階級でメダル獲得は可能でしょう。やはり大会前半には、毎日テレビに釘付けになってしまいそうな気がしますね。
日本選手権50km競歩は、山崎勇喜選手が3時間55分20秒で初優勝を果たしました。この大会は五輪代表選考会のひとつに指定されているので、ここでA標準を突破して優勝した山崎選手には、アテネが限りなく近づいてきた…といっても良さそうです。
ただ、新鋭の台頭の陰にはベテランの衰退があるんですよね。長らくこの種目の第一人者として活躍してきた今村文男選手ですが、今回は4位に終わり、五輪代表はほぼ無理な状況となってしまいました。今村選手は1997年の世界陸上では6位入賞も果たしていて、競歩で世界トップクラスに迫った、数少ない選手だったんですけどねー。37歳となって、さすがに体力の衰えは隠せなくなった…というところかなぁ。残念ですけど、ここまで長く第一線でやれたんだから、本人としても納得の引退ではないでしょうか。今後は指導者を目指すそうですが、まだまだ世界の頂点とは差があるこの種目を、ぜひレベルアップさせてってほしいですねー。
卓球のアテネ五輪アジア予選第3日、女子シングルスの全試合が終了し、福原愛選手は結局通算4勝3敗の3位となりました。
世界ランク3位の牛剣鋒選手(中国)に、どんなふうに挑んでくれるのかなーと思ったのですが、ここはやはりストレート負け。ニュースでこの対戦のもようが流れていましたが、牛選手はやはり強い…つーか強すぎ!に見えました。アテネではこの雪辱を…といっても、それはまだ、ちょっと無理な感じですね。
トライアスロンのW杯石垣島大会で、庭田清美選手が3位に入りました。以下、中西真知子選手は5位、関根明子選手は11位。男子は西内洋行選手が6位、田山寛豪選手は21位となっています。この大会も五輪選考会のひとつ。最重要となる大会は5月の世界選手権ですが…。最終的にはだれが選ばれるんでしょうか。
長野マラソンは、男子がモーゲス・タイエ選手、女子はファツマ・ロバ選手が優勝しました。ロバ選手の記録は2時間28分5秒。極端に悪いわけではないけど、「いい」ともいえないタイムです。もう、アトランタ五輪のような走りは、二度と見ることができないんでしょうね。
自転車のトラック競技W杯第3戦、男子チームスプリント予選で日本チーム(金子貴志、神山雄一郎、永井清史)は6位となり、W杯ポイント5点を獲得しました。

4月10日
卓球の福原愛選手が、アテネ五輪出場権を獲得しました。アジア予選の決勝リーグで、福原選手はこの日3戦全勝。予選リーグで北朝鮮の選手に喫した1敗とあわせて3勝1敗とし(決勝では、予選で当たった選手とは対戦せず、予選の成績が持ち越しになる)、8人中の最下位にはならないことが確定。上位7名に与えられる出場権を獲得しました。15歳での卓球の代表は、もちろん史上最年少です(といっても、卓球が採用されたのは88年で、まだそんなに経ってないのですが)。
テレビでインタビューを聞いたのですが、やはり昨日の予選では相当緊張してたみたいですねー。「絶対に負けられない」ということで、やっぱ力が入ったんでしょう。ある意味、決勝リーグのほうが、精神的には楽だったのかも。
これで日本の卓球は、男子、女子ともシングルスで最大の各3名を、代表に送り込めることになりました。予選だけにとどまらず、アテネでも健闘してくれることを祈ります。
JOCの特例措置で、決着がついたかに見えた岡本依子選手の派遣問題ですが…。ここへきてまた、新たな問題が発生してしまいました。岡本選手が獲得しているのは女子67kg以上級の枠なのですが、この階級の選手を指導するコーチが、代表選考会を実施するよう求めて、文書をJOCに提出するそうです。
確かに、岡本選手が獲得したのは「日本の枠」であって、「個人の出場権」ではないですけど…。枠を獲得した経緯(アジア予選の代表になるため10kgもの減量を行い、ほかの日本人選手と戦って権利を獲得→アジア予選前に1か月で10kg増量し、上の階級で2位になり枠を獲得)とか、その後の危機的な状況を乗り越えた周囲の人々の努力とか、そういうことを考えると「ここでそんなことを言い出すかなー」って感じです。
もちろん柔道みたいに、だれが出ても枠はほぼ獲得できるような競技なら、それもアリかもしれないですけどね。現実に、日本からアジア予選に出場したほかの階級の選手は、あっさりと負けてしまってるわけだし…。岡本選手の力だけが突出した状況で、しかも選考会がまともに開けるかどうかわからないような、分裂状態に陥ってるわけですから…。
ただ、このコーチというのが、分裂騒動でどっちかというと「悪者」にされてしまった日本テコンドー連合に属していて、しかも昔は岡本選手を教えていたとのこと。現在の岡本選手は全日本テコンドー協会に属しているので、このコーチとは関係ないわけで、そういう事情を聞くと、なんだかただの「いやがらせ」に思えてしまうのは私だけなのでしょうか…?
