12月15日
※陸上の室伏広治選手と柔道の谷亮子選手が、日本オリンピック委員会と「シンボルアスリート」の契約を結ぶことになりました。この2人は最初は辞退すると思われてて、特に谷選手のほうは難航していたはずですけど、急転直下、契約締結となったようです。
ここまで契約を結んだ選手は10人で、契約期間は夏の競技が1年、冬の競技が1年半(トリノ五輪含む)となるそうです。これから彼らの姿が、ブラウン管でよく見られるようになるんでしょうか?
とにかく、この事業でJOCの懐が豊かになればいいんですねー。資金不足では満足に強化できませんから。
12月14日
※五輪の女子レスリングで金を獲得した吉田沙保里選手が、来春の大学卒業後にが綜合警備保障へ入社することが決まりました。これを聞いて、「この会社って女子レスリング部なんてあったっけ?」と思ったんですが、やはり、これまではなかったようです。吉田選手の入社を機に、本格的に女子部を立ち上げるのか、それとも彼女1人の部になるんでしょうか? 吉田選手自身はこれまでどおり、中京女大の栄監督に指導を受ける…ということなので、環境には変わりないでしょう。いい条件のもとで、ますます力をつけてってほしいです。
12月12日
※全日本実業団対抗女子駅伝は、三井住友海上が2年連続四度目の優勝を果たしました。ただ、終盤に独走となった昨年とは違って、今回は最終区に見せ場がありましたねー。ひとつ前の5区で、京セラの原選手が三井住友海上の土佐選手を急追。アンカーの京セラ・小川選手は、一時、三井住友海上・大山選手に並びかけましたが、そこで力が尽きたのか、その後はズルズルと後退し、結局は三井住友海上が下馬評どおりの勝利を収めました。
三井住友海上は、やっぱ層が厚いですよね。エースの土佐選手がうしろに詰められても、ほかの選手がその分走ってくれるんですから…。京セラもあと一歩だったんですが、5区までにつけられた差が大きすぎました。
別に京セラを応援してるわけじゃないのですが、正直、1チームだけ強いよりは、競ってくれたほうがおもしろいですから。独走のレースはつまんないです。
※福岡国際女子柔道の最終日、日本勢はこの日行われた4階級のうち、三つを制しました。
48kg級は福見友子選手が、決勝で北田佳世選手をを破って初優勝を果たしました。福見選手は、2年前に田村亮子選手に勝って、一躍注目を集めた若手の有望株。当時は「高校生が田村に勝った!」みたいな感じでした(ただ、そのときの田村選手はケガで最悪の状態だったんですけど)。一方の北田選手は、世界トップクラスの実力を持ちながら、田村選手と同じ階級ゆえに、世界選手権や五輪には縁のなかった選手です。
つまり、「ポスト田村はどちら?」という対戦だったわけですが、この戦いで福見選手が勝ったのは、ちょっと意外でした。まだ若い…と思ってたんですが、ここのところかなり力をつけてきたみたいですねー。ただ、北田選手は実力がありながら上に田村選手がいて機会に恵まれず、ようやくチャンス到来?と思いきや、下の選手に抜かれる…という感じで、不運だなーと思ってしまいました。
また、52kg級はアテネ銀の横澤由貴選手が、57kg級は初出場の宇高菜絵選手が勝ちましたが、無差別級の薪谷翠選手は決勝で中国の劉歓縁選手に敗れています。
12月11日
※体操のW杯決勝大会は、世界ランキングによる各種目の上位8選手が出場して、そのNo.1を決める…というものです。この第1日、床運動の米田功選手とつり輪の冨田洋之選手が、銀メダルを獲得しました。
日本勢は床が苦手、というイメージが強くて、米田選手もすごく得意とは思ってなかったんですが…。やっぱり、オールラウンダーだけありますねー。ただ、得点は9.550点で、優勝したはヒポリト選手(ブラジル)は9.737点と、かなり開きがあるんですけど。点数から察するに、2位以下は混戦だったんでしょうねー。
逆に冨田選手のほうは、勝ったファンヘルデル選手(オランダ)にわずか0.025差の9.712点と、惜しい銀でした。この種目を得意にしているだけあって、さすがなんですけど、でも、いつもなんか「惜しい!」って感じがするんですよねー。まあ、アテネのときみたいに、メダルをとれないよりはいいですけど…。冨田選手には、一度大きな大会で、この種目の金をとってほしいですねー。
なお、あん馬に出場した鹿島丈博選手は、5位という結果でした。やはり、まだ骨折の影響があるんでしょうか。早く治してもらって、またあの美しい演技を見せてほしいです。
※その体操で、かねてからいわれていたとおり、採点方法が大幅に変わるもようです。国際体操連盟の会長によると、2006年から10点満点ではなく、上限なしの採点方式になるとか。
体操の「10点」にはいろいろと思い出もあるし、これがなくなってしまうのはすごく寂しいものがあります。でも、新体操もすでに変わったし、フィギュアも6点満点が姿を消しそうだし、採点競技の方式が変わっていくのは、仕方ないんでしょうねー。
