2004年のトピックス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
4月30日
※自転車ロードレースの全日本選手権第1日、男子個人レースは田代恭崇選手が優勝し、2位の鈴木真理選手とともに、アテネ五輪の代表に内定しました。田代選手、鈴木選手ともに、初の五輪です。これで、ロードレース2枠の座席が埋まり、自転車で残るのは男子マウンテンバイクの1枠と、あとは何枠とれるかまだはっきりしないトラック種目だけとなりました。トラックについては、5月まで行われるW杯の成績で決まるのですが、好成績を上げている種目もあるし、代表はけっこうアテネに送り込めそうな感じです。
※枠を逃した…と思われていたクレー射撃の女子トラップで、日本が推薦枠の1を獲得したことがわかりました。アテネで行われていたW杯兼プレ五輪の期間中に、推薦枠で出場できるよう交渉していたとか。見えないところでがんばってるんだなーと、感心してしまいました。そしてその結果、竹葉多重子選手の実力(シドニー五輪代表、W杯ファイナル大会優勝経験あり)や国際連盟への貢献度が評価され、推薦枠が認められたそうです。「一応、言ってみるもんなのね」と思ってしまいました。
女子トラップで、五輪に出場できる選手は7人いるそうで、選考方法についてはこれから決めるとのこと。ただ、竹葉選手は、この日まで行われていたアテネでのW杯で6位に入っていることもあり、かなり有力なのには違いなさそうです。
※射撃のプレ五輪を兼ねたW杯、男子ラピッドファイアピストルで田沢修治選手は27位となり、決勝進出を逃しています。
※5月26日から始まる近代五種の世界選手権に、黒臼昭二、斎藤英之、村上佳宏の3選手が派遣されることになりました。この大会はアテネの最終予選を兼ねていて、ここで切符をとれなければ、日本からの五輪出場はナシ…となってしまうはず。詳しい条件はわかりませんが、とにかく健闘を願います。
※バレーボール女子の世界最終予選に出場する、14人のメンバーが発表されました。ただし、実際にベンチ入りできるのは12人で、本当ならこの日までに絞り込んでおく予定だったのですが…。5月8日の開幕ギリギリまで引き延ばすことで、緊張感を与えてチームの活性化をはかるのが目的のようです。
14人のうち、15歳で代表入り…と注目された狩野舞子選手は、すでにメンバーから外れたそうで、残るは13人。最後の1人で落とされるのは、みんな避けたいですよねー。競争心も自ずと生まれてくるでしょうし、なんとかいい状態で最終予選に臨んでほしいです。
4月29日
※3人の世界チャンピオンの戦いが注目された、柔道の全日本選手権。この大会を制したのは、鈴木桂治選手でした。
鈴木選手は、初戦から順調な勝ち上がりを見せました。3人の中では一番強豪が集まるブロックだったにもかかわらず、オール一本勝ちで準決勝へ進出。準々決勝の対戦相手はアテネ90kg級代表の泉浩選手で、そう簡単には勝てないだろう…と思ってたんですが、あっさり(と見えた)転がしちゃいましたから。選抜のときは「らしくない」柔道で、大丈夫かいな?って感じだったんですが(指を痛めてたのもあるんでしょうが)、今日は最初から気迫が違ってましたね。
そして準決勝。鈴木選手と対戦するのは、予想どおり棟田康幸選手です。棟田選手も鈴木選手と同様、圧倒的な力で勝ち上がってきていました。2人とも、体重別選手権では決勝へ行くまでに負けてしまいましたけど、この日はさすがに本来の力を発揮してましたね。
まもなく始まった試合は…素人目には一進一退の攻防に見えました。ですが、組み手では終始鈴木選手のほうが、優位に立っていたようです。このあたり、解説者頼りになってしまうのですが、棟田選手は自分の有利な体勢にもっていくことができず、そうなるとどうしても鈴木選手のペースになってしまいます。そして、鈴木選手の攻めに対してとった、棟田選手の防御の態勢。たった一度の動きで「注意」が棟田選手に行き、それが鈴木選手の有効ポイントとなったのでした。
ただ、仮にあのときポイントにはなっていなかったとしても…旗判定でもやはり、鈴木選手が勝っていたと思います。体重は棟田選手のほうがかなり重いはずなのですが、全然それを感じさせなかったし…。後半は私の目からでも、鈴木選手のほうが攻めてるのがわかりましたから。
試合終了の瞬間、棟田選手は「終わった」とでも思ったのでしょうか。流れる汗に混じって、涙がひとすじ頬を伝っていたのを見て、なんだか胸が痛くなりました。100kg超級の世界チャンピオンで、本来なら金メダルの絶対本命としてアテネに行けるはずの選手なのに、この一度の敗戦で道が閉ざされてしまう…。勝負とは無情なものだなーと、つくづく実感しましたね。そのあと2人が笑顔になり、握り拳を軽くぶつけ合ったのを見て、鈴木選手には「アテネで棟田選手のぶんまでがんばってほしい」と思ったのでした。
そして、いよいよ決勝です。鈴木選手と対戦するのは、もちろん王者・井上康生選手。井上選手も、ここまで危なげなく勝ち上がってきていました。ただ、準決勝の森大助選手との試合を見た限りでは、いつもの動きとは少し違っているように見えました。最終的には立ち技から寝技に持ち込んで一本勝ちを収めましたが、本来の井上選手なら、もっと早い時間に決着をつけていたのではないか…と思いました。
決勝は予想されたとおり、壮絶な組み手争いからスタートしました。お互い、一瞬は有利な体勢にもっていけるのですが、どうしてもそこから決定的な技を掛けることができません。当然のように、2人ともに教育的指導、指導が与えられ、あと一度で「注意」、つまり相手の「有効」ポイントとなるところまできていました。
