2004年のトピックス           10 11 12

12月26日
暮れの都大路を走る全国高校駅伝が行われ、午前中の女子は諫早が、午後から行われた男子は仙台育英が優勝しました。
女子のレースはおもしろかったですねー。1区で興譲館の新谷選手が区間新をマークする快走でトップに立ち、その後も安定した走りで独走態勢を築き上げた…かに思えたのですが…。後方から諫早がじりじりと順位を上げ、1区では12位と出遅れた須磨学園もさすが昨年の優勝校、上位を次々とかわして、ついに最終区で3校が並びます。併走が続いたあたりは最高にワクワクする展開だったのですが、そこからまず須磨学園が脱落。最後は実力で勝る諫早の高田選手が、興譲館を振り切って優勝を果たしました。
興譲館は敗れたとはいえ、持ち味を充分に生かしたレースを見せてくれました。1区の新谷選手の区間新は、凄いの一言です。エースの作った貯金を守って、続くランナーもいい走りを見せてくれて、あわや…というところまで行きましたからねー。
諫早は、アンカーにエースの1人・高田選手を持ってきたのが、そのまま優勝につながった感じです。1区で興譲館から35秒遅れだったのを、少しずつ詰めていって最終区で逆転。まさに思い描いたとおりの展開だったのではないでしょうか。
須磨学園は、本来は優勝候補の筆頭だったのですが…。終わってみれば1区の出遅れがすべてでした。作戦では、1区でもう少しトップと近いところでタスキを渡し、2〜4区の間で逆転して、アンカーに渡ったときは独走態勢を築いている…ということだったんでしょうけどねー。2、3、4区で区間賞をとって追い上げても、並ぶのがやっとでしたから。男子ならともかく、距離の短い女子で1分の遅れは、大きかったということでしょう。
ただ、普通は自分の応援しているチームが負けると、むちゃくちゃ腹がたつのですが、今回はそうじゃなかったですねー。敗れたとはいえ、須磨学園もいい戦いを見せてくれたし、興譲館の新谷選手の走りはすばらしかったし、諫早のレースは見事だったし、「見て良かった」という感じでした。
お次は男子です。こちらは仙台育英が圧勝し、2位に豊川工、3位に東農大二、4位には久々に全国大会に出場した報徳学園が入りました。
今回の仙台育英は、1区に日本人選手、3区に留学生を配置。過去の先行逃げ切りパターンではないのが、ちょっと意外な感じでした。が、仙台育英1区の佐藤秀和選手は区間3位。それより上は、すべて留学生頼みの学校ばかり…となれば、そこで優勝は決まったも同然でした。3区のワンジル選手が、区間記録を47秒も更新してトップに立つと、あとの選手もすべて区間賞を獲得。つけいる隙のまったくない完璧なレースを展開し、2時間1分32秒の大会新記録で優勝を果たしました。
これって、一番強かったころの西脇工のレースパターンですよね。1区は先頭から数十秒遅れにつけて、2区から徐々に追い上げを開始。3区か4区でトップに立つと、あとは後続との差が開く一方…という。選手層がとんでもなく厚いからできることなのですが、仙台育英の場合は、このパターンに加えて3区に留学生を置いてるんですから、ほかの学校はどうしようもないです。