重量挙げのアジア選手権第3日、女子63kg級の北村芳子選手は6位、69kg級の斎藤里香選手も6位で競技を終えました。ここまでで、日本女子の総合成績は3位。このままいけば、上位4か国に与えられるアテネの1枠は獲得できそうです。
陸上の選抜中・長距離大会、女子5000mに出場した福士加代子選手は、15分6秒03で2位となりました。春先にしてはなかなかの好タイムで、福士選手のアテネ出場は、どうやらほとんどまちがいなさそうです。
自転車のトラック競技W杯第3戦、男子スプリントで永井清史選手が総合4位となり、W杯ポイント7点を獲得。永井選手は第1戦、第2戦に続くポイント獲得です。金子貴志選手も9位に入って2点を獲得しました。また、女子500mタイムトライアルの大菅小百合選手は10位でした。

4月9日
卓球の五輪アジア予選が始まりました。第1日には男女シングルスの1次リーグ(第1ステージ)が行われて、福原愛選手は2勝1敗でC組2位となり、決勝リーグへの進出を決めました。福原選手の世界ランクは25位で、C組の中ではトップなんですけど、49位ののキム・ヒャンミ選手(北朝鮮)にストレート負け。福原選手はヨーロッパの選手なら、ランク上位(1桁とか)でもけっこう勝ったりしてるんですけど、なぜかアジアの選手には弱いんですよね。苦手意識でもあるのかなぁ…。それでも、残りの2選手には勝ったので、とりあえずは良かったです。決勝リーグ(第2ステージ)は8人で行われ、7位以内に入ればアテネ行きが決まります。8人中7人なので、まず大丈夫でしょう(と思いたい)。
また、男子の場合は六つの組に分かれて1次リーグを行い、各組1位が出場権を獲得できます。今のところ、日本の松下浩二選手、遊沢亮選手、新井周選手はいずれも2勝0敗。あと1試合勝てばOKなのですが、遊沢選手と新井選手は最後に格上の選手と当たることになるんで、楽観はできないですねー。果たしてどういう結果が出るでしょうか。
(追記)ここまでupした後に、男子の3人とも出場権獲得!というニュースが飛び込んできました。これは正直、うれしい驚きです。あとは福原選手の決定を待つのみですね。
日本ホッケー協会は、五輪に出場する女子の強化・運営資金を捻出するため、募金活動を開始するとのこと。1口12000円程度で、目標額は約3000万円だそうです。協会役員や元日本代表、地方協会を通じて、幅広く募る…とのことですが、正直なところ、「もう少し、1口の金額を下げればいいのに…」と思ってしまいました。
一般人にとって、12000円はけっこうな額ですよね。もちろん、ホッケー関係者からは、ある程度まとまった額を…と考えるでしょうけど…。それはそれとして、どうせならこの機会に、一般人にも広くアピールするべきじゃないでしょうか。12000円は出せなくても、2000円なら出せる人はけっこういると思います。
せっかくアテネ出場が決まっても、遠征費すらまともに出せないと聞いています。そういう状態を打開するためにも、もっといいアイデアを出して、ホッケーをPRしてってほしいですね。

4月8日
ライフル射撃のアテネ五輪代表選考会、男子で獲得している1枠の代表には、柳田勝選手が入ることが確実になりました。柳田選手はエアライフルに続き、この日行われたライフル三姿勢2回目でも合計で1位となって、納得の代表確定といったところ。女子の三崎選手同様、自らが獲得した枠だし、すっきり決まって良かったです。
ちなみに、柳田選手はこれで4大会連続の代表となるわけですが、過去三度の成績は18位、22位、34位。だんだん順位を下げてしまっているので、今回はぜひ、逆に上げてほしいですね。