そして、場外に出そうになって、井上選手がふんばった瞬間、スッと鈴木選手の足が井上選手の足を払いました。一瞬、井上選手の身体が宙に浮きました。ほかの選手であれば、仰向けに落ちていてもおかしくないところでしたが、そこは井上選手。なんとかこらえてポイントになることは防ぎます。ですが、そこからはもう、完全に鈴木選手のペースになってしまいました。結局、井上選手は最後まで目立った技を出せないままでした。結果「注意」が来て、それが勝敗を決する直接のポイントとなりました。
試合が終わったあとの鈴木選手は、本当にうれしそうでしたねー。ずーっと「康生さんに勝ちたい」って言ってたし、念願かなった…!って感じだったんでしょう。インタビューでも「うれしい」を連発してたし。でも、その強さは際だってました。準決勝も決勝も、試合を決めた直接のポイントは、相手の反則(注意)だったわけですが、それも鈴木選手が押していたがため、ですもんね。
負けた井上選手のほうは、やはり本調子ではなかったのかもしれません。準決勝のあとも足を引きずっていたようだし、痛めていた足がまだ回復しきっていないのかも。少し休んだほうがいいのかもしれませんね。
この結果、アテネの100kg級代表には井上選手が、100kg超級代表には鈴木選手が決まりました。この2人は、まちがいなく世界最強の選手たちです。ちなみに私、決勝は「これが実質、『柔道世界一決定戦』だ」と思いながら見てましたから。アテネでは、その力にふさわしい結果を期待したいです。
※陸上の織田記念、男子100mに出場した朝原宣治選手は、今季第1戦からA標準を突破する10秒16の好タイムで優勝しました。風の状況がわからないので断言はできないのですが、この時期の10秒16はなかなかのタイムです。昨年の朝原選手はとても調子が悪くて、シーズン通して一度も10秒1台は出していないはず。それが、今季は初戦から…ですからねー。この冬、アメリカではなく国内で調整したのが、功を奏したのかも。グランプリや日本選手権でもっと記録を伸ばせれば、五輪でもかなり期待できそうです。
また、110mハードルは谷川聡選手が13秒59の大会新で制しました。こちらも、シーズンはじめにしては好調のようです。
※国際陸連が、昨年のパリ世界陸上男子400mリレーの、イギリスチームの銀メダルを剥奪すると発表しました。アンカーのチェンバーズ選手が、ドーピング検査で筋肉増強剤(テトラハイドロゲストリノン)に陽性反応を示し、それを受けての剥奪となったようです。陸上のドーピング関連は、そろそろ新しい話も出なくなった…と思っていたら、そういうわけでもないみたい。あと、この新種の筋肉増強剤って、使ってたのはアメリカ選手だけじゃなかったんですねー。なんか、どこまで広がっていくんだろう…って感じです。
4月28日
※サッカー女子日本代表の、強化日程などが協議され、7月末の壮行試合開催などが決まりました。国内で行われますが、対戦相手は未定だそうです。また上田監督は、6月9日にアテネで行われる組み合わせ抽選会に出席し、その際は会場も視察してくる予定だとか。出場権は獲得したばかりなのに、強化策のほうはちゃくちゃくと決まってる感じですねー。
※ホッケー女子が、せっかく五輪出場権を獲得したのに、ホッケー協会は資金不足…(JOCからホッケーに配分される金額は、かなり少ないらしい)。ということで、協会は不足分を、一般からの募金で穴埋めすることにしたようです。やっぱ先立つものがなければ、海外遠征もままなりませんからねー。お金はいくらあっても、ありすぎることはないでしょう。
協会のページに「女子ホッケーオリンピック応援募金」の詳細が載ってますので、興味のある方は一度見てみてください。少し前のニュースでは、一口12000円とか書いてあって、「なんの関係もない人が、それだけも出してくれるのかなー」と、かなり危ぶんだんですけど、今は金額についてはなにも書かれてないので、いくら出すかは各自の自由のようですね。ちょっと安心しました。
4月27日
※競泳のイアン・ソープ選手が、一度は逃したと思われていた、男子400m自由形でのオーストラリア代表に決まりました。前日にクレイグ・スティーブンズ選手が、この種目の代表を辞退することを表明。それを受けてソープ選手が、この日の会見で「出場」を発表しました。「スティーブンズ選手に感謝する」とのことです(そりゃ、そうでしょう)。
まあ、見ているぶんには、ソープ選手が出てくれるほうがおもしろいんですけど、スティーブンズ選手にはちょっと酷だったかなーと…。世界中から注目されて、なんだか辞退しないといけないような感じになってしまったのかも? スティーブンズ選手は1500m自由形に出場しますが、こちらのほうでの健闘を祈っておきますわ。
※国際オリンピック委員会は、アテネ五輪が中止になった場合に備えて、1億7000万ドル(約187億円)の損害保険に加入したそうです。もちろん、こんなことは初めてだとのこと(そりゃそーだ)。いちおう、戦争やテロの場合だけでなく、地震などの天災も含まれていて、いわゆる「不測の事態」で、日程の一部または全部が中止になったときに、適用されるものだそうです。
IOCのロゲ会長は「アテネに安全上の問題などがある、と判断したからではない」としていますが…。どんなに警備を強化したからといって、すべてを防ぎきれるもんじゃないですからねー。この保険が効力を発揮するような事態だけは、起こらないでいてほしいもんです。
4月26日
※サッカー女子の五輪アジア予選は、日本×中国で決勝が行われましたが、日本は0−1で惜敗。優勝はなりませんでした。前半は0−0と互角の戦いを見せてくれたのですが、後半12分にPKで得点を許し、結局そのまま試合が終了してしまいました。