正直、ここまできたら留学生を使うのはやめてほしいです。じゃないと、レースはつまらなくなる一方です。アナウンサーが「2時間1分台の記録が誕生しそうです」などと興奮気味に言っても、見ているほうは全然おもしろくないし、興奮もしないし…。日本人高校生だけで、過去の西脇工の記録を破ってくれたほうが、ずっと凄いと思えました。
普通なら、どんなに強くても選手が揃わない年もあるし、その年によって勝つ学校も変わってくるはずなんですが、この調子だと、毎年仙台育英が勝ってしまいそうです。今回のように日本人選手も揃えば圧勝、そこそこのレベルでしか揃えられなくても、一定レベルさえクリアすれば大砲の力で勝つ、という感じで。
私は西脇工や報徳学園(というか、兵庫県のチーム)を応援しているし、高校駅伝は、いわば私のマラソン・駅伝好きの原点ともいえるレースで、毎年楽しみにしているのですが、そんな私でさえ、こうなると興味を失ってしまいそうです。仙台育英に勝つには、西脇工や大牟田(今回は両校とも沈みましたが)といった有力校も、留学生を起用するしかないってことなんでしょうか。
…とりあえず、明るい話題を見つけるとするなら、私的には(本当に私だけですが)報徳学園が久々に元気な姿を見せてくれたことかなぁ。常に上位でレースを進めてくれて、テレビにもずっと映ってたし、これを機会に西脇工にやられっぱなしの状態から脱却してほしいですね。最近は負けグセがついているのか、戦力的には西脇工より優っている場合でも、県大会で負けてしまってますから(単に私は、強いほうに全国大会に出てほしいので)。
高橋尚子選手が、茨城県で行われたロードレースにゲスト参加し、久々にその走りを見せてくれました。9月末に右足首を骨折し、正直、本当に復帰できるのかなぁ…と思ったのですが、本人は引退する気など皆無のよう。当初は2.4kmのジョギングの部だけに参加の予定だったのですが、急遽3kmのロードレースの部へも飛び入り参加。足首はすでに完治しており、走ってもなんの問題もなかったそうです。
この分だと、本当に名古屋国際への出場も、実現するかもしれませんねー。渋井陽子選手も名古屋に出るそうだし、これは楽しみなレースになるかも。次の世界陸上を逃せば、大きなレースは2007年の世界陸上になってしまうんですよね。高橋選手が現役にこだわるなら、ぜひとも世界陸上へ出場を果たしてほしいですね。
一方、野口みずき選手は、合宿中の奄美大島でロードレースに出場。もちろんこれはゲスト参加ですけど、ようやく合宿に入れて、次の目標も見えてきたのではないでしょうか。
アーチェリー世界室内選手権の最終選考会が行われ、男子はアテネ五輪代表の古川高晴選手が優勝。五輪銀メダリストの山本博選手は3位となりました。古川選手はまだ20歳の大学生。山本選手より22歳も年下なのですが、これほど年齢差があっても一緒に競技できるところが、おもしろいなーと思ったりします。本当に世代交代となるのは、いつのことでしょうか?
また、女子は浅野真弓選手が優勝。世界室内選手権の代表は、次のとおりとなっています。
リカーブ男子…古川高晴、稲本雅由、山本博。リカーブ女子…浅野真弓、川内紗代子、大塚妙子。コンパウンド女子…宮本正子。注:コンパウンドとは滑車つきの弓を用いて行う種目です。五輪種目にはなっていません。