重量挙げのアジア選手権が始まりました。この大会には、アテネ五輪の出場枠がかかっていて、女子では総合4位までに入った国または地域に、1枠が与えられることになっています(すでに枠を獲得している国は、除外して数える…はず)。初日に行われた女子53kg級では、三宅宏実選手がジャークで110kg、トータルで190kgのジュニア日本新記録をマーク。4位という好成績を挙げました。松宮紅美恵選手は5位、女子48kg級の今岡益美は6位でした。
重量挙げのことはかなり無知に近いんで、なんともいえないんですけど、なんとか1枠、獲得してほしいですよね。
世界テコンドー連盟の事務総長が、岡本依子選手の五輪への個人参加を承認する意向を示しました。JOCが派遣を決定し、あとはIOCと、この世界テコンドー連盟の了承さえ得られればOK。IOCのほうは了承が得られそうな感じだし、あとは世界連盟のみ、という状況でした。これで岡本選手のアテネ行きに、障害はほとんどなくなった…と見ていいんでしょうか。
問題続出で「本当に大丈夫?」と真剣に心配したくなる、現地アテネの状況ですが…。この問題に対してギリシャのカラマンリス首相は、「私たちギリシャ人が一致協力して仕事をすれば、奇跡を成し遂げることができる」と話したとか。工事完了の時期など、具体的なことについては口にしなかったそうですが、「奇跡」とはねぇ…。「協力すれば奇跡が起こる」なんて、まるで「すべて完成する=奇跡(のように確率が低い)」とでも言いたいの?って思ってしまうんですけどねー。「口約束」はもういいから、ちゃっちゃと進めて、目に見える形で工事の進行具合を示してほしいもんです。

4月7日
ライフル射撃には、ライフルとピストルの二つの種目があって、ピストルのほうは「枠を獲得した選手=五輪代表」とすることになっています。そしてライフル種目では、7日現在、選考会の真っ最中なのですが、この日女子の全日程が終了し、三崎宏美選手の代表入りが確実になりました。
三崎選手は昨年のW杯で優勝し、エアライフルの出場枠を獲得しています。今回の選考会でも、エアライフルとライフル三姿勢でダントツの1位だったようで、文句なしの代表確定といったところでしょう。正式決定は、24日の日本ライフル射撃協会理事会です。
今月の18日からは、サッカー女子の五輪アジア予選が行われますが、これに出場する日本代表メンバーが発表されました。日本は、予選はおそらく通過できるでしょうけど、準決勝で当たる(だろう)北朝鮮が強いんですよねー。でも、アジア枠は2か国なので、北朝鮮に勝って決勝に進出しないことにはどうにもならないのです。これまでの対戦成績が1勝1分7敗と聞いて、「…」って感じなんですけど、可能性はあると思うし、なんとか勝ってほしいですよね。
代表選手は以下のとおりです。
GK…山郷のぞみ、小野寺志保。DF…大部由美、磯崎浩美、宮崎有香、山岸靖代、矢野喬子、下小鶴綾。MF…酒井與恵、小林弥生、安藤梢、川上直子、山本絵美、柳田美幸、宮本ともみ。FW…荒川恵理子、永里優季、沢穂希、丸山桂里奈、大谷未央。
日本水連によると、飛び込みワールドGPのカナダ大会(4月29日〜5月2日)、アメリカ国際大会(5月6〜9日)、ローマ大会(5月28〜30日)に、五輪代表の寺内健選手と宮崎多紀理選手を派遣するとのこと。カナダとアメリカの2大会には、男子の坂田芳寛選手、女子の西井亮子選手、山下美沙子選手、中川真依選手も出場するそうです。
飛び込みの場合、あまりこういう試合に派遣されることはないそうで、そのせいで経験を積むのが難しくなっているようです。今回のせっかくのチャンスに、いい勉強をしてきてもらいたいですねー。

4月6日
飛び込みの日本選手権が終わって、アテネ五輪の代表が決まりました。世界選手権、W杯の結果により出場権を得ていた中から、男子板飛び込みの寺内健選手と女子高飛び込みの宮崎多紀理選手が、アテネ行きの切符を手にしました。2人とも、充分メダルが狙える選手なんで、活躍を期待したいです。