負けたのは悔しいけれど、でも「よくぞ決勝まで勝ち上がってくれました」という気持ちのほうが大きいですよねー。それに、この結果を見れば、アテネでは充分に戦えそうな感じだし…。男子ともども、活躍を見せてほしいです。
なお、アテネ五輪の1次リーグ組み合わせ抽せん会は、6月9日に実施されます。日本チームはいったん解散し、5月末のアメリカ遠征から再始動するとか。
※トライアスロンのW杯、女子で中西真知選手が6位に入りました。高橋梨香選手は28位でした。この競技、けっこう上位に来る選手がいるので、アテネでもいい成績を収めてくれるかも…なんて、ひそかに期待してるんですけど。
※アテネで行われている射撃のW杯第4日、女子25mピストルに出場した日本勢は、いずれも決勝に進めませんでした。福島実智子選手と小西ゆかり選手は25位、稲田容子選手は31位でした。稲田選手は別の種目の代表なので、仕方ないとして、福島選手と小西選手には、もう少し上の順位をとってほしかったかも。
※女子レスリングの山本美憂選手が、引退会見を行いました。今年2月の選考会(クイーンズカップ)で、坂本真喜子選手に負けた瞬間に「終わったと思った」そうです。五輪出場を夢見てカムバックを果たした元女王も、その夢がかなえられることなく、去っていってしまうんですね。
今後については、キャスター業を通じて「レスリングのすばらしさを伝えていきたい」とのこと。また、子供にレスリングを教えることもしたいそうで、そのうち彼女が育てた選手が、晴れの舞台を踏めるようになるといいですねー。
4月25日
※競泳の日本選手権も最終日、この日で五輪代表が出揃いました。
男子200m個人メドレーは、先行する森隆弘選手を三木二郎選手が追うという展開。前日の準決勝では森選手が先着しましたが、やはり三木選手は力を溜めていたようです。決勝では得意の平泳ぎでぐんぐん追い上げ、あっさり抜き去ると、最後の自由形ではさらにその差を広げてゴール。1分59秒99という、すばらしい日本新を出して優勝しました。
2分を切ったことがよほどうれしかったようで、三木選手はゴールしてからインタビューのあいだも、ずっとニコニコ顔でしたねー。あそこまで素直に喜ばれると、見ているこちらまでうれしくなってしまいます。
また、森選手も2着でゴールして、400で逃した五輪切符を掴みました。こちらはさすがに満面笑みとはいきませんでしたが、それでもアテネに行けるという、安堵感のほうが強かったのではないでしょうか。「200に専念して…」(だったかな)という本人の言葉どおり、この距離一本に絞れる…ということを、いい方向に結びつけてほしいですね。
女子200m平泳ぎでは、田中雅美選手がようやく派遣標準を突破し、笑顔を見せてくれました。100のときの表情があまりに痛々しかったので、大丈夫なのかなーと思ってましたけど、この日の泳ぎは良かったですよね。インタビューの明るさからも、満足な泳ぎができたんだなぁという感じが伺えました。願わくば、アテネでもこんな顔を見せてほしいですね。この人の悲しそうな顔を見るのは、ツライです。
それから、女子200m背泳ぎは、本命・中村礼子選手が優勝。なんだか、この大会の期間中に、どんどん貫禄がついてきたような気がします。「絶対に負けない」ような雰囲気がある…。また、2位には寺川綾選手が入り、この2名が派遣標準記録を突破しました。
レースのほうは、最初は伊藤華英選手が先行し、少し遅れて中村選手、さらにもう少し遅れて寺川選手…という感じで進んでいったのですが、伊藤選手はやはり、前半飛ばしすぎたのでしょう。後半は中村選手の追い上げを許し、150のターンで逆転されると、残りの50mはがくんと失速。ついには寺川選手にも抜かれてしまいました。
力的には、寺川選手より伊藤選手のほうが上だと思っていたので、この結果は少し意外でした。前半、伊藤選手がもう少し抑えてたら、おそらく2位と3位は入れ替わってたんじゃないでしょうか。ほんの少しの作戦ミスで、アテネを逃してしまうというのは、なんとも無情に感じました。逆に、寺川選手は、感極まって泣きじゃくってたのも印象的でしたね。
男子100mバタフライは山本貴司選手が、この大会でようやく表彰台のてっぺんに上ることができました。山本選手は高安選手に先行されるも、じっくりと追い上げ、接戦の末に勝利を掴みました。山本選手って、スタートが良くないんですよね。飛び込んだときは、たいていだれかが前にいる感じ。でも、トップとの差を、ちゃんとゴールまでに詰めてしまってるんですから…。強いですねー。
これで、個人種目の代表は決まりましたが、メドレーリレーのメンバーとして、女子100m自由形で優勝した永井奉子選手も代表入りしました。
最後に、女子50m自由形で優勝した、萩原智子選手について。残念ながら派遣タイムには届かず、アテネ行きを逃し、レース後のインタビューでは「これまで応援ありがとうございました」と引退宣言が飛び出してしまいましたが…。せっかく昨年秋の国体では、見事に復活を果たしてくれたと思っただけに、すごく残念です。
鈴木大地さんが、彼女の病気(過呼吸)について、「深刻な状況だった」みたいなことを言われてたので、仕方がないのか…とも思いますが…。なんというか、競技者として、彼女はまだすべてを出し尽くしていないような気がするのです。持っている力の最後まで発揮することなく、競技から去ってしまうことが、ものすごく惜しまれますね。
※陸上もいよいよトラックシーズンの幕開け。兵庫リレーカーニバルの10000mには、有力選手が数多く参加しました。
先に行われた女子は、ジェーン・ワンジク選手が31分4秒34で優勝し、第一人者の福士加代子選手は1秒34遅れの2位。3位の羽鳥智子選手、4位の野口みずき選手(マラソン代表)までが、五輪参加A標準を突破しました。