12月23日
レスリングの全日本選手権最終日、女子は、ケガで欠場した伊調千春選手を除く五輪代表組が、順当に優勝を果たしました。55kg級の吉田沙保里選手、63kg級の伊調馨選手、72kg級の浜口京子選手は、いずれも敵なしって感じです。特に浜口選手は9年連続9回目の優勝だそうで、約10年も日本トップの位置にいるんだなーと感心してしまいました。また、吉田選手は最優秀選手に贈られる天皇杯を獲得。こちらは国内外で連勝街道を突っ走っていて、これからも当分、その地位はゆらぎそうにないですね。
男子フリースタイル60kg級では、アテネ銅メダリストの井上謙二選手が、学生の小島豪臣選手に敗れるという波乱がありました。井上選手も新ルールへの対応が、イマイチできなかった様子。1ピリオドが短い分、積極的に攻めて先にポイントを挙げなければならないのに、守りに入って消極的になってしまったそうです。
なお、男子フリースタイル66kg級で五輪5位の池松和彦選手、グレコローマン60kg級で同じく五輪5位の笹本睦選手は、順当勝ちを収めています。

12月22日
大阪国際女子マラソンの招待選手が発表されました。国内からは、ベテラン・弘山晴美選手をはじめ、小崎まり選手、大南博美選手、大越一恵選手などがエントリー。36歳にして気力の衰えない弘山選手には脱帽です。私的に期待したいのは、最近、惜しいところで世界陸上の代表を逃し続けている小崎選手かな。若手の大越選手にも、そろそろ結果を出してほしいのですが。
また、海外からは、あのリディア・シモン選手がエントリーしています。出産後、もうひとつ元に戻せないようですが、今がどういう状態なのか気になるところです。
レスリングの全日本選手権第2日、男子フリースタイル74kg級は小幡邦彦選手、グレコローマン84kg級では松本慎吾選手と、五輪代表組が勝って実力を見せつけましたが、グレコローマン74kg級では永田克彦選手(シドニー銀)が準決勝で敗退。その永田選手を破った鶴巻宰選手が、決勝も勝って初優勝を果たしました。
永田選手の敗戦については、そろそろ世代交代の時期?と思ったら、実は「新ルールへのとまどい」が敗因だったとか。これまでは、1ピリオド3分×2=6分間のトータルポイントで勝敗が決まっていたのですが、今回からは1ピリオドが2分に短縮され、しかも各ピリオドごとに勝者が決められて、2ピリオドを先取したほうが勝ち、となります。時間が短すぎて、自分の得意なパターンに持ち込む暇もなかったということでしょうか。新ルールへいかに対応していくかも、これからのポイントになりそうです。
ところで今回、男子フリースタイル84kg級に出場した浜中和宏選手は、いわゆる「プロの格闘家」。残念ながら初戦で敗れてしまいましたが、今後もプロとアマ両方の試合に出場したい意向のようです。こういう選手がもっと多くなってくれば、アマレス界も一層活気づくかもしれないですね。
ギリシャの陸上選手で、アテネ五輪の開幕直前に交通事故を起こして入院した…ということになっていた、コンスタンティノス・ケンデリス選手とエカテリニ・サヌ選手。宿舎を抜け出したのが抜き打ちドーピング検査の直前だったこと、事故を起こしたはずなのに現場に痕跡がないことから、検査逃れの疑いが非常に濃厚になっていたのですが…。国際陸連は、この2人を一時資格停止処分とするそうです。たしかに、このまま逃げ切れるなんて、思われたくないですもんねー。これがもし、開催国の選手でなければ、直前に宿舎を抜け出すのは不可能だったわけだし、検査を受けていればどうなっていたかは目に見えてますもんね。
それにしても、ケンデリス選手がシドニー五輪の男子200mで優勝したときは、「黒人選手でなくても短距離で勝てるんだ」とすごく驚いて、「だったら日本選手でもなんとかなるかも…」と期待を持たせてくれたんですけどねー。もしかして、その結果も薬物によるものだったとしたら(今のところは、そこまで追求が及んでないですけど)、なんだか悲しいものがありますね。

12月21日
日本オリンピック委員会の新事業「シンボルアスリート」に、フィギュアの安藤美姫が追加されました。当初は「競技に専念するため辞退」と報じられていましたが、結局は契約するようですね。これで合意した選手は11人。この事業がうまくいって、資金が潤沢になることを願っておきます。

12月20日
マラソンの渋井陽子選手が、3月の名古屋国際に出場することになりました。ここで2時間26分を切り、日本人1位になれば代表に内定します。秋に日本記録を出して、今はのっているときでしょうねー。次にどんな走りをするかで、真価が問われると思うので、ここは注目して見てみたいです。
日本陸連が「スポーツ活動支援制度」を設立し、スポンサーのない有力選手に活動資金を貸与していくことになりました。陸上の場合、長距離選手は実業団チームも多く、比較的恵まれているのですが、それ以外の種目では、年々状況が厳しくなっているのが現状です。そこで、公募で22歳以上の約10人を選び、年間240万円を貸与していこう、というもの。奨学金みたいなものですね。五輪や世界選手権の代表になれば、返還は免除されるそうです。
まだ「案」の段階のようですが、かなりの実力を持った選手でも所属先探しには苦労することがあるので、こういう制度は歓迎したいですねー。お金がない、というだけでその選手の将来が奪われるなんて、悲しすぎますから。
バレーボール女子日本代表・柳本晶一監督の続投が決まったことを受けて、この日会見が開かれました。柳本監督によると、北京ではメダルを狙うとのこと。当初は辞退するつもりだったようですが、協会から支援の確約を得たこと、選手からの要望が届いたことなどから、続投を決意したとのこと。
今回は最終予選がピークで、その後は失速してしまいましたけど、これは相手チームから研究されてしまったから…というのが大きいですよね。これからの4年間は、それでも勝てるような、「本当に強いチーム」を作り上げてほしいです。