聖火リレーで、6月6日に東京を走る、ランナー候補15人が発表されました。今回名前があがったのは、ソウル五輪の競泳金メダル・鈴木大地さん、同五輪シンクロ銅メダル・小谷実可子さん、長野五輪スピードスケート金メダル・清水宏保選手と、12名の市民ランナー。聖火ランナーとしては、全部で120人ほどが走るそうですが、最終決定は5月になるそうです。
もうちょっと多く、有名人ランナーを起用するのかなーと思ったら、そういうわけでもないのかな? でも、協賛企業とかの枠で走る人もいるみたいだし、残りは「発表されてからのお楽しみ」というところでしょうか。
鈴木大地さんは、「走るのは慣れていないが、練習をして当日はいい走りをしたい」と話したとか。そういわれてみれば、鈴木さんがトーチ持って走るのって、ちょっと新鮮な感じかもしれません。やっぱ、泳いでるイメージだわ(笑)。
ちなみに聖火は、3月25日にギリシャのオリンピアで採火され、現在はパナシナイコ競技場(1896年に開催された、第1回アテネ五輪の主会場)で燃えております。823人の手でリレーされて、ここまで運ばれたそうですが、なんとその間、約30回も火が消えてしまったとか。火が消えることはけっこうあるので、途切れないよう、ちゃんと予備の炎を用意している…と以前テレビで見ましたが、それにしても30回は多すぎでは???
個人の資格でアテネ五輪への派遣が決まった、テコンドーの岡本依子選手が、合宿地のソウルで喜びの記者会見を行いました。スポーツニュースでもそのもようが流れていましたが、予想した涙はなくて、すごいニコニコ顔でしたねー。今回の派遣騒動だけでなく、出場枠をとる段階でもいろいろと苦労があったようなので、喜びもひとしおでしょう。「金メダルがとれるよう、最大限の努力をさせていただきたい」とのことでしたが、これから開幕までは余計なことに煩わされず、「最大限の努力」ができる環境で練習してってほしいですねー。
昨年の世界陸上男子200mで3位に入り、すでに五輪代表に内定している末續慎吾選手が、6月下旬にヨーロッパで開催されるレースへ出場する予定だそうです。これまでの末續選手は国内での調整が主でしたが、五輪を前にして海外レースにも挑戦することになったようです。100mのレースに出場…ということで、これはおそらく、記録狙いでくるでしょうね。果たしてここで、日本新(9秒台)の声が聞かれるでしょうか?

4月5日
日本オリンピック委員会はテコンドーの岡本依子選手を、個人の資格でアテネ五輪に派遣することになりました。ただ、国際オリンピック委員会と世界テコンドー連盟の承認を得なければ、正式決定とはいかないのですが、すでにIOCの五輪統括部長からは「国内競技団体が存在しない場合は、個人資格での参加が可能」との見解を得ています。でもって、「国内競技団体が存在しない」ことを判断するのはJOCなので、「JOCが『テコンドーの団体は存在しない』と判断」→「JOCが岡本選手を派遣してもOK」となるみたいです。
とりあえずは、「良かった」といっていいんでしょうね。本来なら、二つの団体がちゃんと統一されるのがベストなんですけど、あと1か月じゃとうてい無理そう。…というか、なんだか永遠に不可能な気もします。結局のところ、選手をアテネに派遣するにはこの方法しかなかった…ということなんでしょう。この騒動で、当事者が少しは大人になってくれたらいいのに…。
なお、韓国で合宿中の岡本選手は「本当ならば大変うれしい。五輪で金メダルをとれるようがんばる」とコメントしたとか。6日には記者会見を行うそうで、今度は彼女の「うれし涙」が見られるのでしょうか?