※福岡国際女子柔道の第1日、78kg超級は決勝で塚田真希選手が薪谷翠選手に一本勝ちし、優勝を飾りました。塚田選手は、五輪選考会でもライバル薪谷選手を破ってアテネ行きを決め、見事金を獲得したわけですが、五輪後の今回もやはり塚田選手の勝ちとなりました。
ただ、今回は、終了直前まで薪谷選手がリード。ほとんど勝負は決した…と思えたところからの大逆転でした。土壇場での逆転は、塚田選手のアテネ決勝を思い出させますねー。でも、ここのところ薪谷選手は、ずっと塚田選手に負けてたんですけど、これからはまた、いい勝負を見せてくれそうです。
なお、70kg級は渡辺美奈選手が、63kg級は徳久瞳選手が、それぞれ初優勝しています。
※マラソンの野口みずき選手は、日本オリンピック委員会と「シンボルアスリート」の契約を結ばないことになりそうです。これまでにも北島康介選手、清水宏保選手らの辞退が報じられていますが、CM出演などによってすでに億の金額を手にしている彼らが、上限2000万円の契約に応じないのは至極当然。でも、野口選手の場合は、まったく違う理由のようです。
藤田監督によると、「契約すればCM撮影などで、競技に支障が出る可能性がある」からだとか。ちょっと過保護のような気もしないでもないけど、15秒や30秒のCM撮影でも時間はけっこうかかるし、練習スケジュールだって変更を強いられますからねー。ただ、裏を返せば「自分で稼がなくても資金はある」ってことですよね。なかなかうらやましい環境かも。
※アメリカの陸上女子短距離選手で、昨年の世室内界陸上で200mの金メダルを獲得しているミシェル・コリンズ選手が、ドーピング違反のため8年(!)もの出場停止処分を科されることになりました。コリンズ選手の尿からから薬物反応は出なかったのですが、薬物を提供したとされる会社からの事情聴取などで、スポーツ仲裁裁判所は「クロ」と判定。これを受けて、アメリカの反ドーピング機関が、8年の出場停止処分を発表した…というものです。
通常、違反が発覚した場合、一度目は2年間の出場停止、二度目は永久に出場停止(追放?)となるはずですが、一度目だとしたら8年間とは、またえらく重い処分です。現在33歳のコリンズ選手に、「8年間試合に出るな」というのは、ようは「引退しろ」ということですもんね。
ここんとこ、アメリカの陸上界はドーピング問題で揺れに揺れているし、ここで重い処分を科すことで、歯止めとなることを期待したいんでしょうかねー。ただ、すべて解決したころには、アメリカの層がうんと薄くなりそうです。
12月9日
※アテネ五輪の男子マラソンで、一時はトップを独走していながら、乱入者に阻まれてタイムを大きくロスしてしまったブラジル選手のことを、覚えてらっしゃるでしょうか? 私ものニュースで「ああ、そういえば…」と思ったくらい、すっかり記憶から遠ざかっていたのですが、そのデ・リマ選手が、ブラジルの年間最優秀選手に選ばれたそうです。
あれはかなり不運な出来事だっただけに、そのくらいの賞はもらってもいいんではないかと思いますよね。あのとき、たしかに後続との差は詰まってはいたけれど、あそこで妨害されなければもう少し追いつかれるのは遅れたはずで、そうなると終盤のデッドヒートが見られたかもしれないし、メダルの色だって、金は無理でも銀はとれていたかもしれないし…。本人だってあきらめきれないでしょうねー。
なお、授賞式には、デ・リマ選手を最初に助けたという、ギリシャ人のコシバスさんという方も出席したそうです。この方をはじめ、何人かの観客のおかげで被害が最小限にとどめられたのは、良かった…といっていいんでしょうか。
ところで、逮捕されたあの「アイルランド人の元司祭」氏は、いったいどうなったんでしょう。たしか、禁固数か月を言い渡されたはずだから、まだ刑務所の中にはいると思うんですけど。出てきたとしても、当然ながらスポーツ会場には近づかないよう、監視しといてほしいもんです。
12月8日
※右足首の骨折で、世界陸上への挑戦が絶望的になりつつある高橋尚子選手ですが、今のところは順調に回復しているようです。7日からはジョギングも始め、年明けからは本格的な練習に取り組む予定だとか。このままいけば、選考会は微妙ですが、海外の春マラソンには間に合うかもしれませんねー。ただ、くれぐれも急ぎすぎて、ケガを悪化させないようにお願いしたいです。
※国際陸連が、ドーピングの取り締まりを強化するため、事務局内に反ドーピング部を新設するそうです。薬物関連部門を独立させて、スタッフも増やす…ってことですね。ちなみにここでは、新種薬物の研究、ドーピング検査、違反事例の処理、薬物使用防止の啓蒙活動を行うとか。ここ数年の間に、昔のドーピングが次々に明るみに出てきて、さすがに危機感を募らせたんでしょう。これで多少の抑止はできるでしょうか?