12月17日
マラソンの野口みずき選手が、20日から奄美大島で合宿に入るそうです。年末にはいったん離れ、紅白歌合戦にゲスト出演しますが、その後また合宿地に戻るとか。ようやく始動するという感じですねー。次のレースは来秋とのことですが、やっぱり最初は海外の試合になるのかな。本当は、世界陸上で見たかったんですけどね。
薬物疑惑で、シドニー五輪の金メダル剥奪の危機にさらされている、陸上のマリオン・ジョーンズ選手ですが…。現在は、「禁止薬物を使用しているのを見た」と言っている人物に、損害賠償を求める訴訟を起こした…という状況のようです。ジョーンズ選手の弁護士は、「うそ発見器にかけろ」と求めているのですが、それで真実がわかるものなんでしょうか?
それにしても、えらくゴタゴタしてますけど、調査ってどのくらいまで進んでるんでしょうねー。いちおう、ジョーンズ選手から薬物反応が出たことはないんですけど、最近は、やろうと思えばいろんなやり方がある…とわかってきたし…。本当に、真実はどっちなんでしょうね。

12月16日
柔道の鈴木桂治選手が、14日に左ひじの手術を受けていたことがわかりました。11月中旬から左ひじに激痛が走るようになり、原因となってた遊離軟骨を除去したとか。以前から違和感があったというから、以前からこういう状態になってたのが、今になって痛みが出てきたんでしょうね。でも、これが五輪前じゃなくて良かったです。
復帰戦は、4月の全日本体重別になる見込みです。ここまでに回復して、スッキリ勝って世界選手権に行ってほしいですね。

12月15日
陸上の室伏広治選手と柔道の谷亮子選手が、日本オリンピック委員会と「シンボルアスリート」の契約を結ぶことになりました。この2人は最初は辞退すると思われてて、特に谷選手のほうは難航していたはずですけど、急転直下、契約締結となったようです。
ここまで契約を結んだ選手は10人で、契約期間は夏の競技が1年、冬の競技が1年半(トリノ五輪含む)となるそうです。これから彼らの姿が、ブラウン管でよく見られるようになるんでしょうか?
とにかく、この事業でJOCの懐が豊かになればいいんですねー。資金不足では満足に強化できませんから。

12月14日
五輪の女子レスリングで金を獲得した吉田沙保里選手が、来春の大学卒業後にが綜合警備保障へ入社することが決まりました。これを聞いて、「この会社って女子レスリング部なんてあったっけ?」と思ったんですが、やはり、これまではなかったようです。吉田選手の入社を機に、本格的に女子部を立ち上げるのか、それとも彼女1人の部になるんでしょうか? 吉田選手自身はこれまでどおり、中京女大の栄監督に指導を受ける…ということなので、環境には変わりないでしょう。いい条件のもとで、ますます力をつけてってほしいです。