4日、埼玉での市民マラソンに参加した高橋尚子選手が、今後のプランについて語りました。秋の海外レース(ベルリン、シカゴ)または11月の東京に出場したいとのことで、来年の世界陸上に出場する可能性もあるとか。「これでこそ高橋尚子!」という前向きな発言に、うれしくなってしまいました。どのレースでもいいから、元気で、そして強い姿を見せてほしいですねー。

4月4日
柔道男子の全日本選抜体重別選手権が行われ、全7階級のうち、4階級で五輪代表が、1階級で代表候補が決まりました。
井上康生選手と鈴木桂治選手の対決が注目された100kg級は、鈴木選手が準決勝で井上智和選手(康生選手の兄)にまさかの一本負け。そして決勝では、弟・康生選手が兄を破り、優勝を果たすとともに五輪代表をほぼ確実にしました。
鈴木選手は、1回戦からめちゃくちゃ硬かったですよね。得意の、魔法のような足技はまったく見られず…。それでも初戦はなんとか勝ち上がりましたけど、準決勝はそうはいかなかったようです。結局、井上智和選手に一本負けを喫し、王者に挑戦する前に敗れ去ってしまうことになりました。井上康生選手も、初戦は少し硬さが見られましたけど、準決勝では試合開始10秒とちょっとで内股を決め、決勝でも落ち着いた試合運びで一本勝ち。圧倒的な強さを感じさせてくれましたね。
正直、決勝で2人の対決が見たかったですけど、鈴木選手のあの硬さじゃ、どう考えても井上康生選手が勝ってたでしょうねー。鈴木選手には、全日本選手権での巻き返しを期待したいです。
そして100kg超級は、おそらくはこの階級の代表を鈴木選手と争う…と見られる棟田康幸選手が出場しましたが、決勝で生田秀和選手に敗れて準優勝にとどまりました。これでまた、代表の行方が混沌としてきた感じです。
60kg級で五輪三連覇がかかる野村忠宏選手は、決勝は優勢勝ちで、五輪代表の座を獲得。指導ひとつの差を、最後まで守りきっての勝利でした。野村選手の柔道は、ご存じのように技のキレが抜群で、見ていて本当に気持ちいいんですよね。だから、できればもっとスカッとした勝ち方をしてほしかったんですけど…。まあ、日本人選手とは手の内が見えてる分、やりづらいんでしょう。
世界選手権では、一瞬の隙をつかれて3位に終わりましたけど、実力は、まだ充分世界のトップだと思うし、前人未踏の五輪三連覇を、ぜひ成し遂げてほしいですね。それにしても、野村選手の試合は1回戦から全部見たかったなぁ…(「だれが勝つか」という興味を除けば、一番「見たい」と思う柔道をしてくれるので)。
また、3人の有力候補のうち、だれが優勝するのか注目された81kg級は、意外にも塘内将彦選手が初優勝し、アテネ行きを決めました。でも、準決勝で秋山成勲選手、決勝では瀧本誠選手と、次々に有力選手を撃破。しかも、どちらも一本で勝ってますから、インパクトは大きかったですね。3人の中のだれも国際大会で結果を出せず、ちょっともどかしい感じもあったので、ここで塘内選手が圧倒的な強さを見せつけてくれたことは、五輪本番に向けての好材料かも。
73kg級は高松正裕選手が勝って代表に決定。90kg級は飛塚雅俊選手が優勝しましたが、五輪の代表には実績(国際大会の成績など)で泉浩選手が選ばれました。男子でただ1階級、五輪出場枠を獲得していない66kg級は、内柴正人選手が制し、この階級の代表となるため5月のアジア選手権に臨むことになりました。
というわけで、100と100超級以外は五輪代表(または代表候補)が決定したわけですが、昨年の世界選手権と比べてがらりとメンバーが入れ替わったなーという感じです。なんせ、決まった中で世界選手権に続いて…というのは、野村選手だけですから。ようは、「入れ替わった階級」=「世界選手権でメダルをとれなかった階級」なわけで、圧倒的な強さを持つ選手がいない…っていう証拠みたいなものなんでしょうね。どの階級でもいいから、アテネでは「あっ」と驚かせてほしいですねー。
全日本体重別81kg級で1回戦負けを喫した中村兼三選手が、第一線から退くことになりました。中村選手は1996年のアトランタ五輪男子71kg級金メダリスト。この大会には「中村三兄弟」が揃って出場し、大いに話題となりました。が、長男の佳央選手、次男の行成選手が次々に引退。最後に残った兼三選手も、81kg級に上げてからは目立った成績を残せず、この日アテネ代表を逃したことで引退となりました。