福士選手は、惜しくも優勝には届かなかったのですが、この時期に31分そこそこならかなりの好タイムです。このぶんなら、6月の日本選手権あたりには日本新の声も聞けるかも。
また、男子はトップのマーティン・マサシ選手から8位までを外国選手が占め、日本人では三津谷祐選手の9位(28分0秒23)が最高でした。やはり、男子の長距離トラック種目は、どうしても外国選手には勝てないのかなぁ…。
※卓球の五輪男子ダブルスは、新井周/遊沢亮組で臨むことになりました。シングルスで3枠が獲得できたため、その中の2人が組めば、ダブルスに出場できるんですよね。だれとだれのペアになるのかなーと思っていたのですが、松下浩二選手は腰痛ということでシングルスに専念、新井選手と遊沢選手が組むことになりました。
それから、出場が保留になっている女子ダブルスの福原愛/小西杏組ですが、やはり台湾選手の結果待ち…ということに変わりはなさそうです。負けてくれるよう、祈るしかない…というのは、「うーん」って感じなんですけどねー。
それから、男子ダブルスの田崎俊雄/鬼頭明組も、世界最終予選の結果によっては出場できるかもしれないとか。ただし、その条件は女子の福原/小西組とは反対で、彼らの場合は「香港の梁柱恩選手がシングルスで出場権を獲得すれば」、五輪に出場できるのだそう。こちらは、勝ってくれるよう応援するっきゃない、ってことですかね。
※アテネで行われている射撃のW杯第3日、クレー女子トラップで竹葉多重子選手が6位に入りました。…が、残念ながら竹葉選手は、五輪代表ではないのですね(出場枠がとれなかったので、仕方ないのです)。また、ダブルトラップのほうで代表となっている井上恵選手は、35位で予選敗退となりました。
男子エアライフルでは、この種目の五輪代表・柳田勝選手が、8位の好成績を収めています。
※五輪最終予選を兼ねた、カヌーのスラロームW杯も最終日を迎えましたが…。結局日本勢は、枠をひとつも獲得できませんでした。
前日に行われた男子カヤックシングル予選で、準決勝進出を決めた佐藤俊平選手でしたが、この日の準決は36位で決勝には進めず。同種目に出場した佐々木翼選手と山中修司選手、男子カナディアンペアの永井元樹/長尾寛征組は、いずれも予選で姿を消しました。
スラロームの枠ゼロとは、寂しいですね。
4月24日
※競泳の日本選手権第5日、この日初めて「競泳の大会」というものを生観戦してきました。陸上やフィギュアの試合には、しょっちゅう観戦に出かけている私ですが、水泳はこれまでテレビで見るくらい。でも、アテネの代表が決まる大事な大会だし、それに、一度生で見ておきたいとは、以前から思ってたんですよね。あと、やっぱ北島康介選手を見たい!ということで、関東在住の友人と、東京辰巳国際水泳場まで行ってきました(でも、決心がついた最大の理由は、一緒に行ってくれる友人がいたことです。1人はイヤ)。
チケットは、この日の決勝だけが当初からかなりの売れ行きを見せてました。いつもはテレビで見てても、空席が目につくし、チケットなんていつでも買えるだろう…と甘い考えでいたら、あっという間になくなりかけてて、ちょっと焦りました。土曜だったのと、あとはやはり、北島康介選手が出場する200m平泳ぎが予定されてたからでしょうねー。
辰巳の会場に着いたのは夕方5時半すぎ。私はJRで行ったのですが、東京駅からは10分程度の位置にあって、アクセスはまずまず。何駅か先には東京ディズニーランドがある…と書けば、おわかりでしょうか。駅を出ると、目的地は同じとおぼしき人がたくさん目についたので、迷うことなく会場まで行くことができました。入口付近にはダフ屋氏もいたりしました。
中に入ると、予想以上に「むっ」とした空気に包まれて、ちょっとびっくり。よくよく考えてみれば、密閉された空間に温水プールがあるわけで、蒸し暑いのはあたりまえだったのですが、ここまでとは思ってませんでした。観客が多い…というのもあったかもしれませんねー。外が肌寒かったので、よけいに暑く感じられたのかも。
観客席は、家族連れやグループが多くて、雰囲気はちょっと陸上に近いものもありました。ただ、開放的な屋外空間と密閉された屋内空間では、やっぱりどこか違ってましたけど。あと、それほど水泳に詳しくない人も多かったような…(たぶん、今回は特に、でしょうが)。
競技は、まずは準決勝の種目から始まりました。
最初に行われたのは、女子200m背泳ぎ。中村真衣選手の欠場はちょっと残念でしたが、なにせ有力選手がひしめくこの種目。翌日の決勝をにらんで、準決ではどういう泳ぎが見られるのか、かなり注目させられました。まず、1組に登場した伊藤華英選手と寺川綾選手は、予想どおり、ほかの選手を大きく引き離して1、2位でゴール。さすが…と思いはしたのですが…。2組に出てきた中村礼子選手(100で優勝)のスピードは、もう全然違ってました。気がついたらほかの選手を置き去りにしていた、という感じ。決勝も、よほどのことがなければ中村選手が勝つでしょう。完全に、日本選手の中から抜け出しましたねー。
次の女子200m平泳ぎ準決勝は、田中雅美選手の独壇場。もうほかの選手と、推進力が全然違うんですよね。ひとかきで「すぃ〜っ」と進んでいく感じ。100では派遣標準が切れなくて悔し涙を流していましたけど、200は決勝に向けていい感じになってきました。ただ、彼女に迫る選手がいない…というのが心配です。だれか、脅かす存在が出てきてくれないかなー。
続いては、男子200m個人メドレーの準決です。この1組で、早くも森隆弘選手と三木二郎選手が、隣同士で泳いだのですが…。森選手は400でアテネを逃しているだけに、全然気合いの入り方が違ってました。最初からかなり飛ばしてて、最後までぶっちぎってくれましたね。決勝でも、この結果どおりとなるのか、それとも力を抑えていた?三木選手が来るのか…。三木選手の400での復活ぶりが鮮やかだったんで、この種目の決勝も、目が離せなくなりそうです。