12月12日
全日本実業団対抗女子駅伝は、三井住友海上が2年連続四度目の優勝を果たしました。ただ、終盤に独走となった昨年とは違って、今回は最終区に見せ場がありましたねー。ひとつ前の5区で、京セラの原選手が三井住友海上の土佐選手を急追。アンカーの京セラ・小川選手は、一時、三井住友海上・大山選手に並びかけましたが、そこで力が尽きたのか、その後はズルズルと後退し、結局は三井住友海上が下馬評どおりの勝利を収めました。
三井住友海上は、やっぱ層が厚いですよね。エースの土佐選手がうしろに詰められても、ほかの選手がその分走ってくれるんですから…。京セラもあと一歩だったんですが、5区までにつけられた差が大きすぎました。
別に京セラを応援してるわけじゃないのですが、正直、1チームだけ強いよりは、競ってくれたほうがおもしろいですから。独走のレースはつまんないです。
福岡国際女子柔道の最終日、日本勢はこの日行われた4階級のうち、三つを制しました。
48kg級は福見友子選手が、決勝で北田佳世選手をを破って初優勝を果たしました。福見選手は、2年前に田村亮子選手に勝って、一躍注目を集めた若手の有望株。当時は「高校生が田村に勝った!」みたいな感じでした(ただ、そのときの田村選手はケガで最悪の状態だったんですけど)。一方の北田選手は、世界トップクラスの実力を持ちながら、田村選手と同じ階級ゆえに、世界選手権や五輪には縁のなかった選手です。
つまり、「ポスト田村はどちら?」という対戦だったわけですが、この戦いで福見選手が勝ったのは、ちょっと意外でした。まだ若い…と思ってたんですが、ここのところかなり力をつけてきたみたいですねー。ただ、北田選手は実力がありながら上に田村選手がいて機会に恵まれず、ようやくチャンス到来?と思いきや、下の選手に抜かれる…という感じで、不運だなーと思ってしまいました。
また、52kg級はアテネ銀の横澤由貴選手が、57kg級は初出場の宇高菜絵選手が勝ちましたが、無差別級の薪谷翠選手は決勝で中国の劉歓縁選手に敗れています。

12月11日
体操のW杯決勝大会は、世界ランキングによる各種目の上位8選手が出場して、そのNo.1を決める…というものです。この第1日、床運動の米田功選手とつり輪の冨田洋之選手が、銀メダルを獲得しました。
日本勢は床が苦手、というイメージが強くて、米田選手もすごく得意とは思ってなかったんですが…。やっぱり、オールラウンダーだけありますねー。ただ、得点は9.550点で、優勝したはヒポリト選手(ブラジル)は9.737点と、かなり開きがあるんですけど。点数から察するに、2位以下は混戦だったんでしょうねー。
逆に冨田選手のほうは、勝ったファンヘルデル選手(オランダ)にわずか0.025差の9.712点と、惜しい銀でした。この種目を得意にしているだけあって、さすがなんですけど、でも、いつもなんか「惜しい!」って感じがするんですよねー。まあ、アテネのときみたいに、メダルをとれないよりはいいですけど…。冨田選手には、一度大きな大会で、この種目の金をとってほしいですねー。
なお、あん馬に出場した鹿島丈博選手は、5位という結果でした。やはり、まだ骨折の影響があるんでしょうか。早く治してもらって、またあの美しい演技を見せてほしいです。
その体操で、かねてからいわれていたとおり、採点方法が大幅に変わるもようです。国際体操連盟の会長によると、2006年から10点満点ではなく、上限なしの採点方式になるとか。
体操の「10点」にはいろいろと思い出もあるし、これがなくなってしまうのはすごく寂しいものがあります。でも、新体操もすでに変わったし、フィギュアも6点満点が姿を消しそうだし、採点競技の方式が変わっていくのは、仕方ないんでしょうねー。
福岡国際女子柔道の第1日、78kg超級は決勝で塚田真希選手が薪谷翠選手に一本勝ちし、優勝を飾りました。塚田選手は、五輪選考会でもライバル薪谷選手を破ってアテネ行きを決め、見事金を獲得したわけですが、五輪後の今回もやはり塚田選手の勝ちとなりました。
ただ、今回は、終了直前まで薪谷選手がリード。ほとんど勝負は決した…と思えたところからの大逆転でした。土壇場での逆転は、塚田選手のアテネ決勝を思い出させますねー。でも、ここのところ薪谷選手は、ずっと塚田選手に負けてたんですけど、これからはまた、いい勝負を見せてくれそうです。
なお、70kg級は渡辺美奈選手が、63kg級は徳久瞳選手が、それぞれ初優勝しています。
マラソンの野口みずき選手は、日本オリンピック委員会と「シンボルアスリート」の契約を結ばないことになりそうです。これまでにも北島康介選手、清水宏保選手らの辞退が報じられていますが、CM出演などによってすでに億の金額を手にしている彼らが、上限2000万円の契約に応じないのは至極当然。でも、野口選手の場合は、まったく違う理由のようです。
藤田監督によると、「契約すればCM撮影などで、競技に支障が出る可能性がある」からだとか。ちょっと過保護のような気もしないでもないけど、15秒や30秒のCM撮影でも時間はけっこうかかるし、練習スケジュールだって変更を強いられますからねー。ただ、裏を返せば「自分で稼がなくても資金はある」ってことですよね。なかなかうらやましい環境かも。
アメリカの陸上女子短距離選手で、昨年の世室内界陸上で200mの金メダルを獲得しているミシェル・コリンズ選手が、ドーピング違反のため8年(!)もの出場停止処分を科されることになりました。コリンズ選手の尿からから薬物反応は出なかったのですが、薬物を提供したとされる会社からの事情聴取などで、スポーツ仲裁裁判所は「クロ」と判定。これを受けて、アメリカの反ドーピング機関が、8年の出場停止処分を発表した…というものです。
通常、違反が発覚した場合、一度目は2年間の出場停止、二度目は永久に出場停止(追放?)となるはずですが、一度目だとしたら8年間とは、またえらく重い処分です。現在33歳のコリンズ選手に、「8年間試合に出るな」というのは、ようは「引退しろ」ということですもんね。
ここんとこ、アメリカの陸上界はドーピング問題で揺れに揺れているし、ここで重い処分を科すことで、歯止めとなることを期待したいんでしょうかねー。ただ、すべて解決したころには、アメリカの層がうんと薄くなりそうです。