12月7日
※シドニー五輪では、金メダル3個を含む計5個のメダルを獲得。陸上界のヒロインとなったマリオン・ジョーンズ選手が、このメダルをすべて失うかもしれない…という事態に直面しています。ジョーンズ選手の元夫が、彼女はドーピングを行っていたと証言。ただ、彼女はこれを否定し、アテネには出場を果たしたのですが、完全な潔白はまだ証明されていません。そしてこのほど、世界反ドーピング機関のパウンド会長が、「彼女の薬物使用が事実なら、すべてのメダルを剥奪し、2年間の資格停止処分を科す」と語った…というわけです。
4年前、彼女はまさしく、シドニーで最も輝いていた陸上選手だったんですけどねー。あのときだれが、この事態を予測しただろう…という感じです。結果がどう出るかわかりませんが、とにかく白黒ははっきりつけてほしいです。
12月6日
※卓球の福原愛選手が、来シーズンから中国リーグに参戦することになりました。中国選手になかなか勝てない福原選手には、これはかなりいい経験になりそうです。
ちなみにこのリーグ、12チームで構成されていて、春と秋などに総当たりでリーグ戦を行うとか。まぎれもなく世界最高レベルのリーグなので、ぜひここでなにかを得てほしいですねー。
12月5日
※卓球の世界ジュニア選手権、男子ダブルスで岸川聖也/水谷隼組が優勝を果たしました。決勝では中国の馬竜/周斌組に4−0のストレートで勝ったというから、強いですねー。まあ、岸川選手は昨年も村守実選手と組んで優勝してるので、意外な結果ではないんですけど。岸川選手は、すでに日本代表(ジュニアではなく)として、世界選手権にも出場してるんですけど、次はそちらでも結果を出してほしいですね。
また、女子シングルスの福原愛選手は、準決勝で中国の劉詩ブン選手に3−4と逆転負けし、3位となりました。またもや、中国選手に阻まれてしまった…という感じです。スコアを見てみれば、福原選手がとったセットは相手にあまり点を与えていないのに、落としたセットはすべて接戦。最終セットも、10−12という、なんとも惜しい試合となってしまいました。こうなると、精神力の差になるんでしょうか?