それから、男子100mバタフライ準決勝は、山本貴司選手が強さを見せつけました。スタートは少し遅かったのですが、50mでトップに立つと、あとはもう差が開く一方。軽く泳いでるのに、ラストの伸びが全然違いました。200mは負けてしまいましたけど、100では敵なしのようです。決勝では、タイムを狙ってってほしいです。
そして、ここからは決勝種目です。準決とは会場の盛り上がりも場内アナウンスの口調も全然違って、緊迫感がみなぎってました。もう、空気が違うんです。
決勝の最初は、女子100m自由形。ここではやはり、萩原智子選手に注目が集まったのですが…。スタートは、4コースの永井奉子選手(200優勝)とほぼ同じ。50の折り返しまでは、大接戦を繰り広げたのですが…。ターンでわずかに永井選手が前に出たかと思うと、後半はじりじりと水をあけられ、そのままレースが終わってしまいました。なんというか、萩原選手のいいところが、見られないままだったのが残念でした。とにかく、力が感じられなかったです。昨年秋の国体ではいい感じだったのに、どうなってしまったんでしょう…。50mでは、もう少し元気を見せてほしいです。
なお、55秒63で勝った永井選手は、これでリレーでの五輪代表をほぼ決めたとのこと。平泳ぎの田中雅美選手も、同様にリレーメンバー入りが確実となりました。シドニーでは、女子のメドレーリレーで銅をとっていて、そのときはめちゃくちゃ感動的だったんで、またあんないい思いができたらいいんですけどねー。それには、永井選手にかかっている部分がかなり大きいので、これからアテネに向けて、さらに調子を上げてってほしいです。
決勝種目の二つ目は、男子200m背泳ぎです。森田智己選手が前日、すでに日本新を出していて、この日はさらに記録を伸ばしてくるかも…と期待されたのですが…。50、100のターンとも、1位はとなりの5コースを泳ぐ中野高選手。森田選手もわずかの差で続きます。が、その後の50mで森田選手のスピードはがくんと落ち、中野選手との差は身体ひとつにまで開いてしまいます。これは、中野選手が勝ったか…とは、だれもが思ったことでした。
が、森田選手は最後の50mで本領を発揮しました。観客席から見てもはっきりわかるくらい、森田選手のスピードはぐんと上がりました。残り25mを過ぎたあたりで、トップの中野選手と森田選手の差は、身体半分もなくなっていました。その後も森田選手は差を詰めていき、ラスト5mで2人の身体はほぼ並びます。タッチの瞬間、わずかに手が先についたのは、追い上げてきた森田選手でした。
森田選手がインタビューで語ったところによると、100〜150までは「落としすぎた」とのこと。最後のスピードアップを考えて、わざとここで抑えて泳いだようでした。結局、タイムは2分0秒16と前日の日本新から大きく遅れ、決勝での標準記録突破もならなかったのですが(アテネでは出られるでしょうけど)、あのラストのスピードは驚異的でした。100と比べて得意ではない200の戦い方を、いろいろと模索しているのかもしれません。アテネまでに、一番いい形を見つけてくれれば…と思いますね。
女子200mバタフライは、中西悠子選手が2分7秒99の日本新で4連覇を果たしました。やはり彼女も、ほかの選手とは全然違ってて、1人ダントツの力を見せつけてくれたし、しかも場内アナウンスで「日本記録のペースを上回っています」とかなんとか、さんざんあおってくれるもので、こちらも電光掲示板と中西選手を見比べるので大忙し。こういうとき、テレビだと泳いでる画面の下にタイムが表示されるので、都合がいいんですけど、会場だと電光掲示板とプールの位置が正反対なので、非常に見にくいんですよ〜。結局、なにがなんだかわからないままに、レースが終わってしまいました。中西選手が凄い、というのだけはよくわかりましたが…。今度から、電光掲示板を見るのはやめよう…と思いましたわ。
それと、2位には長田友喜子選手が入って、同時に五輪代表の座も手中にしたのですが、これは最後の最後で3位から逆転したんですよね。その喜び方はかなりなもので、3位に落ちた矢野選手とは対照的でした。2位でも五輪代表になった選手と、優勝しても派遣標準記録を突破できなかった選手とでは、全然表情が違ってて、勝とうが負けようが、五輪に出ることが第一目標なんだなーと、改めて実感しました。
次の男子100m自由形は、思いもよらぬ結果となりました。優勝したのはなんと、8コースを泳いだ桜井裕司選手。本命は4コースの細川大輔選手で、前半は予想どおりリードしてたし、あとは7コースの伊藤選手が出ていたくらいで、8コースの桜井選手はまったくのノーマークだったのですが…。折り返してからコースの半分まできたところで、8人がほとんど横一線に並ぶ大接戦。だれが来てもおかしくない…という状況から、抜け出したのは桜井選手だったのでした。
なんか、勝った本人も「ぽかーん」としていたような気がします。インタビューでも「信じられない」みたいなことを言っていたような…。必ずしも本命が勝つわけではない、レースはやってみないとわからない、ということを、つくづく感じさせられました。この種目は、世界との距離がかなりあるんで、勝った桜井選手が、今後その差を詰めていってくれることを期待したいです。
と、ここまでえんえん書いてきて、ようやく本命の登場です。最終種目の男子200m平泳ぎ決勝! ある意味、私もこのレースを一番楽しみにして、はるばる東京までやってきたわけだし、会場を埋め尽くした観客も、そういう人が多かったに違いありません。