12月9日
アテネ五輪の男子マラソンで、一時はトップを独走していながら、乱入者に阻まれてタイムを大きくロスしてしまったブラジル選手のことを、覚えてらっしゃるでしょうか? 私ものニュースで「ああ、そういえば…」と思ったくらい、すっかり記憶から遠ざかっていたのですが、そのデ・リマ選手が、ブラジルの年間最優秀選手に選ばれたそうです。
あれはかなり不運な出来事だっただけに、そのくらいの賞はもらってもいいんではないかと思いますよね。あのとき、たしかに後続との差は詰まってはいたけれど、あそこで妨害されなければもう少し追いつかれるのは遅れたはずで、そうなると終盤のデッドヒートが見られたかもしれないし、メダルの色だって、金は無理でも銀はとれていたかもしれないし…。本人だってあきらめきれないでしょうねー。
なお、授賞式には、デ・リマ選手を最初に助けたという、ギリシャ人のコシバスさんという方も出席したそうです。この方をはじめ、何人かの観客のおかげで被害が最小限にとどめられたのは、良かった…といっていいんでしょうか。
ところで、逮捕されたあの「アイルランド人の元司祭」氏は、いったいどうなったんでしょう。たしか、禁固数か月を言い渡されたはずだから、まだ刑務所の中にはいると思うんですけど。出てきたとしても、当然ながらスポーツ会場には近づかないよう、監視しといてほしいもんです。

12月8日
右足首の骨折で、世界陸上への挑戦が絶望的になりつつある高橋尚子選手ですが、今のところは順調に回復しているようです。7日からはジョギングも始め、年明けからは本格的な練習に取り組む予定だとか。このままいけば、選考会は微妙ですが、海外の春マラソンには間に合うかもしれませんねー。ただ、くれぐれも急ぎすぎて、ケガを悪化させないようにお願いしたいです。
国際陸連が、ドーピングの取り締まりを強化するため、事務局内に反ドーピング部を新設するそうです。薬物関連部門を独立させて、スタッフも増やす…ってことですね。ちなみにここでは、新種薬物の研究、ドーピング検査、違反事例の処理、薬物使用防止の啓蒙活動を行うとか。ここ数年の間に、昔のドーピングが次々に明るみに出てきて、さすがに危機感を募らせたんでしょう。これで多少の抑止はできるでしょうか?