中村兼三選手の試合で印象に残っているのは、やはりアトランタ五輪です。積極的に攻めるほうじゃないので、なかなか技が出ないんですね。「いつ指導が来るか…」と、ヒヤヒヤしながら試合を見ていた記憶があります。でも、じっくりと確実に攻め続けて、いつの間にか金を手にしていたような…。正直、決勝の勝ち方とかは全然覚えてないんですけどね。
あれからもう、8年もたつんですねー。こうやって、ひとつの時代が終わっていくのかなぁ…。
トライアスロンのアジア選手権女子で関根明子選手が優勝し、優勝者の国に与えられる五輪の大陸別出場枠(アジア枠)1を獲得しました〜。男子は田山寛豪選手の3位が最高で、残念ながら枠は獲得できず。枠は、主にワールドポイントで決まるらしいので、獲得のチャンスはまだ残っているはず。できるだけ多く、出場できればいいんですけどねー。
なお、代表については日本トライアスロン連合が定める規定により、決まることになっています。
体操の五輪第2次選考会最終日は、男女個人総合の2回目が行われ、男子は米田功選手がトップで5月の最終選考会へ進みました。昨年の世界選手権は、失敗から代表入りを逃しているだけに、今回は「70%の演技」を心掛けたとか。対照的に、前日トップの冨田洋之選手は平行棒で着地ミス、鉄棒では落下と点数を下げて2位に後退。以下、鹿島丈博選手、水鳥寿思選手、塚原直也選手らが最終選考会へ進みました。
ただ、ここで笠松昭宏選手と山田辰也選手が落ちてしまったのは残念。特に山田選手は、つり輪と跳馬で確実に点を稼げるだけに、惜しいなーと思いますね。かなり低い点ばかりなので、よほど調子が悪かったのかも。
また女子は、1位石坂真奈美選手、2位大島杏子選手で前日と変わらず。大きなミスがなければ、この2人に決まりでしょうか?
今回の成績により、男女上位18人が5月2日からの最終選考会(NHK杯)へ進出。そこで代表が決まるわけですが…。とにかく男子は、メダルが狙える陣容になってくれ〜と祈るばかりです。
飛び込みの日本選手権最終日、男子高飛び込みで宮本基一郎選手が2年連続二度目の優勝を果たしました。女子1m板飛び込みでは中学3年生の樋口絵里衣選手が初優勝し、女子シンクロナイズド高飛び込みは山下美沙子/大槻枝美組が勝っています。
競泳の北島康介選手が、アメリカでの高地トレーニングを終えて帰国しました。北島選手の話によると、けがもなく、練習は順調にこなせた様子。20日からの日本選手権では、記録も狙ってきそうな感じで、もしかしたら五輪前に「世界新」の声が聞けるかも。でも、4月がピークじゃ困るんで、ほどほどにしておいてほしいかな(笑)。

4月3日
飛び込みの日本選手権第2日、男子3m板飛び込みで寺内健選手が順当に優勝を飾りました。この種目の五輪出場権をすでに獲得していて、代表入りがほぼ確実な寺内選手としては、「勝って当然」といったところでしょうか。アテネでどんな演技を見せてくれるか楽しみです。
また、女子高飛び込みでは、高校2年生の中川真依選手が優勝。なんと、先日のW杯で銅メダルを獲得している宮崎多紀理選手を抑えての優勝ということで、飛び込み界にも新星誕生? でも、アテネでのメダルを目指す宮崎選手には、本当はぶっちぎりで勝ってほしかったんですけどねー。
20日から行われる、水泳の日本選手権のエントリーが発表されました。注目の北島康介選手は、男子50m、100m、200m平泳ぎにエントリー。五輪種目は100と200だけなのですが、ここは3種目とも好記録を期待したいところです。まあ、普通に泳げば、余裕で勝てるでしょうけどね。
また、復活が期待される萩原智子選手は、50mと100mの自由形だけに絞るようで、200m個人メドレーと200m背泳ぎへの出場は、見送る形となりました。背泳ぎは力のある選手が多いから…かなぁ。五輪に出た場合、上位に行ける可能性は、見送った2種目のほうが高いとは思うんですけどねー。でも、日本がイマイチ弱い自由形に出てくれるのは、リレーのことを考えると喜ばしいことなのかも。まずは、復活を果たした姿が見たいです。
ほかにも、いろいろと気になる選手はいるのですが、私が見たニュースに名前が挙がっていたのは2人だけなんですよね。水連のサイトを見ても、現段階ではエントリーについてなにも載ってないし…。女子の背泳ぎなんて、だれが代表になるのか興味津々なんですけどねー。