結局、男女団体、女子ダブルス、混合ダブルス、男女シングルスの6種目を中国勢が制し、唯一男子ダブルスだけは日本ペアが勝った、ということなんですね。中国、強すぎです。
※体操の中日カップ、男子種目別あん馬で、五輪銅メダルの鹿島丈博選手が優勝しました。そのほか、つり輪は冨田洋之選手、ゆかは米田功選手、鉄棒は水鳥寿思選手、跳馬は塚原直也選手、平行棒は中野大輔選手と、アテネ日本代表全員が1種目ずつ制したというのは、ちょっとおもしろい結果でした。やっぱ、自分の得意種目には力が入るんでしょうねー。
また、女子平均台では大島杏子選手が優勝。地元の利はあるでしょうが、日本女子体操にも少しは明るい話題があって良かったかも。
※福岡国際マラソンは、尾方剛選手が2時間9分10秒で優勝し、世界陸上代表の座を確保しました。タイム的にはそれほど良くはないのですが、かなりの強風が吹くなかでしたから、これは仕方ないかな。勝負どころで自分からスパートして勝ったんだから、文句なしでしょう。
折り返してから、尾方選手、大崎悟史選手、世界歴代2位の記録を持つコリル選手(ケニア)の3人になったときは、一瞬、また外国勢に持っていかれてしまうのかなーと思ったんですけど…。35kmを過ぎて尾方選手がスパートすると、意外なほどあっさりと勝負が決まってしまいました。大崎選手はスパートに対応できず、最初は尾方選手を追っていたコリル選手も、すぐに後退し、まもなく大崎選手にも抜かれてしまいました。
これで世界陸上代表5人のうち、1人が決まりました。大崎選手も候補に入っていますが、残りのレースを見てみないことには、どうなるかわかんないですね。とりあえずは次の東京を楽しみにすることにします。
12月4日
※体操の中日カップ・男子個人総合で、冨田洋之選手が優勝しました。日本勢は、アテネ五輪代表が全員出場。ここで勝った冨田選手が、やはり日本のエースなんでしょうね。得意のつり輪だけでなく、3種目でトップだったというから、実力は飛び抜けてます。今後は苦手の床を克服して、来年の世界選手権ではぜひ個人総合の金を狙ってほしいです。
2位には塚原直也選手が入り、5位までを日本勢が独占。鹿島丈博選手は骨折の影響もあってか、2種目を棄権したため順位なし。こちの回復具合も気にかかりますね。
※卓球の世界ジュニア選手権、混合ダブルスで岸川聖也/福原愛組が銅メダルを獲得しました。日本ペアの決勝進出を阻んだのは、やはり中国。フルセットまでもつれ込む接戦だったのですが、最後は苦手の中国選手に屈してしまいました。
ただ、男子ダブルスの岸川/水谷隼組は決勝へ進出。ジュニアランキング1位の岸川選手と、まだ中学生の水谷選手という組み合わせで、日本男子の若手はがんばってます。こちらにも、マスコミがもう少し注目してくれればいいんですけど。
12月2日
※ここのところ、ドーピング関連の話題ばかりのような気がするのですが、それでもネタは尽きないようで…。またまた出てきました。が、今回は「新たに発覚」というものではなく、五輪直前の事故?で検査を回避したギリシャの選手についてです。
覚えてらっしゃるでしょうか? 陸上男子200mの優勝候補で、ギリシャの「英雄」とまでいわれたケンデリス選手が、抜き打ちドーピング検査の直前、女子選手とともに宿舎を出て事故を起こし、入院したため五輪出場ができなくなった…ということを。が、「事故があった」とされる場所には、なぜかその形跡が残っておらず、一連の出来事は検査を逃れるための茶番劇だった…というのは、もはや公然の事実になっています。もしそこで検査を受けていれば、違反が発覚したのは確実でしょう。
ただ、五輪が終わってからこの話題を聞くことはなかったので、うやむやで終わってしまうのかなーと思っていたのですが、そういうわけではなかったようで。国際陸連はこの日、2人の選手とコーチをドーピング違反で告発したそうです。なんでも、彼らは16日までにこのことについて説明をしなければならず、その説明が充分でなかった場合は、その時点で暫定的な処分を受けるとか。
今の状況で、彼らの釈明が認められる可能性って、すごく少ないんですよね。ギリシャの英雄も、ここで終わってしまうのかなぁ…。
12月1日
※卓球の世界ジュニア選手権の女子団体、日本は決勝で中国に敗れて準優勝となりました。0−3だから、もう完敗ですね。福原愛選手はどうも中国選手と相性が悪く、ランキングでは下の常晨晨選手にもストレート負けを喫してしまいました。ちなみに、中国からはジュニアのトップクラスの選手は出場していないとのこと。壁は厚い…って感じです。
※競泳の山田沙知子選手が、練習拠点をアメリカに移すことになりました。山田選手は、世界トップクラスの長距離スイマー。アテネでも800m自由形では優勝候補に挙げられていたのですが、彼女の弱点である「精神力の弱さ」がここでも出てしまい、金メダルを新鋭の柴田選手にさらわれてしまいました。
昨年の世界選手権で惨敗して、いろいろと精神面の強化を図ってきたはずなのに、こういう結果に終わって、これからどうするんだろう?と思っていたのですが…。どうやら、再出発の決意は固まったようですね。練習場所は、これまでにも短期留学していたところだそうで、適応できるかどうかの問題はなさそう。来年の世界選手権では、今度こそ表彰台に立つ山田選手の姿が見られるでしょうか? |