12月7日
シドニー五輪では、金メダル3個を含む計5個のメダルを獲得。陸上界のヒロインとなったマリオン・ジョーンズ選手が、このメダルをすべて失うかもしれない…という事態に直面しています。ジョーンズ選手の元夫が、彼女はドーピングを行っていたと証言。ただ、彼女はこれを否定し、アテネには出場を果たしたのですが、完全な潔白はまだ証明されていません。そしてこのほど、世界反ドーピング機関のパウンド会長が、「彼女の薬物使用が事実なら、すべてのメダルを剥奪し、2年間の資格停止処分を科す」と語った…というわけです。
4年前、彼女はまさしく、シドニーで最も輝いていた陸上選手だったんですけどねー。あのときだれが、この事態を予測しただろう…という感じです。結果がどう出るかわかりませんが、とにかく白黒ははっきりつけてほしいです。

12月6日
卓球の福原愛選手が、来シーズンから中国リーグに参戦することになりました。中国選手になかなか勝てない福原選手には、これはかなりいい経験になりそうです。
ちなみにこのリーグ、12チームで構成されていて、春と秋などに総当たりでリーグ戦を行うとか。まぎれもなく世界最高レベルのリーグなので、ぜひここでなにかを得てほしいですねー。

12月5日
卓球の世界ジュニア選手権、男子ダブルスで岸川聖也/水谷隼組が優勝を果たしました。決勝では中国の馬竜/周斌組に4−0のストレートで勝ったというから、強いですねー。まあ、岸川選手は昨年も村守実選手と組んで優勝してるので、意外な結果ではないんですけど。岸川選手は、すでに日本代表(ジュニアではなく)として、世界選手権にも出場してるんですけど、次はそちらでも結果を出してほしいですね。
また、女子シングルスの福原愛選手は、準決勝で中国の劉詩ブン選手に3−4と逆転負けし、3位となりました。またもや、中国選手に阻まれてしまった…という感じです。スコアを見てみれば、福原選手がとったセットは相手にあまり点を与えていないのに、落としたセットはすべて接戦。最終セットも、10−12という、なんとも惜しい試合となってしまいました。こうなると、精神力の差になるんでしょうか?
結局、男女団体、女子ダブルス、混合ダブルス、男女シングルスの6種目を中国勢が制し、唯一男子ダブルスだけは日本ペアが勝った、ということなんですね。中国、強すぎです。
体操の中日カップ、男子種目別あん馬で、五輪銅メダルの鹿島丈博選手が優勝しました。そのほか、つり輪は冨田洋之選手、ゆかは米田功選手、鉄棒は水鳥寿思選手、跳馬は塚原直也選手、平行棒は中野大輔選手と、アテネ日本代表全員が1種目ずつ制したというのは、ちょっとおもしろい結果でした。やっぱ、自分の得意種目には力が入るんでしょうねー。
また、女子平均台では大島杏子選手が優勝。地元の利はあるでしょうが、日本女子体操にも少しは明るい話題があって良かったかも。
福岡国際マラソンは、尾方剛選手が2時間9分10秒で優勝し、世界陸上代表の座を確保しました。タイム的にはそれほど良くはないのですが、かなりの強風が吹くなかでしたから、これは仕方ないかな。勝負どころで自分からスパートして勝ったんだから、文句なしでしょう。
折り返してから、尾方選手、大崎悟史選手、世界歴代2位の記録を持つコリル選手(ケニア)の3人になったときは、一瞬、また外国勢に持っていかれてしまうのかなーと思ったんですけど…。35kmを過ぎて尾方選手がスパートすると、意外なほどあっさりと勝負が決まってしまいました。大崎選手はスパートに対応できず、最初は尾方選手を追っていたコリル選手も、すぐに後退し、まもなく大崎選手にも抜かれてしまいました。
これで世界陸上代表5人のうち、1人が決まりました。大崎選手も候補に入っていますが、残りのレースを見てみないことには、どうなるかわかんないですね。とりあえずは次の東京を楽しみにすることにします。