北島選手が登場すると、場内は歓声で埋め尽くされ、テレビカメラも数台が張りついて、その一挙手一投足を映し出します。もちろん、これまでの有力選手も同じだったんですが、北島選手のときは、それがいっそうヒートアップしたような気がしました。それを見ていると、「選手というものは、こういうもろもろのプレッシャーと戦って、そして大きく成長していくんだなー」と思いましたね。北島選手は、カメラを向けられても悠々としていたし、こうならないと世界チャンピオンになんてなれないんだわーと。
レースのほうは、飛び込んで、浮き上がった瞬間から北島選手がリードしていました。その後もひとかきごとに差を広げていき、ほかの選手との格の違いを見せつけます。女子の田中雅美選手のときも、「ひとかきの伸び」を感じたのですが、北島選手の泳ぎは、さらにそれが際だっていました。前日までは、「らしくない」泳ぎばかりで、この日も正直、「あまり期待しすぎないようにしよう」と思っていたのですが、この決勝で、ようやく北島選手本来の持ち味が出てきたような感じでした。
そして、最後のターンを終えたところで世界記録のペースを上回っていることがわかり、会場の盛り上がりも最高潮に達します。会場中が、息をのんで北島選手を見つめていました。その泳ぎも、最後まで変わらず伸びやかだった…と思ったのですが…。さすがに世界記録を出すには、少しなにかが足りなかったようです。自身の記録より1秒28遅い、2分10秒70でゴールとなったのでした。
レース後のインタビューでは、満面笑みとはいきませんでしたが、やっと少しは納得できるレースができた…と感じているように見えました。あと、「辰巳がこんなに満員になったのは初めて見た」との言葉には、場内大受け。でも、それだけの観客を集めたのは、やはり自分が出るからだ…というのは、当然わかっているでしょうし、プレッシャーもますます重くなってくるでしょうけど…。北島選手ならやってくれるかなーという気がしています。とにかく、アテネでは一番いい状態でレースができるよう、祈りたいです。
また、2位に入った今村元気選手も、派遣標準を切って五輪代表に内定。こちらはものすごーくうれしそうで、ほほえましかったですねー。少しでも北島選手に迫ってほしいです。
※サッカーの日本女子が、アテネ行きを決めました。五輪アジア予選の準決勝で、強豪・北朝鮮に3−0で快勝。決勝進出を決め、同時にアジア枠のひとつを獲得しました。日本は前半11分に先制し、前半のロスタイムに2点目、後半19分には3点目を奪うという、予想以上の快勝。正直、厳しいかなーと思っていたので、かなり驚きました。
また、アジアのもうひとつの枠は、中国が韓国に勝って獲得。これでサッカー女子の五輪出場国10か国が、すべて出揃いました。
決勝は26日、日本と中国が戦うのですが、世界ランク5位の中国に勝てれば、アテネでの希望が見えてくるかも?
※上海で行われているボートの五輪アジア予選、女子軽量級ダブルスカル決勝で岩本亜希子/内山佳保里組が2位に入り、この大会の上位3か国に与えられる五輪出場資格を獲得しました。日本ボート協会は、出場資格を獲得した選手をそのまま代表とすることを決めているため、岩本/内山組のアテネ行きも決まりました。ボートの女子では、初の代表決定となります。男子の軽量級ダブルスカルはかなりの有望種目なのですが、女子もできればそれに続いてほしいです。
※五輪の射撃・ライフル種目(いずれもエアライフル)代表に、男子は柳田勝選手、女子は三崎宏美選手が正式に決まりました。柳田選手は2月のアジア選手権で、三崎選手は昨年7月のW杯で枠を獲得し、選考会でもトップの成績を収めて代表の座を確実にしていました。
また、すでに決まっていたピストル種目の代表も正式に承認され、これで射撃の代表も出揃いました。運が良ければ好成績も期待できる競技として、心に留めておきたいですね。
※その射撃の、五輪テスト大会を兼ねたW杯第2日、女子エアピストルで稲田容子選手が9位、福島実智子選手は16位、小西ゆかり選手は64位となりました。また、クレーのトラップ男子の小原誠選手は29位でした。
どのくらい有力選手が出場してるのか、ちょっとわからないのですが、稲田選手はなかなか好調な様子。五輪本番の会場にも、慣れることができたでしょうか。
※女子レスリングの山本美憂選手が現役引退を表明しました。今回、五輪出場がかなわず、引退を決めたようです。これまでも何度か引退→復帰を繰り返してきましたけど、29歳という年齢もあり、どうやらこれが本当の引退となりそうです。
女子レスリングが五輪種目になるなんて、まだ全然考えられなかった時期から活躍し、現在の隆盛を築くもととなった選手ともいえるだけに、感慨深いものがありますねー。惜しむらくは、あまりに早い段階で、最初の引退をしてしまったことでしょうか。今後どうするのかはわかりませんが、できればレスリングのために、なんらかの活動は続けてほしいです。
4月23日
※競泳の日本選手権第4日、この日は男女計4種目の決勝などが行われました。
まず、男子200mバタフライは、松田丈志選手が初優勝。先行する山本貴司選手を最後の50mで激しく追い上げ、最後はタッチの差でかわして勝利をもぎとりました。長距離の選手だし、スタミナがあるだろうとは思っていましたが、あの追い上げはお見事としかいいようがありません。松田選手もよほどうれしかったらしく、ゴールしたあとプールの壁を「やった〜」とでもいわんばかりに、ごーん?と殴りつけてましたね(インタビューのとき、血がにじんでいた…)。
これで、松田選手、山本選手ともども五輪代表に決まりました。世界選手権で銀を獲得している山本選手と、それとほぼ互角の力を持つ松田選手…ということで、山本選手が言ってたように「メダル2個も夢じゃない」って感じになってきました。それが実現することを期待しておきます〜。