オーストラリアでは、イアン・ソープ選手が、国内予選で失格して五輪を逃したはずの男子400m自由形への、出場のチャンスが大きくなってきたようです。この種目で2位に入ったスティーブンズ選手が、1500m自由形でも五輪出場権を獲得したことで、「400mはソープ選手に譲ってもいいんじゃないか」という意見が挙がっているみたい。
スティーブンズ選手ご本人にしてみれば、せっかく2位に入って堂々と出場できるはずなのに、周囲の圧力で「譲らされる」って感じなんでしょうね。いちおう、「1週間休んで考えたい」とのことですが…。出たいのはやまやまだけど、出場してもソープ選手より良い成績をとるのはまず不可能だし、そうなると世間の風当たりも強くなるでしょうからねー。他国の選手のことながら、なんだか同情してしまいそうですわ。
体操の五輪第2次選考会の第1日は、男女の個人総合1回目が行われて、男子では世界選手権の個人総合で3位に入った冨田洋之選手が、順当にトップに立ちました。2位は米田功選手、3位に世界選手権の種目別で金2個を獲得した鹿島丈博選手、4位が塚原直也選手となっています。
昨年の世界選手権代表だった山田辰也選手は、得点から見るに失敗が重なったようで24位と出遅れ。つり輪では世界選手権種目別の決勝に進出し、日本の弱点である跳馬でも点を稼げる選手なだけに、もうちょい上に来てほしかったですね。また、同じく世界選手権代表の笠松昭宏選手は鉄棒で落下して7.300という点を出し、山田選手よりさらに下の29位となってしまいました。
女子では全日本2連覇中の石坂真奈美選手が1位、大島杏子選手が2位となっています。
4日には、男子柔道の五輪最終選考会となる全日本選抜体重別選手権が行われます。ここで、100kg級と100kg超級を除いた男子全階級の、五輪代表が出揃うことになっています。
注目は、やはり81kg級でしょうか。ヨーロッパの大会では秋山成勲選手、瀧本誠選手、中村兼三選手の3人ともいい結果を残すことができず、今大会は横一線でのスタート。ということは、勝った選手が代表…になるんでしょうね。順当なら、まず準決勝で中村選手と瀧本選手が当たり、決勝でその勝者と秋山選手が対戦することになります。特に応援している選手はいないのですが、ここ最近、海外の試合で結果を残せていないだけに、だれでもいいから圧倒的な勝ち方で、強さを見せつけてくれないかなーと思ったりしてます。
また、代表決定は29日の全日本選手権後になるのですが、100kg級の井上康生選手と鈴木桂治選手の対戦は、一番気になるところ。現在は実績で井上選手がリードしていますが、ここで鈴木選手が一本勝ちでもすれば、完全に並ぶことになりますから(選考するさいに、「一本」で勝った選手はかなり有利になります)。あと、100kg超級の棟田康幸の試合ぶりも、ちゃんと見ておきたいですね。実質、井上、鈴木両選手の敗れたほうと、棟田選手が100kg超級の代表を争うことになりそうですから。
テコンドーの五輪派遣問題で、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は、岡本依子選手を「個人資格で派遣できる」との見解を示しました。統一はできない、かといって解散もしない両団体は、「存在しない」ものと解釈できるようです。存在しなければ、個人としての派遣が可能になりますからねー。いちおう、IOCのフェリ五輪統括部長と協議しての話なので、これで岡本選手のアテネ行きが現実味を帯びてきたかなーという感じです。
それにしても、ここまで選手やJOCに迷惑をかけまくる団体って、けっこう凄いかも。どこの競技団体でも、多少なりとも不協和音はあるだろうし、それが外部に漏れてくることもありますけど、分裂して選手の五輪派遣にも影響を与える…なんてことはないですからね。もちろん、それは当然のことなんですけど、その当然のことすらできない団体が存在していること自体、奇妙に感じますね。
アテネ五輪の競泳のプレ大会は、当初は4月に実施される予定だったのですが、ご存じのように工事の大幅な遅れで「そんなの無理」な状況。結局、6月9〜12日に延期されることになったそうです。ただ、設置とりやめになった屋根の代わりに、日よけをつけるとかいってましたけど、その工事は6月までに終わってくれるんでしょうか。いくらなんでも、工事が行われている横でプレ大会開催…なんてことにはならないと、信じてはいるのですが…。

4月2日