12月4日
体操の中日カップ・男子個人総合で、冨田洋之選手が優勝しました。日本勢は、アテネ五輪代表が全員出場。ここで勝った冨田選手が、やはり日本のエースなんでしょうね。得意のつり輪だけでなく、3種目でトップだったというから、実力は飛び抜けてます。今後は苦手の床を克服して、来年の世界選手権ではぜひ個人総合の金を狙ってほしいです。
2位には塚原直也選手が入り、5位までを日本勢が独占。鹿島丈博選手は骨折の影響もあってか、2種目を棄権したため順位なし。こちの回復具合も気にかかりますね。
卓球の世界ジュニア選手権、混合ダブルスで岸川聖也/福原愛組が銅メダルを獲得しました。日本ペアの決勝進出を阻んだのは、やはり中国。フルセットまでもつれ込む接戦だったのですが、最後は苦手の中国選手に屈してしまいました。
ただ、男子ダブルスの岸川/水谷隼組は決勝へ進出。ジュニアランキング1位の岸川選手と、まだ中学生の水谷選手という組み合わせで、日本男子の若手はがんばってます。こちらにも、マスコミがもう少し注目してくれればいいんですけど。

12月2日
ここのところ、ドーピング関連の話題ばかりのような気がするのですが、それでもネタは尽きないようで…。またまた出てきました。が、今回は「新たに発覚」というものではなく、五輪直前の事故?で検査を回避したギリシャの選手についてです。
覚えてらっしゃるでしょうか? 陸上男子200mの優勝候補で、ギリシャの「英雄」とまでいわれたケンデリス選手が、抜き打ちドーピング検査の直前、女子選手とともに宿舎を出て事故を起こし、入院したため五輪出場ができなくなった…ということを。が、「事故があった」とされる場所には、なぜかその形跡が残っておらず、一連の出来事は検査を逃れるための茶番劇だった…というのは、もはや公然の事実になっています。もしそこで検査を受けていれば、違反が発覚したのは確実でしょう。
ただ、五輪が終わってからこの話題を聞くことはなかったので、うやむやで終わってしまうのかなーと思っていたのですが、そういうわけではなかったようで。国際陸連はこの日、2人の選手とコーチをドーピング違反で告発したそうです。なんでも、彼らは16日までにこのことについて説明をしなければならず、その説明が充分でなかった場合は、その時点で暫定的な処分を受けるとか。
今の状況で、彼らの釈明が認められる可能性って、すごく少ないんですよね。ギリシャの英雄も、ここで終わってしまうのかなぁ…。

12月1日
卓球の世界ジュニア選手権の女子団体、日本は決勝で中国に敗れて準優勝となりました。0−3だから、もう完敗ですね。福原愛選手はどうも中国選手と相性が悪く、ランキングでは下の常晨晨選手にもストレート負けを喫してしまいました。ちなみに、中国からはジュニアのトップクラスの選手は出場していないとのこと。壁は厚い…って感じです。
競泳の山田沙知子選手が、練習拠点をアメリカに移すことになりました。山田選手は、世界トップクラスの長距離スイマー。アテネでも800m自由形では優勝候補に挙げられていたのですが、彼女の弱点である「精神力の弱さ」がここでも出てしまい、金メダルを新鋭の柴田選手にさらわれてしまいました。
昨年の世界選手権で惨敗して、いろいろと精神面の強化を図ってきたはずなのに、こういう結果に終わって、これからどうするんだろう?と思っていたのですが…。どうやら、再出発の決意は固まったようですね。練習場所は、これまでにも短期留学していたところだそうで、適応できるかどうかの問題はなさそう。来年の世界選手権では、今度こそ表彰台に立つ山田選手の姿が見られるでしょうか?

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