さて、その松田選手ですが、そのわずか30分あとに、今度は1500m自由形の決勝に登場。前日の予選では日本新も出していたのですが、さすがにあの大激戦を制した直後に1500m泳ぐのは、いかに松田選手といえどもきつかったようです。優勝はしたものの、前日に作ったばかりの日本記録からは、5秒以上も遅れる結果となってしまいました。
結局、決勝で派遣標準は切ることができなかったのですが…。事情が事情だし、予選ではちゃんと切ってるし、五輪本番では2種目の日程は離れてるし…で、おそらくアテネではこちらにもエントリーできるんじゃないでしょうか。それにしても、1500m自由形と200mバタフライなんて、ちょっとない組み合わせですよね。松田選手は私の中でも、「アテネで大注目したい選手」の1人になってきました。
女子800m自由形は、山田沙知子選手が貫禄勝ちを見せてくれました。8分23秒68の日本新は、昨年の世界選手権なら銀メダルをとれていた記録です。冬の短水路の大会でも日本新を連発していたし、調子の良さをずっと持続してたんでしょうねー。彼女の場合は、あとは「本番でこの泳ぎができるか」だけですね。また、2位に入った柴田亜衣選手も、自己記録を大幅に更新して派遣標準記録を突破。彼女の伸びにも要注目です。
なお、女子200m個人メドレーでは、天野美沙選手が400mに続いて優勝しましたが、派遣標準記録は切れませんでした。
そして、男子200m背泳ぎ準決勝では、森田智己選手が100mに続いて1分59秒10の日本新を樹立。これまで100に比べて200は弱い印象がありましたが、スタミナがぐっとついた感じです。決勝でも、さらに記録を伸ばしてくるでしょうか?
ただ、北島康介選手は得意の男子200m平泳ぎに出場しましたが、どうも本調子ではない様子。女子100m自由形の萩原智子選手も、緊張したのか抑えたのか、それとも調子が悪いのか、もうひとつぴりっとしない泳ぎでした。ちょっと心配です。
※卓球のアジア予選で、ダブルスの出場権を獲得した…と思われていた福原愛/小西杏組ですが、どうやらそれは、まだ「確定」ではなかったことが判明しました。
アジア予選では、上位から順に枠を与えていくのですが、「残り1」となったところで、次は6位の台湾ベアに与えられる…はずでした。ですが、その組に限って2人ともシングルスの出場権を持っていなかったため、彼女らに与えると、残り1枠がオーバーしてしまうことに。それで、福原/小西組に出場権が転がりこんできた、と思われていたのですが…。
卓球にはまだ、世界最終予選(5月・オーストリア)というものが残されていたのでした。つまり、ここで台湾ペアのうちの1人がシングルスの枠を獲得すると、ダブルスに出場するための枠は、1でOKということになるんですね(わかりにくい説明ですみません)。まさか、こんな可能性があったとは…。
とりあえず、世界最終予選の枠は二つだけということなので、ここはもう、台湾の選手が2位以内に入らないことを願うしかないですね。他力本願だけど。
※射撃のプレ五輪となる、W杯アテネ大会で、男子エアピストルに出場した中重勝選手が8位に入りました。中重選手は、この種目の代表に決まっているのですが、本番に向けていい感触がつかめたでしょうか? また、田沢修治選手は60位…とニュースには書いてあったんですが、種目はやっぱり同じエアピストル? 田沢選手はラピッドファイアピストルの代表なので、専門外の種目ならこの順位も仕方ないのかも。
※五輪最終予選を兼ねるカヌーのW杯、女子カヤックシングルで、村山夏美選手選手は準決勝で敗れ、出場権は獲得できませんでした。男子カナディアンシングル準決勝の羽根田卓也選手も、同じくここで敗退しました。
4月22日
※競泳の日本選手権第3日は、男女4種目の決勝などが行われて、3人の五輪代表が決まりました。
まず、有力選手がひしめく女子100m背泳ぎは、中村礼子選手が優勝。2位には稲田法子選手が入り、2人が切符を手中にしました。予選ではトップの成績だった中村真衣選手(シドニー銀)は3位で、今回は五輪出場を逃しました。4位は寺川綾選手、5位は伊藤華英選手で、予想どおり、5人が1秒以内にひしめく大接戦となりました。
中村礼子選手は、これまで「大舞台に弱い」というイメージがあったのですが、コーチを替えたりして、かなり精神面を鍛えてきたようですねー。「一皮むけた」感のある彼女には、アテネでも大いに期待できそうです。
稲田選手と中村真衣選手は、両方ともがんばってほしい選手だったんですが…(長く第一線で続けている人は、やっぱり応援したくなります)。2位の稲田選手は1分1秒39、中村真衣選手は1分1秒55と、100分の16秒の差が、2人の明暗を分けてしまいました。勝負の世界って無情だ…と改めて思ったりなんかしたのでした。
このあと、200mも残っているのですが、中村真衣選手はこちらは棄権する考えだそうです。もともと短い距離のほうが得意な選手なので、この棄権は仕方ないのかな。50mには出てくると思うので、ここで優勝して有終の美を飾ってほしいですね(50m背泳ぎは、世界選手権では実施されているのですが、五輪種目ではありません)。
また、男子200m自由形は、奥村幸大選手が1分48秒87の日本新で優勝し、こちらも代表に内定。日本男子(というより日本は男女とも)は、自由形は弱いんですよね。たいてい、リレーメンバーとして選ばれる、という感じだったのですが、派遣標準を突破し、個人で選ばれたのにはちょっと驚きました。男子1500m自由形予選でも、松田丈志選手が15分9秒52の日本新をマークしてるし、全体にレベルはアップしているのかも?