飛び込みの日本選手権が開幕しました。初日に行われた男子1m板飛び込みでは、寺内健選手が宮本基一郎選手を破って初優勝。アテネへ向けてさい先いいスタートを切りました。寺内選手が出場権を獲得しているのは男子3m板飛び込みで(代表には未決定)、1mの種目は五輪にはないのですが、昨年まで7連勝していた宮本選手に勝ったのは、力がついた証拠かもしれません。2月に行われたW杯では、3m板飛び込み4位となっているし、今年の寺内選手にはかなり期待できそうです。
また、女子3m板飛び込みでは、西井亮子選手が2連覇を達成。シンクロナイズド板飛び込み男子は、西川友章/坂田芳寛組が、女子は山下美沙子/渋沢小哉芳組が勝っています。
テコンドーの岡本依子選手が、2日、韓国のソウルへ向けて出発しました。とりあえず、アテネ行きの希望が出てきた…ということで、表情は明るかった様子。ただ、あまり楽観視はできないんですよねー。あと1か月弱で分裂団体の統一が図れるのかどうかは疑わしいし、かといって解散に応じる気配もないし…。これはやはり、さっさと「個人の資格で派遣」にしてもらったほうがいいような気がしますね。
バスケット女子の日本代表が、いよいよアテネに向けて始動します。まずは3日から6日まで千葉県で第1次強化合宿を行い、7日にアメリカ遠征へと出発。さらには6月のカナダ、7月のヨーロッパと海外遠征をこなす予定になっています。出場権のとり方が劇的だっただけに、本番でもあの集中力を発揮してほしい…と思いますね。
それから、代表メンバーに報奨金その他として、1人当たり90万円が支給されることも決まりました。全部では1000万円なのですが、12人で分けると100万円を割ってしまうのが悲しいところ。でも、そんなに大きな額じゃなくても、お金がもらえる…ってことは励みになりますからねー。
アテネ五輪組織委員会は、シンクロと水球のテスト大会については、1人5ユーロ(約650円)の入場料を徴収して行うそうです。これは、利益を上げるため…ではなく、発券システムや、観客の誘導などについてテストするため。準備は遅れに遅れているアテネですが、実施くらいはスムーズに行くよう、願っておきます。

4月1日
テコンドーの岡本依子選手を五輪に派遣するのか、注目のJOCの会見が行われました。結論からいうと、これまで3月31日をタイムリミットとしてきたのを、4月28日まで延ばすことになったようです。この日は、五輪1次エントリーの締め切り日で、本当にギリギリ。とにかく、最後まで待ってはくれるみたいですね。さらには、団体の統一以外にも方法がないか、いろいろと模索していくそうで、少しは希望の光も見えてきた感じです。
ただ、3月31日を4月28日まで延ばしたところで、ここまでこじれたものが統一できるのかなーという気がします。もともと、統一の期限は昨年の10月末だったはず。それができないがために、次々に先送りされて、今日まできてしまったんですよね。2002年のアジア大会でも、この問題で派遣ができなくて選手を泣かせてきたのに、それから1年半が過ぎた今でも、同じことをしているんですから…。
JOCは、「統一できなければ解散を」求めているのですが(それなら、個人の資格で参加できる)、両団体はそれは拒否してるんですよね。統一は嫌、解散も嫌では、いつまでたっても進展は望めそうにありません。
全日本テコンドー協会は、とりあえずは岡本選手の派遣実現に向けて、いろいろと努力はしているようです。岡本選手が協会の登録を離れることで、派遣ができるならそれでも良し、としているようだし…。でも、解散…となると、それには絶対に応じないみたいですね。もう一方の連盟のほうは、全然姿が見えないので、どう考えているのか謎だし。
一番いいのは、両団体が歩み寄ってくれることですけど、可能性は低そうです。やっぱ、統一を願うよりも、「個人で参加」の道を探るほうが、現実的かもしれませんね。
31日の夜、聖火がアテネのパナシナイコ競技場に到着。中央の聖火台に火が移されました。ここは、1896年に開催された、第1回アテネ五輪の主会場なんですよね。五大陸を巡る本格的な聖火リレーがスタートするのは6月3日。それまではこの競技場で、燃え続けるのだそうです。
「ついに始まった!」と思ったら、すぐに「いったん休憩」になった…って感じですけど(笑)、歴史ある競技場にも火をともしたいということなんでしょうか。6月3日、そして日本にやってくる6月6日が待ち遠しい気分です。

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