残念だったのは女子100m平泳ぎで、田中雅美選手が派遣標準記録にわずか0秒03届かなかったこと。まだ200mもあるし、メドレーリレーのメンバーも選ばなきゃいけないので、彼女が代表になる可能性は高いですけど…。やっぱ、派遣標準を突破して、すっきりと選ばれてほしいですよね。
※サッカー女子の五輪アジア予選は、1次リーグ最終戦が行われて、日本はでタイに6−0で大勝。予選C組1位となり、準決勝進出を決めました。24日の準決勝で日本は北朝鮮(A組1位)と対戦し、ここで勝てば五輪出場が決定します。北朝鮮は強いですけど、ここで勝てなきゃアテネには行けないので、なんとか勝利をもぎとってほしいです。
なお、準決勝のもう1試合は、中国(B組1位)×韓国(2位の中で最も良い成績)に決まっています。目標は五輪出場だから、決勝はオマケ?みたいなもんですよね。ある意味、二つの準決勝が「決勝」なんでしょうね。
※カヌーでは、スラローム種目のW杯第1戦、アテネ大会が始まりました。これは、五輪最終予選を兼ねた大会で、まだ枠を獲得していない日本としては、なんとか最後のチャンスにかけたいところです。
で、初日の結果なんですけど…。男子カナディアンシングル予選では、羽根田卓也選手は39位で準決勝に進出しましたが、持田雅誠選手は46位、服部洋一郎選手は48位となり、予選で敗退しました。また、女子カヤックシングル予選の村山夏美選手は30位で準決勝に進み、中山景子選手は46位で予選落ちしています。
日本カヌー連盟のサイトを見てみたところ、日本選手が出場する種目では、男子カヤックが8位以内、男子カナディアンシングルは6位以内、男子カナディアンペアは4位以内、女子カヤックシングルは5位以内に入れば、枠を獲得できるそうですが…。予選の成績を見ると、かなり不安になってきました。ただ、すでに枠を獲得している国は除いて数えるはずなので、そのあたりに望みをつなぎたいです。
※射撃のプレ五輪となる、W杯アテネ大会が開幕しました。女子エアライフルに出場した三崎宏美選手は、395点で決勝に進めず。15位となりました。相沢悠子選手は30位でした。三崎選手は、五輪代表がほとんど決まっている(あとは承認のみ)のですが、彼女は昨年のW杯で優勝して枠を獲得してるんですよね。その日の調子次第で、優勝も予選落ちもありうる…ってことなんでしょうねー。
4月21日
※競泳の日本選手権第2日、この日は新たに3人の五輪代表が決まりました。
まず、最大の注目は、男子100m平泳ぎに出場した北島康介選手。あわよくば世界新も…とは、本人も思っていたのでしょう。スタート直後からほかの選手より前に出て、あっというまに引き離し、50のターンでは身体ひとつ?の大差をつけます。ラップタイムも世界記録を大きく上回り、「行けるか!?」という期待を抱かせてくれたのですが…。前半飛ばしすぎたゆえのスタミナ切れか、はたまた力が入ったのか、ゴール手前でスピードダウン。タイムは1分0秒39で、自らの持つ世界記録(59秒78)の更新はなりませんでした。
作戦をミスしただけか、体調自体が良くない(絶好調ではない)のか、それとも今の時期だと「こんなもの」なのかな。まあ、ここで絶好調すぎても良くないかもしれないし、楽しみはアテネにとっておくことにしましょう〜。…といいながら、200mには期待してしまうんですけどね(笑)。
この日はむしろ北島選手より、女子100mバタフライの大西順子選手のほうが目立ってたかもしれません。スタートはそれほど良くなかったのですが、ひとかきごとに前に出て、ぐんぐん差を広げ、ゴールしてみれば58秒62の日本新。これまでの記録は、1998年に青山綾里選手が出したものなのですが、この時はまだ15mまでの潜水が許されてましたからねー。これを破ったのは本当に凄いことです。大西選手も「このためにやってきた」みたいなことを言ってましたもんねー。あの言葉を聞いて、なんだかじーんときてしまいました。
それから、男子100m背泳ぎでも、森田智己選手が54秒40の日本新。こちらも、レース後のうれしそうな顔が印象的でした。ただ、これまで日本記録を持っていた錦織選手はなぜかふるわず、ここで代表入りを果たせなかったのは残念。この種目は、2人とも行けると思ったんですけどねー。
※ボートのアテネ五輪アジア予選第1日、女子軽量級ダブルスカルで岩本亜希子/内山佳保里組が予選1組で1位となり、決勝に進出しました。24日の決勝では3位以内に入れば、五輪出場権を獲得できます。ボートのアテネ五輪代表第1号…に果たしてなってくれるでしょうか? |